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October 23, 2006

奇跡的で絶望的な逆転劇@J1 第28節 FC東京 vs ガンバ

はい、堪能させて頂きました。リーグはこれでチェックメイトかなー、上も、下も。

2006 J.League Division1 第28節

FC東京 3-2 ガンバ @ 味の素スタジアム「奇跡的で絶望的な逆転劇」
FCTOKYO:77'今野泰幸 81'鈴木規郎 84'石川直宏
Gamba:11'播戸竜二 24'マグノ・アウベス

Super Soccer

FC東京:GK土肥洋一、DF徳永悠平、伊野波雅彦、茂庭照幸、藤山竜仁、MF今野泰幸"きっかけは~"、梶山陽平(→76'宮沢正史)、石川直宏"ファンタスティックファーストタッチ"、ルーカス、戸田光洋(→64'鈴木規郎"ノリカルは伊達じゃない")、FW平山相太(→54'馬場憂太)

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DFシジクレイ、宮本恒靖(→87'中山悟志)、山口智、MF橋本英朗、明神智和、加地亮"標的"、家長昭博、二川孝広、FW播戸竜二(→72'前田雅文)、マグノ・アウベス

監督交代時には原点回帰的なトランジッションサッカーで監督交代の刺激を感じさせたモノの、その後再び泥沼に引き込まれて下も気になる倉又監督のFC東京、一つのつまづきが後を引く形で勢いがなくなり、更にキーマンをアクシデントで失うという厳しい状態に追い込まれたディフェンディングチャンピオンであるガンバ、どちらもここで何とか負の連鎖を食い止めたいゲーム。

結構な観客が詰めかけたこのゲームのスタメン、FC東京の方は平山とルーカスの併用という形に踏み切る。梶山と今野がボランチでセンターバックのコンビには伊野波と茂庭。少し入れ替わった感じなのかな。対するガンバは前節と同じ3-4-1-2。右サイドには昨年までこの味スタで寵愛を受けてきた加地さん。持つと徹底してブーイングでしたな、標的。

前半

どちらも様子をうかがうような立ち上がり。長いボールを最前線に飛ばし、相手の出方を見るような形だったが、その中でファーストチャンスを作ったのはFC東京。右サイドのCKで梶山がアウトスイングの高いボールをファーに供給、ターゲットとなった平山が高さを活かして頭で合わせゴールの枠に収める。GKが触れないコースに飛んだモノのこれはシジクレイがヘッドでカバー。しかしセカンドボールがCKを蹴った梶山に流れると、エンドライン際を非常にスキルフルなフェイクを織り交ぜたドリブルで突破し、最後はポジションを中にズラしていた平山へ。完全にフリーでゴールに流し込んだが、これは宮本(かな?)がゴールライン上でクリア。先制のチャンスを生かせず。

この猛攻を凌ぐと、ガンバがやり返す。普段よりも選手間の距離が開いているモノの速いパスでボールを動かし、スペースを見据えながらアウトサイドから使うことでペースを握り替えすと、その中で得点源の2トップが仕事をする。右サイドスペースに流れたマグノが対応に来た選手を背負いながら長いボールを収めると、うまく反転して左足でクロス、このボールに対して目測誤ったか伊野波が触れず、しっかりと着弾点を見据えてポジションをズラしていた播戸が冷静に胸で収めてボレーシュート!これがニアサイドに突き刺さって、ガンバが先制。ここのところ先制点を与えて、苦しい状況に追い込まれるゲームが続いていただけにガンバにとっては待望の先制点。まあミス絡みだけど、シンプルな展開が目立っていた中で、二人の関係で取れてしまうところにガンバの2トップのクオリティ、決定力が表れていたかな。伊野波は反省。

早い時間帯の先制点と言うこともあって、ゲームのテンポは変わらず。そんな展開の中で、プレッシャーが掛かる状態でのビルドアップ、攻撃構築という面で差が出てガンバペースでゲームが進み、又もガンバに一発。中盤が激しく奪い合う中で二川が相手がカットしたボールを拾うと、その展開に絡んでいたマグノは一気に裏を狙ってフリーラン、それを見て二川は余り良い状態ではなかったが素早くマグノが走り出した延長線上に浮き球のスペースパスを供給。勢いよく走り込んだマグノがディフェンスよりも一足早く頭で触ってDFラインを振り切りペナに突入。コントロールが外に流れ角度がなくなりながらも、土肥ちゃんの逆を突くような柔らかいフィニッシュでゴールに流し込み、追加点。うーん、見事な二人のコンビネーションなんだけど、DFとしては少し軽かったかなー。止めるタイミングが掴みにくい形だったとは思うけど、察知してコースを塞ぐなり、GKが飛び出すなりという形があれば、もう少しどうにかなったんじゃないかと思ったり思わなかったり。これで2点ビハインド、FC東京は厳しい状況に追い込まれてしまう。

何とかビハインドを返していきたいFC東京だったが、なかなか攻撃がうまく回らず、厳しい状況が続く。ある程度ガンバが守備を意識する形にシフトしたこともあって、攻めに出れてはいるのだけど、スペースが消されていることもあって狙いであるシンプルで速い形はなかなか出せず。繋いで攻撃を構築していく様な形では、楔を受けるべき最前線の平山が宮本を核にしたガンバディフェンスにインターセプトを狙われる形でやりこめられてしまい、細かく繋いでいくにしても周囲の選手の動きが少なくパスを繋いだ先もプレッシャーが掛かっている状態が多く、相手を揺さぶるような形がなかなか生み出せなかった。ガンバとしては少々受けてしまったが、しっかりとした中盤でのプレッシングと水際での対応でしっかりとアドバンテージを守ったと言うことになるのかな。前半は2-0で折り返す。

後半

ビハインドを背負っているFC東京は、後半開始からかなり積極的に前に出るが、なかなかフィニッシュに繋げていくことが出来ず。逆に、FC東京がかなり前に掛かって攻めに出ている事もあって、マグノ、播戸にはかなり大きなスペースが与えられ、その中でしっかりと動き出すことでボールを引き出しては、仕掛けてフィニッシュに繋げていく形がうまく回り、高い実効力を示す。早い時間帯で播戸には2本、マグノに1本強烈なシュートが生まれ、そのカウンターに追随する形で押し上げて厚みのある攻撃にシフトしていく形からもチャンスを次々と作り出したりと、前半終盤に受けに回ってしまった反省が活かされた(が、追加点は奪えず)

ガンバの勢いに押される形で、なかなか攻めに出れなくなってしまったFC東京は、仕事が出来なかった平山に代えて馬場を投入。馬場を2列目、ルーカスを最前線に押し出す。相変わらず、カウンターからマグノ、播戸の脅威にさらされる形は変わらないモノの(数的優位のカウンターも多く、追加点のチャンスも)、馬場が入って中盤での収まり所が増えたことで、後ろから押し上げる時間が出来てサイドアタックに厚みが出てきたり、彼自身のテクニックが変調を生み出して楔が入り出して、縦の出し入れで揺さぶるようなを攻撃の形が出始めたりと、少しずつ止まっていた攻撃のリズムが回り出す。なかなか決定機は作り出せないが、押され気味のだった序盤のリズムは変わったかな。この流れの中でFC東京は戸田に代えて鈴木規郎を投入。

FC東京の攻撃が回り出したモノのシュートチャンスは作れず、ガンバも決定機を決めきれずと、ゲームが少し停滞しはじめると、ガンバは播戸に代えて前田を投入。中盤で回されることを気にしたのか、マグノを1トップに前田を中盤に据える。相変わらずカウンターは実効性を備えていたが、最前線で引き出す選手が一人減ったことでカウンターの手数は少し減り、その分FC東京の攻撃を受けることに。FC東京の方は、30分を過ぎたタイミングで宮沢を梶山に代えて投入。選手が入れ替わる中で残り10数分、ゲームが再び動き出す。

宮沢のファーストプレーとなった右サイド距離があるところからのFK。中に放り込むと、ニアですらしたモノのこれに反応する選手はおらず、大きくクリアされる。しかし、このボールが再びFC東京ボールになると、マグノのフォアチェックをいなす二つの繋ぎを経て藤山へ。藤山は開きながら前線へフィード。シジクレイ、そして藤ヶ谷がしっかりとこれに反応していたが、シジクレイが藤ヶ谷に任せた一瞬の隙をこのフィードに反応して動き出していた今野が突いた!藤ヶ谷の鼻先で足を伸ばしてコントロールして完全に抜け出し、がら空きのゴールに流し込んだ。今野は本当に見事。良いタイミングの飛び出しから相手が迫ってきている中での正確なコントロール。正直視界に飛び出てくる選手が出てきていて、躊躇があれば成立しない形だったと思うのだけど、接触を恐れずにここしかないというポイントに入り込んでのプレーは素晴らしかった。藤山のフィードも相手のミスを引き出すような嫌らしいボールだったしね(角度を付けたことで延長線上にいたルーカスの方にシジクレイが一度引っ張られたことで、このボールに直接対応出来るポジショニングを取れなかった。真っ直ぐ入れてたら「残念、そこはシジクレイ」になってたと思うし)1点差に詰まったことで、スタジアムの雰囲気が変わり、そしてチームの雰囲気も変わり始める。

ガンバは、これで危機感が煽られたか、突き放しを狙って前に出るが、1点返したことで纏った勢いのなせる技か、スーパープレーで一気に試合を中央に押し戻す。左サイド縦パスを受けた馬場が開きながら鈴木規郎へ。馬場は回るアクションを見せて対応に来ていたディフェンスを縦に警戒させる。これによってフリーとなって、開いたゴールへ真っ直ぐ突進、そしてそのまま左足一閃!藤ヶ谷の対応を許さない無回転シュートがファーサイドもの凄いところに突き刺さり、同点に!なんとまぁ。ものすげーシュート、これは触れないし、止められない。これぞノリカル、すげー。馬場のディフェンスを引っ張ったデコイとなる動きも非常に良かった。味スタ熱狂、呆然の西野監督。

これで完全にノリノリのトランス状態になった味スタとFC東京は、立て続けにガンバに襲いかかる。左サイドに開いた今野が起点を作ると、その内側に受けるアクションを見せた鈴木規郎へ、一度は加地がこの突破を凌いだが、このセカンドボールを今野が再びフォローして縦へ。これで鈴木規郎はフリーでエンドライン際に切れ込み、グラウンダーのマイナスなクロスを中に供給。これに反応したのがナオ、近づくアクションを見せながら跳ねながら引くようなトラップで右足シュートを打てるところに流したことでマーカーをはずし、そしてそのトラップを活かす流し込む2タッチでのフィニッシュ!藤ヶ谷も懸命に手を伸ばしたが触れず、ゴールに収まって逆・転・弾!勢いとしか言いようがないけど、ガンバとしてはエアポケットに嵌ったように勢いに飲まれちゃったかな。それにしてもナオのファーストタッチは絶品!フィニッシュを逆算したようなプレー、このアイデアがマーカーの逆を取り、シュートを打てるスペースを作り出した。素晴らしい。ガンバは為す術なし。

たった数分で勝ちが手からすり抜けていったガンバは、宮本に代えて中山悟志を投入し、再び2トップに戻すが、勢いを纏ったFC東京のアプローチに苦しみ、なかなかチャンスを作らせてもらない。ラストプレーでゴール中央からのFKと言うチャンスを得たが、マグノの巻いたシュートは土肥ちゃんに阻まれ、万事休す。3-2、壮絶な逆転劇でFC東京が勝ち点3をもぎ取った。

奇跡的で、絶望的なこの大逆転劇。当事者ではない僕は存分に堪能させて頂きました。きっと当事者の人たちはたまらない(色々な意味で)だろうけど、サッカー好きとしては、こういうのがあるからこそ辞められないと思うし、やみつきになるのかなぁと改めて思いましたよ。麻薬的。本文中に「トランス状態」と書いたけど、これはあくまでもスタジアムにいた人だけが味わえる感覚だろうね。日産スタジアムでも時折あるのだけど、こういうのを味わうと、スタジアムに行くのをやめられなくなるモノ。35000を越える観客の人たちは素晴らしい時に立ち会ったと言えるゲームだったのではないでしょうか(あ、でもガンバの人たちは最悪か、じゃあ30000ぐらいで)

サッカーとして、何故こういう事が起きたのかと言うことを考えると、もちろん様々な要因が重なり合った上でのことなんだろうけど、考えるとこんなことなのかな。

・馬場、鈴木の投入によるリズムの好転。
・播戸が下がった事での脅威の軽減。
・今野の追撃弾でメンタリティ覚醒。
・1点差になったことで激変したスタジアムの雰囲気が選手を更に乗せる。
・ノリノリになると止まらないFC東京のカラー
・ガンバの選手達は冷静な判断が出来ずに雰囲気、勢いに飲まれてしまう。
・加えて守りきるメンタリティの薄いガンバのカラー

結果→ノリカル激弾、トランス状態に突入。そしてナオ弾。最高潮。

ってな感じかなー。端的に表せば、勢いと言うことなんだけど(笑)

実際、スコアに繋がるまでは、予兆としてとても淡いモノだったから、獲れる、いける、と言う手応えには繋がっていなかったはず。そういう淡い予兆に今野の偶発的なゴールが重なったことで、選手達は一気にメンタル面でもプレー面でも覚醒し、サポ達もいけるという雰囲気に包まれ、こういうベクトルが重なり合ったことで、持っているポテンシャルが解放されたのかなーと。これをきっかけに、一気にプレーの確信レベル、実効力が高まったように見えたからね。まあそれだけ今野がもたらした追撃弾の価値が大きかったのかなという気はします。

ガンバとしては、ツネ様のコメントにある通り、「こういう試合をしていては、優勝する資格はない」と言えるゲーム。受けに回ってしまうことが多かったりと、決して「らしい」ゲームとは言えなかったけれど、局面的にクオリティを発揮する形で2点のアドバンテージを奪った訳だから、しっかりと勝ち切らなきゃいけなかった、それこそ相手がトランス状態になろうと。以前書いたけど、リーグ戦に置ける王者の資格というのは、中身がどうであろうと、着実に勝ち点を積み上げられるチーム。そういう意味では、勝ちゲームを落としたというのは、ツネ様の言葉は本質を捉えていると思う。

中身を考えた時、ガンバの一方向的なアタッキングフットボールの負の部分とも言えるのかな。受けに回ると脆い、守りきる術を持たない、だから、リードを守りきれない。逆説的にロマンを感じるチームなのだけど、現実を考えた時に双方向性の勝つ術を持たないチームの帰結としては、正しいモノだったのかも知れない。思い返せば、ACLの初戦とか。こういう試合から学べていなかったと言えるのかも。まあ、考え方の違いなんだろうけど、ね。

と言うことでこの辺かな。予測が当たっていることは嬉しいのだけど、Jのことを思えば縺れて欲しいと言う気持ちもあったので、この結果に対しては複雑。まあ、あくまでも出た結果の上なので仕方ないけどね。FC東京としてはこれで少し息が抜けるかな?まあ下も勝ってるから状況的には変わらないのか。とにかく面白いゲームでした。ナオおめ!ということでここまで。

*予定変えちゃって申し訳ないっす。余りに面白すぎたので。明日はマリのレポやります。

*ここ数年とは流れが違うねー、クラシコ。ベルナベウだから、これが当然なんだろうけど、昨シーズンの虐殺劇を考えると、ちょっと潮目が変わっているのかなーと言う気がする。レアルもヘタフェ戦がとんでもない試合だったみたいだけど、この辺はカペッロに運があるのかも?もちろん運だけじゃなく、しっかり立て直してるけどね。守備が凄いイイ。ライカールトはこれをどう立て直すんだろ。ちょっとバルサ王朝に揺らぎかな?それの方が面白いから、もう少し大人しくしてくれると良いのだけど。

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