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October 21, 2006

Refined defense organization>Spectacle attack@06-07 UCL GroupLeague MatchDay3 Chelsea vs Barcelona

UCL今節最大のビッグゲーム、チェルスキ-バルサをさらっと。それにしても、ドログバすげーな。こないだのリバポの時もスーペルだったけど、こういうゴールを獲れちゃうんだもんなー。

06-07 UEFA ChampionsLeague GroupStage MatchDay3
Group A/Chelsea 1-0 Barcelona @ Stamford Bridge
Chelsea:47'D.Drogba

チェルシースタメン:GKイラリオ、DFブーラルーズ、リカルド・カルバーリョ、ジョン・テリー、アシュリー・コール、MFエシアン、マケレレ、バラック、ランパード、FWドログバ(→90'+2'サロモン・カルー)、シェフチェンコ(→77'ロッベン)

バルサスタメン:GKヴィクトール・バルデス、DFザンブロッタ、プジョル(→74'オレゲール)、マルケス、ファン・ブロンクホルスト(→57'イニエスタ)、MFエジミウソン、シャビ、デコ、FWメッシ、グジョンセン(→60'ジュリ)、ロナウジーニョ

3シーズン連続のマッチアップ、グループリーグ最高のビッグカードと言うことで非常に注目が集まったゲームだったのだけど、今までの4戦とは又毛色の違うゲームになりましたな。もちろん、エクスキューズ的に様々な要素が絡んでくるから(メンバー構成、システム、コンディションとかね)、同じ相手とはいえ変わるのは不思議ではないけれど、同じ監督が大体同じようなコンセプトを持って戦いながら、こうなるのは凄い興味深い。

このゲームではスタメンだけでも注目すべき点がいっぱい。チェルスキの方は、直前のゲームでツェフ、クディチーニが不運な怪我を負って1st、2ndのゴールキーパーを失ったことで、3rdキーパーのイラリオがゴールマウスに立つこと、まだまだプレミアシップの色に馴染めず、チームにも馴染めている感じがしないシェバがこのゲームでどのようなプレーをするのか、今シーズンから新しく始めたセントラル的なオールラウンドプレーヤーを中盤に揃えた4-4-2がバルサ相手にどうなるのか、バルサの方はエトーの怪我でおはちが回ってきているグジョンセンの凱旋試合でのパフォーマンス(聡明な頭脳を持つ選手だから、古巣相手に弱点的な要素を突くのかとか)だったり、コンディション的にはまだまだという中で直前の試合でゴールを決めてようやく上昇気配の見えたエースロナウジーニョのパフォーマンス、前回の対戦でゲームを動かしたメッシに対してのスタジアムの向かえ方等々……色々あるよね。

そんな周辺事情の中でピッチで出た答えというのは、チェルスキの統制の取れた守備組織がエレガントなバルサを飲み込み、そしてチェルスキが誇るスーパープレーヤーが勝負を決めると言う形。ゲームの綾としては、テクニックに優れた選手達を揃え、実効的かつ美しい形を生み出すバルサの攻撃をチェルスキの洗練されたゾーンディフェンスが封じ、逆に切り替えの速さを活かしたチェルスキのカウンターにバルサのディフェンスが対応しきれなかった、というところにあったのかなと。分けていきます。

・バルサの攻撃に対してのチェルスキが獲った対応策について

バルサの攻撃構築は言うまでもなく非常に質が高く、この日も相手が隙を見せれば個々のイマジネーションとそれを具現化出来るだけのスキルの高さでその隙を抜け目なく突くことが出来るのだけど(前半にも数回、ロナウジーニョが中にポジションを移したところを起点に速く細かいダイレクトパスにダイナミズムを付随させることで崩しきったシーンがあったね。最後は偶然にもアシュリー・コールの所をザンブロッタ、メッシ、シャビが突いた)、その隙がなければその隙を作る工夫が必要になる。そこでチェルスキとしては、まずしっかりと4-4のゾーンを維持して自ら崩れず、隙を見せないと言うやり方をすることでバルサにその工夫を強いた。バルサとしては、工夫を絡めて局面を崩すと言うことになると、やっぱり頼りとなるのはロナウジーニョであったり、メッシということになるのだけど、そこをDFと中盤の収縮によるパッキングで、自由と時間を与えない。こういう事をチェルスキが90分間やり続けていたのかなと。

もちろん彼らはスーパーで、周囲の選手も素晴らしい選手、チームとしても質の高いことが出来るから、どこかで自由にしてしまったり、打開されてしまうシーンを完全になくすことは出来ないけれど、チェルスキのディフェンスがバルサの攻撃による危険性を一つ一つ削いでいく作業を丁寧にやっていたこと。これが、この4戦で一度もなかった「完封」という結果に繋がったといえるのかも知れませんね。

*もちろん、バルサが最高のモチベーション(これまでと違ってグループリーグだしね)、整ったメンバー構成、トップコンディションではなかったと言うのも影響したのは、言うまでもないかな。特にエトーの不在は大きいよね。彼の機動力

*チェルスキの守備組織に関して、本当に質が高かったんでメモ。特に感服したのがカウンター時の対応。ボールホルダーにプレッシャーが掛からない中で、統制の取れたディフェンスラインが実効レベルのプレーとして4枚のラインの維持に重きを置きながらディレイ的な対応をし、その中でラインを微妙に動かしたり止めたりすることで、"見えないプレッシャー"を掛けて、選択肢を制限した上で対応すると言う形が見られた。これは、組織としての成熟を感じるプレー。他にも1人目が制限し、2人目(周囲の選手に)で奪わせるという形を意識してやっていることであったり(つっこんできた相手に対してコースに身体を入れてコントロールを失わせ、後ろにいる選手に奪わせたり、リトリートした中で完全に身体を付けてマーキングし、その中で入ってきた楔を切るとかね)、エリアの中で浮き球が出た時にGKの飛び出しに対してゴールカバーに入ったりと、小さいこと、当たり前のことだけど、周辺事情を鑑みた上ですべき事を選手達が過不足なくやっているというのは本当に素晴らしいことだと思う。こういうことが出来るチームだからこそ強いんだなと感じた。この辺にモウリーニョが"勝てる"チームを作れる手腕を持っているというのを改めて感じさせるよね。

・冴え渡ったチェルシーのカウンター、緩慢だったバルサのリスクマネジメント

ある程度バルサの攻撃を抑えた中で、その次の選択肢として考えていたのは言うまでもなくカウンター。今までであれば、ワイドアタッカーが快足を飛ばして、その裏を突く形が目立っていたけど、今シーズンはは本職的なサイドアタッカーを置かない中で(もちろんプレミアシップの中ではロッベンやショーン・ライト・フィリップス、カルーにミケルと言った選手もスタメンで使われているけどね)、オールラウンド的な選手達が個の機動性を活かしてトランジッションで上回ることでカウンターに出ていく事が多かった。これは、志向性の問題でもあると思うのだけど、今まではポジショニング的な要素が重視されていたと思うのだけど、それがより個人の部分にシフトしたのかなというのを受けました(それは2トップのドログバ、シェバにしても)

特にその中で光ったのがエシアン。ダイナミズムの塊のような機動力とパワーがこのカウンター時に一気に発揮され、ボール奪取→カウンターという表裏一体の形を体現していたかなと。あれを対応するには、彼と同じレベルで切り替えて捕まえることをしなきゃいけないわけで、そういうことを出来る選手は世界的に見ても少数。バルサが後手に陥ったのは致し方ない部分だったのかも知れません。

ただ、バルサが少々緩慢だったこともあったかなぁと。攻撃に掛かる人数が多いことはこのチームのストロングポイントを発揮すると言う意味では仕方ない部分なのだけど、その裏にあったリスクマネジメントと言う要素が薄れているのかな。奪われた後の意識の高いフォアチェック、ディフェンスラインのポジショニングとラインの高低など、ゲームによって様々なものがあったのだけど、この試合ではそういうモノが感じられなかった。同じやり方の中でこういうチームの秩序を守る要素に対しては、マンネリ的な要素があって、緩慢になっているのかなぁと言う気がしたり。

もちろん、あくまでもコンセプトで最も重視されるべきは「エレガントな攻撃」であって、その攻撃による実効力や破壊力で勝つチーム。ただ、昨シーズンビッグイヤーを獲れた要因の一つに、高いリスクを支える戦略的リスクマネジメントというのもあったと思う。個人的に昨シーズンバルサの制覇の一番の要因は戦術的柔軟性とも言えるリスクマネジメントの消化が大きな要素だったと思うので、それがテン・カーテの不在でこういう要素が置き去りになっているとしたら……これからのバルサには少し暗雲が掛かるのかなぁと思ったり。

じゃあ後は、気になった部分箇条書き。

・ドログバ

あれはやばい。うまく収めた中で足元入っちゃってた後にうまい具合にヒールで外に出して(これが又フェイントになってマルケスとプジョルの逆を取れちゃう。まあドログバの利き足である左足を切ったのだろうけど)又も振り向きざまミドル。何か神掛かってきた感じだけど、取れていると言うことが落ち着きに繋がっているのかなと言う気もする。しかし、ああいうシュートを決めちゃうのは凄いよなー。

・シェバ

ドログバとは逆に明らかに自信喪失中。決定機逸のシーンのトラップミスとか、カウンター時の動きが被っていることとかは、相当質が落ちてるなーという感じが……。まあチームスタイルに馴染むのに時間が掛かるのは仕方ないと思うけど、信頼してもらえてないという感じがする。チーム全体が彼を意識して、しっかりとした精度のボールをもらう事が彼を活かす術だと思うので、そこがシェバフィットの鍵かなー。それよりもまずは状態を戻すことが先なんだろうけど。

・イラリオ

結構普通にやってたね。ビッグセーブもあったし、安定してたと思う。何かキックがぶれてたのはご愛敬かな?とりあえずよく頑張ったなぁと思った。

・ロナウジーニョ

まだ緩慢だねー、足が止まることも多いし、躍動感を感じない。ブーラルーズの対応にかなり苦慮していて、ポジション崩してフリーとなるポジションを獲ることで少し光ったけど、それでも本来一番輝く1on1で全然引かれないというのはまだ100%じゃないという感じがする。バルサはやっぱりロナウジーニョのチーム、彼の状態が良くならないと……。

・メッシ

ロナウジーニョ不調の中で、前半は局面打開の拠り所となっていたけど、後半チェルスキが意識してからは消されたねー。分かっていても止められない選手の一人だと思うけど、それはあくまでもキレキレで、相手が後手に陥った中で良い状態で受けれる状況がないと、やはりメッシといえど厳しい。ロナウジーニョやデコ、シャビと言った選手がよく働くことで、メッシがより活きてくる形が出来ると良いな(贔屓)それと、やっぱりスタンフォード・ブリッジではブーイングだったね。

・ライカールト采配

ジオ→イニエスタでシステムチェンジしたライカールトの選択はどうなのか?というのは結構な話題になってる様子。個人的には、バレンシア戦でやったアンカー的なポジションにイニエスタを入れて中盤の攻撃構築能力を上げながら、後ろからダイナミズムを加える形を先にやってみてからでも良かったのかなーと言う気がする。3-4-3にすることで目先を変えて、相手を混乱させることを狙ったのだろうけど、チェルスキのやり方を考えたら、正直余り意味がなかったと思うし、逆にリスクが高くなりすぎて、自ら穴を作ってしまった感じを受けた。こういうオプションはまだまだ考えていかなきゃいけないだろうね。

こんな感じかな。まあ個人的には、もっと拮抗した試合が見たかったのが本音。今回の試合ではバルサの状態がまだ完調じゃなくて、チェルスキの完勝だったからね。次のカンプ・ノウではもっとがりがりした試合が見たいね。で、この試合はもちろん、CSKA-ガナの試合もやりたかったのだけど(備考でちょっと書くね)、もう眠いのでおしまい。ユース代表と25日の中国戦のU21代表が発表されたから、そのことも書きたかったのだけど、また月曜日ぐらいにね。ということでここまで。

*で、そのCSKAの話。モスクワの地でアーセナルを葬り去ったわけですが、さすが2シーズン前のUEFAカップチャンピオン、イイチームだった。このチームは油2号店的なチームで、前線に機動力とテクニックを兼ね備えたバグネル・ラブ(愛ちゃん)、抜群のセンスとテクニックでアクセントを付けるダニエウ・カルバーリョ、そして中盤と前線を豊富な運動量で繋ぎダイナミズムまで付随させるドゥドゥというブラジリアン・トライアングルのタレントの強さを前に押し出したカウンターが目に付くのだけど、このチームの強さの基盤は3-4(5)のブロックの強さなのかなーと。基本的に前からプレスに行かず、ある程度低い位置にラインを設定してブロックを形成し、迎撃するディフェンスを獲っているのだけど、非常に良くトレーニングしている感じ。ボールポジションによって収縮したり、カバーに入ることをしっかりとやっているし、とにかく固い。アーセナルはかなりボールを動かしながら、揺さぶろうとしたけど、とにかく穴を作らなかったしね。

*で、このチームが何故にJのチームに参考になるのかというと、3バックに置いてプレス以外の選択肢。現状、Jリーグはプレッシングに関しては非常に質の高いものがあると思うのだけど、「勝つ」チームを作るためにCSKAの様な高質なゾーンをしっかりと形成するやり方も持つべき方向性の一つなんじゃないかなと。ヨーロッパのチームに対して学んでいける要素は、モダンな要素だけではなく、基本的なゾーンブロックの形成であったり、ポジショニングの意識であったりすると思うので、この辺は質向上のために学ぶ姿勢があってもいいかなと(Jでもゾーン志向を持つチームはあるけど、そんなに質が高い訳じゃないと思う)ちなみにCSKAの監督はバレリー・ガザエフ。

*アンチ・スペクタクル的な要素なので余り好まれないけど、スペクタクルだろうと、アンチ・スペクタクルだろうと、欧州のチームはこういう要素をスタンダードとして持っているわけで、こういう引き出しをJのチームも持っていったら質が上がるんじゃないかなーと。てゆうか、オシムたんにゾーンのメソッドを日本にもたらして欲しいんだよね。まあ日本人的なサッカーを追求する意味では該当しない要素ではないのかも知れないけど(体格的な部分では余り適性はないという判断なのかも)こういうトランジッションを意識したサッカーの中で、静と動のメリハリが付いていくと思うから、結構良いと思うんだけどねー。もちろんCSKAを見ても、スタンダードな4-4じゃなくても出来ない訳じゃないし。まあ妄想だけどな。

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