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November 25, 2006

収穫+課題=意義@日・中・韓 U-21代表交流戦 vs 韓国

すいませーん、遅くなりましたー。と言うことで今週火曜に行われたU-21の日韓戦を。見方によって色々と意見は分かれそうだけど、エクスキューズを抜きにしたら個人的には悪いゲームではなかったかなと。

日・中・韓 サッカーU-21代表交流戦

Japan U-21 1-1 Korea.Rep U-21 @ National Stadium,Tokyo
Japan:74'C.Masuda Korea.Rep:45'+1'Yang.D.H

JFA

U-21日本代表スタメン:GK松井謙弥、DF中村北斗(→61'細貝萌)、青山直晃、千葉和彦、家長昭博(→67'伊野波雅彦)、MF青山敏広、梶山陽平(→84'谷口博之)、水野晃樹、増田誓志(→87'乾貴士)、苔口卓也(→67'カレン・ロバート)、FW平山相太

先週のアウェーゲームを経て、今度はホームでの韓国戦。さすがに冬空の下でのナイトゲームと言うこともあって、スタンドはダークカラーに染められたが、それでもゴル裏は青い。

スタメンの方に目を移すと、前回同様相手への対応を重視する形で4-2-3-1(前回4-2-3-1と言う感じだったのかと言われると何とも言えないけど)を継続。怪我もあって、水本や本田が出場出来ない中で、懸念ポイントであったサイドバックは右中村北斗、左家長という選択。センターバックには伊野波、福元を差し置いて、前回ちんちんにされた千葉が継続して使われたのはどうも解せないが、それは置いておいて、後はホームでの中国戦のメンバーが中心となったが、アウェーで好パフォーマンスを魅せた水野が右のアウトサイドアタッカーとして名を連ねた。韓国の方は前回同様4-2-3-1、アジア大会、Kリーグチャンピオンシップの影響でパク・チュヨン、ペク・チフンなどが招集されていないが、前回ちんちんにされた能力の高いアタッカー以前健在。1トップのヤン・ドンヒョンの下に、キム・スンヨン、イ・グンホ、イ・スンヒョンとスピード、局面打開力を兼ね備えたアタッカーが並ぶ。

試合展開

立ち上がりから左サイドバックに入った家長がどんどん高い位置に上がって流れるようなドリブル突破を仕掛けたりと、積極的な姿勢を持ってゲームに入ると、早いタイミングで人とボールが動く形で流れる様な展開であったり、韓国のボールサイドに寄る傾向の強い4バックの穴を突くようにピッチを斜めに切り取るようなサイドチェンジで右サイド高い位置に張り出した水野に通したりと、アウトサイドをホットエリアとする形でチャンスを生み出す。しかし、クロスの精度であったり、中の迫力を欠く形で、先制点は奪えない。すると、15分過ぎてからは韓国が牙を見せる。千葉の浮き球の処理ミスを突かれた事をきっかけに、攻撃のリズムが出始めて、アタッカーの能力の高さを全面に出すようなシンプルなアタックに怖さを内包し始め、ゲームとしては拮抗する。

日本は水野と家長、韓国はヤン・ドンヒョン、イ・スンヒョンが存在感を示したりと、非常にアグレッシブな攻め合いに。しかし、互いに余り決定機としては多くなく、アウトになったモノの左サイドキム・スンヨンのファーサイド深いところへのクロスをヤン・ドンヒョンが折り返してイ・スンヒョンがゴールネットを揺らしたモノ(クロスがアウト)、ポストを絡めた展開から梶山が左に流れて引きつける形でヒールで落として家長がシュート(ブロック)、水野の距離のあるところからのFK(落ちきらずバー直撃)ぐらいで、スコアレスで折り返すかと思われたが、ここで日本のディフェンスが隙を見せてしまう。左サイド深くで獲られたFKで鋭い形を作り出されると(速く巻いてくるボールをすらす形、松井が顔面でセーブ)、その後のCKは凌ぐモノのこれで生まれたスローイン、青山直がヤン・ドンヒョンに対して少しルーズなマーキング、これによりヤンにボックス手前で収められると、人数は揃っていたモノの突破されてしまい、そのまま角度はないながらも強烈な低いシュートでねじ込まれて、先制を許してしまう。結局これがラストプレーとなる形で前半は0-1で折り返す。
*これがこのチームの現状に置けるマンマーキングの徹底度を示すものかも知れない。青山直は能力的にも高く優秀な選手だけど、意識が徹底されていないから、距離を空けられ、収めさせて、前を向かれ、突破に掛かれる余裕を与えてしまった。マンマーキングであれば、あそこに入れさせてしまってはダメだし、少なくともタイトに身体を付けて前を向かせないぐらいのプレッシャーを掛けないと。A代表と同じコンセプトをある程度共有しているだろうということを元に考えれば、阿部や今野ぐらい徹底した意識をして欲しいな。授業料を払ったと思って精進してもらいたい。

後半に入ると、韓国がより圧力を強めて前に出てきて、日本は立ち上がり劣勢に。相変わらず個々の能力の高さを感じさせる局面打開力であったり、キム・スンヨンのセットプレーも脅威を保ち、日本としては何とか凌ぎながらも、カウンターを伺いたかったが戻りも早く、効力を発揮していた水野や家長を核にしたサイドアタックも枚数を裂いて対応されはじめたこともあって、前半ほどの実効力を保てない。そんな中で、右サイドで慎重な姿勢を持ちながらも精力的な上下動から、オーバーラップや鋭いカバーリングを見せていた中村北斗が相手選手との接触で膝を負傷し、細貝と交代する。
*この怪我で中村北斗は治癒までに半年かかるという重傷を負ってしまった。これはエクスキューズ云々と言うよりアクシデントだと思うけど(接触プレーだし)不運としか言いようがないけれど、当事者の人たちにとってはたまらないことでしょう。鶴。

ペースこそ握り替えしたモノの、現実的にゲームを進めてくる韓国に対して、なかなか攻め手を見いだせない日本は、家長に代えて伊野波、苔口に代えてカレンを投入。伊野波はそのまま左サイドバック、カレンがトップに入る形。はっきりとした2トップにして、前線の圧力を増やす。最初は???と言う感じもあったが、これが嵌る。サイドアタックに置いて、中はこれまで平山頼みだった所にカレンが入ったことで、注意を分散。直後に水野のクロスに平山がフリーで合わせたことを見ても効果が見て取れた。そして、再び活力を取り戻した中で、この試合再三作り出した右サイド水野によるチャンスメイクがようやく実る。

青山から素晴らしいフィードを水野が右サイドライン際で胸で収めると、韓国ディフェンスが二人寄ってくるが、二人を相手にしながら縦に局面打開、タイミングをずらすようなドリブルで深い位置まで持っていき、抜ききらないままクロスを上げきると、高いクロスは平山の裏に入ってきた増田にどんぴしゃり。増田はヘッドでこれを沈めて、日本がビハインドをはね返す。

右サイドの攻撃はこのゴールで再活性化。梶山の展開にアウトサイドに掛かるような鋭いクロスであったり(これは増田が入ってきたが合わず)、萌の楔に平山がダイレクトで右サイドに裁いてワンツーのような形で平山にリターン(平山のシュートはブロック)するなど、水野のプレーは幅が出てきて、日本の攻撃を牽引。押せ押せの状況の中で時計が進み、残り時間が少なくなると梶山に代えて谷口、そして増田に代えて"俺たちの"乾が投入。この二人も少ない時間ながら多少持ち味を発揮したが、この後ゲームが動くことはなく、1-1でゲームは終了。韓国とのホーム&アウェーの2連戦は2つのドローで終わることになった。

収穫あり、課題あり、と言う感じかな。個の特徴を活かす形によるサイドアタックが具現化したことはこれから先を考えてもポジティブだと思うし、ディフェンス面に関しては国際舞台を戦う上ではやっていかなければならないことがはっきりと見えた部分があった。時期を考えれば、選手の見極めと共に手応えと課題がリストアップされていくことによって、チームが研磨していく上での糧となれば、決して意義のないモノではないと感じれたかなと。

又なんですけど、気になった部分を2つほど。今回は監督にやって欲しい事みたいな感じかな。気が向いたら、ピックアップしてやるつもりなので(未定だけど)

・そこかしこに感じる個々のポテンシャル、その才能の使い道
*大活躍だった水野はもちろん、各選手それぞれに可能性を感じるし、プレーの端々に才能を感じる部分が見て取れた。例えば梶山の巧みな腕の使ったキープ、家長のスラロームのようなドリブル、青山敏の危機察知能力、谷口の得点感覚、平山の高さ、そして才能の固まりのような乾貴士。まだ若いから一試合一試合、いや試合の中でも波があることであったりするだろうけど、こういう選手を束ねてチームにしていくにあたって、どのような才能をチームのために使い、どのような才能を強調していくのか、こういう部分をはっきりしていった方がいいのかなぁと。まあ誰のこれ!と狭いスポットではなくてもいいから、ね。要は寄りはっきりした方向性が欲しい。試合によって色が変わりすぎる。

・オシムメソッドの本質を捉えて
*相手の出方によって、それに対応するような布陣にしてもそうなんだけど、やはりオシムメソッドの香りは感じる。ただ、それが上っ面を舐めているような間も否めない。まあ以前書いた通り、この世代の選手達の特徴であったり、育成年代という側面から見ても、オシムメソッドのまるっきりのコピーは必要ないと思うけれど、この試合で感じたのは中途半端な要素。特にマンマーキングの徹底度と攻守の切り替え。この辺が徹底されていないかなーと。強調すべき事は強調しないといけないし、意図を監督自身が履き違えないようにしないと。基本的に、オシムメソッドに置ける実効力は、メソッド自体が持つ効果と言うより、それを表現する選手達に掛かる部分が大きいと思うので(まあどの戦術もそうと言ったらそうだけど)、指導する側がいかにメソッドを咀嚼し、伝えていくかという部分により大きな重要性があるのかなと。

ま、今は立ち上げて間もないと言うことで、一つ一つの要素ではっきりさせながら研磨していくこと。まあ4試合目で今は素地を整えている状態だろうから、余り多くを求めるのは酷だと思うけど、監督自身が何かしらの芯を持ってチーム作りをしていくことが必要だと思う。じゃないと、色々なことに影響を受けて、中途半端になっちゃう気がするんで。優秀な教科書を反町監督の明晰な頭脳でうまく消化しながら、チームにいる個の特徴を合わせて反映させて欲しいなと。前回書いた通り、残された時間はそこまで長くない(そこがA代表と違うところ、A代表の方もまだまだこれからという中で、勝負はもうすぐそこまで迫っている。=ある程度の完成形を問われる訳で、反さんには思った以上に難しいタスクが科されていると思う)

で、今回は選手評はなし。その代わり、このチームの軸となりそうな可能性を感じさせてくれた青山敏広について。

・青山敏広という理由 -存在感高まる反町ジャパンのバッサ・トレーナー-

中盤セントラル。このポジションは、この世代の中でも才能が集中する激戦区。今シーズン急成長を遂げ、リーグでもポジションを確保する選手が多く、それぞれが非常に魅力的な特徴を備えている。梶山陽平、谷口博之、枝村匠馬、上田康太、伊野波雅彦………。

そんな中で正直、彼に対しては不勉強なせいもあるけれど、淡い印象しか持っていなかった。もちろん、彼も又意欲的なサッカーでサンフレッチェを見事に低迷から脱させたミハイロ・ペトロビッチの元で、スタメンを掴み、しかも1アンカーという重要な責を担っていることは分かっていたけど、余りにセンセーショナルな活躍をしているライバル達に目を奪われていたからかも知れない(まあ彼が上げた得点には素晴らしいシュートが多い印象もあるんだけどね、ミドルとか)

でも、センセーショナルな活躍を見せる選手達を尻目に、いち早くその立場を確立しつつあるのがその彼、青山敏広。「なんで谷口使わないの?」とか「枝村イイよー?」思う人は少なくないはず(僕も不勉強なこともあって、その一人だった)でも、続けてみるうちに彼の良さがじわじわ伝わってきた。そして、反町監督が彼を使う理由が分かった気がする。

端的な書き方だけど、本当に彼は気が利く、鼻が利く。的確なフォローアクションでボールホルダーに対して逃げ場的な選択肢を作り、危機察知能力を活かした守備アクションで未然に危ないところを埋めたり、潰したりしている。もちろん機を見て上がったり、時折とんでもないミドルを打ったりもするんだけど、基本は目立たないけどこういう仕事を良くしてくれて、チームを支えてくれているのかなと。プレー姿勢に犠牲精神的を感じ、それがチームのためになっている、そして周囲を活かしている。これが僕の青山評。
*技術的にも安定しているかな。ミスが少ない。

クラブでもこういう仕事をしていると思うし、その経験則が彼の危機察知の質を高めているんじゃないかなと。戦術眼とも言えるのだろうけど、こういう要素に長けているのは、経験あるベテランの選手に多いのだけど、若い彼はこういう経験をクラブで積み上げている。だからこそ、代表チームでもやれているんじゃないかな。

個性溢れる特徴・才覚を持つ選手達が多い中で、周囲を活かしながら、チームを支える青山敏広は目立たないかも知れない。でも、彼がこのチームで最もオシムメソッドを表現する選手になっていくのかも知れない。彼も又、とても楽しみだ。

と言うことで、こんな感じかな。まあ色々エクスキューズ的な要素に不運な事態が起こってしまったりと、後味は良くないけれど、個人的には意義のあるゲームになったと思う。後はこの意義をどう活かすか。無理にでもやったわけだから、活かして欲しいなと。と言うことでここまで。

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