« 理想も、現実も@AsianCup 2007 F.Qualify vs サウジアラビア | Main | 今なら間に合う!あなただけにそっと教えるダービーの魅力 »

September 07, 2006

価値ある一歩前進@AsianCup 2007 F.Qualify vs イエメン

選手評、追記しましたよ、よろしかったらどうぞ。

空気の薄さはテレビでは伝わらないから分からないけど、もの凄いきつかったんだろうね。ピッチ状況にも手を焼いたね。でも、勝った、それが良いことだと思う。そして、結果だけでなく、内容に置いても一歩前進があったこと、この上なく喜ばしい。

AFC Asian Cup 2007 Final Qualify Week4

Group A/Yemen 0-1 Japan @ Ali Mohsen Stadium,Sana'a
Japan:90'K.Ganaha

AFC AsianCup Official

日本スタメン:GK川口能活、DF坪井慶介、田中マルクス闘莉王、阿部勇樹、MF鈴木啓太、加地亮、三都主アレサンドロ、遠藤保仁、羽生直剛(→73'我那覇和樹"祝・初ゴール")、FW田中達也(→46'佐藤寿人)、巻誠一郎(→90'+3'梅崎司"祝・初キャップ")

イエメンスタメン:GKサイード、DFアブドゥラ、アルワディ、ワシム、サレム、MFアルオムキ(→77'ラドワン)、アクラム、モハナド、アルワ(→84'アルマング)、アルシェリ(→64'ヤセル)、FWアルノノ

アジアカップ出場権を賭けた最終予選も折り返し、第4戦目は日本代表の歴史上最高の標高でのアウェーゲームとなった。高地という条件による効果は、すでに南米予選でも実証されており、又厳しいスケジュールと言うこともあって難しいゲームになるのではないかと予想される。

そんな条件下でのスタメンは、大幅な変更も予想されたが、変更点は駒野が外れて羽生がスタメンに名を連ね、アレックスが左サイドにポジションを獲ることになったぐらいか。

前半

立地的な条件がどのような形で出てくるかというのが非常に気になったが、ピッチ状態も見た目も通り良くなく、かなり不規則にボールが跳ね、リズム良くパスを繋ぎたい日本にとってはネガティブファクターか。選手達もそういう部分を鑑みてか、慎重な立ち上がり。長いボールを中心とした攻撃構築で相手の出方を伺う。しかし、ボールが飛びすぎることもあるのかなかなか繋がらず、サウジ戦同様無為にボール失ってしまう。ボールを持つ時間は長いが、実効的な要素は上がってこず、ファーストシュートは10分過ぎてから(阿部勇樹のミドルレンジからの浮き球を高いコースに狙ったシュート)

気圧が違うことや風があること、ピッチの状況が良くなかったことに対してなかなかアジャスト出来ず攻撃が紡がれていかない日本。セットプレーも生かし切れず、逆にカウンターを喰らって決定的なピンチを迎えたりと、不安定な状況が続く。しかし、時間と共にその状況に慣れが出てくると、リズミカルとまではいかないまでもパスが繋がるようになり、連動感のある攻撃も見え始める。巻ポスト→羽生サポート→田中達也スルーパスとか(繋がらず)、闘莉王のオーバーラップから右サイドに展開し、それを追い越す形で遠藤がボックス内フリーになったり(中へ浮き球を送るが精度を欠く)と、可能性のある攻撃も増え始める。

時折イエメンにカウンターで脅かされるモノの終始押し気味に完全にゲームを掌握する日本に、大きな決定機が訪れる。右サイド、田中達也の突破から良いチャンスを作るが中には合わず。しかし、その流れの中でイエメンが前に繋ごうとしたパスを遠藤がインターセプトし、近くにポジションを獲っていた羽生へ繋ぐ。羽生はすぐさま田中達也へスルーパスを通し、これで右サイドを局面打開。田中達也は完全に抜けだし、巻がプルアウェイでファーに逃げたのをしっかり捉えてクロスを送り込む。完全フリーでゴールがら空き、後は押し込むだけという超絶決定機を作り出すが、巻はこれをシュートミス(ダイビングヘッドで合わせる形、首を振りすぎたか……)、枠に収めきれず。決定機を逃してしまい、オシムたんは渋い顔。その後もチャンスは作ったものの決めきれず、前半はスコアレスで折り返す。選手達の心肺機能は平気なのか、はてさて。

後半

個としての出来を見たのか、なかなかコンビネーションがあわないことを気にしたのか、何かアクシデントがあったのか、後半開始のタイミングで田中達也に代えて佐藤寿人を投入したオシムたん。ピッチの状況には慣れが見え始めて、それはエンドが入れ替わっても問題ないように見える。で、開始早々決定機。相手GKのフィードを闘莉王が直接ヘッドでクリアすると、これが最前線の巻へ。そのまま相手ラインを抜け出して、後はフィニッシュかと思われたが、ファーストタッチの所でハンドがあったようでこのチャンスは生かせず(放ったシュートは良いシュートだったが)交代で入った佐藤寿人も開始5分でファーストシュートを放ち(ミドルレンジからのシュート)、その後も良いクロスを上げたり、相手のミスを突いて素晴らしいダイレクトでのラストパスに繋げたり(巻は抜け出しきれず)と、積極的なプレーを展開、巻との呼吸も上々。

良いプレーの頻度の上がる日本でしたが、ゴールだけが足りない状況。すると少しずつイエメンが前に出てきて、ラインを下げざるを得ない状況も増え、全体の距離が開き始める。アレックスのミスが続いたりと、ネガティブな空気もあったが、それでも攻める。斜めの楔にスルーを絡めて巻と寿人が絡み、最後はサイドから一気に中にカットインしてきた坪井がシュートを打つ(オフサイド)。細かいプレーに置ける連動、創造性は悪くない。ただ、時間と共に疲労が体をむしばみ始めたのか、膝に手を置く選手も増え始めて苦しい時間帯となっていく。

体力的に苦しく、本当に厳しい状況になってくるが、個々の精力的な動きは衰えない。中盤で囲まれたところを遠藤がテクニカルなドリブルで局面打開、一気に中盤を打開するとこれまた巻のスルーを経由して佐藤寿人へ、打てない状況ではなかったがこのパスを通した遠藤がそのまま空いたスペースへフリーラン、それををしっかりと捉えて寿人ラストパス。遠藤に完全にオープンな状態でのシュートチャンスが訪れると、インサイドで合わせていったがしっかりとインパクト出来ず。芝の状態はあるとはいえ、しっかりとインパクトして決めたいシーンだった。

タイムアップに差し迫って焦りも出てくるが、相手も厳しくなっているのか、中盤をドリブルで打開するプレーが起点となって、チャンスが生まれる。中央、遠藤のドリブル突破から佐藤寿人が左ワイドオープンで受けてシュートに繋げたりするシーンが見られると、前半決定機を逃した巻にもう一度決定機が訪れる。左サイドからのFKがファーに流れると、外に開いていた巻の元へ。巻は今度はしっかりとヘッドでインパクト、しかしこれは正面。決まらない。いよいよ状況が切迫し、闘莉王をサウジ戦に引き続き前線に上げ中の迫力を強め、サイドからのパワープレー大作戦へと作戦変更。左サイドでパスを繋いで打開すると低いクロス、そしてこれを我那覇がフリーでヘッド!しかしこれは枠を捉えきれず。ロスタイム突入し、これまでかと思われたが、パワープレーが実る形でこじ開ける。

坪井が右サイドから直線的なフィードを飛ばすと、ファーにポジションを獲っていた巻が競り勝ち、中へ落とす。するとそのボールに反応していたのは闘莉王と我那覇、エンドライン際で我那覇が何とか足を伸ばし、角度がないながらゴールに流し込み、ようやくようやくの先制点。そしてこのゴールがウイニングポイント。試合後アップに映し出されたオシムたんのほっとした表情が物語る通り、非常に厳しいゲームとなったが、劇的な形で飾って今予選3勝目。ほぼ、本大会出場を決めた。(あと、終了間際に梅崎君がゴール後に交代出場し、初キャップを記録。ボールタッチがあってよかったね)

まあとにかく勝って良かった。やっている方向性があっていたり、良いプレーをしても、やはり結果が伴わなければ、チームは求心力を失いかねないし、自信もついてこない。望むべき最良の結果ではないけれど、この結果の価値は小さくないのかなと。

で、色々な意味で厳しい条件が重なったこのゲームは、サウジ戦にも増して厳しいモノになると思っていたのだけど(実際厳しかったのだけど)、その割にはとても中身のあるサッカーをしていたように感じました。まあこういうゲームだったの守備に関しては何とも言えませんが、攻撃に関しては着実な成長の跡があったかなと。縦のギャップを作ったり、ドリブルワークが出てきたり、スルーをしたりと、とにかく攻撃に置いて選手個々が主体的にイメージを持ってプレーしていたこと(最終的にどのような形に仕上げるのかというのイメージしていたようなプレーが多かった)、選手達が一つのスイッチとなるプレーにフレキシブルに反応して連動していく意識が高まったように見られたこと、特にこの二つが良かった。もちろん、前半は必ずしも褒められた出来ではなかったし(2トップのコンビネーションとかね)、技術的なミス(決定力不足も含めてね、ピッチコンディションはあったにしても)、集中力が薄れると意図の詰まっていないプレーが増えること(思慮の浅いプレーは大概ミスになっていたかな)など、課題はまだまだ残るのだけど、この一歩前進にも又チームにとって価値があるのかなと感じました。

では、選手評、と行きたいのだけど、少々眠いので、又明日追記と言うことでじゃあ追記分。

川口能活(ジュビロ)→ゲーム展開があれだっただけに、ほとんどプレー機会がなかった気がする……。まあそういう中でも、サウジ戦にあったようなとんでもないミスもなかったし、集中力を保ってゲームをしてくれたかな。

坪井慶介(レッズ)→ディフェンスはそつなく。ドタバタしてる感もあるけど、まあやられてないからね。で、攻撃面に進化の跡、得点に繋がったフィードはもちろん(あれは環境にしっかりとアジャストした証拠かな、序盤なら長くなったりしてたかも)、前がオープンになれば自ら前に運んでプレーしたり、オーバーラップからシュートを放ったり(!)と積極的なプレーは高印象。ビルドアップはより丁寧に。

田中マルクス闘莉王(レッズ)→こういう展開もあって、常に前を狙う形でしっかりとストップ。マイボールの時にも前の姿勢強く、実効性も低くない。注文を付けるとしたら、パワープレー時に楽をしないこと(とにかくしっかりとボールを競らないと、ウォッチして流れてくるのを待つのはだめ)、オーバーラップ後の戻りをより早く。

阿部勇樹(ジェフ)→高い状況把握能力でチームのリスクマネジメントを担ってチームの秩序を支え、そういう部分では全く問題なかった。この辺はさすがオシムたんの懐刀という感じか。ただ、もっと出ていくシーンがあっても良かったかな。闘莉王が残ってる時は、出て行ける展開だと思ったし(まあ闘莉王が出ていく回数が多いけどね)攻撃面に置いてもっとその技術や戦術眼を活かしたい。

鈴木啓太(レッズ)→この日もよく走って、攻守に影響力の高いプレーを披露。特に特筆すべきは攻撃面での意識の変化。少々前線と中盤の距離が離れて羽生や遠藤がいけないようなシーンの時に、長い距離を走ってトップの選手に寄ってサポートするシーンだったり、積極的に抜きに行ってアクセントとなるプレーをしてみたりと、前戦批判された部分を改善する意欲的なプレーだった。後はオン・ザ・ボールでの質を高めたい。

加地亮(ガンバ)→この日は少々不発気味。ピッチ状況との兼ね合いもあるだろうけど、突破もクロス精度を精彩を欠き、イマイチな部分は否めず。遠藤の斜めのフィードを受けるような飛び出しプレーとかが多く出てくると面白いと思うのだけど。

三都主アレサンドロ(レッズ)→飛び抜けてミスが多く、意図のないプレーが続いたことは猛省モノ。相手に警戒されていた部分もあったが、柔軟なプレー姿勢とビジョンのあるプレーが欲しい。それだけの経験もビジョンも持っているはず。トリニダード・トバゴ戦を見ても自分の型に入れないと、出せない選手じゃないと思うし。

遠藤保仁(ガンバ)→羽生が入ったことで役割分担がなされて、プレーの内容とチームに求められる役割の齟齬が薄れた感じ。本来の役割であるボールに沢山絡んで攻撃をオーガナイズするプレーの他に、機を見て後ろから出ていくプレー、終盤はドリブルワークからチャンスを演出と幅広いプレーで攻撃の核として機能、本人曰く「人生で一番走った」というのはあながち嘘ではなく、それだけ精力的だった。それだけに後はプレーの精度は残念。決定機はもちろんのこと、プレースキックも最後までアジャストしきれなかった。

羽生直剛(ジェフ)→彼自身のプレー自体に特筆すべきモノはなく(フィニッシュに絡むシーンもほとんどなく、良いプレーも数回、後半早い時間で動きが落ちた)、そこまで出来が良かったとは思えないけど、前線と中盤を繋ぐ存在がこのチームには改めて必要だと言うことが実証されたのかな。縦のギャップとフレキシブルな動きで高い位置の受け手の増加、素早いポストへのサポート、ダイナミズムを付随させての飛び出し、など、常にチームに様々な選択肢を与えることが出来る。まあ羽生じゃなきゃだめって訳でもないと思うけどね、山瀬とか山瀬とか山瀬とか。ずれた。阿部のフィードから巻をデコイに飛び出すプレーとか、そういう直接的にフィニッシュに繋がるコンビネーションが出てくるといいのだけど。

田中達也(レッズ)→個としての出来は決して悪くない。必ず彼のキレが試合に数回展開を動かすことを見てもね。けれど、巻との相性が今一歩で意思疎通というかコンビネーションが噛み合わない。田中達也のプレーセレクト・精度に問題があるのか、二人のスタイルの相互理解が進んでいないと言うことなのか。とにかく動きが噛み合わないことは問題。彼の優れた特性とチームの求める部分のアジャストが必要か。

巻誠一郎(ジェフ)→「Not his day」というのは簡単。数度あった得点チャンスのうち一本はストライカーとして絶対に決めなきゃいけなかった。アシストもしたし、体も張っていたし、仕事をしていない訳じゃない。ただ、やはり決めるべき所を決めなかったことがここまで苦しいゲームになってしまった要因であるのは逃れられない。佐藤寿人の方がフィーリングが合うのかな、動きの質が全く変わる。田中達也の時でも同じ感じでプレー出来ると良いのだけど……。

途中出場

佐藤寿人(サンフレ)→立ち上がりの精力的なプレーはとても良く、あのダイレクトパスなど創造力のあるプレーで攻撃の質を変えた。ストライカー的なプレーはチームに問われた役割もあって影を潜めた感もあったが、役割は充分にこなした。あの左ワイドオープンのシュートはストライカーとして仕事をして欲しかったけどね。

我那覇和樹(ふろん太)→祝・初ゴール。正直周囲との兼ね合いはうまくいってなさそうだし(相互理解の問題かな、ポストの時に溜めれるけど、周囲はダイレクトぐらいのタイミングで動き出してるから裁ききれないシーンが多い。巻と我那覇のポストワークの質の違いとでも言えばいいのかな。我那覇は体を使って一度収めて裁く、巻はダイレクトでの裁きを意識してる)、一個目の決定機で仕留めておきたかったけど、それでも結果を出したことは大きい。うまく決めたねぇ。

梅崎司(トリニータ)→トリニータの選手として初めての代表キャップ獲得。出場時間短く評価なし、次はチャンスがありそうね。

イビチャ・オシム(たん)→まあオシムたん自身にもプレッシャーがあったのか、このアジアカップ3戦は本当に慎重な采配が目立った。これまでのパフォーマンスを考えたら時に、もっと思い切ってやっても良かった気がするのは素直な感想(狙いがあったみたいだけどね、期待する選手に対して意識改革を求めてたり)まあこれからなんだろうけど、アジアを戦う上での現実的な問題(状況的にアジアに置いてコンディション的に整うことは少ないし、引いてくる相手に対しての相性)、それに関連するチームに機能させるための必要な要素と個々の基礎スキルやアイデアといった組織と個人のバランスの問題(ヤヒーが書いてたね。実際ある)、日本的な特徴(主体的な判断力に優れず従属的でタスク傾倒の傾向が強いこと、決定力不足)の問題、時間は掛かるかも知れないけど、避けられないだけに考えていかなきゃいけないよね。とりあえず熊の首を切るところから始めようぜ。

ということで今度こそ完結。明日も多分代表のことになるかな。色々テーマが出てきたしね。Jのこともやりたかったんだけど、まあそれはもう少し過ぎた辺りの方が僕の先見眼のなさを晒さなくて良いと思うし。じゃあ、ここまで。

*さっき、表示がおかしくなったりしたんですけど、きっとそれは気の迷いです(苦笑)弄ってたらおかしくなっちゃって。申し訳ないです。

|

« 理想も、現実も@AsianCup 2007 F.Qualify vs サウジアラビア | Main | 今なら間に合う!あなただけにそっと教えるダービーの魅力 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/11792241

Listed below are links to weblogs that reference 価値ある一歩前進@AsianCup 2007 F.Qualify vs イエメン:

« 理想も、現実も@AsianCup 2007 F.Qualify vs サウジアラビア | Main | 今なら間に合う!あなただけにそっと教えるダービーの魅力 »