« Balance of essence and skill@日・中・韓 U-21代表交流戦 vs 中国 | Main | 淡々と惨敗@J1 第29節 サンフレッチェ vs Fマリノス »

October 28, 2006

相応しい頂上決戦@J1 第28節 レッズ vs フロンターレ

非常にハイレベルでこのリーグの頂上決戦に相応しいゲームだったと思います。さすがにスルーは出来ないので、めちゃくちゃ激遅ですが。

2006 J.League Division1 第28節

レッズ 2-2 フロンターレ @ 埼玉スタジアム2002「相応しい頂上決戦」
Reds:19'ワシントン 52'ロブソン・ポンテ Frontale:35'pジュニーニョ 50'中村憲剛

Super Soccer

レッズスタメン:GK山岸範宏、DF堀之内聖、田中マルクス闘莉王、ネネ、MF鈴木啓太、平川忠亮(→78'永井雄一郎)三都主アレサンドロ(→54'相馬崇人)、山田暢久、ロブソン・ポンテ、FWワシントン、田中達也(→67'小野伸二)

フロンターレスタメン:GK吉原慎也、DF佐原秀樹、寺田周平、伊藤宏樹、MF谷口博之、中村憲剛、森勇介、マルコン(→80'井川祐輔)、マギヌン、FW我那覇和樹、ジュニーニョ

鮮烈なJ1再デビューを劇的ロスタイム弾でかき消した1戦目、激しすぎる撃ち合いに"何か"の力が働いて望みが絶たれると同時に大きな因縁を生んだ2戦目、首位に立っていた所を地力の差を見せつける形で引きずり下ろした3戦目、スーパーエースが一人で沈めた4戦目、アウェーゴールを盾にしっかりと借りを返した5戦目、どのゲームももの凄い脳裏に残ってる。何故このゲームが名勝負になるのかは分からないけど、基本的にはサッカーが噛み合うからなのかなー。そして今節も最高のシチュエーション、赤く染め上げられた埼玉スタジアム、優勝を直接争う上での重要なゲーム、熱くならない訳がない。

レッズは長谷部と坪井、フロンターレは箕輪を欠く陣容だったが、その穴をしっかりと埋めて、共に大きな戦力ダウンはなし。

前半

序盤から非常に緊張感漂う展開。互いが互いのストロングポイントを見据え、抑えるんだという意識が色濃く出ていた。レッズは中村憲剛に対して非常に厳しくアプローチを掛けて時間を与えないことで鋭い展開を消し、フロンターレは何度も痛い目を見たワシントンに対してタイトに、ディフェンスライン全体で警戒する。ただ、両チームとも手をこまねいているわけではなく、攻撃的な姿勢を常に持ってアグレッシブにゴールを狙う。そういう部分が出る形でどちらにも決定機が生まれる。フロンターレは高い位置でのボール奪取から3人のブラジリアンが絡む形でカウンターを成立させて我那覇のヘッドを引き出し、レッズは田中達也のダイレクトパスを経由する形で闘莉王のダイナミズムを活かしてボックス内でのシュートを引き出す。がっぷりよつの序盤だったが、その均衡を破ったのはこのスーパープレーだった。

闘莉王が斜めの楔を中央に陣取ったワシントンへ、この時点で前を向かせないと佐原が身体を付けに行くが、これを察知していたのかファーストタッチを後ろに流し、反転する形で佐原のアプローチアクションをいなして身体を入れ替え、前を向いてから冷静で繊細なワンタッチ(これが又うまい、ダイレクトでも打てるタイミングだけど、このワンタッチを絡めることでGKのタイミングをズラしながらも微妙だけどシュートのアングルを作った)を絡めて最後は素晴らしいコントロールシュートでフロンターレのゴールをこじ開けた。この一連のプレー、本当にスーペル。技術的な要素(ファーストタッチ、フィニッシュの精度)、感覚的な要素(佐原を背中で感じる感覚、受ける時点で持っていたアイデア)、そして精神的な要素(焦らずゴール出来る確率をより高められる落ち着き)、全てが揃っていた。一つでも抜け落ちていたら決まらなかったかも知れないけれど、それをなんて事ない顔でやりきってしまう。ワシントンという"怪物"を飼っているレッズの強みが出た瞬間で、フロンターレとしてはどうしようもない形だった。

これで一気にレッズペース。個々の技術が光るクオリティの高い攻撃でどんどん押し込み(山田の強烈な無回転ミドル、闘莉王のオーバーラップからのヘディングでの落としによるチャンスメイクと言うチャンスも生み出した)、相変わらず相手のストロングポイントに対しては緩めない。フロンターレとしては、カウンターにもなかなか出れず、サイドからも森が鋭さを見せるモノの、穴を見いだすには至らず苦しい。それでも、フロンターレも培ってきたモノを発揮する形でこの閉塞感を打ち破る。完全にブロックを作られた中でマギヌン→中村→我那覇と縦に細かく出し入れする形で繋ぎ、我那覇のポストワークからのキープにマギヌンが反応しフリーラン、逃さず我那覇が素晴らしいスルーパスを供給する形でレッズの守備を崩しきる。このピンチを凌ごうと飛び出してきた山岸だったが、マギヌンに鼻先でかわされ最後は足を払う形でPK献上。そして、このプレッシャーの掛かるPKをエースジュニーニョが沈めて、同点。この辺はシーズン戦ってきた中で熟成してきた相互理解によるコンビネーションが出たシーンだったかな。マギヌンは収めると言うより飛び出すタイプ、その辺を理解していたからこそのスペースパスだったと思うし、マギヌンもそれに応えてうまくPKを獲った。この辺は去年では見られなかった成長を感じさせる場面だった。

このゴールで又ゲームは一変。今度はフロンターレペースとなり(非常に速いアプローチによる高い位置でのボール奪取からのショートカウンターとかが出来るようになり、その中でマギヌンの直接狙ったCKからのジュニーニョの反応、中村の一瞬の隙を逃さないスルーパスに谷口が飛び出してシュート、そしてジュニーニョセカンドボール拾ってシュートとチャンスも作る)、この流れのまま前半終了。どちらも非常に緊張感を保って厳しいプレーをし続け、それでも打ち破るクオリティを発揮しと、非常に中身の詰まった攻防だった。

後半

前半の流れを継続する形でフロンターレペースでスタート。厳しいプレッシャーの中でジュニーニョが自ら前を向き、我那覇が厳しい状況でもボールを収め、マギヌンがスペースを飛び出して、攻撃に繋げていくのに対し、レッズはなかなか前戦に攻撃が繋がらない。その中でこの日キレを見せてマッチアップの優位性を保っていた森の局面打開が活きる形で再びレッズディフェンスを崩しきる。ポストを絡めて右サイドに展開すると、森とアレックスの1vs1。森は右サイドにボールを運び、中に身体を向けて左足匂わせておいてキックフェイクで縦を突破、森は中を見据えた上でニアに飛び込んだ中村憲剛の動きを捉えてショートクロス、中村憲剛は柔らかいクロスをばっちりのタイミングでヘディング!これが山岸を破って、逆転ゴール。山田暢久が中村憲剛を見切れず離してしまったことが隙となってしまった結果だけど、森の突破による局面打開からの冷静なクロス、そして中村憲剛のダイナミズムからのヘディング、素晴らしい形だった。先制点、2点目共に、J最高峰の堅陣を誇るレッズがある程度ブロックを組んだ中で、崩せるだけのクオリティを見せたというのは素晴らしい。

しかし、レッズは力を見せる。クリアボールを拾った山田が突っかける形でフロンターレディフェンスのバランスを崩し、その中で隙を見いだしたポンテに抜群のタイミングのスルーパスで完全に崩しきると、吉原が飛び出して対応する一歩手前でポンテが吉原の逆を突く柔らかいワンタッチフィニッシュでゴールに流し込んで、すぐさま同点。これはもう一発芸に近い形。山田の仕掛けからのスルーパス、そしてポンテの反応、もう完全にリンクした形だった。相手が揃っている中でこういう事が出来てしまうクオリティというのは重ね重ね素晴らしい。

これで再びタイに戻ると、流れとしてもフラットな状態になるが、両チームともウイニングポイントを求めてアグレッシブに攻め合う形になることで、ゲームが過熱する。(同点のタイミングでレッズは森にやられていたアレックスに代えて相馬を投入することで、このサイドの主導権を取り戻しに掛かる)

15分過ぎにも関わらず既に中盤がルーズになっていったのはそれだけ激しい攻防をしてきた証拠か。その分、中村憲剛が前を向いて裁く様なシーンが増え、レッズの方は個々にスペースが与えられ、能力が発揮しやすい形になってきて、完全にオープンな形に。互いに水際で凌ぎ合うような展開の中で、レッズは田中達也に代えて小野を投入。プレッシャーが緩くなる中でシンジのアイデアをうまく付随させたい狙いか。積極的に動くレッズベンチに対し、フロンターレベンチは動くそぶりを見せず。

中村憲剛の展開力を活かす形でスペースを突くフロンターレに対し、個々のアクセントプレーをスイッチに崩しに掛かるレッズという展開だが、両チーム共に守備の集中力は依然高く、局面的な対応はシビアで安易なフィニッシュは許さない。それでも中村憲剛の展開パスにマルコンのダイレクトプレーが絡んでマギヌンがゴール前に飛び込む形、山田が独力で切り崩しシュートまで持ち込む形など、攻撃のクオリティも両チームとも兼ね備えており、どちらに転ぶか分からないままゲームは最終局面に入っていく。

その中でついにゴールネットが揺れる。セカンドボールを拾った鈴木啓太が突っかけてながら、ポンテにボールを繋ぐと、ポンテはラインポジショニングを獲っていたワシントンへ柔らかいクロスを供給。ワシントンは完全に相手の裏を取って最後はダイナミズムを付けてゴール前に進出してきたシンジを捉えてヘッドで落とし、シンジはこの落としをダイレクトボレーでゴールに沈めて、3-2!と思われたが、このワシントンのラインポジショニングが微妙に出ていたのか、オフサイド。完全に崩しきる素晴らしい流れだったが、ゴールは取り消し。レッズはこのプレーの後、ラストカードを切る。平川に代えて永井を右サイドに張り、両サイドに槍を備える形か。これに対応する形で、フロンターレも1枚目のカード、井川をマルコンに代えて投入。森を左サイドに、井川が右サイドに入る形。

互いに両サイドが活性化する中で、ここでも拮抗。足が止まる様なことが多くなる中でも、最後まで勝ち点3を求めて厳しい状況の中でも押し上げては厚い攻撃を仕掛けようとするが、(微妙なプレーはあったにしても)やはり守備の集中力は最後まで継続。結局スコアに差が付くことはなく、同点のまま試合が終わった。

非常に拮抗し、質の伴ったゲームは、最後まで明確な差が出ることがなかったからこその引き分け。決して劇的ではないけれど、期待を裏切らない素晴らしいゲームだった。まあ、最後に予定調和的な盛り上がりがあれば、シナリオ的にはしまったのだろうけど、まあこのゲームを反映した結果だったのかなと。

で、ゲームの中身を考えると、今まではふろん太がトランジッションの鋭さを発揮して追いつめながらも、レッズが地力を発揮して巻き返すと言う感じだったと思うのだけど、今回のゲームはリーグを戦う中でスケールアップ、ブラッシュアップしてきたモノを認めながら、よりがっぷり四つに組み合うぴりぴりしたゲームになっていたような感じを受けました。

フロンターレとしては、今シーズントランジッションに加えて、引いた相手でも崩せるだけの攻撃構築能力を培ってきたというのがこのゲームに表れていたのかなと。これは昨シーズンはなかったもの。先制点、2点目、共にブロックを組まれた中で主体的にプレーしてゴールを奪ったことは、今シーズンの成長を示すモノだったのではないでしょうか。もちろん、個人としても中村憲剛、谷口博之、森勇介と言った選手達が素晴らしいプレーをしたし、関塚監督としては結果と悔しい気持ち反面、内容として確実に前に進んでいることをリーグ最強の相手に示せたということで満足な部分もあるのではないでしょうか。

レッズに関しては、これまで同様という感じもあるのだけど、昨シーズンはあれだけやられたカウンターをほぼ抑え込んだ守備組織の充実であったり、相馬や永井と言った層の厚みを感じさせるタレントにはチームの充実を感じているのかなーと。ホームでこの結果というのは、決して満足するモノではないだろうけど、次の日の大逆転ドラマと相まって、優勝に向けても大きな前進をした1節だったわけで、充分なゲームが出来たと言うことが言えるのかなと。

スタジアムの雰囲気含めて、Jでもこういうゲームがあるというのを知って欲しいぐらい、痺れるイイゲームでした。これはやっぱり上位チーム同士のゲームだからこそと言う感じ。正直羨ましい。まあ羨ましがってもだめだろうけど。と言うことで、きょうはここまで。こんなに良いゲームなのにタイミング遅れちゃって申し訳ないっす。

*予想が当たって嬉しい反面、もっと痺れるゲームみたいなーと思ったり。まあ上位いじめのアップセットも面白いけど、やっぱり緊迫感や中身の充実という意味ではこういうゲームも見たい。レッズ負けねーかな。少し面白くしろ。最終節までも縺れてよ。自作自演期待。

|

« Balance of essence and skill@日・中・韓 U-21代表交流戦 vs 中国 | Main | 淡々と惨敗@J1 第29節 サンフレッチェ vs Fマリノス »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/12456431

Listed below are links to weblogs that reference 相応しい頂上決戦@J1 第28節 レッズ vs フロンターレ:

« Balance of essence and skill@日・中・韓 U-21代表交流戦 vs 中国 | Main | 淡々と惨敗@J1 第29節 サンフレッチェ vs Fマリノス »