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October 16, 2006

神業実らず@J1 第27節 ガンバ vs Fマリノス

功治神業ゴール

粘りのあるディフェンス

哲也確変

お家芸的終盤の失点

こんなゲームでした。結果として引き分けだけど、誰もが分かる通り、対峙する事によってガンバが上位にいる理由、そしてマリが中位を彷徨っている理由が非常に強く出ていたと思う。得点力とか、戦術とか、コンセプトとか、そういう事じゃなくて、基本的な問題。これが変わらない限り、この低迷は打破出来ないんじゃないかなーと思ったり。選手達が頑張ってくれているのは分かっているけど、頑張っているからと勝てるんなら苦労はないし。まあ来期に向けての課題だね。

2006 J.League Division1 第27節

ガンバ 1-1 Fマリノス @ 万博記念球技場「神業実らず」
Gamba:85'マグノ・アウベス F.Marinos:43'山瀬功治

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本哲也"確変"、DF栗原勇蔵"集中"、那須大亮"意地"、中澤佑二、MF河合竜二、上野良治、田中隼磨、ドゥトラ、山瀬功治"神業"(→75'狩野健太"精進")、FW坂田大輔(→66'奥大介)、久保竜彦"雑"

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DFシジクレイ、宮本恒靖(→83'フェルナンジーニョ)、山口智、MF橋本英朗、明神智和(→83'前田雅文)、加地亮"復帰"、家長昭博、FWマグノ・アウベス"あーもう、なんでうちのときばっかり"、播戸竜二(→78'中山悟志)

どちらも連敗中と言う事もあって、何とかこのゲームでこの負の連鎖を断ち切りたいところ。首位争いを繰り広げながら落とし穴に嵌ってしまったガンバにとって、優勝するためにこれ以上の取りこぼしは許されない。Fマリノスの方は監督交代の刺激も虚空に消え、目標を失った中で来期のためにも良いゲームがしたいところ。

その中でのメンバー。ガンバの方はFマリノスが2トップに変えてくるという事を意識してか、久々に3バックに変更。トップ下に二川、左サイドには家長、そして連敗中は足首の怪我で欠場していた加地が強行出場で右サイドに座る。しかし、これまでのハードスケジュールや代表遠征の影響か、キーマンである遠藤が長期離脱の可能性もある肝機能障害を患ってしまって欠場。彼の不在がどのような影響を及ぼすのか気になるところ。対する、Fマリノスは形も実も希望もない攻撃をどうにかしようと2トップに変更。坂田が久保と組む形に。又、膝の状況が悪化していた松田が遠征に帯同せず。那須がその代わりを務める。

前半

有機的にパスが繋がらずなかなか攻撃に出れないFマリノスに対して、周囲の選手が機敏に反応する動きと正確な技術による繋ぎから相手の隙を伺いつつ仕掛けていくガンバ、出だしから両チームの意識の差、完成度の差が如実に出る形でガンバがリズムを握る。遠藤不在の影響かいつものように流動的かつ創造的な攻撃で相手を振り回すような形こそ少ないが、播戸の裏への飛び出し、加地の仕掛けからのクロス、山口の機を見たスペースランニングからのクロス、マグノ・アウベスのサイドへの飛び出し、宮本のフィードからの加地の飛び出しから折り返し、家長と二川の仕掛け+ワンツーによる切り崩し(+このプレーで得たペナすれすれでのFKをマグノが狙う)と、スペースを突く形、細かく繋いで中央を突き崩す形などクオリティを伴う攻撃でFマリノスゴールを襲う。しかし、那須を中心に置いたディフェンスライン、そして非常にアグレッシブな飛び出しでリベロ的な仕事をした哲也が踏ん張って水際で凌いだことで失点を許さず。何とか均衡を保つ形で時計が進む。

Fマリノスとしては何とか失点を凌いでいたが、攻撃に関しては相変わらず。水沼監督の「恐れず積極的に」という言葉を両サイドや佑二が体現したりと意識は感じるが、一つ一つのプレーに対しての意識(雑なプレーの多さ。局面を変えるという工夫のなさ。単純な技術的ミスによるズレ。動き出しのなさ。周囲のボール関与意識の低さ)が低く、個人に局面打開することを強要するような攻撃に終始、前半終盤までフィニッシュどころか得点の匂いのするプレーすら生まれない。

しかし、終盤坂田がようやく良い形で裏を獲ってサイドで起点を作り、久保、山瀬が飛び込む形で可能性のある攻撃が生まれると(坂田はあそこで仕掛けていかないとなー。1vs1の形で相手は後手に陥っていたわけだから)、残り2分の所でファーストシュートとなった山瀬のスーパープレーが飛び出す。左サイドドゥトラのループパスをうまく収めた坂田がキープ、そこに山瀬が反応し坂田に近づくようにボールをもらう動きをすると、そのマークに付いていた橋本をうまく身体を軸にした左足後ろに流すようなターンでいなし、そのターンでゴール方向に流したボールを躊躇なく右足で強烈なシュート!放たれた弾道は一直線に左上隅、藤ヶ谷のセーブを許さず。突き刺さってスーペルゴラッソ!もう言葉はいらないでしょ。正直、こういうプレーがないと現状では点が取れそうにない感じがあるけれど、それでも山瀬が素晴らしい才能を見せてくれた。このゴールでFマリノスが一点リードで、前半を折り返す事に。

後半

先制点の勢いか、積極的に前に出るFマリノスは少し連動感が出て来てパスが繋がるようになったが、その中でミスから危険なシーンを作ってしまう。藤ヶ谷からのロングフィード、那須がクリアしきれずヘディングを後ろに流してしまい、それをカバーするために佑二が背走しながらクリアしようとしたが、そのクリアが手に当たってしまい、予期しない方向にボールがこぼれる。すると、これにいち早く反応したのはマグノ・アウベス。ボックス内完全にフリーの状態の超絶決定機が生まれるが、強く振り切ったシュートは枠を捉える事が出来ず。しかし、このプレーを皮切りにガンバが積極的に出てきて、より攻勢を強める。

その攻勢に晒される中でFマリノスも前半よりも局面に置ける身体の寄せ、厳しい対応で迎撃するが、それでも質を備えるガンバに良い形を作られてしまう。前半から見えていたセットプレーのマーキングの甘さを突かれ、右CKから山口、マグノに立て続けにヘッドであわされたり(枠飛ばず)、右サイドを加地とシジクレイの縦のコンビから局面打開されるとシジクレイがエンドライン際からクロス、折り返されたボールに対してFマリノスディフェンス陣は下がる対応、その逆にゴールから遠ざかるように動いた播戸にフリーでジャンピングボレーで打たれたり(しっかりフィットせず、でも回転が掛かって変化したボールはゴールに向かいバー)、家長の突破で一気にディフェンスラインを割られてフィニッシュに持ち込まれたり、立て続けに今度はコンビから山口に割られてクロスを入れられマグノに打たれたりと、ボックス内での危ういシーンも多く、何時やられてもおかしくなかった。運にも助けられる形で失点こそ避けられたが、ガンバの攻撃にエンジンが掛かって圧力が強くなっていく。

Fマリノスは、一つドゥトラのエンドライン際からのクロスを久保が合わせたシュートシーンを作り出したが、それ以外は良い形は作れず。坂田に代えて奥、山瀬に代えて狩野と、前線をフレッシュにして守備、そしてカウンターでチームを活性化しようする。しかし、イマイチなプレーセレクトを選択したり、雑なプレーでミスをしたりと、追加点でとどめを刺しきれない。それでも集中力高く水際にしても中盤にしても積極的かつ粘り強くディフェンスして、時計を進めていく。時間が少なくなっていく中で、ガンバは播戸に代えて中山悟志、そしてフェルナンジーニョ、前田を宮本、明神に代えて投入。アタッカーを増やす事で、もうなりふり構わないという姿勢。特に中山を入れた事で攻撃パターンにハイボールを使う形を組み入れて、よりバリエーションを増やしてFマリノスの守備を破ろうとする(マグノがヘッドで前に流し、浪速ゴンがファーストタッチでシュートだったりと、良い形を作った)

最終局面に入り、展開がオープンになるが、Fマリノスはカウンターのチャンスを生かせずゲームを終わらせられないでいると、ここまでは隙を見せなかったディフェンスに隙が出てしまう。浅い位置で加地が何とか競ってボールを奪うと、二川からのリターンを受けて加地は前線にロングフィード。前に掛かろうとしていたところでの速い攻撃にFマリノスは守備陣形を整えきれず、その中でフィードの狙いは中山悟志の所、那須が競りに行くが勝てずマグノに流されると、勇蔵との1vs1の局面が出来上がる。完全に後手似させられた中で、勇蔵は何とかコースを消しながら抜かれないような対応で凌ごうとするが、マグノの勢いのある仕掛けからのフィニッシュを止めきれず、マグノの放ったシュートはグラウンダーで勇蔵の股を抜けて枠に収まり、同点弾。哲也はブラインドで完全に動けなかったなー、読んでも動いちゃっても良かったけどね。ただ、このシーンだけは、ラインにギャップが出来てディフェンスの陣形を獲りきれなかった(失い方が余りに安易だったけど、その中でちょっとリスクの高い形になってたかな。ボランチ二人が前に出ている状態で、佑二は同サイドフェルナンジーニョ(かな?)への楔を狙い、那須は中山のマーキング、そして勇蔵が深い位置でのカバーリング。思いっきりギャップが出来てた)その中でこの日決め切れていなかったマグノに彼が一番得意なドリブルからのシュートが出来るシーンを作られちゃったら、やられるのは仕方がない。うん。

この後、白熱した攻め合いになったが、Fマリノスにカウンターのチャンスを雑なプレーで潰し、ガンバも再びバランスを整えたFマリノス守備陣を崩しきれず、このままタイムアップ。どちらも勝てる試合を逃したゲームであり、痛み分けとも言えるゲームだった。

まー、優勝を狙うガンバに対してアウェイでの勝ち点1、現状のチーム状態であれば満足するべきなのかも知れない。でも、勝てたゲームだったねー。内容的には超ジリ貧で早い時間帯に決壊してたら、何発やられてたか分からないぐらいだったけど、山瀬のスーパーゴール、ディフェンス陣の粘り、そして数々のカウンターチャンス、状況的に優位に立っていた中で風は吹いていたと思うんだよね。その風をモノに出来なかった事で、最後にしっぺ返しを喰らったかなと。

まあ勝てていれば、自信回復に繋がったと思うからもったいないなーとは思うけど、それでも内容を見たら良く引き分けたなーと思うのも素直なところ。ということで、ここのところの試合で感じた事を1つのファクターに。

・積み重なる小さな差

何故Fマリノスはスムーズな攻撃が出来ないんだろう?あんなに閉塞した攻撃しかできないんだろう?これだけのタレントがいるのに勝てないんだろう?相手はどうしてあんなに簡単にやっているプレーを苦労してやっているんだろう?こんな疑問を抱いた事はありませんか?

そんな疑問が一つ解けた。いや、前から分かっていたけど、改めて本当に上手なチームと試合をして、よく分かった。本文中にちらっと書いたけど、明らかにガンバの選手がやっているプレーとFマリノスの選手がやっているプレーは質が違いすぎる。コンセプトや戦術、コンビネーションとかそういう大きな要素ではなく、本当に小さな事。選手達の意識の問題。

・一回ボールが動く度に周囲の選手はどこまで反応するのか。

・ある程度プレーを制限された時にどういうプレーセレクトをするのか。

・一つ一つのプレーにどこまで意思を込めてプレーしているのか。

・周囲の状況をどれほど捉えているのか、どれほど注意を払っているのか。

本当に小さな部分だけど、こういったプレーディティールの要素が明らかに違う。そして、こういう要素が積み重なった結果、ぐだぐだで希望の欠片も見えないサッカーとエンターテイメントと言えるほどのエレガントなサッカーと言う形で表れている(もちろん、戦術的な問題、コンセプトの違い、個の特性の違いはあるのだけど)

簡単に書けば、Fマリノスのサッカーは惰性的で安易。例に上げていくよ。1つ目、バックラインでビルドアップしようとしている時に「我関せず」と言わんばかりに周囲の選手が様子見的な雰囲気で、何もしていない。主体的なイメージを持ってプレーしていない。2つ目、パスコースを切られた時に、自らボールを動かすことでアングルを変えてコースを作ったり、ボールに変化を付けてという事をせず、通りやすい所にしかパスを出さない。難しい事を避け続ける結果、そのツケがアタッキングサードで難易度の高い形を問われてしまう。3つ目なんて必要ないでしょ、雑で、適当なプレーでチャンスを潰したアタッカー陣。パスミス、判断ミス、ファーストタッチのミス、これでゴールが獲れるわけがない。4つ目は象徴的なプレーがあった。ショートコーナーから坂田がラインの確認なく惰性的にドゥトラに戻してオフサイドを獲られた事。こういう事が積み重なるから、パスは紡がれていかないし、効果的な攻撃が出来ず、無理繰りな突破に頼るしかなかったりするし、ミスから簡単に奪われてはカウンターを浴びる、守備ばっかりさせられる。

でも、ガンバは違う。1つ目なら、シジクレイから宮本に動いた瞬間に橋本や明神はすぐにポジションを修正して受けやすいアングルを付ける。周囲もその次を考えて動いている。2つ目はパスコースを切られても安易に空いてるところに逃げるようなプレーセレクトをせず、タイミングをズラしたり、キックの種類を変えたりと様々な工夫を加えて、一番出したいところにパスを出していく。3つ目は技術的な質の高さもあるけど、一つのパス、一つのトラップに神経を使って、雑なプレーはしていない。4つ目は周囲の状況を見てポジションを変えてフィニッシュに繋げた播戸の動き直しは状況を捉えている。これだけ違う、Fマリノスの選手はガンバの選手に比べて、「適当」で「惰性的」にプレーしていると言わざるを得ない。

ガンバは多分こういうことがJで一番出来るチームだからこれだけの差がはっきりと見えるけど、こういう事をやるのは当たり前。強いチームは、しっかりとやっているチームが多い。出来ていれば、ミスが減って安易にボールを与える事もないし、危険な奪われ方も減るし、可能性の感じる攻撃にも繋がっていくし、良いプレーが出来る素地が出来る。そして出来ていないチームは、システムを弄ろうが、戦術を弄ろうが、良くはならない。表面的に良くなったとしても、安定して結果を残す事は出来ない。

別に、ガンバの様なエンターテイメントな攻撃サッカーをしろという事じゃない。FマリノスにはFマリノスの良さもある。でも、そのコンセプトの違いとかそういう以前の問題。サッカーを構築する上での基礎的な要素に明らかな欠陥があるから、これだけの差が出るという事を本当にちゃんと捉えて欲しい。小手先だけは変わらないし、どんなサッカーをするにしても、これでは何も表現など出来ないと思う。
うわ、なんて絶望的な事を書くんだろう、自分は。

最近、愚痴ばっかり。Fマリノスの事書いてて面白くないもん。新潟戦なんてスルーしちゃったし。まあ引き分けだから、こんなに厳しく書く事ないんだけど、気付いた事は書かないと忘れちゃうからね。と言う事でここまで。とりあえず次から明るい話題を書くよ、俊輔ハットおめ!ユースおめ!

*ガンバのこと?だから言ったでしょ?負の波が必ず来るって。シーズン通じて良い調子で切り抜けるなんてあり得ない訳で、どこかでひずみが来ちゃうもの。タクティカルな要素でも、個人の要素でも、基本的に大きな問題がある訳じゃない(遠藤の離脱は痛いけどね、アクセントをつけれる選手が一人減ることで二川に負担が大きく掛かる。この試合は二川が消えた事で、いつもよりはアクセントプレーが減ったし。でもフェルを使えばそれなりにこの問題は解決出来る気もするけど)纏ってしまってるネガティブな雰囲気がこれまでうまくいってた部分が回らなくなっている。出来る事は、すべき事を続けて善循環になるのを待つのみ。悪いからと言って、コンセプトを変えたりするチームじゃないし、ね。出来れば次節負の波を打開したいね、じゃなきゃ今年のJは終わる。まあ僕の予想は当たるから良いけど。でも、最終節まで縺れて欲しいので、頑張って欲しいね。

*次は俊輔ハットか、ユースか、ナビ前哨戦か。予定は未定。

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