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August 17, 2006

アジアの現実@AsianCup 2007 F.Qualify vs イエメン

まあ、2戦目なんだから変わってなくて当然とも思うけど、消化不良感は正直残った。ただ、まだ始まったばかりだし、全てはこれから。苦い経験を積み上げることも又大切、でしょ?オシムたん。

AFC Asian Cup 2007 Final Qualify Week2

Group A/Japan 2-0 Yemen @ Niigata Stadium"Big Swan",Niigata
Japan:70'Y.Abe 90'+1'H.Sato

AFC AsianCup Official

日本スタメン:GK川口能活、DF加地亮、田中マルクス闘莉王、坪井慶介、駒野友一(→46'羽生直剛"祝・初キャップ!")、MF阿部勇樹"祝・代表初ゴール!"、鈴木啓太、遠藤保仁(→71'佐藤勇人"祝・初キャップ、そして双子出場!")、三都主アレサンドロ、FW巻誠一郎、田中達也(→89'佐藤寿人"ストライカーの仕事、祝・双子出場!")

イエメンスタメン:GKサイード、DFサレム、アルワディ、アルコル、ムナッサル、アブドゥラ、MFアルオムキ(→76'ヤハヤ)、アルワ、アルウォラフィ(→81'アリシェリ)、FWアルフバイシ(→62'アルマング)、アルノノ

オシムジャパン初の公式戦は、来年東南アジア共催で行われるアジアカップの最終予選。イエメンをビッグスワンに向かえる形で行われました。夜になっても気温、湿度が落ちず、厳しいコンディションの中でこの試合を向かえることに。ベンチには20人ということで、招集された22人から坂田と小林大悟がベンチ入りから漏れる形に、残念。

で、スタメン。今回新たに招集された選手の中では、加地、阿部、遠藤、巻がスタメンに名を連ね、それ以外はトリニダード・トバゴ戦と同じ。イエメンの方は、かなり引き気味の布陣を獲ってくることが予想される。soweluたんハァハァ。

で、ゲームの方はレポートすることが余りなかったので、簡単に。予想通り、イエメンがかなり引き気味の布陣を敷いてきたこともあって、完全に主導権を握ってゲームを進める形に。しかし、主体的なプレーアクションが少なく、リスクチャレンジの意識も低いため、相手を揺さぶるようなプレーが出てこない。散発的に主体的なアクションがきっかけとなる形で、細かいパス交換からの局面打開、巻をターゲットにしたクロスなどから決定機を向かえたが決めきれず、数多くあったセットプレーも同様。スコアレスのまま前半を折り返すことに。

後半、駒野に代え羽生を投入し(これにより阿部がストッパーに入ることに。アレックスが左のウイングバックに入り、3-4-1-2という感じかな)、アタッキングサードの活性化を狙うと、それが的中。羽生はこれまでになかった連続してボールを引き出すようなアクションを高い位置で起こして展開を動かし(ボールはなかなか出てこなかったけどね)、相手を揺さぶる。すると、攻撃も徐々に活性化。しかし、当たりの出始めていたGKに凌がれたり、枠を逸れる形でスコアレスを打開できず。そろそろ焦りが出てきたりするかなぁと思われた後半20分過ぎ、数多かったセットプレーがこの硬直したゲームを打開。右サイドからのアレックスのCK、インスイングの速いボールにマークを完全に振り切ってニアに飛び込んだ阿部がヘッドで合わせて、先制点。このゴールで少し解放されたのか、猛烈なプレスアクションが生まれたりと少しらしさも見えたが、それでも完全に解放されることはなかった。しかし、このままかと思われたロスタイム、直前に入っていた佐藤寿人がアレックスのインスイングのFKに合わせようと飛び込むと、GKはセーブするので精一杯でこぼれ球が生まれ、佐藤寿人はすかさず反応して押し込んだ。これで2-0、結局これが最終スコア。オシムジャパン初の公式戦は、アジアの現実に苦しんだ形でしたが、勝ち点3を得るという最低限のミッションをこなした。

まあ、様々なエクスキューズ(暑さ・湿度という気候的側面、チームとしての経験値、初めての公式戦という緊張感)があったとしても、結果が出せたこと以外余りイイ面はなかったゲームでしたね。まあ、引かれた相手に対してセオリーでもあるセットプレーを活かすことで勝てたことは良いこと、とも言えるのだけど(そのセットプレーも何だかなぁというのが多い)

ただ、これがアジアの現実。日本はアジアに置いては強者で、同じぐらいの力を持つ国以外との対戦ではこういう試合が増えていくのは仕方がないこと。だからこそ、このゲームは糧としなければいけないゲームなのかなと。引かれた相手に対しての「慣れ」と「術」、やりたいこととは別に、このチームが課題としてやっていかなきゃいけないことなのかなと。

で、特に見ている人がストレスを感じたであろう、攻撃が停滞した原因を少し分析してみましょうか。こういう状況は選手も監督も想定出来ていたはずなのだけど、実際されてみると、なかなか隙が見いだせない。ダイナミズムやリスクチャレンジをどのように、どのようなタイミングで、というのが掴めないから、攻撃が停滞していたように見えました。で、攻撃が停滞していた中で、チームが標榜している「主体的な判断、創造力」「判断スピード」「状況把握+予測」といった頭のエッセンスまでが「様子見」という要素にかき消されてしまい、主体的なアクションが余りに出なかったのかなぁと。

1.引かれているとスペースがないから、それに対して様子を伺う姿勢が強すぎて、ボールの流れが滞り、それに従って引き出すようなアクションも様子見に入っていく。

2.きっかけが掴めないから「主体的なプレーアクション」が数多く出てこなくなり、攻撃がノッキング。

3.そういうプレーが一つ出ても火の入っていない頭は急に回らず、次が続いていかない。

改めて並べてみましたが、このような負のサイクルに嵌っていたのかなと。

当たり前だけど、周囲が動いていかなければ早いタイミングでボールは動いていかないし、実効的な要素を考えたときより多くアクションを起こしていかなければ、相手を揺さぶるようなプレーも生み出せない。僕が不満に思ったのは、引かれていたとはいえ、もっとフレキシブルに「動くこと」を続けなかったこと、その礎となる「考える」ことが凪のような状態になってしまっていたこと。もっと積極的に、それこそ「惜しまず」に継続してやっていって欲しいなぁと思いました。それが「主体的で創造性に溢れる連動したサッカー」の基盤となっていくモノだと思うしね。

まあまだまだ先は長いから、悲観したり、断定したりはしないよ。端から全てがうまくいくなんてことはないんだから。今は色々なことをチームとして経験して、様々な引き出しを増やしていけばいい。悪いけどこの予選で負けてアジアカップは終わりなんて露程も思ってないよ、そんなに日本は弱くないって。じゃ、選手評。

川口能活(ジュビロ)→プレー機会少なく、評価なし。てゆうか、何度ボールに触ったのだろう……。

加地亮(ガンバ)→突破の実効力などはさすがといったところなのだけど、まだ色々な部分で掴めていなかったのかな。闘莉王の斜めのフィードで裏を取ったシーンやワンツーから中に切れ込んでいったシーンなど、ああいうことが出来るのだから、もっと行っても良かったかな。リスクマネジメントもある程度獲れていたし。ヤットの決定機に繋がった良いタイミングのラストパスは素晴らしかった。逆に前半決定機になりかけたミスは勘弁。

田中マルクス闘莉王(レッズ)→まあ一つ不満があるとすれば、低い位置からボールの流れと共に上がっていくというプロセスのないオーバーラップが多すぎること。まあ高いのは知ってるし、攻撃センス、得点感覚があるのも知ってるけど、端から高い位置にポジションを獲ってCFWになるのはいただけない。後ろから前に上がって自らがダイナミズムとなる方がより効果的。その効果をより引き出す意味でもその手間を削らないこと。阿部、鈴木とあなたのしたいことをしっかりとマネジメントしてくれる選手がいることに感謝しなさい。って、センターバックの評じゃねぇ。

坪井慶介(レッズ)→闘莉王がかなり前に行っていたこともあり、その分かなり慎重なポジショニングで阿部、鈴木啓太共にと秩序を担った。守備の部分はそんなに疑問はないのだけど(しっかりとカバーリングして漏らさなかった)、ビルドアップだね。もっと速いパスでどんどん動かしていくこと。ここで深く考える必要はないから、とにかくどんどん動かしていくことを考えた方が良いね。日本のディフェンダーの一つの課題でもあり、そういうのがうまい選手は少ないんだけどさ。

駒野友一(サンフレ)→煮え切らない印象かな。素晴らしいクロスボールを上げて巻の決定機を演出したりと質は低くないのだけど、いかんせん回数が少ない。加地さん同様吹っ切れない印象。交代は戦術的な要因があるにしても、もっと積極的にという部分も含んでいると思われる。てゆうか、両足で良いボールを蹴れるんだから、常に逆サイドを意識して、大きな展開も見たいところ。

阿部勇樹(ジェフ)→初ゴールおめ。オシムたんを救うゴール、さすが孝行息子。注目していた部分はこの試合では余り見られないかなと思ったけど、そうでもなかったね。しっかりとリスクマネジメントを担って、秩序を支えていた印象。そこはいいのだけど、攻撃面かな。鈴木啓太と交互ぐらいの勢いでどんどんダイナミズムを付けていって欲しかったし、ビルドアップという面でももっと積極的なプレーが欲しかったかな。阿部っちの低い楔は一級品なんだから、自分をもっと出しても良い。後は、後ろから展開を見て問題も見えているのだったら、キャプテンシーも見たかった。代表で遠慮しないなら、もっともっと。

鈴木啓太(レッズ)→正直代表の方が良いね、レッズより。まあほとんどレッズだけど、より積極的で特徴も出てる。しっかりと察知して、良いポジショニングで相手の芽を摘めていて、とても影響力が高かった。攻撃面でも後半はかなり積極的になっていたし、チームの中では数少ない及第点を与えられる選手かも。

遠藤保仁(ガンバ)→バイタルでボールを引き出して、アクセントを付けてほしいポジション、出来ればボールの流れに乗りながらアクセントを付けていきたいヤットという部分で齟齬があって、攻撃の停滞を招いた遠因となってしまった。センスの良さを見せて、決定機に絡んだシーンもあったけど、もっと主体的に動き出さないとこのポジションの選手としては不十分かなぁと。仕方ない部分があるので、使った方が悪いとも言えるけど、そこに対応していかないと生き残る術もないとも言えるし……はてさて。本来のセグンドボランチとしてやらせてあげたかったかな。

三都主アレサンドロ(レッズ)→二つのアシストは見事、なんだけど、今日はだめアレックス。周囲との兼ね合いはあるのだけど、基本判断が遅く、動きの幅もなく、実効力を欠き、プレーの精度も欠いた。てゆうかどこか熱に浮かれた感じだったのか、どうも反応が遅れていた印象。トリニダード・トバゴ戦のようなプレーをしていかないと、スタメン危なくなるんじゃない?

巻誠一郎(ジェフ)→今日はだめ。ストライカーとして決め切れなかったこと、積極的なプレーアクションが見られず動き出しの頻度が低かったこと、相対的な仕事量を考えたら評価を厳しくせざるを得ない。要求しても良かったんじゃない?ハイボール。まあとにもかくにも決めなきゃいけなかった。

田中達也(レッズ)→点は獲れなかったけど(あの巻のヘッドのポストリフレクションは何を置いても決めなきゃいけなかった)、巻に比べたら良かった。ボールを引き出すアクションは彼がきっかけになることも多く、体を使って次を見据えるようなポストワークをこなしたり、前が向けたら仕掛けたりと、かなり周囲を捉えながらプレーをしていた印象。かなり回数多くファールを取っていたりと、やはりドリブルワークは効果的だったし、早くゴールが欲しいね。で、正直凄い心配。あれだけ倒されて(しかも後ろからかなり)又怪我しちゃうんじゃないかとハラハラ。勇気は買うけど、怖いね。

交代出場

羽生直剛(ジェフ)→起爆剤。羽生自体はすべきことをしたに過ぎないかも知れないけど、チームとして欠けていたことをやり続けていたことで、チームを刺激し、停滞した状況を流した。プレーの実効度は数回良いシーンがあったぐらいだったけど(使われなかったシーンも多かった)、やはり高い位置での積極的なプレーアクションやダイナミズムがこのサッカーに不可欠なモノというのを印象づけたかな。凄い強烈なプレッシングが数回あってジェフっぽかったね。山瀬、羽生、小林大悟、ヤットと質の違う選手が色々このポジションをこなしたけど、どう考えるかねぇ。

佐藤勇人(ジェフ)→祝・初キャップ!まあ普通にやってたかな。強烈なインパクトを与えるプレーはなかったけど、こういう選手が嵌るのは何となく分かる。その動きが展開を繋ぐサポートとなりダイナミズムとなるわけで、スタメンで見てみたいかな。

佐藤寿人(サンフレッチェ)→終了間際に登場、そして史上初の双子出場コンプリート、そして祝砲、出来すぎですから。投入直後のセットでいきなりフィニッシュシーンを向かえ、そして2度目のセットで抜群の動き出しでフリーとなってヘッド(合わせきれなかったけど)、抜け目なく素早く反応してゴールと素晴らしい。これぞスナイパー、ストライカー。それ以外は時間が短くて評価なし。

イビチャ・オシム(たん)→今日の苦戦の一端は監督のスタメン選択にあり、その辺はどのような狙いがあろうと言い逃れ出来ない部分。ヤットがだめで羽生が良いのではなく、個々の特徴を見据えず適正のないポジションに据えて、そぐわない役割を課してしまったことにあったと思う。普通に山瀬や羽生を使って、ヤットを使いたいならセグンドボランチでよかったと思う。まあ適性検査、公式戦に置ける経験など、選択した理由があったのだろうけど、見極められなかったとも言えるわけで。まあ、重箱の隅をつつくようで悪いけど。とにもかくにも今は選手達に更なる意識改革を求めていって欲しい。どのような状況でも積極的で主体的なプレーをするための術として、それをピッチの選手達だけで答えを見つけ出せるぐらいね(様子を見る前に「動かなきゃはじまらない」というメッセージが羽生の投入に詰まっていたと個人的には思う)てゆうかさ、海外遠征とか大丈夫なのかなぁ……心配。

*今日のピッチ上のパフォーマンスとコメントは書こうと思ってることのヒントになったよ。一つ、答え出たよ。

上にも書いた通り、まだまだ始まったばかり。今はまだまだ試用期間みたいなもんだからドタバタしないの。でも、一つだけ言っておく。山瀬は?隼磨は?坂田は?(ベンチ外だし)見たかったなー、見たかったなー。ということで今日はここまでっす。

*隼磨にしても、山瀬にしても、坂田にしても残念だったけど、クラブでアピールアピール。てゆうか、セレッソ戦勝たないと又泥沼に逆戻り!柔軟な判断と創造力を持って、良いプレーしてよ、マリで。使わないなら3人も呼ぶなよなー(言いがかり、公式戦じゃ仕方ないのなんて分かってるけどさ)

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Comments

見ていてストレスのたまる試合でしたね。特にDFのビルドアップはストライカーを育てるのと同じくらい急務な課題ですね。本当イライラしましたよ。まあ、これはJ全体にもいえることだと思いますが・・。
あと、守備的中盤に阿部・啓太と守備の方に特徴がある二人をおいたところにオシムのこの試合の慎重さが見えたような気がします。やはり代表の公式戦の1試合目は勝利も求められるので難しさがありますね。
その他のアジア予選ではイランがシリアに引き分けらしいですね。シリアもそれほど弱いというわけではありませんが、その他の強豪も苦戦しているのを見ると、アジアで勝ち抜くって難しいですね。

Posted by: G-No12 | August 17, 2006 at 11:30 AM

G-12さん、こんにちわ。

まあビルドアップという部分は、その選手が持ち得るビジョン、意識、技術というのが直接表れるので、なかなか変えていくのは難しい部分ですが、やはりもっとその状況にそぐうプレーというのをして欲しいですね。闘莉王とかはそういうのを持っていますが彼は元々ボランチだからかなぁ……。

色々と分析した結果、イエメンのカウンターに対して二人の「エキスパート」を選択した……確かに慎重ですよね。水を運ぶ選手の重要性を説くオシム監督だからこそ、信頼できる二人という選択だったのかも知れませんね。相変わらずオシムたんの思考や選択には読みづらいですが……(深読みしすぎているというのもあるのかも知れませんが)

シリアは若年層が強いんですよねぇ。ユースの下(U17)とかは世界大会常連ですし、その才能レベルをA代表に引き上げる術を捉えるようなったのかな?と深読みしてますが……。それと、ワールドカップ出場国は新体制(イランはイバンコビッチが継続してるんだっけかなぁ……、トルシエとか、アドフォカートとか噂は色々聞きましたが)で、4年後を見据えたチーム作りを始めたばかりという不安定な時期だと思うので、その辺も関連しているのかも。

ただ、シリアは韓国にもイイ試合してたようでやっぱり相対的に強くなっているのかも知れませんね。アジアは広いですねぇ。日本も頑張らなきゃいけませんね。

ではでは。

Posted by: いた | August 17, 2006 at 01:39 PM

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Tracked on August 17, 2006 at 05:55 PM

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