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October 27, 2006

Balance of essence and skill@日・中・韓 U-21代表交流戦 vs 中国

一日遅れですが、反町ジャパン国内初戦のレポートを。うんうん、イイじゃないですか。

日・中・韓 サッカーU-21代表交流戦

JapanU-21 2-0 ChinaU-21 @ National Stadium
Japan:17'梶山陽平 82'平山相太

JFA

日本スタメン:GK西川周作、DF青山直晃、伊野波雅彦、一柳夢吾、MF青山敏広(→90'+2'上田康太)、梶山陽平(→89'谷口博之)、中村北斗、本田圭佑、増田誓志(→75'枝村匠馬)、苔口卓也(→86'前田俊介)、FW平山相太

反町ジャパン2戦目、てゆうか国内初戦。初戦同様日中韓の代表交流戦の一貫として、前回アウェイで対戦したオリンピック開催国の中国をホームに向かえた。様々なアプローチを経て選ばれた初めてのベストメンバーでのゲームなだけに、実のあるゲームにしたいところ。中国代表の方は、この大会の前に前ガーナ代表監督のドゥイコビッチ氏を招聘し、更に自国開催に向けて強化に図っていく様子。今回の試合には前回のチームよりも高いレベルの選手を揃えてきて、A代表経験者の多い陣容らしい。

そんなベストメンバーと目されるスタメンは、ディフェンスラインに前回のゲーム同様中央に伊野波を据えた3バック、中盤は右から中村北斗、青山敏広、梶山陽平、本田圭佑、前線は平山の1トップに増田と苔口の2シャドー。反町監督の意向で競争意識を高めるために全員をベンチ入りさせない形を取っている事が話題に上っていましたが、今回外されたのは家長と小林祐三。中国代表の方はフラットな4-4-2、ガーナと一緒だね。

前半

開始早々、左サイド深い位置でFKを与え、そのセカンドボールを右サイドから折り返されてフリーでヘッドさせてしまったり(当たらなかったが)、そのこぼれ球も拾われて再びフィニッシュに持ち込まれるなど、不安定な立ち上がり。日本は相手の出方を見ることもあってか、中長距離のフィードを多様し、セカンドボールに意識を置いた形で攻撃構築をしていく形でゲームに入っていく。ボールが落ち着かない展開の中で、局面的には身体能力で上回る中国の選手に押され気味。

時間と共にゲームが落ち着き、トレーニングしてきたビルドアップをしはじめるが、中国の4-4ゾーンの前に楔がなかなか入っていかず、攻めあぐねている印象。中国はそのゾーンでミスを誘発させ、前の選手のスピードを生かしたカウンターを狙ってくる。ポゼッションこそしているが、ゲームとしては中国ペース。しかし、日本はトランジッションの速さを活かす形で手こずっていた中国ディフェンスを一気にこじ開ける。初めてのCKを凌ぐと、クリアしたボールを左サイドで苔口がうまく自分のボールにして、逆サイドフリーランニングしていた増田へサイドチェンジのフィード。非常に速い切り替えで最前線に飛び出した増田は右サイド深い位置でボールに追いつくと、それと同時に多くの選手(平山、梶山、中村北斗、本田)が長い距離を走ってボックスの中に詰める。増田は右足でインスイングのボールをゴール前に供給、精度を伴ったクロスに平山の裏に入ってフリーとなった梶山がヘッドでしっかりインパクトしネットを揺らした。うーん、綺麗なカウンター。オシムイズムを感じる切り替えの速さと長距離ランニングが活きたかな。苔口は良く収めて素晴らしい展開パスを出したし、増田は素晴らしいランニングとクロスでチャンスメイク、そして中に沢山の選手が詰めてと(平山の存在がマークを引きつけたことも一応残しておこうかな)、個としても良いプレーが重なったことも素晴らしい。梶山はよく走ったご褒美かな。

このゴールで完全に選手達の動きが変わり、プレーの質も向上。ボールを動かしながら、相手の隙を見つけては連動した動きであったり、後ろからのダイナミズムを使う形で崩しを見せたり、個々の特性やイマジネーションを感じさせるプレーが出始める(本田のループとかは素晴らしかった)ただ、ビハインドを負った中国もより積極的に攻撃に出るようになり、拮抗した展開に。守備に関しては、マンマーキングを基盤に置いたスタンダードにした守り方の中で、局面的に中国の選手の能力の高さが発揮される形で振り切られること、それとボランチが低いディフェンスラインに引っ張られる形でプレッシャーが掛からないことはあったが、ある程度しっかりと一人一人が対応する選手を捕まえ、局面で粘りを感じさせるプレーをすることで、能力差を埋めていたかな。

前半は、身体能力の押される場面もあったが、全般的に本質的なサッカーの質の違いが見せる形で、リードを保って折り返す。
*中国の選手はサッカーっ"ぽい"ことをしている印象。技術、フィジカルなど、個人能力の高さは感じるんだけど、力任せの感は否めず、細かい要素が足りない感じ。判断であったり、感覚であったり、身体の入れ方、プレーエリアによるプレーを変えていくことなど細かい要素の充実というモノを感じさせず、「うまい!」と感じさせるプレーが少ない。「サッカー」に対しての理解の浅さを感じたかな。それに比べて、日本の選手は中国の選手に比べたらサッカーを知っているし、ちゃんとグループ、チームとして、サッカーが出来る。この辺はサッカー文化の違いが出ていた気がする。まあこういう要素で勝てなかったら、個人能力の差がもろに出ちゃうから、ずーっとこの要素では優位性を保っていかないといけないね。

後半

中国はハーフタイムで尻を叩かれたのか、攻めの意識を強く持ってゲームに入ってくる(メンバー交代を2人)しかし、日本も前半通じてある程度出来ていた粘りある対応を核にしたマンマーキングを継続したことで、穴を作らず。逆に速い切り替えにうまい繋ぎが絡む形で局面を打開してチャンスを作るなど、内容としては悪くない。

早いタイミングでの裁きが目立ち、全体的に頭が良く動いて、それが動きに反映させられている事を感じさせるが、守備に置いては運動量的に厳しくなったのか、ずれたり、浮くようなシーンも出てきたりと、課される役割をこなせなくなっているようなシーンも。相手も前掛かりになって、オープンな展開に推移していくと、プレーの質で上回る日本の方に決定機が多く生まれ、中村北斗のミドルシュートや平山の頭でのトラップからのGKとの1vs1(間違いなく掛かってるけど?)、楔からのサポートアクションでボールを動かし、平山のスルーパスに本田がダイナミズムを付随させてシュートを打つなどのチャンスを作り出す。日本は残り15分ぐらいで初めての交代、増田に代えて枝村を投入。

時間が差し迫って行く中で、優位にゲームを進めながらも決めきれなかった日本でしたが、ようやくエースと目される平山にラッキーなゴールが生まれる。自陣での梶山のインターセプトから、細かくボールを動かして右サイドに展開すると、中村北斗がボールを運びながら中を見据える。中ではラインポジショニングしながら平山が控え、そこに向けて中村北斗は定石通りのGKとDFの間に入れるアーリークロスを供給。少々ボールが長く、GKボールかと思われたが、ここでGKがパンチングでクリアしきれず、中途半端なクリアが詰めていた平山に当たる形でゴールに吸い込まれて、追加点。まあ何だかなぁと言うゴールですが、インターセプトからボールを動かして、流れを感じさせる形で最後までしっかりと作ったというのは良かったし、一応エースと目される選手がラッキーゴールとはいえ、目に見える結果を出したというのも良いことだと思う。国見ホットライン?そっか。

この追加点の後、苔口→前田、梶山→谷口、青山→上田、という交代を絡めて時間を使いながら、しっかり締めて……と書きたいところだったが、ミス絡みで決定機を与えてみたりと、最後は少し若さが見えたか。ただ、結果としては一応無失点で凌いで、2-0。2試合目と言うことを考えたら、しっかりしたゲームで国内初戦を飾った。

まあ中国が相変わらずサッカーがへたっぴーな事を差し引いても、充分な内容。タクティカルなエッセンスと個人技術のバランスであったり、頭の良く動いている事を感じさせるテンポの速いパスコンビネーションやカバーリング、個人能力の差を埋める局面に置ける粘りなど、しっかりとクオリティを示していたと思います。

基本的に、各世代間の継続性を重視しているだけにこのU-21代表にも、A代表のオシムのメソッドやコンセプトを反映されていると思うのですが、当たり前だけど指揮するオシムたんと反さんは違うので、その分だけチームの方向性に差異が出てきた感覚を受けました。

どちらがいい悪いではないけれど、A代表の選手達はオシム監督の薫陶を直接受けているからかタスクに対しての従順性が高く、しっかりと課された仕事をこなすことが出来るけれど、その分そのタスクに傾倒する余り試合の中での主体的判断を欠き、状況に合わないプレーをし続けてしまったりするのに対し、このチームはある程度のエッセンスこそ感じるモノの、マーキングの徹底度であったり、ポジションブレイクからのリスクテイクの頻度など、タクティカルな要素に置ける従順性はA代表より低い。けれど、スキルフルな選手が多いこともあってオン・ザ・ボールにおける表現力に長け、タクティカルな要素だけではない部分をチームに反映することが出来ているのかなと。

これをどう判断するかは、人それぞれだと思いますが、個人的にはこれで良いと思います。継続性という意味ではコンセプトから大きく逸脱するモノではないと思うし、反町監督には反町監督のビジョンがあるはず、チームを構成する選手の特徴の違いもある。オシムたんと同じ事ばっかりしても、それは単なるコピーでしかない。そういう意味で早くも独自の方向性が生まれてきた事に関しては喜ぶべき事なのかなーと。
*このチームをあれこれ言う意味でも結構その人のビジョンが出てくるのかな。A代表と比べてタクティカルな要素の表現に置いて物足りないと思う人もいるだろうし、逆にこっちの方が個々の良さが出ていて良いと思う人もいると思う。僕?僕はこっちのチームの方が好感が持てるかな。プレーの抑揚があるし、個に置けるリスクテイク、イマジネーションの表現があるからね。もちろん、やるべきこと、課されたことはもう少しやった方が良いと思うけど、タクティカルな要素を惰性的にやるのではなく、状況や局面によって違うプレーセレクトを主体的に判断していくことはとても良いことだと思うので(当たり前だけどプレーするのは選手達なのだから、ね。それが戦術の運用に繋がる)。

じゃあ、選手評。

西川周作(トリニータ)→守備面に置いては、局面でディフェンス陣が踏ん張っていたこともあり、しっかりとしたポジショニングで決定機を作らせず。キック精度の高さは平山と合わせて大きな武器になりそうな予感。

青山直晃(エスパルス)→やはり対人能力は一枚抜けているかな。序盤は少し感覚を合わせるのに苦労してファールが多かったりしたけど、その感覚を掴んでからは身体能力任せのアタックをしっかりとストップ。ビルドアップはまだまだだけど、積極性はあるし、これからだね。

伊野波雅彦(FC東京)→前回に比べたら安定感は増したし、リベロ的な仕事にも慣れてきたかな。中央で常に目を光らせて漏れてくるところを早い危機察知で埋めた。ただ、クロスに対しての対応はちょっと怖いかな、浮かせてしまう事も多々。これからラインコントロールを含めた中盤との連動したディフェンスのオーガナイズとビルドアップの質の向上だね。速い組み立てを意識していたけど、詰められると少しバタバタするかなー。

一柳夢吾(ヴェルディ)→サイドバックの選手だと思ってたけど、ストッパーもそれなり。1vs1でバスコーンとやられるシーンもあったりと対人に置いては不安も残ったけれど、柔軟な判断でマークを捨ててボールにアプローチを掛けたり、カバーするシーンなどの判断の良さは目に付いた。

青山敏広(サンフレッチェ)→このチームの秩序を担う存在として、しっかりとバイタルエリアを注意しながらバランスを取っていて、とても良かった。この辺の感覚が谷口ではなくて青山が使われている理由なのかな。このチームの"鈴木啓太"って感じ。戦術眼がしっかりしていて、危機察知能力も高い。もちろん、行けるときには上がってミドルを見せたりと柔軟性も感じる。サンフレでアンカーとしてプレーしている経験なのかも。

梶山陽平(FC東京)→抜群の出来。ゴールシーンもそうだけど、運動量豊富で幅広いプレーゾーン、そして攻守に実効性の高いプレーを披露。特に守備に置ける積極的なアプローチアクションで何度もボールを奪ったりと、これまでのさぼり癖というのは全く感じさせず。何かブレイクスルーを果たしそうな雰囲気すら感じた。技術的にはA代表に入ってもトップクラスな訳だから(それこそ中村憲剛、長谷部、遠藤辺りと比べても遜色ない所か上回るかも)、こういうプレーが出来るのであれば、すぐに上に上げて欲しい。継続。

中村北斗(アビスパ)→仕掛けの所では相手の強さに屈した形だったが、精力的な上下動は相変わらず。特に危機察知とカバーが良かったね。中に絞って危うくなった所を締めたシーン数度、非常に良かった。隼磨、タイプ的に激似、ライバルだぞ。

本田圭佑(グランパス)→多分、呼ばれるだろうね、A代表。守備では持ち前のフィジカルで強さを見せていた中国の選手を吹っ飛ばしてボール奪取するようなシーンを何度も見せ、アタッキングエリアでは精度の高い中長距離フィード&クロス、アイデアを活かしたリスクチャレンジアクション、ボックス内でのヘディングと高い実効性を示し、攻守を繋ぐ上下動も非常に精力的。非常にクオリティの高いプレーで高い存在感を示した。キッカーとしても素晴らしい訳だから、ね。どうもヒモに違和感を感じるのだけど僕だけ?

増田誓志(アントラーズ)→高い位置の方がイキイキとプレーしている感じ。平山を意識したサポート&ダイナミズムアクションを核に、アタッキングエリアでは収めては臆せず仕掛け、周囲と絡めばダイレクトプレーで変化を付けてと、非常に柔軟なプレーセレクトでセンスを感じさせるプレーを見せた。

苔口卓也(セレッソ)→先制点に繋がった展開プレー、素晴らしかった。良くボールを落ち着かせて、素晴らしいフィード、ちょっとびっくりした。増田と同じくシャドーとして平山を意識したプレーが多く、この辺は頭を使ってプレーしてたかな。縦のスピードと機動力に期待されていると思うので、カウンターの時のポジショニングとかにこだわると怖さが増すのかなー。この辺はもっと工夫したいね。

平山相太(FC東京)→相変わらず判断も動きももっさりしてるんだけど、周囲のサポートもあってそれなりに空中戦やポストで起点となっていたし、梶山の先制点も彼の存在感がマークを引きつけたりと、効果もある。で、うさんくさいけど点も獲った。文句の付けれる出来じゃない。まだコンディション的な部分で物足りない所もあるんだけど、ポテンシャルのなせる技なのかな。これは平山云々じゃないけど、彼がトップに入るとチームとして芯が通る感があるけど、チームが彼の高さを意識しすぎる嫌いもある。平山シンドロームだね。

交代出場

枝村匠馬(エスパルス)→あのポジションより一列下で機動力を活かすようなプレーの方があってるとは思う。ただ、梶山の本領発揮で彼の立場としては苦しくなったかも。

谷口博之(フロンターレ)、前田俊介(サンフレッチェ)、上田康太(ジュビロ)→プレー機会少なく評価なし。谷口も前俊も巻き返せ。

まあとにかく、頭の悪いつっこんでくるだけの相手とはいえ、一応あれでもアジアでは上位クラスのチーム(であろう)、こういう相手に質の違いを見せつけて、2連勝したことは素晴らしいこと。これから又、来月の韓国戦やアジア大会など、強化の機会は様々あるので、多角的にどんどんチーム作りをしていって欲しいなと。元々個々のポテンシャルは非常に高い世代だしね。ということで、ここまで。

*反さん、家長とか、水野はどう使うよ?サイドは本田と中村北斗が良かったけど、彼らの局面打開力はワールドユースでも凄い存在感を誇ったわけで、育てて欲しい選手達。そういう意味で幅も探っていって欲しいなー。てゆうか、水野がアジア大会にいないのがちょっと惜しい。

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Comments

25日見ましたが、真につまらないゲームという印象でした。
中国はもっと強いのかと思ったが、てんで駄目。強化試合にもならんレベルじゃないかと思った次第で・・A代表が結構いるようなチームらしいが、おっしゃるようにサッカーができてない。
梶山、本田、苔口かな・・北斗はもう少しかな。届きそうで届かない・・惜しいのが多かったようでした。でも良いよね!
青山(両方)も結構やるな・・・
平山・ターゲットになったのと、後半マークが緩んだら・・・

Posted by: oldtree | October 27, 2006 at 11:34 AM

oldtreeさん、コメントありがとうございます。レス遅くなって申し訳ないです。

中国は駄目駄目でしたねー。ただ、これからドゥイコビッチ監督がガーナのようにフレキシブルな組織を作り出したら、又変わってくるんでしょうね。ガーナのようなハイリスクなサッカーをやるのかなー、はてさて。

報道では、サウジ戦と韓国戦の日程が被ることで上に引き上げるか上げないかで揺れ動いているようですが、上でも見てみたいなーなんて思ったり。梶山と本田は楽しみです。青山(両方)も良かったですねー。

平山は来年ですかねー。オランダのように役割がはっきりしていない中で沢山のタスクを託される日本のサッカーでは、もっとハードワークしないと評価というのは上がってこないのかなーと。巻はそういう部分で仕事しますし。

ではでは。

Posted by: いた | October 28, 2006 at 09:53 PM

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