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August 22, 2006

クオリティ高き両雄@J1 第18節 アントラーズ vs レッズ

長くなっちゃったけど、久々に他のゲームもね。マリの試合レポートしないわけだし。

2006 J.League Division1 第18節

アントラーズ 2-2 レッズ @ カシマスタジアム「クオリティ高き両雄」
Antlers:40'アレックス・ミネイロ 69'柳沢敦
Reds:71'小野伸二 89'ワシントン

Super Soccer

鹿島スタメン:GK曽ヶ端準、DF内田篤人、岩政大樹、大岩剛、新井場徹、MF青木剛、フェルナンド、小笠原満男、ファビオ・サントス(→89'野沢拓也)、FW柳沢敦(→78'本山雅志)、アレックス・ミネイロ(→89'深井正樹)

レッズスタメン:GK山岸範宏、DF堀之内聖、田中マルクス闘莉王、坪井慶介、MF鈴木啓太、長谷部誠(→54'山田暢久)、平川忠亮(→76'永井雄一郎)、三都主アレサンドロ、小野伸二、FW田中達也(→76'相馬崇人)、ワシントン

なんだかんだ言って非常に高いチーム力で前節首位に立ったレッズとクオリティと勝ち点を着々と積み上げて現在4位の鹿島の上位決戦。前回は埼スタでシンジのダシとされ血祭りに上げられたこと、ここのところ動員の落ちているカシマに多くの人が詰めかけたこと、そしてこれからのリーグ戦を考えても、鹿島にとってはより勝ちたいゲーム。レッズにとっても一度手に入れた首位の座、一節にして離したくはないところ。

で、スタメンに目を移すと鹿島の方はベストメンバーと目される選手をしっかりと揃え、ベンチにも攻撃的な選手6人総動員と攻め勝つという姿勢が見える構成。レッズの方は代表で長い時間プレーした選手が多くコンディションなエクスキューズが残るモノの、ほぼ現状のベストメンバー(ポンテはまだ戻れないけど)前節は大事を取って出場を回避したワシントンがついに復帰し、田中達也と2トップを組んだ。ワシントンが復帰したことで山田がベンチスタート(右サイドは平川)

前半

田中達也が左サイドで平川からショートパスを受けると内田、青木をかわしてペナに切れ込み、後ろから押し上げてきた長谷部を使うと、うまく体を使ってキープするとそれに合わせて鈴木啓太が押し上げ最後はミドル。このプレーが呼び水になったのか、序盤は完全にレッズの時間帯。前線のフォアチェックに連動してかなり高い位置にラインを設定し、かなり積極的にプレスを掛ける形としっかりと守備ブロックを作って相手の攻撃を待ち受ける形をうまく使い分ける隙のない守備を構成することで相手に実効的な攻撃を許さず、長いフィードで高い位置にいる選手を使い、相手のディフェンスラインとの1on1の形を作るシーンが散見、その中で決定機もあったりとそれなりにうまくいっていた印象(大岩のクリアが前に詰めていたシンジに当たると、高い位置にポジションを獲っていたワシントンの前にボールがこぼれる。ワシントンは相手の必死のリカバーを冷静な心理状況、ぶれないフィジカル、正確なボールコントロールでいなして、そのままゴール前に持ち込むと、曽ヶ端と1vs1の超絶決定機。しかし、冷静にコースを狙ったフィニッシュは曽ヶ端が読み切る形で制され、凌がれた)

鹿島の方は押され気味でチームの良さでもある変幻自在のポゼッションから相手を崩しきるな形やサイドバックのオーバーラップを使った形は見せれなかったモノの、その中でフェルナンドが積極的に攻撃に絡み際どいミドルを見せたり(ポスト直撃)、プレスに引っかける形からシンプルにカウンターを発動したりと、殴られっぱなしにはならない。鹿島が良い形を作りながらリズムを引き寄せたことで展開としてはニュートラルな形となり、互いに攻め合う。

どちらも集中してゲームをし、緊張感の中で展開が推移。徐々に鹿島の攻撃が鋭敏となり、鹿島にリズムが移り始めたかなという終盤、ゲームが動く。右サイドからのCK、小笠原の速く鋭いボールがニアに飛ぶと中から逃げる形で動き出したアレックス・ミネイロがドンピシャ。マークも間に合わず決まって、鹿島が先制。「小笠原らしい」と言えるボールスピードと精度の伴うキック、そしてアレックス・ミネイロの動き出し(高い選手、強い選手のいるゾーンをかいくぐったクレバーなプレー)、見事。

この後、反撃に出よう前掛かりになるレッズに対し、鹿島が激しく迎撃し、隙を見てカウンターと、一気にゲームが動き出しそうな予感もあったが、時間は少なくスコアも動かず。前半は1-0で折り返す。

後半

和司の黒×白チェックのシャツに黒×茶のストライプのネクタイのコーディネートは良いのだろうか(老け込んで見えるなぁ、おじいちゃんみたいだ)と思いを巡らしながら向かえた後半(なんて書き出し)、シンプルに田中達也が高いラインのかいくぐろうとしたのに対し(オフサイド)、鹿島はポスト&ムーブという形で細かくボールを動かして新井場がスルーパス(通らず)、どちらも特徴を出し合う立ち上がり。しかし、鹿島の選手の精力的な動きに対し、レッズの選手は少々緩慢になっていた感があり、この辺は代表戦による疲労も影響していたか(アレックス・ミネイロが前でボールをうまく受けてからのカウンターのシーン、攻→守の切り替えが遅くて戻りきれず、最終的なボール到達点となったファビオ・サントスに誰も見切れていなかった。小笠原のパスが柳沢に通った時点で柳沢は前向いて勝負に行ってたらもっと良いチャンスになったかな)

レッズはCKからワシントンボレー(ハンド?)、闘莉王のカウンター80mぐらい独走シュート(GK)など散発的に個人の力でチャンスを作ったが、鹿島はコンビネーションからサイドを柳沢や青木が使っていったシーンからチャンスを作り、クオリティ、回数的に鹿島がリズムを持っていた印象。その中で先に動いたのはギド。少々存在感の薄かった長谷部に変えて山田を投入。しかし、傾き掛けた流れは変わらず、鹿島の攻勢に晒される。低い位置で人数を掛けてブロックを作っているので崩しきられるシーンこそないものの、動きだしに対しての反応が悪く、先を制するような守備が出来ずに受け身になっていたかな。そしてその不安要素がもろに出る形でスコアが動く。

長く切れない展開、その中で攻守を切り替えきれずブロック形成出来ない状態で、左サイドで柳沢にボールを引き出されると、ミネイロ・柳沢vsレッズ最終ラインという形に。すると、柳沢とミネイロがワンツーという形でその3枚のラインを完全に崩しきり、抜け出した柳沢は飛び出してきた山岸の切っ先を制してループで流し込み、ゴール。久しぶりの柳沢のゴールはらしい動き出しの質の高さとらしくない冷静なフィニッシュシーンが噛み合った綺麗なゴールだった。ただ、体力的な問題からかもの凄い切り替えられない状態に陥ってしまい、攻められているにも関わらず「ハリーバック」出来なかったこと、そしてミネイロに渡った時点で完全に柳沢への警戒を解いてしまったことと、堅守を誇るレッズにしては集中力を感じない守備をしてしまったかな。これで2点差。

しかし、これでプライドに火が付いたのかレッズの攻撃に火が入る。キックオフから左からワシントンに楔が入ると、田中達也とのワンツーでマークを剥がす。そこに反応する形で平川が上がってきて使うかなというところで、ワシントンの選択は中。後ろからシンジがダイナミズムを付けてペナに進入、そこを柔らかいループパスで使ってシンジはオーバーヘッドで合わせる。ゴールは枠を捉えなかったが、後半見られなかったダイナミズムのある良い攻撃。そしてその次のプレーでゴールを生み出す。

GKをクリアすると、それに対して鹿島のディフェンスが少々集中を欠いたプレー(新井場が足で触ろうとして触れず)で後ろに流してしまい、そこを田中達也に突かれる。田中達也は右サイドを突き進み、ゆっくり中を見てワシントンへ、ワシントンはヘッドでふわっと落とし、最後は同じように後ろから走り込んだシンジ。ダイレクトボレーで強烈に叩き込み、失点後2プレーですぐさま一点差に詰めた。田中達也の反応の良さと冷静に中を見ていたからこその少しの溜めと柔らかいクロス、ワシントンの高さと周囲をしっかりと捉えていた落とし、そしてシンジのばっちりボレー、全てが噛み合ったゴールだった。鹿島のディフェンスは準備出来ないのは当たり前、それだけ新井場の軽率なミスは痛かった。

一気に傘に掛かって攻めようと、レッズは平川、田中達也に代え、相馬、永井を投入。相馬・永井を両サイドに据え、前線はアレックス・シンジ・ワシントン(+闘莉王)という形に。鹿島は柳沢に代えて本山投入。かなり積極的なギド采配ですが、「この時点」では裏目。なかなかボールを引き出せず長いボールもセカンド拾えず、逆に間延びしている状態の中でポゼッションされて時間を使われたり、バイタルを本山に使われたりと、ボールを奪えず攻めたいけど攻められない。時間がなくなり、これまでかと思われた土壇場でレッズの個の力がスパークする。

ロスタイム直前、山田の展開から右サイドに張り出していた永井へ通ると、何気ないけど長いストライドのドリブルで新井場の対応を許さずクロスを供給、このボールに対して前線に上がり続けていた闘莉王が落とす。その落としに対して競り合った中でワシントンの前にこぼれ、それをワシントンが押し込んだ。最初はオフサイドかな?と思ったけど、相手に当たってこぼれたというところで取らなかったのかな。一点目と同じような形でしたが、それを再現出来る確かな技術はさすがといったところ。山田の展開、永井のクロスに至るまでのプレー(ファーストタッチ、ドリブル)と精度、闘莉王の折り返し、ワシントンのフィニッシュ(+シンジのデコイラン)、文句の付けようがない。結果的に、采配当たりということか。鹿島ディフェンスの方は後数分というところだけど、弱点を突かれた(右サイドのサイズのなさ、内田も競り合いに関しては厳しいよね)、それを無にすべきマークも首を振らされて良いポジションで対応しきれずと、少々甘かったかな。後数分と言うところでもったいないという部分もあったが。

この後、レッズ、鹿島ともゴールに繋がりそうなプレーを生み出したりと最後まで攻め合ったが、結局このまま。上位対決は痛み分けとなった。

非常にクオリティが高く、サッカーとしても熱く、充実したゲームでした。で、両チームともこの順位が相応しい(ネガティブにとらないで、とてもポジティブな意味で書いてるから)しっかりとしたサッカーを展開していたわけですが、この試合は鹿島の積み上げてきたもの、レッズの勝負強さと個々の実効力の高さがとても目に付きました。

勝てる試合を「落とした」感もある鹿島ですが、それでも攻撃構築から崩しに至るまでのスムーズさ、アイデア、連動性などは非常に良く見えました。特にある程度のプレスならかいくぐれる中盤のポゼッションに置けるクオリティの高さとダイレクトプレーとダイナミズムというガンバみたいなスペクタクルモードな崩しの部分は、非常に素晴らしいモノがあったと思います。

個人を見ても、新加入のファビオ・サントスも徐々にチームにフィットしてきてアクセントとなっているし、フェルナンドがコンディションを立て直して非常に積極的にプレーしている印象。後はトップと言うところでこの日は二人ともゴールを上げてと、グループとして歯車が噛み合ってきた印象を受けました。まあ、小笠原に海外移籍(メッシーナ?)の噂があって、移籍濃厚らしいので、又再編成を迫られることになりますが、この枠を巡って本山、野沢、深井、増田、コオロキなどが鎬を削るわけで、チームの活性化がポジティブな勢いを与えるかも?まあ小笠原の離脱は痛いと思うけど、ね。とにもかくにも残念な結果にしても、クオリティは証明したゲームだったのではないでしょうか。

レッズの方は、体力的にも展開的にも苦しいゲームになりましたが、さすが強者といったところか。開始20分過ぎまでの制圧ぶりはさすがの圧力でしたが、それを続けることが出来ず、徐々に鹿島に流れを明け渡していながら、それでも追いついちゃうんだから、やはりこのチームの個々の選手のクオリティの高さは圧巻。もちろん、速い、高い、強いといった見えやすい部分のクオリティも高いのですが、それ以上にこの日目立ったのは技術の高さ、精度の高さ。

得点シーンにそれが表れていたと思うのだけど、とにかく良い状態なら無為なミスをしない。田中達也のクロス、シンジのボレー、山田のミドルパス、永井のクロス、この辺はミスなし。良い状態でボールを持った時、その状況を技術に反映させられる事は素晴らしかったです。だからこそ、劣勢で厳しい状況ながら、土壇場でもああいう事を引き起こ下とも言えると思いますし。この辺はもっと称えられても良いかなと。
高い技術は持っているのだけど、それをコンスタントに発揮出来ない事が多くて、比例して低質なプレーも多くなってしまうというのがJの良くない部分だと思うのだけど、レッズの選手はそういう部分が比較的少ないと感じる。だからこそ、強いのかもね。

あと、勝負の綾となった部分もちょろっと。引き分けだから、それだけが勝負を決めきる要素にはなり得なかったとも言えるのですが。で、個人的にはこのゲームに置いて流れを掴む要素がラインの高さとプレッシングの機能性という部分にあったのは明白で、それが勝負の綾だったかなと。どちらもボールを持てば実効性の高いことを出来る。だからこそ、強いプレッシャーを掛けて(それに伴ってコンパクトなゾーンを保つ事も必要だね)その自由度を奪わなきゃいけない。それを出来た方がこの試合に置いては優位性を握れる要因となっていたと思います。

で、序盤レッズが押し込んでいたのはとにかく高い位置で前から前から圧力を掛けて相手を自由にしなかったことが反映されていたと思うのですが(セカンドボールをしっかりと拾ってセカンドアタックに繋げていたシーンは迫力があった)、それが続かなかったからこそ、厳しい展開に陥っていった。逆に鹿島はかなり精力的にプレーしていて、それは守備にも反映されていました。だからこそ多くの時間優位にゲームを運べていたのではないでしょうか。レッズはコンディション的に厳しい要因を抱えていたから、こういうゲーム展開の中で良く拾ったと思いますし、鹿島は勝ちきるべきゲームだったといわれてもしょうがないかも知れません。綾を観点にしたら、ね。

ということで、褒めすぎな気がしないでもないけど、まあそれだけクオリティの高い良いゲームだったということですよ、奥さん。それは見習っていきたいなぁ。Jの更なるレベルアップのためにね。ということでここまで、明日も多分レポートする。面白そうなゲームやりたいから、ジェフ-FC東京の予定(京都が今週当たるからそっちにしようかと思ったけど、明日初回で時間遅いんだもん)

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