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November 14, 2006

歴史は塗り替えられなかったけれど@AFC Youth Championship Final vs 北朝鮮+AY選手評

残念!

まあPKは運に左右される部分も大きいので、さすがに3回も連続では(サウジ戦も神様にウインクされたと思うし)神様が贔屓してくれなかったとことが大きいんだろうけど、何とか勝たせてあげたかった。PKはチームの優劣を決めるモノではないけれど、これまで成し得なかったことを成し遂げられれば、選手達にとっては大きな自信に繋がったと思うし。でも、厳しい試合を経験出来たことで成長したと思うし、可能性も感じられた。日本にとってはイイ大会だったのかな。と言うことで決勝の印象と選手達の大会を通じた総評を。

AFC Youth Championship India2006 Final

Japan 1(1-1/EX 0-0/PK 3-5)1 Korea.DPR @ Salt Lake Stadium,Kolkata
Japan:34'Y.Kashiwagi DPRK:3'Ri.C.M

AFC Official/Match Summary

U-19日本代表スタメン:GK林彰洋(流通経済大)、DF内田篤人(アントラーズ)、福元洋平(トリニータ)、青山隼(グランパス)、堤俊輔(レッズ)、MF田中亜土夢(アルビレックス)、森重真人(トリニータ)[→118'柳澤隼(レイソル)]、柏木陽平(サンフレッチェ)、梅崎司(トリニータ)、FW森島康仁(セレッソ)[→58'ハーフナー・マイク(Fマリノス)]、青木孝太(ジェフ)[→75'伊藤翔(中京大中京高)]

端折られたものしか見れていないので、ゲームに関しては何とも言えない部分があるのであしからず。

初戦と全く違う直線的でシンプル、そして強烈な勢いを内包したプレーをしてきた北朝鮮に対して、序盤は戸惑って不運な失点まで喰らってしまったけど、徐々に耐性が出来て、早々に柏木の個の才能のきらめきでビハインドを跳ね返したのを見たとき、「あ?いけるかな?」と思った僕、反省。北朝鮮の忠実で徹底されたサッカーはそんなに甘いものではなかったし、走力含めた基本的な運動能力、基礎スキルの正確性というのは相手の方が上だったと思う。日本としても、高いレベルでの豊富な試合経験とその中で培った柔軟な判断やアイデアでは確実に相手を上回っていたけれども、こういう強いプレッシャーを掛けられた中でも、個々が自分のプレーを表現し、実効力を示せるようにならないとね。この試合では出せた部分もあったとは思うけど、抑え込まれた印象が強い。そういう意味で、個々の逞しい表現力というのはこの先の課題として残ったゲームと言えるのかな。もちろんPKに勝負が委ねられたと言うこともあって、負けたから劣っていたというのはないけどね。まあこのレベルで満足されても困るし、もっともっと上のステージが待っているわけだから。通過点、通過点。

歴史を塗り替えることは適わず、結果から得れる自信を掴めなかったことは素直に残念なんだけど、最大限貴重な体験が出来たわけだから、この経験を活かすことが大事。特に決勝トーナメントに入ってからの3試合は、どちらに転んでもおかしくないシビアなゲームだったと思うし、そういう差し迫った中で出来たこと、出来なかったことが改めて洗い出されたはず。そういう部分をチームとしても、個人としても、振り返りながらこれからの糧としていって欲しいなと。そういう部分をブラッシュアップした後にもう一度大きな舞台が待っているわけだし。それと、前回書いたようにアジアの厳しさを体感したと思うので、これからJからアジアに出て行くと言う意味で、これをしっかりと忘れないようにして欲しいな。

じゃあ、簡単に選手評を。

林彰洋(流通経済大)→大会通じて柏木と共に最も仕事をした選手と言えるかな。各試合ビッグセーブで失点を凌ぎ、勝負を繋ぎ止めていた部分に置ける貢献度は非常に高い。PKに関しては、決勝ではいい仕事出来なかったけど気にする必要なし。どうでもいいけど、平山に似てる。

内田篤人(アントラーズ)→鹿島のレギュラーとして大きな期待を集めていた選手けど、今大会ではそこまでセンセーショナルな活躍は出来ず。しかし、それでもある程度のクオリティを保ち続けて、コンスタントに存在感を見せていたのはその実力の現れ。可愛らしい風貌からは想像しずらいタフなところも見せていたし、ね。まだまだ成長途上、攻守ともにより質の高い選手になっていって欲しい。

福元洋平(トリニータ)→水際での危機察知の速さや対応力など個の部分では、しっかりと出来ていたし、身体能力に押される部分はあったけれど、破綻するようなことがなかったのはさすがと言ったところ。ただ、DFリーダーとして、このチームの一番の課題である押し込まれた後、押し返せないという部分はWYまでの宿題かな。奪った後の冷静な繋ぎであったり、全体の押し上げだったり、そういう部分をもっとリーダーシップを獲ってオーガナイズして欲しい。こんなもんじゃないでしょ。もっともっと経験積んでいって?

槙野智章(サンフレッチェ)→がむしゃらに相手に食らい付ける粘り強さであったり、高さというのは十分通用していたと思うし、スペシャリストとしてはしっかりとした能力は持っていると思う。ただ、もっとクレバーな対応を求められるときに少々不安を覗かせたり、ビルドアップに関してもリスク回避の意識が高く、それが逆にチャンスに繋げてしまったりと、課題もちらほら。サンフレが現在ビルドアップの質を強調していることもあり、戸田や森崎和幸と言った本職ではない選手をバックラインに使っている現状もあるけど、彼らの良さ(ボールの動かし方やクレバーな守り)を吸収していければ面白いかな。

堤俊輔(レッズ)→本職ではないと言うこともあって、少々厳しい部分もあったか。右上がりのチームに置いてバランス的には3番目のCDFとして機能してくれたらと思ったけど、何となくあやふやな部分があって、ちょっと評価しずらい。チームでも余り出る機会が少なそうだし、レンタルで試合出場経験を積むのも視野に入れて欲しいところ。

青山隼(グランパス)→決勝のセンターバックもそれなりにそつなくこなしたのはバランスの良さならではかな。バランスを取りながらチームの秩序を担う存在として、地味ながらよく仕事をしていたと思う。危機察知の速さに優れていて、判断も悪い選手じゃない。これからは対人に置いてよりボールを刈れる強さであったり、グループとして守るポジショニング感覚を磨いて欲しいかな。献身的な姿勢が柏木を活かした。

森重真人(トリニータ)→タジキスタン戦の強烈なミドルシュートは素晴らしかったねぇ。Jでは何度か見た程度であんまり印象としてはなかったのだけど(センターバックとして出てたような出てなかったような……)、タフに戦えて、攻撃にも意識を裂けるという部分で、バランスの良い選手なのかな。本職としてはボランチと言うことで、トリニータには素晴らしいブラジリアンがいるので、そこから沢山吸収して欲しいね。

柏木陽介(サンフレッチェ)→残念ながらMVPは北朝鮮の選手に持って行かれてしまったけど、日本に置いては最もインパクトのある活躍を見せた選手であることは間違いないところ。するするっと抜けるドリブルであったり、タイミングを逃さないパスセンスという実効的な要素に加え、運動量豊富に体力的に厳しいときでもチームのために頑張れる姿勢を持った選手として、チームの心臓となっていた。Jでもペトロヴィッチ態勢でスタメンを確保し、経験値を積み上げているし、伸び盛り。この手応えを確信に変えてどんどん上に登っていって欲しい。

田中亜土夢(アルビレックス)→(Fマリノス戦で縦横無尽にやられたこともあって)スペースを突く鋭い感覚を持っている選手として期待していたけど、サイドだと少し活きにくいのかな。ただ、しっかりと走れる選手としてそつなく右サイドのポジションをこなしていたし、時折見せる鋭いフリーランニングはやはり魅力。これからアルビでもより存在感は高まってきそうだし、名前以上にプレーでインパクトを与えていける選手になっていきそう。まだまだこれから。

山本真希(エスパルス)→シビアなゲームでは敬遠されるのは、テクニシャンの常。ただ、技術的に優れたものを持っているのは間違いない。以前見たときより、どうもアグレッシブさが減っているような感を受けたのだけど、落ち着かずにオン・ザ・ボールとオフ・ザ・ボールのバランスを良く、よりゴールに直結するプレーを増やしたら、もっと怖さが増すんじゃないかと。既に藤本、兵働、枝村がポジションを確立した感のあるエスパではなかなかチャンスはないかも知れないけど、もっと出来るはず。来期はもっと。

梅崎司(トリニータ)→インドの地でA代表デビューを飾って、大きくクローズアップされた訳だけど、その期待に充分応えるものだったと思う。やはり彼の局面打開力は希有。結構厳しい警戒をしかれていたと思うのだけどそれでも実効性は示したし、こういう大舞台でも全くと言っていいほど積極性が落ちない。A代表に行った後の彼のコメントが頭に残っているのだけど、しっかりとそういうものを自らのプレーで表現してるのは素晴らしいと思った。これからJでもより強い警戒を敷かれて、壁にぶつかることもありそうだけど(それが常だからね、アタッカーの)、その時でも積極性を失わずに、向かっていって欲しいね、逃げていたら価値は薄れる。ふと思ったんだけど、映画の電車男やった人に似てる(名前でてこねぇ)

森島康仁(セレッソ)→デカモリシが活躍したせいで、マイクの出番が……。まあそれはいいとして、マイクよりも重用されたのは動き出しの質であったり、機動性能という部分だったのかな。個人的には前線からの守備であったり、コンタクトを伴うポストプレーなど、こういうチームプレーをこなしながらもゴール前でも脅威となっていたことを評価してあげたい。ポストプレーヤーとして特化していくと、どうしても後ろに意識が引っ張られ、ゴールへの意識が薄れていく選手が多いけど(注釈1に続く)、彼は元々ベクトル的に前にある選手なのかなと言う感じ。高校の時は相手を引きずってゴールを決めてたのを見たことあるけど、ヴィエリみたいになってほしいね。笑顔カワイイ。

河原和寿(アルビレックス)→えなり。機動力を活かした幅広い動きで衛星役としてとても良く機能していた(決勝で青木を使ったのは失敗だったかな、実力と言うよりタイプの問題で)チームが厳しい中で彼の機動力が助けていた部分も大きいと思う。彼が落ちてくると、チームも落ちる感があったし。瞬発型のアタッカーという感じだったけど、思い切りもあるし、その中で貴重なゴール2つを獲ったのは素晴らしい。特にオープニングゴールとなったシュートは綺麗だったね。特徴ないなんて書いてすまんかった。

青木孝太(ジェフ)→決勝では残念だったけど、今大会のラッキーボーイは間違いなく彼。最初見たときはちょっとプロに入ってキレが落ちたんでは?と思ったけど、いやいや、要所ではやっぱりクオリティを見せたね。とにかく冷静で常にフィニッシュに繋げるイメージというのを膨らませてプレーしていたと思うし、そういうプレーが勝負所で活きたと思う。サウジ戦の決勝弾のシュートに繋ぐ動きは秀逸。アマル氏にもアピールになってるはずだし、これからJで出場機会を増やして欲しい(これはFW全般的に言えるかな。みんなプレータイムが少ない。本来であればトップは使いやすいポジションなんだから、どんどんアピールして、プレータイム増やして欲しい。デカモリシにも、えなりにも、マイクにも言えること)

ハーフナー・マイク(Fマリノス)→俺たちのマイクはカレーに負けた。コンディション戻りきらずキレなくて、もっさり。で、課題も見えた。ポストワーカーとしてポジショニング、動き出し、身体の使い方、判断・予測能力、こういうものを全般的に磨いていかないと、放り込み用の電柱の域を脱せない。身体能力的にははそんなに伸びないのだから、より質の高い動きや判断力を伸ばして確実に収まるポストとなって欲しい。意識的にもクロスに対して背の高さを自認してか、ファーから入っていくプレーが多いけど、中央付近でマーカーよりも内側に入ってどーん!と言う意識になっていくと、プレー全般の質も変わってくるのかな。足元は柔らかいし、あの高さは可能性。マイクに関しては長い目で見てるから、とにかく着実に。

伊藤翔(中京大中京)→うーん、と言う感じ。マイク同様、ポテンシャルすら見せきれなかったかな。まあどちらかと言えばスペースで活きる選手なんだろうけど、しっかりと消してくる相手に対してはまだまだ色々と問題が出てくるのかな。ただ、ポテンシャルは高いはず。現時点では原石だと思うから磨き方次第だろうね。で、どこ行くの?レッズ?グラ?それともマリ?

後の選手は省略。競争は続く、頑張れ。そしてお疲れさん。

とにもかくにも、準優勝だって素晴らしいわけで。シンジの時ぐらいでしょ?これからの数ヶ月、本番に向けてチームとしての課題に取り組みながら、Jを含めて個々がもっと成長して、ワールドユースに臨んで欲しい(意地でも変えないよ、呼び方。面倒だ)あーそういえば、あいつどーすんだろ、森本。まあそれも楽しみですな。と言うことでここまで。出来たら、今日のU-21の韓国戦もやる予定。代表戦続きすぎ。(てゆうか、A代表のメンバーリストは出来なかったナー)

*注釈1:ポストの意識が高くなればなるほど、ゴールから離れ、ゴールを獲れるポジションを獲りづらくなる。そういう側面があるので、バランスとしては難しい。本来であれば、ペナルティアーク付近で身体を張りながらゴールに直結するプレーをするのがボックスから離れず、しかも実効力の高いポストだと思うのだけど(Jで言えば、ワシントン、ヨンセンがうまい)、縦の出し入れを基盤するチームはより機動性を活かしてボールを引き出して高い位置で起点となることを求めるからね。

*上に絡むけどで、最近気になるのが巻。彼の良さはコンタクトを厭わずに身体を張りながらゴールに突っ込むプレーだと思うのだけど、チームのタスクを強く意識する余り、その良さが薄れてしまっている感じがする。それと全体的にうまくなってきたからか(技術的にね)、何か泥臭さが薄れてきたかな。フリーで簡単にと言うのは悪い事じゃないけど、せっかくコンタクトプレーに強いのだから、安易に逃げずに、アイホケのようにガンガン相手とぶつかり合いながらでも一番ゴールの獲れるポジションに突っ込んでくプレーをして欲しい。そうなったら又獲れるんじゃないかな。個人的に巻は獲れる選手だと思っているから、「チームタスクをこなしている」という所に逃げないで欲しいなぁと。

*AFCのオフィには"Asian Stars of The Future"と冠されて、柏木、デカモリシ、梅崎が褒められてた(他の国の有望選手とも合わせて。ただ、3人褒められてるのは韓国と共に最多)

*今日のゲーム、ホン・ミョンボが監督なんだね。A代表と兼任のピム監督がA代表の方で指揮を執るからだろうけど、日本のベンチにはベルマーレで同僚だった(忘れてたよ)反さんが監督で、コーチに井原さんがいるんだよね。90年代アジア最高峰のディフェンダーが両ベンチにいるなんて、時代を感じるよねー。年喰ったなー、自分も。

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