« June 2006 | Main | August 2006 »

July 31, 2006

7月30日の幸せな感想+選手評。

Mixi_24/29からもう3ヶ月が経とうとしてますよ、ようやくようやくリーグ戦勝利、長かった……。お預け喰らいまくってた分だけ感慨深いです。てゆうか、試合中の虎神のゴール、山瀬のゴール、そしてホイッスルの瞬間、ぐっと来た。

今日は本当に良いゲームが出来たと思う。山瀬と坂田が素晴らしいパフォーマンスを見せて起爆剤となってくれて、周囲の選手も信頼感を感じる明確なプレーが多く、そして集中力高くプレーしてくれた。全員が最善を尽くして、やるべきことをしっかりとやった。だからこそ、今日の勝利はあると思う。それを称えたいし、そしてこれからも継続してやっていって欲しい、驕ることなくね。

色々気付いたこともあって沢山書きたいけど、今日だけは浮かれたいし、喜びたい。だから、詳しくは明日ね。って、さすがにこれじゃ簡単すぎるので選手評だけ置いておくよ。

達也:5.5/余りセーブ機会なかったけど、とりあえずは無失点おめ。キックは相変わらずだけどな。

勇蔵:6.5/少々ボールを持ったときに粗いプレーが多いこと、バウンドボールの処理は気になったけど、良さが前面に出た。マツとの信頼関係がしっかり出来て、どんどん前に出て潰してたことは貢献度高い。良いところを出せば強いんだから、自信持て。

マツ/7.0:やっぱり3バックの中央だとやりやすそうだし、らしいプレーが出る。前を狙う、後ろをカバーして河合や勇蔵に行かせるという判断(信頼関係)が非常に良く、ラインコントロールも破綻したシーンは0。特にトップに入れられる楔(長いフィードも含む)に対して積極的にプレーできていたことが、対アルビに関しては抜群に効果的だった。うん、安定感抜群と言っていいんじゃないかな。将軍様オーバーラップは凄かった、でも打たないと!主役でイイじゃない。

河合/7.0:良かった。対人の強さ、(空中含めた)前への強さ、ブラジル人耐性、やっぱり決戦兵器だね。久々のバックラインだったけど、ラインコントロールにとまどいも見せることなく、ほぼパーフェクト。ビルドアップに置いて、逆サイドを意識高く狙っている姿勢、◎。

良治たん:7.0/壺抑えまくりの渋いプレーでチームを支えた。運動量多くというより流れや局面をしっかりと読んで、イイポジショニングで影響力を出していく。何度も加勢に行ってボールを奪っていたシーンやディフェンスラインに入ってカバーするシーンがあったりと、守備面での貢献度の高さは特筆もの。ここが重心になったことがチームの安定感に繋がったかな。

鮪:6.0/少々左に固執しすぎる嫌いはあるもののプレーエリアが非常に広く、攻撃面では非常に良いアクセントとなった。坂田とジローが決めてりゃ2アシストだし。周囲が動いてくれると鮪のテクニックはより活きるね。山瀬ともそれなりに波長が合うみたいだし、これからが楽しみ。

隼磨:6.0/攻撃面での実効性は欠いたものの、皆が飛ばしまくって疲れた後半は縦横無尽に走り回って、攻撃していたことは良かった。もっと動きの変化を付けることと、デコイになってもイイからスペースを意識してプレーすることが出来るようになると、流れるようなプレーがでてくるとは思う。クロスは……ねぇ。低くて速いクロスとか入れると良いね、この2トップなら。

動虎:7.5/あの先制点の価値は計り知れないほど大きい。イイ流れで攻めておきながら実が伴わないとなると、チームの雰囲気もゲームの流れも変わっちゃったかもしれなかったしね。右足で初めて獲ったという虎萌え。展開を読んで読み鋭くインターセプトするシーンが増えてきたことを見ても、調子が上がってきているのかな。左サイドが機能すればマリは強い。これからも厳しく警戒されるだろうけど、何とか拠り所となって欲しいね。後はクロスの精度かな。虎も低いクロス入れて!

俺たちの10番山瀬功治:7.5/祝・スタメン出場、祝・復活ゴール。プレーの内容も抜群に良かった。Fマリノスのトップ下は縁の下の力持ち的な存在で消えがちなところがあるのだけど、積極的なフリーラン(デコイになることも厭わないし、出てこなくても意識が減退しない!)、ブラジル人トリオとの感応性、そして展開を読み必要なことを捉えられる力、そういうものがフルに発揮されて、存在感抜群だった。技術的にも高いしね。まだ突破とか、コンビネーションとか(それでもダイレクトプレートか掴みやすいプレーは凄い良かったね、センスのなせる技か)細かい部分では詰め切れていないのかも知れないけど、これだけ動けて顔を出して、チームの攻撃のクオリティを上げてくれるなら充分。スタンディングオベーションも納得、僕もした。待ってたぞ、俺たちの10。おかえり、俺たちの10。

坂田:7.0/良かったよ、抜群に。ゴールだけが足りなかったけど、攻撃面に置いてイーブンボールでもチャンスに繋げられるスピードと積極的で工夫もある仕掛け(ワンツーとかも結構意識があったよね)、空中戦もしっかりと競ってセカンドボールを作って、フォアチェック追いまくって、と貢献度は計り知れない。開始早々のポスト直撃やら、ダイビングヘッドやら、ジャンプヘッドやら、1vs1は決めたかったけど、まあそれは次回にお預けか。とにもかくにも復帰おめ。そしてよく頑張ってくれた。

鰻:6.0/出来はそんなに良くなかったと思う。ダイレクトプレー筆頭にプレーは結構ぶれてたし、ドリブルのキレもそんなになく、ロストも多かった。ただ、それでも結果を出してくれることはさすが。ボールを引き出すプレーは相変わらず秀逸で、動き出しの速さは本当にチームを助けてるし、ブラジル人トリオでのコンビネーションに置いてもやはり欠かせない。岡ちゃんが代えなかったのも何となく分かる。まあ守備も頑張って疲れてはいたから、代えても良かったと思うけどね。山瀬とは波長合いそうね。色々コミュニケーション獲って、詰めていって欲しいな。

交代出場

ジロー:5.5/まああそこで決めないのがジローらしいっていうかなんと言うか。ただ、このゲームで危機感高まったんじゃない?今日出たスタメンチームの機能性に付いていけていなかった部分を感じ取れたので、何とかこれに馴染んで欲しい。ジローの力は必要だよ。

吉田:s.v./ジローと一緒で、スタメン組の選手に付いていかないと出場機会が限られちゃうだけに、頑張って欲しいな。山瀬の動きに何かを感じ取って欲しい。動きの連続性と、使われなくても積極的に動き出してフリーランニングをすること。君に求められているものだよ。出場時間短く評価なし。

オーシ:s.v./またまた厳しい立場に立たされそうだけど、きっと必要な場面は来るはず。チームの機能性が高まればオーシのボックス内での得点力は必ず活きてくるはず。その時に又点を獲ってね。出場時間短く評価なし。

ということで、久々にこっちでやっちゃったよ。てゆうか結局長くなってる自分萌え、褒めたりないかも?まあ浮かれすぎてもね。とにかくこの手応えを無にしないことを最優先に中断期間中も集中力と意識を高く持って練習して欲しいな。後、怪我人出すな、セルティック戦も重要なテストマッチの一つとして、手応えを繋げていって。岡ちゃん、まだこれからだよ、これでということでここまで。今日だけは良いよね、浮かれさせて。

*サッカーの神様、ありがとう。しっかりサッカーしていくから、これからは贔屓してね。今日もちょっと意地悪だったし。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 29, 2006

It is exploded suddenly by Shunsuke Nakamura, the opening game!

やべー、思いっきり忘れてたけど、今日開幕だよ、スコティッシュ・プレミア。ということで、今シーズンも気が向いたらレポートする感じになると思いますが(スケジュールが充実してくるとやらなくなっていくんだよね)、簡易型開幕戦レポートを。

その前に、一応追っかけてたのだけど、セルティックのこの夏の移籍動向を。UCL本戦出場が決まって結構積極的に動くのかと思ったら、主力の流出という部分でそれどころじゃなかったのかな。シーズンと平行してUCLも戦わなきゃいけないという側面に置いても、レンジャーズにポール・ル・グエンが来てたりすることに置いても、現在の戦力で平気かなぁと不安になったりもするわけですが、はてさて。とりあえずまとめ。

06-07 Celtic Summer Transfer

[In]
D.Riordan(←Hibernian/FW)
J.Jarosik(←Chelsea/MF)
K.Miller(←Wolverhampton/FW)
G.Caldwell(←Hibernian/DF)
E.Sno(←Feyenoord/MF)

[Out]
J.Hartson(→West Bromwich/FW)
R.Harris(→Dundee.U/MF)
D.Dublin(→???)
P.McGowan(→Morton/Loan/FW)
R.Keane(retired)

とりあえず、この夏のセルティックのトップライナーといえば、エースであるジョン・ハートソン"軍曹"とチームの核スティリアン・ペトロフの去就問題。UCLに出るよりも、プレミアに行きたい、この辺がスコティッシュプレミアのグレードの低さってことなのかなと改めて思い知らされるわけですが、現時点では軍曹が稲本の所属するウエスト・ブロムウィッチに移籍していってしまいました。プレミアシップじゃないじゃんという感じなんですけど(昨シーズン降格)、まあキャリアの集大成で、もう一度イングランドで一花咲かせたいという軍曹の意向をセルティックが飲んだ形。で、スティリアン・ペトロフは開幕戦にも出場していたけど、まだ話し合いが続いている模様。エバートン、フルハム、ポーツマスなどプレミアシップ中位(下位?)勢から狙われてるようで、話がまとまれば出て行っちゃうかな。移籍志向が強かっただけに、引き留めるのは困難な様子。ちなみに契約更新済みなんですけどね。

で、そんな状況の中で、イングランドのウルヴスからスコットランド代表のケニー・ミラーを獲得。風貌がラーションみたいだ。軍曹がいなくなった穴を埋める選手。又、ペトロフが出ていくという見通しの中でチェコ代表のイリ・ヤロシクをチェルシーから獲得。既にコンビネーションも結構出来ていて、その中で飛び出しを見せてゴールを上げたりと結構期待できるかも?

まだ1ヶ月近く移籍期間は残っているので、これで確定と言うことはないと思うけど、まあ今のところは静かな夏という感じ。噂では、PSVのCFWフェネホール・オフ・ヘッセリンクや、ワールドカップで名をあげたウクライナ代表のアンカーアナトリー・ティモシュク、実績あるラウール・タムード、ディエゴ・トリスタンなどを狙ってる様子。こないだセルタとの話が破談になったニコ・クラニチャールも狙ってるとか狙ってないとか……。噂だけにずいぶん派手な名前が出てるけど、とりあえずディフェンスラインに質の高い選手を獲ってこい。とにもかくにもこれからという感じですかね。UCLの登録の問題もあるから、早めに決めちゃって欲しいけどね。

06-07 Scottish Premier League Day1
Celtic 4-1 Kilmarnock @ Celtic Park
Celtic:25'&90'M.Zurawski 38'J.Jarosik 75'S.Nakamura
Kilmarnock:87'S.Naismith

セルティックスタメン:GKボルツ、DFウィルソン、マクマナス、コルドウェル、カマラ、MF中村俊輔、ヤロシク(→84'スノ)、スティリアン・ペトロフ、マクギーティ、FWズラフスキ、ケニー・ミラー(→88'リオーダン)

ごめん、前置き長くなっちゃった。で、試合。移籍組では、センターバックにコルドウェル、中盤センターにヤロシク、トップにケニー・ミラーがスタメンに名を連ねた。レノンは出場停止。箇条書き。

・なんか「練習試合?」と思わされるような緩~い雰囲気。ピッチの選手達も、スタジアムの雰囲気も、さあこれからという感じがどうもない。今は助走期間という位置づけなのかもねぇ。

・ミラーは遠目ラーションみたいだ。坊主だし。動きに幅があって、基礎スキルも高い。フィジカル的にもしっかりしてる。結構器用で、前で起点となったりと既に結構チームには馴染んでる感じ。

・相手が4-4のゾーンを組んで待ち受けるような守備を獲っていたため、結構余裕を持ってボールを回すことの多いセルティック。ポジションを崩し、良い距離感でヤロシク・ペトロフ・俊輔が絡んで1タッチ、2タッチでのパス&ムーブが出来ると、良い流れの攻撃が出来る感じ。ペトロフとヤロシクはリスクマネジメントの部分で怖い部分はあるけど、凄いアグレッシブで良いね。

・逆にオリジナルポジションにこだわりすぎると展開が硬直し、詰まった展開になりがち。そういうときはサイドバックのオーバーラップ、なんだけど相変わらずかな。カマラ(笑)にしてもウィルソンにしても、タイミングは良いんだけど、クロスが……。

・受けに回ると脆いのは相変わらずか、ストラカン。UCLで戦うならバックラインに一段上のグレードの高い選手が欲しいね。コルドウェルもバルデとかと大して変わらないかなぁ。

・ズラキタワァ。ミラーの高い位置でのカットからのカウンター、そのままミラーが左サイドからボールを運んで、ニアに走った選手をデコイに、逆サイドからフリーで走り込んだズラへラストパス、ズラしっかり流し込んだ。ワールドカップではてんで駄目だったけど、セルティックで決めてくれればいいよー。ミラーもGJ。軍曹みたいにどんなボールでも決めちゃうような強さはないけど、幅広く動きながら仕事をする。

・って、立て続けに今度はヤロシクキタァァ。パスの流れが良いと、良いタイミングで上がっていくね。中盤でうまくボールを動かしてフリーマンを作り(ウィルソン楔→ミラーポスト→ズラ)、最後はズラのクロスにヤロシクヘッド!強いね、強いよ。イイよイイよ~。

・ただ、前半通じて時々良いプレーが見れる程度で、結構ぐだぐだだったのは内緒だ。ゆるーい感じ。ただ後半に入って少しエンジンが掛かってきたのか、イイ流れのプレーが増え、ほとんど仕事してなかったマクギーティもゲームに入り始めた。マクギ良いね、マロニーちゃん不在の中では突破型は彼ぐらいだし。

・俊輔削られる。ストッキングに血が!

・俊輔やり返す。ビューティフルFKキタワァ!!開幕戦から炸裂、芸術的な左足!中央より、絶好のポジションから素晴らしいボールスピードで抜群のコースにぶち込んだ!うひひ、見れて良かった。俊輔はやれば出来る子。

・3点目で明らかにペースダウン。まあね、いいけどさ。で、案の定点を獲られる。スタジアム大ブーイング。

・ヤロシクに代えてスノ、ミラーに代えてリオーダン。新加入選手同士の交代。で、ヤロシク、ミラーにスタンディングオベーション。ストラカンはこういうの好きね。終盤に下げて、サポーターからのセレブレーションを受けさせてあげる。早くチームに馴染ませようという配慮が伺える。

・スノはダイナミックに縦を動いていける選手。動きも柔らかいし、面白そうな選手。ただ、判断が遅いのと、守備が結構やばい感じ。センターで使うのは怖いなぁ。サイドだったら面白いかも。リオーダンは時間短かったから分からない。

・最後にまたもやズラ!混戦の中で抜け目なく押し込んだ。うんうん、失点は余計だったけどイイスタート。こういう試合でしっかりと勝ち点は落としちゃ駄目だからね。しっかり勝てたのは良かった。まあまだまだという感じだけど、今出来上がってても怖いので、この一ヶ月でコンディションとコンビネーションをしっかりと作り上げていって欲しいな。

ということで4-1、楽勝でした。正直開幕が早すぎて、ワールドカップに出た選手(俊輔、ボルツ、ズラ)はあんまり休めてないかも……という心配はあるけど、それなりに去年からの積み上げがあって、新加入選手もチームのやり方というのをある程度理解しているのか、それなりにスムーズな連携を見せてくれて、イイ出だしになったのかなと。

で、俊輔に関して。まあそれなりという出来だったけど、結果が出たこと、周囲とのコンビネーションがある程度出来ていたことは良いことかな。コンディションはまだまだという感じだと思うのだけど、局面局面で良いプレーをしていたから、この1ヶ月で徐々に上げていってくれればいいかな。

良かったところはFKはもちろんなんだけど、ポジションを変えながら連続してプレーをしているところかな。意識が高まっている感じがした。いなして、良いところにパスを出して、で終わりじゃなくて、出した後にすぐ次のパスコースを見定めて動いて、自らターゲットとなって受けるという動きをしていたのが良かった。これを継続してやっていって欲しいな(ペトロフやヤロシクと連動すると凄い良い流れになっていた感じ。1タッチ2タッチのコンビネーションはパサーが次のレシーバーにならないと話にならないからね)

てゆうか、これから日本に来てマリとやって、戻ってすぐハーツとやって、その後にはチェルスキと親善試合と、開幕からいきなりハードスケジュールなのが気になる。集金ツアーとはいえ、ここでコンディションを崩さないようにして欲しいな。来月にはUCLがあるわけだし。正直シーズン中に極東まで来るのはどうかと思うよ。稼ぎたいならUCLで勝てって話ですよ、えぇ。

*てゆうか、マリも今親善試合なんてやってる場合じゃない。しかもここで金を集めても、社長は嘘付くし。

まあとにもかくにも開幕弾おめ!チームの雰囲気が緩いとか、色々あるみたいだけど、今年もwktkさせてくれ!目標は連覇とUCLのグループリーグ突破だね。とりあえず怪我には気を付けて!ということでここまで。

Link!Link!Link!
俊輔輝き戻った!開幕戦FK弾!(スポニチ)

中村、開幕戦でゴール=セルティック、連覇へ白星発進-スコットランド・サッカー(スポナビ)

再出発の初戦でゴール 直接FK決めた中村(スポナビ)

俊輔、開幕戦でFK弾/スコットランド(ニッカン)

俊輔、FK弾…スコットランドプレミアリーグ(報知)

これが中村俊輔だ!プロ初の開幕戦ゴールとなる直接FK弾!(サンスポ)

*色々出てきたら、リンク付けるよ。付けたよ、ちょっと数少ないかな。それにしてもサンスポは……

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 28, 2006

存分に味わう負の流れ@J1 第15節 ジュビロ vs Fマリノス

負け試合で満足できちゃうほど、貧しい体になっちゃったよ。情けないけど、もうどうしようもない、腹を決めるしかない。存分に味わうよ、この流れを。それも又フットボールでしょ。

2006 J.League Division1 第15節

ジュビロ 3-1 Fマリノス @ ヤマハスタジアム「存分に味わう負の流れ」
Jubilo:46'&53'前田遼一 78'船谷圭祐 F.Marinos:68'大島秀夫

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF田中隼磨、栗原勇蔵、松田直樹、ドゥトラ、MF河合竜二(→83'ハーフナー・マイク)、マグロン、狩野健太(→51'山瀬功治"J通算100試合、そして今季初出場、長いリハビリからの復活、おめでとう")、吉田孝行(→60'久保竜彦"いくら凄くても決めなきゃね")、FW大島秀夫、マルケス"これだよ、これ"

ジュビロスタメン:GK川口能活、DF茶野隆行(→46'大井健太郎)、田中誠(→75'上田康太)、金珍圭、服部年宏、MF菊地直哉、福西崇史、ファブリシオ、成岡翔(→68'船谷圭祐)、FW太田吉彰、前田遼一

その実績、ポテンシャルに伴わない成績を残している両チームの対戦。どちらもチーム状態が良好と言える状況ではなく、復調への明確な指針がなかなか見えない中で、やはり欲しいのはまずは結果、続いて手応えといったところか。

その中でどちらの監督も相手を尊重した中でのスタメンを組んできたのか、少々弄ってきた。ホームのジュビロは、前田共に高い位置に太田を置き、中盤低い位置に菊地、福西、ファブリシオを並べる形に。対するFマリノスは、これまでの4-2-3-1風味の布陣は維持しながらも、トップには大島を再開後始めてスタメンに据え、又狩野もスタメンに起用。彼らの特徴を活かして遠ざかっているゴールを目指す。

前半

どちらかといえばジュビロの方に復調気配が見えるだけに、ジュビロの方がペースを握るのかなと思っていたのだけど(ホームだし)、立ち上がり積極的に出たのは不振を極めているFマリノス。トップに当て、そのセカンドボールを拾ってアタッキングエリアでの崩しを狙うといういつも通りの攻撃構築だったものの、後ろに控えるマルケス、吉田、狩野がかなり流動的にポジションを変えながら動き回り、それに対してジュビロディフェンスの混乱もあってペースを握った。ファーストチャンスは右サイドで得たFKから、ドゥトラのインスイングのボールにニアでマルケスが合わせたもの(枠外)

序盤から積極的なプレーが続き、セットプレーが増えたFマリノスは、続けて今度は狩野のキックから、ニアですらせて最後はファーで河合がヘッドと、惜しいチャンスが続くが相変わらずゴールが遠い(フリーだったものの枠外)その後もペースを握っていたが、ジュビロもここのところ目立つ福西の攻め上がりからチャンスを迎える。成岡のボールキープの間に、福西が左サイドを上がるとそこへ正確な斜めのフィード、福西がダイレクトで落として最後はそれをしっかりと感じていた太田が狙ったもの。ジュビロらしい正確なプレーとアイデアの詰まったプレーだった。Fマリノスとしては、懸念されていた右サイドバックのスペースケアと対人の危うさを突かれた形。続けざまに前田にもシュートに持って行かれたのを見ても、ここは修正し切れていないのが見えた。

ただ、ピンチを迎えても積極的な姿勢が消えなかったFマリノスは、両サイドを起点に攻める。隼磨・ドゥトラがフリーになることが多く、そのズレからスペースが生み出したりして(ジュビロの方としては、この二人に対して誰が見るのか整理のついていない部分があって、玉突き的にフリーマン、スペースを生む遠因になっていたかな)ある程度攻撃が流れる。隼磨のクロスから大島(強いシュートにはならず)、左サイドのコンビネーションからドゥトラが中に切れ込みシュート(枠上)、右から運んで空いた中を使って最後は猛烈に上がってきたドゥトラがシュート(枠上)、隼磨が運んで引きつけたところで、最後は吉田のミドル(能活セーブ)とフィニッシュに繋がるシーンも続々。しかし、相変わらず決定力を欠き、ゴールは生まれない。

久々にブラジリアントライアングルも機能。ある程度プレーできる余裕を与えてもらっていただけに、卓越した技術、細かなコンビネーション、ダイナミズムの付随など特徴を発揮する。ドゥトラ突っかけて2枚引きつけて、フリーとなったマルケスへ預け、今度はマルケスが突っ込み中へ、スルーを経由してオーシに収まり、最後は落として吉田のミドルと、これまででは信じられない流れの良いプレーなども生まれる(シュートは枠上。てゆうか、あそこまで崩したんなら、最後はディフェンスラインの裏というかボックスの中での超絶決定機みたいなのを作りたかったね。シュート精度があれって感じがもの凄いあるので、最後の難易度が高いなぁという感じ)

ジュビロは後手に陥って劣勢を強いられていたものの、終盤になってカウンターからチャンスを迎える。切り替えの速さを活かして数的優位を作り、成岡が中→外へと展開して最後は左からの速いクロスにもう一度成岡がヘッドで合わせた(これは枠を逸れる)しかし、ペースを引き寄せるまでには至らず。

結局最後までFマリノスの攻める展開が続き、10本のシュートを打ったもののスコアは動かず(枠内は3)スコアレスで折り返す。

後半

立ち上がりのプレーで怪我をしたらしい茶野に変わって大井を投入してきたジュビロ。その大井が絡んでジュビロに先制点が生まれる。後半開始直後、ディフェンスラインからのフィードを前田がうまく収めて右サイドへ。大井が中に入れるが、これははね返される。しかし、セカンドボールがもう一度大井へ、その大井は流れてきた太田を使って、太田はエンドライン際から速いクロス。達也が飛び出したものの触れず、最後しっかりと詰めていた前田が体ごと押し込んで先制。やっちゃったな、マツと達也の間をすーっと抜けていっちゃった。出るなら触る、触れないなら任せる。その判断が出来ず、水になってしまった。でも、太田のクロスが素晴らしかったかな。ああいうクロスが相手の対応ミスを引き出したわけで。

このゴールに反映されていたわけではなかったものの、ジュビロは前半は後手後手だった守備もよくなる。ある程度人を決める形に代え、粘り強くマッチアップしながら相手のミスを突く形で奪うするシーンが増え、そこから鋭いカウンターが飛び出るなど(福西が吉田のコントロールミスを突いてボールを奪い、そのまま持ち上がって展開、最後は右にスルーパスを通して、太田の決定機を演出)守備の修正がうまくいったことで全体的に流れも良くなり、ジュビロはポジティブな空気に包まれる。Fマリノスはビハインドを負ったこともあって、後半開始6分後に復帰明けの山瀬を投入してビハインドを返しに掛かるが、ジュビロのポジティブな空気は変わらず、2点目が生まれる。ディフェンスラインで大島との競り合いを制してボールを奪うとそのまま前線にフィード、これが右に張り気味にポジショニングを獲っていた成岡に繋がり、その外を回った太田が一気に加速して右サイドを疾走。誰もアプローチにいけないままフリーでクロスを上げると、中は一枚だったもののピンポイントでファーに走り込んだ前田へ、前田はこの決定機をしっかりとニアサイドに叩きつけたヘッドで達也を破った。まあ素晴らしいカウンター、こっちとしては運がないのだけど、中一枚でしっかり合わせる精度、そしてそれをしっかり決めるというのは相手を褒めるしかない。ただ、カウンターに関しては偶然性の高いものだったから仕方ないにしても、中のマークはお粗末すぎ。隼磨がサイドバックをやる上での一つの課題だね。しっかりと中に入ってくるターゲットを捕まえて、体を寄せないと。サイドバックの仕事として、必要なことだね。

これで、2点ビハインドとなったマリノスはリスクを負ってでも攻めなければならない状況となり、両サイドバックもかなり高いポジションを獲るようになるが、広大に空くサイドのスペースをカウンターで襲われる。前田にあわやハットトリックというシーンが生まれたり、太田の快足が恐ろしく活きたりと、なかなかペースを引き寄せられない。そんな中で岡ちゃんは、吉田に代えて久保を投入、3トップにして中の圧力を増やす形に。

時間と共に前への意識が実る形で攻める時間が増えるが、局面局面でのジュビロの粘り強いアプローチに苦しむFマリノス。特に起点となるマグロンへの厳しい対応が目立ち、ここを潰そうという意識がかいま見えた。その中でセットプレーから勇蔵、マグロンとチャンスを迎えるも決まらず、この辺に悪い流れがまだまだあると言うことを意識させられる……。それでも攻め続けたことで待望のゴールがサイドから生まれる。右サイド隼磨からのロングクロスは中に合わず外に流れてしまったものの、これをマルケスがフォロー。マルケスは相手をいなして右足で中に折り返し、サイドが変わったことでDFの内側に入り込んだオーシが戻りながら体を投げ出し頭で合わせて、ゴール。ようやくようやく再開後初ゴール(248分目にして)、1点差に詰める。

これでようやく流れを引き戻したFマリノスはチャンスを作る。左サイドペナ角で山瀬が起点を作ると、マルケスがオーバーラップ。マルケスはエンドライン際まで運んで、相手をいなし中に折り返して最後はヒールで久保が流し込む!(が、合わせきれず、ゴール前通過)マツ→マグロン→マルケスと縦に早く繋がって、左マルケスから良いクロスにニアで久保ヘッド!(完全フリーで合わせたが枠外、決めにゃ決めにゃ)高い位置、左に張り気味だったマルケスが大井とのマッチアップに置いて完全に主導権を握り、チャンスを量産したが、立て続けのゴールとはならず。ジュビロの方は苦しい時間帯の中で成岡→船谷、田中マコ→上田という交代策(上田という選手が3列目に入り、菊地が右サイドバック、大井がセンターバックという感じ)その交代策が嵌ってしまう。

右サイドで隼磨と前田の競り合いのセカンドボールに福西が反応、勇蔵との鍔迫り合いを制し前に抜け出すと、その間に前に上がってきていた船谷がセンターで完全にフリー、組織が崩れていたFマリノスディフェンスは誰も彼につくことが出来ず、福西は簡単に中に折り返す形で船谷を使い、船谷は素晴らしいファーストタッチで収めて落ち着いて流し込み、3点目。リスクを負って出ていたというより、局面的に玉際で2回続けて負けちゃったことが痛かったかな。まあしょうがないっちゃしょうがないんだけどさ。セカンドボールへの意識とか、そういう小さな部分の差が差を分けたかな。

もうぐだぐだ言ってられないFマリノスは攻めるしかない。マツのオーバーラップから左サイド開いた久保へ通すと、久保はダイレクトでマルケスへ。マルケスは開きながらボールを受けることでボックス内にスペースを作り、そのスペースに走り込んだのは久保、マルケスのショートクロスを受け、2タッチで左足!しかしバー、その後の波状攻撃も実らず……。ここでラストカード、河合に代えてマイクを投入。しかし河合がいなくなったことでボール奪取力が著しく低下し、攻めに出れなくなってしまう(ジュビロもしっかりと意識してボールを回し、ロストした後相手のパワープレーを警戒するということで、しっかりとアプローチを掛けて精度の高いボールを入れさせないということが徹底されていた)

結局、ロスタイムにチャンスを作ったものの(久保→マルケスと繋がって右サイドを局面打開し、マルケスの精度の高いクロスにマイク!も、枠外。久保のまたぎフェイクから強烈な左足!もポスト直撃……。左サイドマルケスの良いクロスがファーまで流れ、マイクボレー!も空振り……)決めきることが出来ずタイムアップ。ジュビロが今シーズン初の連勝をヤマハスタジアムで飾った。Fマリノスは5戦連続勝ち星なし。暗闇は続く。

まあ出来はそんなに悪くなかったけど、大事なところで決めきれず、そしてピンチに失点を重ねて取り返しにつかないことになってしまう。悪い流れを象徴するようなゲームですな。

もちろんゲームの綾としてもその部分。ジュビロとしては良い流れを持っている時間に2点ぶち込み、3点目のシーンも決定機を確実にものにしたのに対し、Fマリノスは流れのある時間帯でゴールが決めきれず、訪れたチャンスは多かったもののゴールを獲れなかった。至極シンプル。

実際、先制点が獲れていればゲーム展開は変わったと思うのだけど、前半に関しては、支配して、シュートの数は多かったにしてもボックス内で打つシュートは少なかった。この辺はバイタルに入っても誰かが責任を負って仕掛けていったりするプレーが少なかったかなと。もちろん流れよくボールが回っていたのはいいんだけど、どこかでチャレンジの姿勢が持たないと、やはり大きなチャンスは作れない。相手のラインの前でプレーを打開するという意味では足りなかったかなと(元々バイタルでの仕掛けや変化を加えるプレーはこのチームに大きく欠けているものだけど)ボックス付近の対応は相手にとっても嫌なものな訳だから、もっと積極的に突っかけていったり、ワンツーとかがあっても良いのだけど、どうしてもチャレンジなくどうにかしようと言う部分があったかな。ましてやシュート精度に大きく?マークの付くチームなので、難易度の高いシュートは……ねぇ(打つ姿勢は大切だけどね)

後半はシンプル。決めなきゃいかん。もちろんチームの悪い流れもあるし、彼ら自身ゴールから離れているという部分もある。それでもこういう流れを打破する仕事をしなきゃストライカーじゃない。個々の出来を見たら、マルケスも久保もオーシもマイクもみんな良かった。ジュビロのディフェンスがアレだったというのはあるけれど、チャンスも沢山作った。それだけ、良いプレーはあったということなんだから、それをスコアに繋げないと。一つ一つ結果にしていかないとね。まあ細かく言ってもしょうがないか。ただシンプルに、決めろと。

守備はカウンターだったからという言い訳が出来るのかも知れないけど、それは3点目ぐらいで、後はちょっと違うかな。前田の2ゴールは人数としては揃っていたはず。1点目はセカンドアタックの中で中のマーキングを再確認できていなかったし、2点目はターゲットに気がついていなかった。この辺はやるべきことをやっていなかったというのがあるわけで、反省しないと。福西がフリーでヘッドしたシーンにしても、サイドからの攻撃に対して中のマーキングの甘さは目立っていて、この辺は堅守はいずこ?という感じだった。4バックになって専門職が減ったんだからセンターは特にしっかりとマーキングしなきゃいけないし(人任せは許されない、個々がより高い意識を持ってやるべき)、サイドバックにしても絞って、ターゲットのマークとクリアとしっかりと確認しないと。やるべきことはやる。そういうことを出来ないチームに勝利は巡ってこない。

ただ、ネガティブなだけのゲームじゃなかったからね。相手が緩かったにしても、パスを紡ぎ、動いて、そしてそれが一つ一つ繋がるということが出来ていて、攻撃の流れは悪くなかったし、マルケスを代表に一人一人の出来は決して悪くなかった(まあ狩野や吉田はあんまり良くなかったけどね)特にマルケスのチャンスメイク力は相手に注意されるにしても拠り所になり得るし、オーシはポストも良く体を張って受けていたし(落としのタイミングが良くないけど。サポートとの兼ね合いはあるにしても)、ゴールは小さくても一歩になる。サイドバックも守備面での穴はあるにしても、タイミングの良いオーバーラップはとても良かった。そして山瀬の復帰も嬉しいしね(プレーも良かった。フレキシブルに様々なポイントで顔を出し、所々でアクセントとなっていた。後は仕掛けや飛び出しの感覚、コンビネーションのすりあわせかな。今の責任回避プレーが蔓延するチームに良い意味で染まらないで欲しい)とにかく、こういう手応えを先に繋げて欲しい。中断前のように合った手応えを全て無に帰すような状態にならないように。

ジュビに関してはまあ言ってることとやってることが違うじゃねーかとか、どうせやるんなら徹底的に、恩返しといわんばかりに岡ちゃんをお星様にするぐらいにして欲しかったのに相変わらず空気が読めないなとか言いたいのだけど、まあそれは置いておいて、鋭いカウンターは非常に機能していたし(人数が少なくてもしっかり合わせられたりと、個々の技術がカウンターの中で光っていたのはらしさかも)、それに展開が向いた。後半の守備の修正、流れを捉えたことは見事で、勢いの出るゲームになったのではないでしょうか。本来は違う方向性のチームだと思うから、その辺の完成度はこの試合では見れなかったけれど、守備に置いてしっかりと相手を見定めて形をしっかりと作ること、そしてカウンターの機能性を保つことで成績は出ていくのかなという気はしました。つーか、お星様に……。

まあ流れが悪いことだけはよく分かった。もう割り切るしかねえ、なるようにしかならねえ。下見なきゃいけない?そうかも知れないけど、もうそれも成り行き任せ。ネガティブになるも疲れたよ。いいさ、山瀬が戻ってきただけで、オーシが点獲っただけで、それなりに良いプレーが見れただけで満足だ。もうけものだ。次はアルビ?調子良いの?悪いの?どっちにしても、自分たち次第でしょ。だって、毎試合こんな試合してたらこんなに勝ててないわけないし。だから、まともにやってくれるのを願うばかり、そして運が向くのを願うばかり。南無南無。ということでここまで。あはははは~(壊)

*監督に関しては……特にないかな。ディフェンスはアレだったけど。こういう成績なので、監督交代というのは出てきて然るべきだと思うよ。流れの打破という面で監督の交代という刺激は有用だと思うしね。ただ、あくまでも効果は時間限定のものだから、その先のビジョンを持っていないと、後で又苦しむことにはなると思う。それこそ去年のヴェルディみたいに。ただ、そんな一時的な刺激で良いから欲しいというのがスナオナキモチ。岡ちゃんは大好きなんだけどさ。

*てゆうか、これくらい出来るんなら毎試合やれってんだ。ジュビロだからやって、アビスパやらエスパならやらないというのが腹立たしい。でも、それがマリらしいんだろうなぁ。ムラっけって奴?

*考えてみたらマリの試合をまともにレポートするの久々かもね。今までの試合はやる気すら起こらなかったというのが正しい答えですが。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 27, 2006

らしく奪還@J1 第15節 フロンターレ vs ガンバ

修羅場3完結編、首位攻防戦!首位攻防戦!20000人の観客を飲み込んだ等々力は熱かった。それにしても撃ち合いになるわけだねぇ、両チームともアグレッシブでオフェンシブ、両チームとも良い部分を出そうとする姿勢というのがポジティブに反映されて、とてもクオリティの高い攻め合いだった。

2006 J.League Division1 第15節

フロンターレ 3-2 ガンバ @ 等々力陸上競技場「らしく奪還」
Frontale:47'箕輪義信 54'pジュニーニョ 77'マギヌン Gamba:25'遠藤保仁 59'家長昭博

Super Soccer

ふろん太スタメン:GK相澤貴志、DF箕輪義信、佐原秀樹、伊藤宏樹、MF谷口博之"おめでとう"、中村憲剛、森勇介、マルコン、マギヌン"大仕事"、FW我那覇和樹(→68'鄭大世)、ジュニーニョ"エースの仕事"

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DF実吉礼忠、宮本恒靖(→83'寺田紳一)、山口智、MF橋本英郎、遠藤保仁"鮮やか芸術"、加地亮、家長昭博"個人って奴"、二川孝広、FWマグノ・アウベス、中山悟志(→74'播戸竜二)

前節レッズに負けたことで首位から転落し、返り咲いたのがグランパスを爆破したガンバ。勝ち点2差の首位攻防戦。考えてみればこのマッチアップは、去年優勝が決まったカードであり、ふろん太にとっては二重の意味があったのかな。修羅場3と銘打たれた3戦目で、首位攻防戦ということもありスタジアムには多くの人が駆けつけた。

スタメンに目を移すと、フロンターレの方はまだ寺田が戻れず、今節は米山ではなく佐原を起用(怪我もあったからかな)又、森が出場停止から復帰し右サイドに入った。ガンバの方は、中断中に負傷していたエースマグノ・アウベスが復帰、しかし相棒であったフェルナンジーニョが負傷し、入れ替わりの様な形に。引き続きトップには浪速ゴンが入り、2トップで臨む。又シジクレイが帰ってきたもののとりあえずはベンチスタート。

前半

立ち上がりから自分たちのペースでサッカーをしていたのは、ガンバ。ショートパスを主体にした人とボールが良く動くスペクタクルなパス回してでふろん太ディフェンス陣を翻弄する形で主導権を握る。ふろん太ディフェンスとしては、とりあえずウイングバックが低い位置まで下がり、その前にボランチがフィルターを掛ける形で何とか守っていこうという姿勢が見て取れたのだけど、局面局面でガンバのアタッカー達に翻弄されてしまい(特に右サイドかな……森が家長に翻弄されちゃったね)、そこからずれが生じて後ろからどんどん前に出てくる遠藤やポジションをどんどん動かす二川が浮いてきてしまって、結果的に相手に良い攻撃を許してしまっていた。全般的に対応し切れていなかったかなと。

その中で、フロンターレは攻撃的なガンバの逆手を取ってカウンターに出たいところでしたが、前線のトライアングルのコンビが流れていかず、遅らされたときのポゼッションからの攻撃もなかなかフィニッシュに繋がらず、攻めあぐねていた。ガンバペースの中で生まれた右サイドからのFK。遠藤のキックは壁を抜けてそのままニアサイド高い位置、ここしかないという場所に突き刺さって先制点。相澤も反応してたけど、こればっかりはしょうがない。抜群のボールスピードとコース、この二つがしっかりと揃ったキックだっただけにね。

これで、ガンバの攻撃が加速するかに思われましたが、徐々にビハインドを背負ったふろん太が盛り返す。しっかりとボールが動いて、その中で隙を逃さずにスルーパスなどから局面を崩していく形で可能性を感じる形を作り出していく。特に中村憲剛が良いタイミングでボールに触って卓越した技術とセンスで絶妙のコースを突くスルーパスは非常に活きていたかな。しかし、結局前半の内に追いつくことは出来ず、0-1で折り返す。

後半

心なしかふろん太サポの声が大きくなったような気がした後半、その声に向かっていく形でふろん太が攻める。そして、開始2分で、目には目を、歯には歯を、FKから同点弾が生まれる。中央ジュニーニョの突破からFKを獲得すると、中村憲剛のFKは右サイドへ、高い弾道から落ちてくるボールに藤ヶ谷は見送るだけ、これはバー直撃。しかし、このリフレクションにしっかりと詰めていた箕輪が高い打点のヘッドで押し込んで同点。スタンド爆発。中村のキックは素晴らしかったねぇ、あれは触れない。で、箕輪もしっかり詰めたのだけど、箕輪以外のふろん太の選手の反応が早かった。集中していたんだなぁと思う。

これで完全に乗ったふろん太は、徐々にらしい早いカウンターを繰り出し始め、そしてまたまたジュニーニョの突破が展開を動かす。ワンタッチで裏にボールを出して、実吉をかわしに掛かり、ターンしたところで引っ張られてPK。ナイーブなプレーだったけど、まあ厳密に獲るとしたら……まあナイーブだったかな。これをジュニーニョが読まれながらもしっかりと左隅に決めて一気の逆転。前節は加速するスペースを与えてもらえずほとんど仕事を出来なかったジュニーニョのスピードが活きたシーンだった。

しかし、一気に動き始めたゲームは収まらない。今度はガンバ、センターサークル付近で横パスをインターセプトした遠藤がそのまま持ち上がって、それに合わせてフリーランニングして森を振り切った家長へスルーパス、完全にディフェンスラインを打開した家長はしっかりとゴールに突き刺して、同点。遠藤のインターセプトからスルーパスまでの淀みなき流れ、そしてそこにしっかりと反応していた家長のスピードと決定力。見事。後半15分で3点が動く激しい展開。スタジアムもそりゃ過熱するわ。

火の付いたゲームはこの後も攻め合えといわんばかりのオープンな展開。らしいパス回しは相変わらず継続され、逆におとなしかった加地さんはマルコンとのマッチアップに置いてようやく股抜きドリブルで抜き去ってマグノの決定機を演出(センターエアポケットで完全フリー。決めなきゃいけないシーンだった。試合前の練習ではしっかりと決めていたのに)逆にふろん太はインターセプトからのカウンターが何本も生まれ、やり返しといわんばかりにマルコンのクロスからマギヌンのヘッドを引き出すなど(ファーから良い入り方をしてきたけど抑えきれず)がっぷり四つの攻め合いの中でウイニングポイントが。

カウンターからマルコン→ジュニーニョと浮き球で繋がると、右から飛び出したのはマギヌン。ジュニーニョから流れのまま出されたループパスを素晴らしいファーストタッチでシュートを打てるポイントに落として、そのままアウトサイドで押し込んだ。スピーディなふろん太のカウンターがようやく繋がって生まれたゴール。ガンバとしては獲り所はマルコンの所だけだったねぇ。

この後宮本に代えて寺田を入れ、攻めの圧力を強めようとするが、逆にカウンターからチョン・テセが抜け出してシュート打ったりと、ふろん太は一度掴んだ勝ちの波を離さず。ガンバの追撃も及ばず、フロンターレがガンバを首位から引きづり落とし、自ら返り咲く形になりました。

まあとにかくアグレッシブで、守りよりも攻め、そしてそこに質があるから、次々と「うまい」と言ってしまうようなプレーが見れて、とても面白いゲームだった。もちろん首位攻防戦ということもあって、勝利に対するこだわりもあったと思うのだけど、あくまでも「攻めて勝つ」というスタンスだったからこそ、噛み合った撃ち合いになったのかも知れませんね。考えてみたら前回の対戦も2-4だもんね。

で、勝負の綾としては「エース」かなぁと。前節イマイチだったジュニーニョと今節骨折が癒えて復帰してきたマグノ・アウベスの仕事の差が両チームの差になったかなぁと。個人的にはガンバの方がチームパフォーマンスに置いてはよく見えたのだけど(まあスムーズなパス回し+反応の良い動きから生まれる流動性+個人技のミックスはとにかく実効力が高い。終盤人数増やしてから流動性が消えて悪くなったから、そのままでも良かったかも知れないねぇ)、実際得点に繋がるシーンとして3得点に絡んだのがやっぱりジュニーニョだったふろん太と、復帰開けでまだ本調子ではなく、決定機を逃してチームを勝利に導けなかったマグノがエースのガンバ。まあ、ここまで凄い活躍してるから、こういうときに蔑むようなことはしたくないけど、エースだからね(あの加地さんのクロス以外にも右から抜け出して応対に来た選手を中に切れ込んで近距離のシュートを打ったシーンがあったのだけど枠に収めきれなかった。腰が切れなかったのはまだ本調子じゃないからって感じを受けた)

で、せっかく2試合生で見れたし、すぐに直接当たるのでふろん太の気になった部分を。新戦力でこの日J初ゴールを決めたマギヌンについて。

・新と旧、新外国人マギヌンの課題

3試合目で初ゴール、しかもディフェンディングチャンピオン・ガンバを沈める大事なゴールを決めて、この日のヒーローとなったマギヌン。しかし、まだまだフィットには時間が掛かるかなぁという印象。

このマギヌンという選手は、どちらかといえばスペースアタッカーなのかなぁというのが素直な印象。あくまでもボールを持ってというより、サイドに開いたり、ポジションを変えたりして、自ら飛び出すことを得意としている。実際、この日の決勝点もマルコン、ジュニーニョのパス交換の間に自らトップスピードでラインを突破してシュートを決めた様に、ああいうプレーが彼の特徴といえるのかなぁと。

ただ、ふろん太に置いてのトップ下は、ゴールを獲ることも大切だけど、カウンターの中で中盤と前線を繋ぎ最後のお膳立てをするポイントとして、ジュニーニョや我那覇、黒津といった選手に相手をズラしたりと変化を加えてラストパスを供給する重要なポジションでもある。以前このポジションを勤めていたマルケスは、得点を獲ることはもちろん柔らかいドリブルとエロいパスセンスで周囲と絡みながら得点機を演出していた訳で、そういう意味でマギヌンはまだこの役割をこなし切れてはいないのかなと。

まあコンビネーションが完全に形成されていないということはあるにしても、マギヌンは自分がボールを持って演出するというより、スペースを突く意識が高いから、余り起点になっていない。実際ここで起点になれないとうまく攻撃が回っていかないし、どうしてもジュニーニョの突破に頼る形になって、彼を活かすということはなかなか出てこないだけに、彼が担うべき仕事はまだ残っているのかも知れない。

チームとして中村のパスセンスを活かす意味では結構面白い選手でもあると思うのだけど、ふろん太の得意スタイルを考えたとき、やはり前線のトライアングルで攻めきるというのが形成されないと、以前のようなカウンターの実効性は出てこない。そういう意味でこれからどのような形でマギヌンをチームに組み込んでいくのかは興味深いなぁと思った。まあ、ジュニーニョがそういうことをやっているけど、それで良いのか悪いのか、その辺はもう少し見てみないと分からないかも。

まあこんな感じですかね。とにかく今日のゲームは当たり。見に行って良かったよ。とにもかくにもこの連戦でこのチームは逞しさは増しただろうし、一歩目標であるベスト4、いや優勝に近づいたのかも知れない。まあ先は長いけどね。てゆうか、ちょっとうらやましいな、充実してて。マリは明日ね。まだ見てないし結果も知らない。これから見るよ。ということで今日はここまで。お疲れさん。

*メインのアウェー側に座っていたのだけど、ツネ様ギャルが超いた。柵へばりついて「きゃー」。ツネ様大人気だねぇ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 26, 2006

北京への第一歩 -U-21 日本代表候補発表-

北京への船出となるU-21代表が発表されたりしたので、その雑感を。まあさらっとね。

U-21 日本代表候補

監督:反町康治
アシスタントコーチ:井原正巳
GKコーチ:須永純
フィジカルコーチ:矢野由治

GK:
松井謙弥(ジュビロ)
西川周作(トリニータ)
佐藤昭大(サンフレッチェ)

DF:
廣井友信(駒澤大学)
増嶋竜也(FC東京)
中村北斗(アビスパ)
柳楽智和(アビスパ)
藤本康太(セレッソ)
平岡康裕(エスパルス)
青山直晃(エスパルス)

MF:
本田拓也(法政大学)
増田誓志(アントラーズ)
谷口博之(フロンターレ)
伊野波雅彦(FC東京)
梶山陽平(FC東京)
本田圭佑(グランパス)
枝村匠馬(エスパルス)

FW:
豊田陽平(グランパス)
カレン・ロバート(ジュビロ)
苔口卓也(セレッソ)
前田俊介(サンフレッチェ)
森島康仁(セレッソ)

Pattern1          Pattern2
 前田  豊田  カレン     前田  カレン  
   梶山   枝村          本田圭         
      谷口       苔口          北斗   
??        北斗      枝村  谷口
   増嶋  柳楽        藤本 増嶋 柳楽
      西川              西川

Best?           Best?
     平山           平山  カレン
家長  梅崎  水野    家長       水野        
  谷口  枝村         梶山  谷口
??       内田   ??        内田
  水本  青山         福元  青山
     西川             西川

Schedule:
7/31~8/3 国内キャンプ

JFA

様々なエクスキューズを抱えながら選ばれた初めての反町監督のオリンピック代表。A3、U-19、ユニバなどでそういう選手を呼べない状況の中での選考だったけど、Jでプレー機会を得ている選手、そしてオランダWYの経験を持っている選手を選んだなぁという印象。

実際、家長や水野、水本、現ユース世代のマイクや梅崎、福元、内田、そして平山などが選ばれて然るべき選手がいないので(森本も、かな?海外移籍で何とか一皮も二皮も剥けて欲しいね。セリエは打開する能力を求められるから、仕掛ける力、そのための責任を負うというメンタリティとかね)、まだまだ(仮)という側面が強いけれど、それでもJでも結果を出している(出場機会を得ている)選手も多く、楽しみなメンバー構成。伸び悩んでいる選手もいるけれど、こういう刺激を機に一皮むけて欲しいところ。

特徴としてはやはり中盤かな。今シーズンプレースタイルが更にアグレッシブになって注目度の上がっている谷口博之や好調エスパルスの中核を担っている枝村匠馬、まだまだポテンシャルを最大限発揮しているとは言えないものの既にFC東京では中心となっていて期待は尽きない梶山陽平、他にも増田、伊野波、本田圭佑などトップチームのスタメンクラスは続々。まあ、選考自体が中央に偏っている感は否めないけど、サバイバルという意味でもチームのベクトルを担うポジションなだけに切磋琢磨して更に成長していって欲しいところ。2年後を見据えても彼らは核となる選手達だと思うしね。

個人的な印象なんだけど、この世代は上の年代と比べても若いときから多くの出場機会を得ている選手が多く、又ポテンシャルという意味でもとても高く、粒ぞろいな世代。そういう意味では反たんが意識している「競争」というのは激しくなると思う。反たんがいかにオシムメソッドを取り入れながらどのようなチームにするのかというのも気になるけど、彼らがいかにこういう経験や刺激を栄養に成長できるかというのが一番大切なこと。トップチームのタスクに浸からせながら質の高い個人を育てて上に上げていくというのがこのチームの指命な訳だしね。オリンピックに出ること、結果を出すことはあくまでもオプションに過ぎないのだから(まあ出て濃い経験を積むというのは大切だけど、それにこだわりすぎてはいけないと言うこと。熊ジャパンとかは最低だった)で、今回選ばれなかった選手もまずはJでアピールして、この競争原理に食い込んでいって欲しいな、頑張れ、狩野、秋元。狙っちゃえ、ユースっ子達。

それにしても前俊は良く選ばれたなぁ。ほとんど出場機会がなかったのに。あれだけの才能を持っている選手なだけに、厳しい状況だけど何とか覚醒して欲しいな。てゆうか使わないなら出せ。これだけの才能を殺すのは罪でっせ。

リンク集
【U-21日本代表候補トレーニングキャンプメンバー発表】記者会見での反町康治監督コメント(J's Goal)

競争原理打ち出した新監督 世代交代への第一歩(スポナビ)

反町流サバイバル 合宿で4人脱落へ(スポニチ)

北京へサバイバル開始、22人を18人へ(ニッカン)

大学生2人がサプライズ選出(スポニチ)

法大本田拓、驚きのU21代表候補(ニッカン)

駒大DF廣井、Jに負けぬ(ニッカン)

東京トリオ意欲(ニッカン)

清水からも3人選出(ニッカン)

U-19落選の森島サプライズ"飛び級"選出(報知)

反町ジャパンのエースは平山(ニッカン)

日中韓U-21対抗戦が決定(報知)

セリエのスキャンダルの第2審が出たりと海外は激震してるけど、とりあえずそれは又の機会で。ということでここまでっす。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 25, 2006

弛緩の極み@J1 第14節 Fマリノス vs アビスパ

まあね、分かっちゃいたけどね。

でも、納得いかないんだよね。

現在の状況をもっと真摯に捉えてたとしたらこんなプレーは出来ないんじゃないかな。

危機感、集中力、勝利への意志……。サッカーをする以前の問題。まあサッカーの中身の方は、考えようとするのも嫌になるぐらいだけど。鬱だ、あぁ鬱だ。

2006 J.League Division1 第14節

Fマリノス 0-0 アビスパ @ 日産スタジアム「弛緩の極み」

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF田中隼磨、栗原勇蔵、松田直樹、ドゥトラ、MF河合竜二、マグロン、吉田孝行、清水範久(→78'平野孝)、FW久保竜彦(→63'狩野健太)、マルケス(→72'ハーフナー・マイク)

アビスパスタメン:GK水谷雄一、DF中村北斗、金古聖司、千代反田充(→67'川島眞也)、アレックス、MFホベルト、佐伯直哉、久藤清一(→58'飯尾一慶)、古賀誠史、FW藪田光教(→86'有光亮太)、バロン

ホームらしい試合だったと思う。ほとんどの時間帯でゲームの主導権を握る。でも、自らのミス、精度不足、圧力不足でゴールに繋げられない。自滅のようなスコアレスドロー。相変わらず得点力不足……というより攻撃力不足とでも言うべきか。

まあ相変わらずオーガナイズされず、個人の力もなく、偶然を待つだけの攻撃だから、偶然が起きなければゴールは生まれない。実際、両サイドからのクロスボールからの攻撃に置いて、精度不足、迫力不足、工夫不足は深刻で、それで偶然が起こらなかったわけだから、無得点は妥当といわざるを得ないのかなと。

「無得点は妥当」……、書いてて虚しいね。でも、クロスがゴールに繋がらないときに何を出来るのかというと考えると………余りに脆弱なので仕方ない。チームとしても個人としてもリスクチャレンジする姿勢は余りに少なく責任回避プレーの連続。ボールを繋いで崩すにも連動して動き出すことが出来ないから、複数人が絡むことで崩すなんてことも出来ない。手詰まりになるのは当然。基本足元足元のプレーが多かったけれど、足元で何とか出来る選手は今のチームにはマルケスとマグロンぐらいで、その他の選手は下手なので大して効力が発揮されることはなく、総じてゴールが獲れないのは当たり前とも言えるかも知れない。

付け加えるならば、学習機能のない選手が多いこと。どんなプレーをしたらビッグチャンスになったのか、そういうことを考えながらプレーしていないから、単発で終わってしまう。再現できない。このゲームでチャンスとなっていたのは、無駄になるかも知れないけど、ある程度の距離を走ってボールホルダーを追い越すようなでダイナミズムをダイレクトや2タッチのプレーで活かすことで生まれていたのだけど、そういうプレーは数えるほど。そのダイナミズムを担っていたのが隼磨やマグロン、ドゥトラといった選手だったのだけど、本来そういう動きを期待されているはずの吉田やジローからはほとんど生まれなかった。動きの量自体は多かったけど、単に走り回っているだけで実効的な要素を生み出せていない。ただ単に走り回るだけじゃなくて、何を目的に走るのか、どのようなタイミングで走るのか、プレーの中に落ちていたヒントを見いだせなかったことにはがっかりだった(本来意識付けをされれば出来るんだろうけど、自ら見いだしてやると言うことは出来ない。つーか、打てよ仕掛けろよ狙えよ。サイドサイドで頭がいっぱいか?ロボットじゃねーんだから)

まあとにもかくにも、今は運が巡ってくるのを待つしかない。少しでも運があったなら、多かったセットプレーが一発ぐらい入ってただろうけど、それも実らないのは運にすら見放されているということなんだと思う。本来であれば、抜本的な意識改革、戦術的修正を加えていかなければならないところだけど、過密スケジュール、指導力不足、危機感不足でそういうものは期待できないからね。祈るしかないと思っています。南無南無。

*岡ちゃんは、アタッキングサードでの個による局面打開が出来ないことを問題視しているけれど、そういうタレントをそもそも使っていないというのもある。ロングフィードを飛ばしてセカンドボールを拾うために機動力のあるジローや吉田を使っている訳で、彼らにそういう部分を委ねるのは酷というもの(まあ仕掛ける姿勢ぐらいは持って欲しいけどね。特に17番。前がオープンになってるんなら、トップスピードで持ち込むぐらいの気概を見せろよ。責任回避プレー多すぎ)そういう部分を期待するなら、狩野や山瀬(兄でも弟でも)を使えばいいこと。その部分で矛盾している。アタッキングサードの質を引き出したかったら、ビルドアップをもっとしっかり整備すべきだし、セカンドボールを拾うアタックを続けるなら、それをアタッキングサードでの打開に繋がるように意識付けしていかないと。選手が出来ないことを嘆いていても、良くはならないよ。

で、他にも気になることというか、目に付いたこともあるのだけど、書いてると鬱になるのでやめ。ただこれだけは書いておこうと思う。今、チームに弛緩した雰囲気が蔓延している。以下箇条書き。

・試合前のアップ、アンジェロが練習メニューを一個飛ばしたこと(小刻みなサイドステップ→ターンしてダッシュ。シャトルランみたいなやつ。後からやってたけど)

・最後の仕上げのシュート練習がちっとも枠に収まらないこと。外れまくり。

・キャプテン、ミスが起こることを想定しておらず、後手を踏んでイエローカード(プレーに集中していない証拠、違う方向を向いていた)

・勇蔵のキックオフ直後の豪快なキックミス(適当すぎ、あり得ない)

・吉田がゴールキック時にプレーが始まっているのに、それに気付かなったこと(ゴールキックは軽く左に展開されたけど、疲れたなぁという感じで右サイドに歩いていた)

・コーチと選手のコミュニケーションミス、久保想定外の早期交代(真相はスタッフが久保が出来ないと勘違いしてしまったそうだ)

・疲れと共に一気にミス多発。(気持ちが途切れていなければこういうことは起こらない。端から集中できていない)

なんて言うかね……悲しくなるよね。サッカー以前の問題。この90分のために選手やスタッフは高いお金をもらっているはずのに、その90分でさえ集中していないっていう事実。もちろん、そういう部分もマネジメントしなければならない監督である責任でもあるのだけど(岡ちゃんのチーム掌握が既に賞味期限切れを起こしているっていうことでもあるんだろうけどね)、何よりも自覚というものが足りなすぎる。

「Win Back The Champ」じゃなかったの?

4月29日からリーグ戦勝ってないんだけど?勝ち点が7/30しか獲れてないんだけど?この状況で良いと思ってるわけ?

危機感足りないんじゃない?本当に緩すぎるよ、勝つ気あるの?優勝する気あるの?口だけ?こういう暴言も吐きたくなりますよ。

サッカーの中身も、ゲームに入っていく姿勢も、プレーの取り組み方も、全てが弛緩してる。僕はこんな姿を見たくない。

ということで、ネガティブ全開なんですけど、明日はもう試合。見たくないとほざいたところで、きっと見てしまうでしょう。ただ、この二日じゃ何にも出来ないよね。選手達の自己修復機能、危機管理に賭けるしかない。そして運が巡ってきますように、サッカーの神様がえこひいきしてもらえますように。南無南無。

じゃなかったら、トドメさしてくれ。6月の恩返しにさ。

ということでここまで。申し訳ないです、間空いてしまって。全くやる気が起きなかった。明日は等々力っす。平日静岡はきつい。

*ここから普段の追記ゾーン。4バックで臨んだことに関してちょっとだけ残しておくね。隼磨・勇蔵・マツ・ドゥで組んだラインは、急造も良いとこ。ラインはまともに整わず、意思疎通が獲れていないのが見え見え。マツが上げようとしたところで1テンポ、2テンポ遅れることが多く、ギャップが出来まくってた。で、ラインに意識が行ってワイドアタッカーを見切れないシーンが出てきたりして、危うかった。例えば、こういうプレー。左の浅い位置でボールを持たれて、トップの選手が同じサイドに走るアクションをする。それをデコイに長い対角線のフィードを逆サイドのスペースに飛ばされ、そこに二列目から走り込まれたら、今のマリのディフェンスは多分応対しきれない。人を当てはめるとしたらボールホルダーを名波、トップの選手を前田、右サイドに走り込むのが西、やられるねぇ、やられるよ。何とかラインコントロールとカバーだけでもうまくやって欲しいところ。チャレンジできるような信頼感が欲しい。現状ではやばいよ。無失点はたまたま。

*それとナビの準決勝のオープンドローがあったようで、マリは鹿島と準決勝。ふろん太回避できたのは良かった、ふろん太には勝てる気がしない。まあアウェーが遠くなっちゃうのは残念だし、どことやっても厳しいけどね。9月だから状況も色々変わってくるかもしれないから、まあ何とも。岡ちゃんは投げやりだねぇ。

*そういえば、U-21代表発表されたね。これはニュースでそのうちやらなきゃね。マイクも狩野も呼ばれなかったね、残念。ただ、マリノスで特別優れたプレーをしている訳でもないししょうがないかな。でもマイクは連れて行って欲しかったな、ユースで結果も残してたみたいだし。まあこれからこれから。そういう部分ではA代表も期待薄。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 23, 2006

掟通りの決着@J1 第14節 フロンターレ vs レッズ

やっぱり上位は良いよ、緊張感や高揚感が違う。中位で安穏としてちゃ魅力がスポイルされちゃうんだね。早く戻ってこういうゲームを味わいたいね。って、ゲームと全く関係ないことを……。見に行けて良かった。

2006 J.League Division1 第14節

フロンターレ 0-2 レッズ @ 等々力球技場「掟通りの決着」
Reds:30'田中達也 76'永井雄一郎

Super Soccer

ふろん太スタメン:GK相澤貴士、DF箕輪義信、米山篤志、伊藤宏樹、MF谷口博之、中村憲剛、長橋康弘(→50'黒津勝)、マルコン、マギヌン(→60'松下裕樹)、FWジュニーニョ、我那覇和樹(→67'鄭大世)

レッズスタメン:GK山岸範宏、DF堀之内聖、田中マルクス闘莉王、坪井慶介、MF鈴木啓太、長谷部誠(→67'内舘秀樹)、平川忠亮(→73'相馬崇人"こんな使われ方するなら……")、三都主アレサンドロ、山田暢久(34'黄×2=赤)、小野伸二、FW田中達也"復活弾"(→75'永井雄一郎)

「修羅場3」と銘打たれたフロンターレの再開後強豪3連戦の2戦目。等々力はほぼ満員、ホーム側は水色のフロンターレカラーに染め分けられた。前節の出来は対照的、マルクスを失うことになりながら、後半一気の3得点で鹿島を撃墜し一つ目の山を越えたフロンターレに対し、田中達也がようやく復帰したものの、ワシントン、ポンテを怪我で欠いたことが響いてアルビに苦杯を舐めさせられたレッズ。勢い的には少々差があるか。

その中でフロンターレは森を出場停止、寺田を怪我で欠く中で、ディフェンスセンターに米山、右サイドに長橋を据える普段通りの3-4-1-2、レッズの方は長谷部が出場停止から戻ったものの、ポンテ、ワシントンは戻れず。田中達也をトップにその下に山田暢久と伸二を据える3-4-2-1。

前半

両チームの勢いが表れたのか、ふろん太ペースで始まった前半、アウトサイドに起点を作りながら、同じサイドのスペースを突き、ボールロストの後も前から素早く、そして激しくアプローチを掛けて攻撃の芽を摘みと、攻守に充実した立ち上がり。ファーストシュートは谷口の素晴らしいカットから生まれたショートカウンターで獲ったセンターよりのFKをマルコンが狙ったもの(良いシュートだったが枠上)

レッズの方は、田中達也が孤立しがちでなかなか良い形になる数は少なかったが、個々の技術の高さで散発的ながらチャンスになりそうな形を作り出す。レッズのファーストチャンスはトゥーリオのアーリークロスから伸二が遠い距離ながらヘッドで狙った(良い弾道を描いてゴールに飛んだがバー)

フロンターレの切り替えの速さが目立つ中で、新加入のマギヌンが両サイドのスペースに流れたり、カウンターからチャンスを作ったりと押し気味ながら、レッズも両サイドからチャンスを作ったりと、攻め合いの様相。しかし、流れのスムーズさ、ボールの回りなどはフロンターレの方に質を感じる展開。ボールを大事にしながら、良く展開を見てボールを動かして、フリーの選手を作り出して質の高い攻撃を繰り出していたかな。

時間と共にゲームが落ち着くと、個々の技量の上回るレッズが攻める回数が増え、相変わらず両サイドから攻め立てる。山田、小野がサイドに流れたり、引いたりと動くことで浮いてきたり、少し空間を作ることで田中達也がワンタッチで前を向いたりという形で高い位置に起点が生まれ、そこから攻めていく形でリズムを引き寄せた。そしてそのリズムの中でレッズに先制点が生まれる。

左サイド、トゥーリオのインターセプトから、伸二がセカンドを拾って奪った後にポジションを上げていたトゥーリオへ。トゥーリオはダイレクトで田中達也へ通すと、田中達也ドリブル発進。細かく、そして加速のいい「らしい」ドリブルでマーカーを剥がし、そのまま素早く左足を振り抜く。低く抑えられた強烈なシュートはニアに向かい、相澤の対応を許さず、そのまま突き刺さった。まあ素晴らしいドリブルシュート、細かいステップでギュギュっと加速して相手との距離を作ってそのままシュートと、自らが作り出し、自らが決めたという彼の能力が最大限生きたゴールだった。ふろん太としては序盤伊藤が楔に対してかなり厳しく行っていたけど、時間と共にアプローチが少し緩くなっていたかな(ボランチが結構前に上がるから、バイタルが開いてくることも影響しているのだろうけど)前を向かせて、ドリブルできる余裕を与えてしまったことが痛かった。とにもかくにも長期離脱後初ゴール、おめでとう。

これでレッズに完全に流れがいくかと思われたが、サッカーの神様はそんなことを求めていなかったようでゲームは荒れ模様に。CKの小競り合いで山田がカードを受け(異議?)、その後すぐさま空中戦の競り合いで肘が出たのか、立て続けに2枚目。久々にジョージ劇場開幕。山田は退場、レッズは前半の内に数的不利を負うことに。

これで又流れはフロンターレに戻り、フロンターレが攻める時間が増えたが、レッズも水際で凌ぐ展開に。終了間際には8人ぐらいが攻撃に出て厚みのある攻撃を仕掛けたがこれも実らず。結局前半は0-1で折り返す。

後半

守備に重きを置きながら、伸二や田中達也の卓越した技術で少ない人数ながら攻撃を成立させていくレッズが良い立ち上がりを見せる。その中で田中達也が独力で一枚こじ開けたところで引き倒され、PK?と思われるシーンや(笛は鳴らず)、細かいパス回しから2列目から飛び出した平川が伸二の股抜きスルーパスを受けて1vs1のチャンスを作ったりと(相澤が何とか足でナイスセーブ)、タレントの質の高さを証明するようにチャンスを作る。

数的優位がありながら、なかなか良い形が作れないフロンターレは、早い時間帯から動く。右サイドの長橋に代え、黒津を投入。それに伴って前に人数を増やし、4バック(米山が右、マルコンが左)にする。この修正もあって両サイドがフリーで上がれるようになって、攻め込むシーンが増えたが、ボックス中央にしっかりと人数を保ち、フィニッシュの所では危機察知の早いレッズの守りの前になかなかシュートチャンスを作れない。逆にレッズのカウンターに脅かされたりと、なかなか思い通りのゲーム展開になっていかない(平川のオーバーラップで右サイドを破りクロス、谷口の素晴らしいクリアだったものの、そのこぼれを伸二が拾って狙ったが相澤セーブ)

攻めども破れずというもどかしい流れの中で、関塚監督はマギヌンに代えて松下を投入し、中盤は松下・谷口・中村の構成に。その松下が強烈なミドル(ポスト直撃)を放ったりと効果はそれなりにあるものの、やはり最後の所はレッズのディフェンス陣が強く破れない。残り25分という早いタイミングでもう関塚監督は3枚目、前節振り向きざまの素晴らしいシュートでJ初ゴールを上げたチョン・テセを我那覇に代えて投入、ブッフバルト監督も長谷部に代えて内舘を投入し、更に後ろに厚みを加える。

時間が経つと共に、さすがに攻めに出る回数が減り始めたレッズ(平川→相馬、田中達也→永井という交代も施した)、ボールをキープしながら大きくボールを動かしてサイド、ボールを出し入れしてスルーパスなど、人数を掛けて揺さぶろうとするフロンターレという展開は変わらず(更にはっきりしていたかな)しかし、リトリートされてスペースがなく、閉塞感を打開できない。

すると、センターサークル付近で松下がボールロストすると、3vs2のカウンターに発展。ボールを奪ったアレックスがそのままボールを運び裏に出た永井へスルーパス、オフサイドはなくGKとの1vs1を永井が制し、流し込んでレッズに追加点が生まれた。うーん、もったいないけど、人数少ない中でアプローチに行き、訪れたチャンスをしっかりと決めきったレッズを褒めるべきかな。これで決着。

2点目の後、レッズはラインを押し上げてコンパクトなゾーンを作ろうとした中でフロンターレがうまくバイタルを使うシーンも出たが、水際で坪井の良いカバー、山岸の良いセービングで最後まで破綻せず。結局2-0でレッズが快進撃をしてきたフロンターレに3節以来の土を付けた。


同じリアクション型のチーム同士の対戦と言うこともあって、先制点というファクター、そして持ち味を出せた方が勝つという典型的なゲームになりました。レポートの中でも書いた通り、両チームの熟成度、完成度という点では差はなかったと思うけど(というか、ふろん太の方に分があったかな)、ゲームの状況、個々の質、局面における対応力と言う部分ではレッズの方が一枚上手だったのかなぁと。

まあ引かれて現実的に運ばれた後の展開は置いておいても、ワンプレーをものに出来たレッズと最後の部分でレッズの最終ラインを崩しきれなかったフロンターレという部分では差があったし、逆説的に少しの厳しさが足りずに失点に繋がってしまったフロンターレと最後の部分で踏ん張れたレッズという面でも少々差があった。まあ展開が違う方向に流れていれば、又ゲームも違う方向に流れていったとは思うけどね。様々な要因が今日はレッズに優位に働いたゲームといえるのかなと。

しかし、負けたとはいえフロンターレのサッカーは勝ち点をここまでしっかりと積み上げてるだけの質を備えている様に見えました。切り替えの速さ、攻撃構築など、特に攻撃面では非常に良い部分が沢山見え、リアクション型のチームとはいえしっかりとチームとして主導権を握らされた後でもしっかりとサッカーを出来るチームになっていると感じました。

この日は、最大の強みであるジュニーニョの局面打開力が封じられていて(前を向いても加速できる場所がない、突破に掛かれない。昨シーズンの対戦は、スピードに乗って突っかければかなり高確率で抜いていただけに、それが出せなかったのは痛かったかな)、迫力を欠いた部分はありましたが、個々の選手が相手のアプローチをいなしてフリーマンを使う攻撃構築には感心しきり。ボランチが非常にアグレッシブでリスクマネージメントという部分では少々危うい部分はあったにしても、中身の伴っているサッカーをしていて、上位に来ていることが決して勢いだけじゃないことを改めて感じた一戦でありました。

*問題は守備かなぁ。自分たちから仕掛ける守備に関しては問題がないのだけど、後手に陥ったときは少々ばらけてしまう感じ。まあレッズの選手の質の高さを差し引いても、ラインの駆け引きとか、アプローチの厳しさという部分でカバーできないと、今売り出し中のボランチコンビの攻撃力は諸刃の剣になる可能性もあるかなぁと。まあ余計なお節介かも知れないけど。

で、レッズは数的不利でよりはっきりとしたゲームプランを設定できて、結果的に堅実なゲームが出来たのかなと。人数が揃って組織がしっかり出来ていればレッズのディフェンスの堅さは証明されているしね。その実力がしっかりと反映された形だったかなと。で、攻撃面では田中達也がやったねぇ。復帰2戦目とは思えないプレーの質で、ゴールまで獲ってと改めて特別な選手だなぁと感じた。他の選手も局面に置いて各々が持っているものを存分に発揮して、スター軍団の強みというのが出ていたゲームだった。

実際、ワシントンがいても、ポンテがいてもオープンな展開を得意するチームであることには疑いはないところ(もちろんポゼッションも良い。構成力という点では確実に進歩している)オープンになれば技術の差がはっきり出やすい展開になり、個々のタレントも活きてくる。まあゲームごとに波があるのでどうなるかは分からないけど、先制点を獲ると強いレッズは顕在といった感じですかねぇ。ちっ。

まあ正直どっちに勝って欲しかったというのはないんですけど(レッズが勝ったことは良かったのかなぁ?長期的な視野ではレッズが勝ち点を伸ばすのはよろしくない気もするし……でもふろん太が勝つと差が開いちゃうし……)、やはり現在上位にいるチーム同士、とても充実した内容のサッカーが展開されていたのかなと。谷口も頑張ってたし。まあ見に行けて良かったなと。水曜も行くけど。12日も行くけど。どんだけフロンターレに金を落とせば_| ̄|○

ということでここまでかな。田中達也、もう一度おめ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 22, 2006

2006 Fマリノスへの提言 -カオスの中で思うこと-

リーグ戦は9戦で1勝、チーム状態はカオスの中に突入しつつあり、危機を向かえている……

ということで、久々に「2006 Fマリノスの提言」です。

・「なんとなく」の末の低空飛行

開幕4連勝の後、低空飛行。その中でも主力選手の怪我というエクスキューズがあって「主力のメンバーさえ帰ってくれば……」と一縷の希望は残っていました。が、そんな一縷の希望も再開後初戦のエスパルス戦であっさり絶たれてしまった。選手が揃っていても勝てない現実、今のFマリノスは、勝ち点を積み上げられる状態ではないというのは明らかです。

何故、こうなってしまったのか。それは言うまでもなく、チーム作りに齟齬があり、チームがチームとして機能していないということになると思います。色々思い返せば、岡田体制4年目でマンネリの打破を狙って刺激的な新しいトライをしようと、より選手の自主性を大事にしながら、より主体的なチームに作り替えようとしたところがはじまりでした。

元々、コレクティブで一般的に「良いサッカー」と呼ばれるような質を備えたサッカーをするチームではなく、あくまでも効率的、局面的に強さを前に押し出すことで勝利を得てきたチームなだけに、いきなりの転換がうまくいくとは思っていませんでした(まあ去年からやっていることでもあるけれど)というのも、フットボールの質が変わることで求められる要素も変わるし、積み上げのない中でそういうサッカーを機能させるのは難しいと思っていましたから。

ただ、この予想は良い意味で裏切られる。開幕4連勝。ブラジリアン・トライアングルの抜群の技術力と実効力、中盤での強烈な収縮プレスを基盤に、京都・鹿島・セレッソ・大分とあっさりと撃破した。でも、現在リーグではNo.1とも言える戦力を誇り、攻守に充実したレッズに完敗したのを引き金に、内容はどんどん希薄になり、怪我人続出でチームの体すら保てなくなってしまった。伴ってこない質、付いてこない結果、失われる自信、チームは転げ落ちるように急降下して、そして現在に至っているわけです。

開幕4連勝がチームを悪い方向に導いてしまったと、選手各々が語っているように、中身は伴わなくても部分的な要素だけで何となく勝ててしまうから、本質的な質の向上という部分に目が向かない、悪い部分の修正さえ施されない。質の高い選手を備えているということは決して悪いことではないのだけど、そこに全てを託してしまい、何をしていたからしうまくいっていたのか、チームとして質を上げていくために何をすべきなのか、などそういう要素をロジカルに捉えきれず、何となく進めてきてしまった。より質を上げていくために様々なモノを求めていかなかったことが今の苦戦に繋がっているのかなと。何となくでは勝ちきれない、チームとしての姿勢が今問われている。

・必要なこと、すべきこと –現状の方針を維持する場合-

正直言って状況は急を要する状況なので、そろそろ現実的な修正策に目を向けるべきとも思うのだけど、「これをやめるのは、俺が辞めるときだ」なんて言ってたので(まあ既に現実的に舵を切って、マイクタイム大作戦ですけどね)、この方針のまま、チームを良くしていくことを考えようかなと。

1.もう一度「目的地」の設定を。

まず、もう一度チームとして一つ一つのプレーの目的をしっかりと確認していく。どのように守り、どのように攻めるのか、具体的に詰めて行くことで共通理解を持ってサッカーをするというのが必要になるのかなと。プレスを掛けるのか、しっかりとゾーンを作るのか、カウンターなのか、ポゼッションなのか、ビルドアップの時にファーストチョイスとしてどこを狙うのか、出来ないときにセカンドチョイスはどこなのか、サイドから崩すのか、センターから崩すのか。これはもの凄い大まかななんだけど、こういうことを一つずつ詰めていって、段階的に具体的にしていくことで、ある程度チームの形というのを作っていってほしい。

根本の部分で、やっていること自体は悪いことではないのだから、一つ一つチームの共通理解を作っていくことで、チームを再び作り上げていくということをして欲しい。僕はこのチームは、やることさえはっきりしていれば、しっかりとそれを遂行できるだけの能力は備えていると思うから。

*以前書いたけど、マイクタイムの時にチームの実効力が高まるのは、マイクという電柱が入ることでチームに共通理解が生まれるからだと思う。「まずはマイクを見て、マイクの高さを活かそう」ということでチームが動き出せるから、それなりに連動して結果が出たりする(もちろんマイクがしっかりと仕事をしてくれているという部分が大きいけどね)こういうことを見ても、やることがはっきりしていればちゃんとできるはず。もちろん選手間でのコミュニケートも続けて欲しい。特にプレーのディティールに置いて要求しあうことは特に。

2.プレーへの関与意識をより高く、真の主体性を。

よく、ポゼッションして攻めることに主体性という言葉が使うのだけど、今回はそういうことではなく。

はっきり書けば、このチームはプレーへの関与意識がもの凄い低い。ボールを引き出す動きが少なく、各選手ボールが来たら頑張るという傾向が強い。だから、パスコースは自ずと少なく、ボールも回らないし、チームも有機的に繋がっていかない。だからこそ偶然頼み、個人頼みの傾向が強くなりがちになってしまう。とにかくここを改善しなければ、ずーっと付け焼き刃的なポゼッションっぽいことをしながら結局放り込みサッカーからは脱却することは出来ないのかなと。

そういう部分を変えるためにも、意識から変えなきゃいけない。一つの局面に置いて、自ら動いてボールを引き出す。全て10~20mと長い距離を走るということではなく、1~3m相手を離して(出来ればずるずる下がる形じゃない方が良いね)、良いアングル付けてパスを受けれる状況を作る。そして、それが2つ3つとある状況を作る。こういうことを続けていくことで攻撃に置ける閉塞感を何とか打開して欲しい。

ある程度の方向性を付けていくことと、沢山の選択肢を作るということのは、1とは少々矛盾することかも知れない。ただ、一人一人がプレーに絡む意識を持たないと、プレーが繋がっていかない。どちらもコレクティブなサッカーをするには必要な要素であり、この二つが出来て始めて「主体的で良いサッカー」に繋がっていくのかなぁと。まあとにもかくにも、真の主体性の第一歩である積極的なプレーへの関与意識を作り上げて欲しい。

*本来であれば、プレーへの関与意識なんて言うのはあってしかるべき要素で、こんな事を言及しなきゃいけないのは少々恥ずかしいことでもあるの。ただ、今まで岡ちゃん自ら認めている通り役割を明確にし、ロジカルにやってきたことの副作用でもあると思う。選手達が自ら、ピッチの状況を捉え、予測し、判断し、行動に移すというのは、選手達が積極的にプレーしようと言う意志がなければ出来ない。そういう意味では、今やらなければならないことは積極的にプレーするということなのかなと。

ただ、基本的に別に続けなきゃいけないわけでもない。実際、次負けたら嫌でも現実に目を向けなきゃいけない。どちらにしても、今のままでは絶対に良くない。放置するのではなく、何かしら手を加えていって欲しい。ということでラストファクター、監督へ。

・全ての点を一本の線に -お願い、岡ちゃん-

当たり前だけど、この成績で解任論の噴出というのは当然。テーマとして「Win Back The Champ」とぶちあげているわけだし、Fマリノス自体が優勝を狙わなければならないチームなんだから、優勝するためのデッドラインに来ている状況で、監督に対しての信頼が揺らいだとしても何ら不思議ではない状況です。

僕はというと、こういうふがいない状況になっていることにだいぶ不満を溜めているけれど、基本的に岡ちゃんのことが大好きなので、出来れば岡ちゃんには綺麗な花道を通って辞めていって欲しい(まあ多分今年が最後でしょ、結果を出したとしても)そういう意味では岡ちゃんにはここで踏ん張って欲しいなぁと思ってる。

でも岡ちゃんがいきなり覚醒するとも考えにくいので、岡ちゃんっぽいアプローチで考えていきたいと思う。監督としてすべきことを。

基本的にサッカーは、一つのボールを、奪い、相手陣に運び、ゴールを獲ることを目的とし、このプロセスを繰り返すことでスコアを争うスポーツ。そして、無理のないプロセスを作れたチームが良い流れを作ることが可能になり、自分たちの形というのを数多く表現することが出来るのかなと。

今の状況として、Fマリノスはチームとしてゲームを形どる術、選手起用なども含めて、ほとんどの部分で矛盾点が多くあり、正常に力を発揮しているとは言い難い。てゆうか、現状を見れば、こういうプロセスは今のチームには「ない」。

で、岡ちゃんに何をして欲しいかというと、このプロセスをある程度で良いから矛盾なき形で作ってほしいと言うこと(作り直して欲しい)岡ちゃんは頭のいい人だと思うし、ディティールを作るのは下手でも、プロセスを無理なく作ると言うことは出来ると思う。もちろんこれを作ったからといって、選手達を導いてピッチで表現できなければ意味はないのだけれど、今は奪うこと、運ぶこと、ゴールを奪うことが点でしかないのだけど、それが一本の線になることで、チームは少し変化が起きるんじゃないかなと。より展開はスムーズになると思うし、選手達がやりやすい環境、力を活かしやすい環境にはなると思う。上の1の部分に置いて何を基盤にし、それにあう組み合わせ方と言うのを組み合わせることで作っていくことは出来るのかなと。一例として。

Example

バルセロナの場合
ボールロスト→カウンターケア(フォアチェック)をしながら、コンパクトフィールドでのプレス(ボールを奪う)→技術・判断において最高レベルな中盤でのゲームコントロール(ボールを運ぶ)→世界最高のクラックによる局面打開を基盤としたテクニカルなアタック(ゴールを奪う)

チェルシーの場合
ボールロスト→リトリートし、DFとMFで4-3(4-1-4)のブロックを形成しスペースを消す(ボールを奪う)→速い切り替えからフリーマンを作り、そこを供給源に高い位置にいるアタッカーのポジショニングを活かしてスペースを突く(ボールを運ぶ)→相手の状況の整わない間に選手の質の差を利用して崩しきる(ゴールを奪う)

*あくまでもこの例はイメージに過ぎないです。状況によって、凄い変わるのでこの通りじゃなくてもあしからず(当たり前だけど、奪われる場所、奪う場所、相手の質などどんどん変化するのでね)

こういう事を書くと、「何だよ、結局ロジカルに嵌め込めってことかよ」という風に受け止められてしまうかも知れないけど、基本的に嵌め込んで欲しいわけではなくて、選手達にはディティールをしっかり考えさせて、プロセスのデザインは監督に担って欲しいなと(まあ当たり前の仕事だけどね)プレーの中身にまで踏み込んでオートマティズムを作ってほしい訳じゃない(それが出来上がるのを待ってたら、どっぷりと浸かっちゃうよ)

どちらにしても、今はグランドデザインが出来ていない状態。どのように攻め、どのように守るのか、そしてそれが矛盾なき形で繋がるのか。そういうことを今一度考えていくべきなんじゃないかなぁと。こういう危機的な状況だからこそ、ね。

*こういうスーパーチームはプロセスもディティールもしっかりしているので、余り参考にはならないのだけど、勝てているチームはやはり余り矛盾点がない。個に依るところは大きいのだけど、個を活かす術という部分まで矛盾点がないから、スターが活躍できるという理屈。まあわかりやすいかなぁと思って。こういうの見たいなら海外見てろよなんて言う人が出てこないことを祈る。Fマリノスが強くなって欲しいから書いてるわけで。

*特にリアクション型のチームというのはこういうプロセスがとても大事で、こういうデザインが下手な監督はどこかに齟齬が起きて、破綻を来す場合が多い。よりポゼッション志向の強いチームは、ディティールをしっかりと詰めていかなければならないのだけど、上に書いたようにディティールだけになると目的地なき単なるパス回しになりがち。そういう意味ではポゼッションを志向する意味でも、しっかりと目的があるというのは決してネガティブではないと思う。

ということで、少々厳しいことを書きましたが、とにかく今のままで良いなんて言わないで欲しい。優勝を狙うチームが勝ち点18しか獲れていないこと、首位との差が12あること(最下位とも12)、置かれた現実を見なければならない。何もしなくて良いなんて言えない状況なんだから。アビスパ戦は正念場、先に繋げるためにも、頼むよ。ということで今日はここまで。ジェフ-ガンバやりたかったんだけどなぁ……ごめんね。明日の昼、出かける前にやるかも知れない。

*思いっきりネガティブな事を書いたので、お口直しにトリパラ・ブログさんの素敵なエントリーをご紹介。

ポジティブ・シンキング【データーは語る】(トリパラ・ブログ)

*うん、ポジティブだ。まだまだ終わっちゃいない、うん。

*って、佑二肉離れかよ……_| ̄|○

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 20, 2006

潰える期待@J1 第13節 エスパルス vs Fマリノス

あー、もうJリーグつまんね。

マリノス勝たないと、つまんね。

じたばたしよーぜ、このままじゃ沈んじゃう。

座して、死を待つわけにはいかないんだろ?現状と同じでは進歩がないんだろ?

だったらじたばたしよーじゃないの。

2006 J.League Division1 第13節

エスパルス 1-0 Fマリノス @ 日本平スタジアム「潰える期待」
S-pulse:89'兵働昭弘

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF栗原勇蔵、松田直樹、中澤佑二、MF河合竜二、マグロン、田中隼磨、ドゥトラ、清水範久(→62'吉田孝行)、FW久保竜彦(→77'ハーフナー・マイク)、マルケス(→84'平野孝)

エスパスタメン:GK西部洋平、DF市川大祐、青山直晃、高木和道、山西尊裕、MF枝村匠馬(→68'杉山浩太)、伊東輝悦、兵働昭弘、藤本淳吾(→87'久保山由清)、FWマルキーニョス(→89'斉藤俊秀)、チョ・ジェジン

ええ、期待してましたよ。怪我人も戻ってきて、出た課題を洗いざらい検証…修正して、開幕当初のようなワクワクするような時間が戻ってくるんじゃないかと……。

夢は夢のままで見ているのが正しいってことかなぁ。

中身に目を向けると………稚拙なビルドアップ、少ないサポートとパスコース、バリエーションが少なく散発的な攻撃、空いてしまうバイタル、そして切れてはいけない時間で切れてしまう集中力、変わってない。厳しいことを書けば、この中断期間何をしてきたのか全く見えなかったし、分からなかった。

単に怪我人が戻ってきただけで、全てに置いてぐだぐだ。相手が相変わらずしっかりとオーガナイズされたディフェンスをしてくるから仕方ないみたいな論調だけど、キャンプで何かをしてきたのなら、相手の状況が良かろうと悪かろうと、ある程度何かの欠片が見えたり、変化の予兆みたいなモノが見えてくるはず。それが、全く見えないってのはねぇ。

そろそろガラガラポンの季節がやってきたのかも知れないねぇ。優勝を狙うと公言したチームがこういう成績を残している、ナビでは勝っているけど、4連勝の後のリーグ戦は9戦で勝ち点6(1勝3分け5敗)、大きな問題があるのは明らか。戦力的には揃っているはず、おいしく仕上げられない指導側に、責任、あるんじゃないかなぁ?悪いけど、今のところ優勝できるような成績も、内容も、示せていないわけだから。

まあ、負けると明らかにやる気がなくなるのは僕の仕様なのでご了承下さい。昨日と全く言ってることが違うじゃねーかって?それぐらい、落ち込んでるのです。期待してただけ落ち幅がおっきいのです。頼むよ、岡ちゃん、しっかり、岡ちゃん。

あー腹立たしい。でも、相手が相手なのであんまり良い予感がしなかったのは内緒だ。僕とエスパの相性も良いし(見ると結構良いパフォーマンスが多いの)

ということでおしまい、寝る。

*La Guarida更新されてますよ。まさに僕の心境にぴったり。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 19, 2006

帰ってくるスタジアムの華 -Jリーグ本格再開に寄せて-

明日から本格的にJ1再開!めでたいねぇ、めでたいや。で、その中でこんなニュースが。

東京石川、10ヶ月ぶりの復帰にみなぎる闘志(nikkansports.com)

浦和FW田中達也277日ぶりピッチへ(nikkansports.com)

抜群のスピードで相手陣を切り裂き、誰もが将来を期待した素晴らしいアタッカー。共にアテネオリンピック代表で、A代表のキャップも得て、キャリアもこれからというところ、そんな約束された将来に暗く影を落とす昨年の秋頃負った重症。

ナオは日産スタジアムで怪我をした。終盤、仕事場である右サイドでうずくまり、そのまま立ち上がることさえ出来ずにピッチを去っていった。田中達也はレッズが快勝にしたゲームにて、余り必要ではないシーンで余りにラフなタックルに未来を奪われた。Jを彩る素晴らしい選手が怪我をするというのはとても悲しいことで、思い出すと今でも暗い気持ちになります。

しかし、長いリハビリを耐え抜いて、彼らがピッチに帰ってくる、奇しくも同じタイミングで。

もちろんいきなりフル稼働となるかどうかは分からない。選手人生を脅かしかねない重傷を負った訳だから、その疾風のようなスピードが復帰前と同じように戻ってきているかは分からないし、怪我の記憶から来る不安や恐怖もあるでしょう。その他にも細かな技術面でのブランク、試合勘、ゲームに置けるスタミナなど、一つ一つ確認していくことが必要になると思います。

それでも、彼らに期待したい、復帰前と同じように。彼らのスピードがスタジアムを盛り上げる。彼らにボールが渡ったときの期待感、その才覚が爆発したときのインパクト、彼らはスタジアムの華なのだ。

さあ、酔いしれよう。

ということで、クローズアップしてみましたけど、いよいよ始まると思うと、楽しみで楽しみで。ないと寂しい、でも戻ってくると思うとワクワク出来る。こういうのも良いもんだ。この中断期間が様々な変化を呼ぶだろうし、それが更なる熱さを読んでくれるんじゃないかなと楽しみにしてたりします。再開後の見所としては。

・新監督、新戦力という刺激

・ふろん太、真の強豪への修羅場3

・「再点火」セレッソの跡目はどこか

・猛暑の連戦、勢いか、厚みか、それとも……

とりあえずこんな感じかな?一番上は簡単なまとめをとりあえず書いてみました。きっとサポートできてないところもあるけど。

2006 Jリーグ 中断中の動き

アントラーズ
獲得/
ファビオ・サントス(←サンパウロ/BRA/MF・LSB?)
ダ・シルバ(←サンパウロ/BRA/MF)

FC東京
放出/ササ・サルセード(→ニューウェルズ・オールドボーイズ?/ARG)

獲得/中澤聡太(←レイソル/レンタル/DF)

ジェフ
監督交代/イビチャ・オシム(日本代表監督就任)→アマル・オシム(昇格)

フロンターレ
放出/マルクス(→ヴェルディ/契約解除→移籍/MF・FW)
獲得/マギヌン(←サントス/BRA/MF)

ヴァンフォーレ
獲得/
ネト(←ジョインビレEC/BRA/MF)
茂原岳人(契約/MF)

アルビレックス
獲得/
松下年宏(←ガンバ/レンタル/MF)
内田潤(←アントラーズ/DF)

放出/海本幸治郎(→ヴェルディ/DF)

エスパルス
獲得/アレシャンドレ(←コリンチャンス・アラゴアナ/レンタル/FW)

ジュビロ
監督交代/山本昌邦(辞任)→アジウソン

グランパス
獲得/フローデ・ヨンセン(←ローゼンボリ/NOR/FW)

放出/
角田誠(→パープルサンガ/レンタル/DF)

パープルサンガ
獲得/
角田誠(←グランパス/レンタル/DF)
手島和希(←ガンバ/レンタル復帰/DF)
ピニェイロ(←プーマス/MEX/MF)
アンドレ(←ナシオナル/BRA/FW)

放出/アレモン(←横浜FC/レンタル/FW)

セレッソ
監督交代/小林伸二(解任)→塚田雄二

獲得/大久保嘉人(←マジョルカ/ESP/レンタル復帰/FW)

放出/宮原裕司(→サガン/レンタル終了/MF)

サンフレッチェ
監督交代/望月一頼→ミハイロ・ポポビッチ

放出/ジニーニョ(→パルメイラス/DF)

アビスパ
監督交代/松田浩(解任)→川勝良一

獲得/
飯尾一慶(←ヴェルディ/レンタル/FW)
佐伯直哉(←アルディージャ/レンタル/MF)
バロン(←ヴィッセル/FW)

放出/
グラウシオ(契約解除)
長野聡(←ヴェルディ/レンタル/DF)

トリニータ
獲得/ラファエル(ジュベントス/FW)

放出/オズマール(退団)

結構動いてるな……特に西の方。簡単かと思ったら大変だった。まあ新監督とか、大きく動いたチームの動向が気になるのは当たり前だけど、「教え子を連れてきたのか、アウトゥオリ?」な鹿島の新外国人、ふろん太最大の危機を救うか、マルクスの後釜を担うマギヌン(ふろん太は外人選ぶのうまい)、グラは今度こそ辺りが引けるのか、いつぞやUCLで点を獲ってた気がするフローデ・ヨンセン(多分、記憶曖昧だけど)も気になるかな。まあ、色々と目を通して確認してみて下さいな。

これ以外にも上げてみましたが、とにかく見所を探してみてみるときっと面白いと思いますよ。僕はふろん太の修羅場3を一試合は見に行こうと思ってます。とにもかくにも、各々スタジアム行きましょう。ということでこの辺で。思った以上に長くなっちまっった_| ̄|○

*楽しくなるかどうかは、マリが勝つかどうかに掛かってるんだけどね。山瀬も復帰組だね、取り上げなかったけど。頑張れ、山瀬。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 16, 2006

祭りのあと@FIFA WORLDCUP Germany2006 総括

もうJ1が再開してるってのに、なかなか筆が進まないいたです、こんばんわ。たまった宿題とか洗い物をするのが嫌いなんですよ、えぇ。まあまあやりますけど、ただどうも締まりが悪いというか書けば書くほどとっちらかって。

で、今日はワールドカップ全体の総括などを。全ての出場国がほぼ同等の条件の元に臨んだ今大会は、前回大会よりもプレーコンテンツの充実が目立ち、そしてその中でも欧州開催のメリットを存分に感じさせる欧州列強の強さが目立った大会でした。ということで、今大会の中で気になったテーマ、そしてベストイレブンとかを書いちゃおうかなと。日本代表の方を先にやるべきだ?だから、上に書いたじゃん、言い訳、書けないの(苦笑)

じゃ、いきます。

・精錬される守備 -より高度に、より柔軟に-

優勝したイタリアが7試合で失点2(1つがオウンゴール、1つがPK)、準優勝のフランスが失点3(1つがPK、1つがセットプレー)と、守備の充実が成績に直接繋がっていく傾向の強い大会だったと思います。

実際、2002日韓大会のドイツやアメリカ、EURO2004のギリシャなど、守備的に強み、安定性を持ったチームがトーナメントを駆け上がる傾向は強く、既にトレンドを超え「掟」となりつつあるのかも知れません。まあ時代は常にそれを突き破るスペクタクルな攻撃やファンタスティックなクラックを求めるわけですが、今大会はその願いも虚しく「掟」が勝った大会と言えるのかも知れません。

そのディティールを見てみると、プレッシング志向の強かった4年前に比べ、よりラインは低く設定され、ゾーンを堅牢に築き上げることでスペースを消して、効果的な攻撃をさせないという傾向が強かったように思えました。まあオフサイドのルールが変わったこと(そのルールをかいくぐる攻撃手法の芽生え、それによる高いラインコントロールにおけるリスクの向上)、代表チームの更なる時間的な問題など、様々なことが影響しているのだと思いますが、失点を削るための最善の手法として、こういう傾向が生まれたと言えるのかも知れません。

ただ、これはプレスよりゾーンということを言っているのではなく、あくまでも今大会有効に作用してトレンドとなっていただけの話。より優秀なチームは相手の状況、ゲームの流れなどを鑑みながら状況に応じた策(プレスとゾーン)を運用し、効率的な形を表現していた訳で、そういう部分が差になっていたのではないでしょうか。

フランスを例に取れば、決勝戦後半、ラインを高く設定し、前からプレッシングを掛け、積極的に奪いに掛かっていました。本来一つのタスクに「固執」していたら、あくまでも低い位置でのゾーン形成を主にするわけですから、このプレッシングはタスクから逸脱する訳なんですが、何故そういう事が出来たのか。それは、相手(イタリア)の攻め手がほぼ潰えていて、前から行ってもリスクが高くないという状況を感じ取り、より効率的なプレーとして前からプレスに行くことだ、という選択があったからです。こんな感じでフランスはゲームの中で戦術を「運用」していたわけですね。

一つのタスクを熟成させ、精錬させることは決してネガティブではないけれど(一つのタスクの熟成度、完成度を見たら、イングランド(ゾーン)、スイス(プレッシング)、アメリカ(プレッシング)なども、イタリアやフランスにも劣らない高いレベルにあったと思う)、一試合の中で状況は変化し続け、それだけ効果的な形、状況に即した形というのもどんどん変わっていく。相手のあるスポーツだから当たり前のことでもあるのだけど、それに対応していくことが理想であり、その理想をトーナメントの頂点に駆け上がった2チームは表現していた。この辺に今大会の守備手法の進化、いや精錬というのを見た気がします。世界は更に歩を進めている、ということかも知れませんね。

*もちろんこういうことをするために必要な要素は多岐に渡ります。グループとしての熟成度、完成度はもちろん、個々の高い戦術理解+実効力、流れを読む力、判断力、そして局面に置ける対応力や守備力、そういうモノがあって初めて成立し得るモノ。自由と組織が水と油ではないのと同様に組織と個人も又水と油ではないということですね。質の高い個人も組織として形成されていなければ機能しないし、同義のように質の高い個人がなければ質の高い組織にはなりづらいというのも分かってもらえるといいかな。二元論じゃないと語っている人が、二元論を語ってるのが滑稽。組織を形成するのが個人と言うことをもう少し重要視されても良いかなぁと。

*04~05、05~06シーズンのUCLでも一つのテーマとなった「戦術的柔軟性」。このテーマはワールドカップではより守備面に置いてその傾向が出てたのかなぁと感じました。

*UCLに関しては攻撃面に掛かっていた部分が大きかった。リアクション型のチームがビハインドを負ったときにポゼッションして主体的に攻撃を求められると、仕掛ける事が出来ない事が多く、その部分でリアクションとポゼッションの戦術的柔軟性の重要性がクローズアップされていた。ユーヴェとかリバポとかね。それと少々趣がずれるが、2年連続で対戦したバルセロナ-チェルシーに置いて、ポリシーを持つチームに置ける戦術的柔軟性という部分でも非常に興味深いテーマだったかな。

*今大会、攻撃面でミドルシュートというのが目立った訳ですが、もちろんモルテン製の新しいボールの効果もあるだろうけど、何よりも「低いラインにはミドル」という「格言」というのが、意識として反映されていたからこそ、素晴らしいシュートが多かったのではないでしょうか。組織レベルが精錬されればされるほど、ミドルシュートなどの守備組織を壊す力というのが改めてクローズアップされていくかも知れませんね。

なーんか、嫌味っぽい?まま僕の性格的に、皮肉っぽくなっちゃうけど。うーん、性格悪っ(まあ懸命な読者の方にはばれてるかも知れないけど←そんなものいるのか?)まあそんなダークサイドは置いておいて、素敵な大会のベストイレブンを。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Best Eleven
1st Team(Coach:M.Lippi)
     Podlski  Klose
        Zidane
    Vieira    Gattuso
Grosso    Pirlo    Miguel
   Cannavaro  Thuram
        Buffon

2nd Team(Coach:J.Klinsmann)
    Henry   Toni
    Riquelme     Figo
Zambrotta Makelele Maniche 
   Gallas Terry Marquez
       Lermann

FW:F.Torres、D.Villa、C.Ronaldo、J.Saviola、H.Crespo
FW:C.Tevez、A.Robben、C.Tenorio、A.Gyan

MF:S.Perrotta、F.Ribery、M.Ballack、T.Frings
MF:J.Mascherano、M.Rodriguez、D.Beckham、O.Hargreaves
MF:Z.Robert、A.Tymoschuk、T.Barnetta、A.Pardo、T.Cahill

DF:W.Sangol、P.Lahm、Lucio、R.Ferdinando、As.Cole
DF:R.Ayala、G.Heinze、C.Sarcido、R.Osorio、P.Senderos、P.Muller

GK:Ricardo、O.Shovkovskyi

まあこんな感じですかね。グループリーグでさよならした国は全部外したので、これを加えたら又変わってくるかも知れないけど、まあ上位進出国を中心にね。それにしても、攻撃面で目立ったタレントがいないいない。この辺を見ても、守備の目立った大会といえるのかも知れませんね(僕の選んだ選手も守備において活躍した選手が多いし)

まあ1stチームだけは短評を。

ジャン・ルイジ・ブッフォン(イタリア/ユヴェントス)

神セーブでイタリアの総失点2に最大限貢献した事を見ても文句なし。質の高いポジショニング、速い反応、広いセーブエリア、全てがパーフェクト、「世界最高のGK」という看板に偽りなし。ちなみに当然のように「レフ・ヤシン賞」獲得です。次点としてはレーマン、そしてリカルドかな。PKが目立った。レーマンがネタプレーのキレがイマイチだったのが不満。

ファビオ・カンナバーロ(イタリア/ユヴェントス)
リリアン・テュラム(フランス/ユヴェントス)

カンナバーロがMVPにならなかったことに未だに納得いってないわけですが、今大会のプレーは本当に神と言って申し分ない出来。危機察知の速さ、読み、フィジカル的な強さ、全てが研ぎ澄まされていた。サイズのなさを語られることが多いけど、これは早々真似できない。センスも経験も持っている選手だからね。

テュラムに関しては迷った。ギャラスでも良いかなと思ったし、マルケスの危機察知の速さも素敵、アジャラ大先生の安定感と経験も捨てがたい。でも、テュラムのゾーンの中で存在感はやはり抜けていたかな。対人の強さ、マークに対する集中力、MFの連動など、この辺はさすがといったところ。ブッフォン、カンナ、テュラムとユーヴェのトライアングルですな。贔屓とは言わせない。

次点としては、沢山書いた通り。みんな良い選手。僕が好きなのは読みとか危機察知に優れている選手。アジャラ大先生残って下さい、黄色いところとか行かないで。

ミゲウ(ポルトガル/バレンシア)

迷ったけど、オランダ戦でロッベンを抑えた功績、そして攻撃参加による効果的なプレーを評価して。正直バレンシアのプレーを見ている限り、パウロ・フェレイラで行った方が良いんじゃないかと思ってましたよ。ごめんなミゲウ。ただ、攻撃参加に置けるアグレッシブさ、思わぬ守備の強さなど、ミゲウここにアリというのは示していたと思う。正直びっくりした、何故これをバレンシry)

ザンブロッタに関しては正直1stチームに入れるべきだったかも。クオリティ高く、そして特性である左右上下どこでも変わらずにプレーして、結果も残してと文句の付けようがない。結構心配してたんだけどね、大会前は怪我があったし。まあ、どっちでも良かったけど、アズーリ多いかなと思ってさ。フランスのサニョルも良かった。

ファビオ・グロッソ(イタリア/パレルモ→インテル)

アズーリのラッキーボーイとしてかなりインパクトの強いプレーを見せ、その他普段のプレーでも1vs1の強さ、積極的なオーバーラップ(それに準ずる細かなテクニックによる局面打開力)など、ハイブリッドなプレーヤーであることを証明した。未だにアメリカ戦でグロッソではなくザッカルドを使ったのか、なぁリッピ?休ませようとしたのかねぇ。

次点はラーム、そしてヌーノ・バレンテと言うところか。ラームに関しては今大会No.1の破壊力を持つサイドバックだったね。突破力、シュート、クロスの精度と全てを持ち合わせており、攻撃面でのインパクトは非常に強かった。守備は……という部分もなきにしもあらずだけどね。ヌーノ・バレンテも良い選手だね、相変わらず。

ジェンナーロ・ガットゥーゾ(イタリア/ACミラン)

リッピに嬉しいのか憎しみなのか、クビ締めちゃうガッツさんサイコー。豊富な運動量と粘り強い対応で相手の勢いを殺し、エースキラーとしても機能、両サイドの挟み込みにもよく行っていたし、非常に実効性が高かった。ピルロが守備に置いても望外の出来を示していたとはいえ、やはりその存在感は余りに大きかった。素敵すぎて外すわけにはいかないね。バイタルの番犬というのがぴったりだった。正直マケレレと迷ったのは内緒だ。

アンドレア・ピルロ(イタリア/ACミラン)

トッティやデル・ピエーロといったイタリアを救うべき選手に波があった中で、低い位置でゲームをリズムを生みだし、守備にも体を張り、そしてアシストもゴールもしてと、獅子奮迅の活躍。アーティスティックだけど少々ひ弱なイメージを持っていたけど、今回のワールドカップに置いては、守備はもちろん、攻撃に置いても長い距離を走ってトッティのサポートに入ったり、前線に顔を出したりと、非常に精力的にプレーしており(てゆうかハードワーカーと見まごうほど)、プレーの実効性という部分でも抜群だった。セットも絶品。トッティやカモに蹴るなと言いたくなるぐらいね。

それと付け足しとして、普段はカカと縦のラインを形成しているけど、そのコンビがトッティに変わることで、自分のプレーも変えていたかな。速いドリブルで局面打開を仕掛けるカカに関しては前にスペースがある状態、前を向ける状態でボールを預ける志向を持ってプレーしている印象だけど、トッティはダイレクトプレーが多いのでなるべく距離感や角度を考えながらも精力的にサポートしようと言う意識が見えた。この辺は素晴らしい。彼の明晰な頭脳に感服。こういう選手がいたら良かったのにな……。

パトリック・ヴィエラ(フランス/ユヴェントス)

ユーヴェに来て「???」という評価をされたけど、3戦目のトーゴとの試合から、らしいダイナミズムが復活。攻守にダイナミックなプレーが戻って、世界最高峰のセントラルだった頃の凄みがあった。守備に置いても、マケレレ、ギャラス、テュラムとの意思疎通、役割分担は非常に統制が獲れており、ゾーンの番人としてしっかりと堅陣の一翼を担っていた。スペイン戦のスルーパスは絶品だったねぇ。何とか残ってくれないか?

ジネディーヌ・ジダン(フランス/レアル・マドリード)

まあ最後はあれだったけど、あれで価値が減るわけでもなく、最後までフランスの偉大なるコンダクターだった。本当にコンディションが良く、全般的にアグレッシブだったし、その中でもやっぱり神の域とも言える崇高なるテクニックによる周囲を活かすプレーは、光の見えなかったフランスを明るく照らした。あれが最後というのは返す返す残念だけど、伝説のプレーヤーの輝かしいキャリアを見てこれたことは今更ながらに幸せなことだった。一度で良いから生で見てみたかったな、糞高いチケットだったけど見に行けば良かった、集金ツアー。

これはちょっとずれるけど、フランスのこれからというのは大変だね。一時代の終わりとはいえ、ジダン、テュラム、マケレレといった名手を失う喪失感は本当に大きいと思う。今大会を見ても、もし彼らがいなかったら、ここまではこれなかっただろうし。もちろんアンリやリベリーといった今大会活躍した選手はこれからも代表を背負うだろうし、他にもクレール・フォンテーヌを代表とした育成期間から輩出された優秀な若駒も沢山いるから、全てが無に帰してしまうわけではないけれど、この名手なしのチーム形成に置いては一度失敗しているし、答えはまだ見つかっていないはず。そういう意味でこれからのフランス代表の行方はどうなるのか気になるかな。美しく強いらしいチームになって欲しいけど、ドメネクじゃなぁ……(まだ懐疑的なの、彼の手腕には)ジダン・シンドロームとフランス、興味深いテーマだね。

ミロスラフ・クローゼ(ドイツ/ヴェルダー・ブレーメン)
ルーカス・ポドルスキ(ドイツ/1FCケルン→バイエルン・ミュンヘン)

まあ1トップでクローゼ、というのが一般的かも知れないけど、二人のコンビネーションの良さに敬意を表して(てゆうか仲が悪いというのがネタだと思えるぐらい)てゆうか、ドイツ嫌いなんだけど、彼ら二人のパフォーマンスはドイツの印象を少し変えてくれた気がする。

クローゼは今大会得点王として当然の選出、今大会No.1FW。前回大会ではヘディングの印象が非常に強かったけど、今大会はストライカーとして全てを兼ね備えているオールマイティな所を見せてくれた。得点感覚、周囲を活かすセンス、フィニッシャーとしての精神力、技術、体の使い方に至るまで、本当に素晴らしかった。何よりもゴールを逆算してプレーできること、ゴールへの意識を常に持っていることが素晴らしい、狩人だね。アルゼンチン戦のゴールはまじ震えた(バラッククロス→ボロウスキヘッド流し→クローゼダイビングヘッド!)本当は嫌いなんだけどね、チーム共々(ドイツも、ブレーメンも)、でも認めないわけにいかない、素晴らしいプレーだった。

ポドルスキは、ポテンシャルというのを存分に見せてくれた。「プリンス・ポルディ」という冠に負けてないぐらいのインパクト。グループリーグでは消化不良気味だったけど、一度はじけてからはクローゼとのコンビネーション、強い得点への欲求、シュート力、そして技術レベルの高さ、そういうモノがポジティブに反映されてた。ブレイクと言っていいのかな。個人的にルーニーと似たようなイメージを抱いていたのだけど(DQNなところも)、パワーは負けても才能レベルでは大きくは見劣りしないと思う。結構好きなタイプよ、才能がある故の強気、そして結果を出す。天才と○○は紙一重と言うし。左利きだし。バイエルンでキャリアアップを果たした来期も注目だね。

ということで迷ったけど、こんな感じです。2ndチーム、又候補選手も入れておきましたけど、もっといたような気もするし、もう少し絞っても良かったかなぁ。ただ、これを見てもヨーロッパの選手が多い。この辺も又大会の特性というのを表しているのかも。てゆうか長いな…、すいません。とにもかくにも、ワールドカップはこれでおしまい。後は日本の事ね。頑張ります。ということで又4年後ですな、いや2年後のユーロ、いや来年のアジアカップか、サッカーはまだまだ続くってことで。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 14, 2006

アグレッシブな再開@J1 第11節延期分 ジュビロ vs ガンバ

J1が帰ってきましたよ。本格再開は来週からなんだけど、ガンバのACL順延分ということでここから。まあ細かい面であれ?っていう違和感はあるのだけど、華々しい試合になったのは良かったかな。

J.League Division1 第11節 延期分

ガンバ 2-2 ジュビロ @ 金沢「アグレッシブな再開」
Gamba:20'宮本恒靖 44'二川孝広 Jubilo:6'p&59'p金珍圭

Super Soccer

ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介、DFシジクレイ、宮本恒靖、山口智、MF橋本英郎、遠藤保仁、加地亮、家長昭博(→83'寺田紳一)、二川孝広(→79'播戸竜二)、FWフェルナンジーニョ(→71'前田雅文)、中山悟志

ジュビロスタメン:GK川口能活、DF菊地直哉、田中誠、金珍圭、服部年宏、MF福西崇史(→72'鈴木秀人)、ファブリシオ、太田吉彰、名波浩(→46'成岡翔)、FW西紀寛、前田遼一(→46'カレン・ロバート)

雨が降りしきる金沢。ピッチに水が浮くところが所々あり、両チームの特徴であるパス回しにとっては余りポジティブではないピッチ状態なのが残念なところ。

で、両チームのチーム状況。まずガンバの方から。中断期間中にマグノ・アウベスが怪我をして離脱中(復帰は来月?)、その穴を埋めるのは浪速のゴン・中山悟志が入る。後は中断期間前とほぼ同じようなメンバー。対するジュビロは、山本昌邦氏がナビスコ準々決勝後に成績不振を理由に辞任し、新監督に以前ジュビロでもプレーしていたアジウソンが就任(全く面影ないのだけど……)彼がどのような所にメスを入れ、チームを再建してきたのかは気になるところ。そんなアジウソン監督の選択は前田と西の2トップ、そして、その下に名波と太田が入る4-4-2の様な感じ。

前半

どちらも両サイドの攻撃を意識した感じのあった立ち上がり、いきなりゲームが動く。ガンバのルーズな守備を突いて、ロングフィードから右サイドに起点を作ると、ダイレクトでの繋ぎに福西が良いタイミングで最前線まで飛び出して絡んでペナにつっこんでいくと、コースに入った山口と交錯する形で倒れ、これにPK判定。そしてこのPKを韓国代表の金が決めて先制した。福西のファーストタッチが流れたけど、前に進む意志がPKに繋がったかな。アタッキングエリアでのパスプレーには黄金期の輝きが少し見えた。

オープンな攻め合いという様相を呈す中で、その中で徐々にビハインドのガンバが押し始める。濡れたピッチを苦にせず細かいパスを繋いで、そこに両サイドがダイナミズムを付随する形で局面打開していく。ガンバらしいテンポとアイデアのある細かいパス交換、フェルナンジーニョのドリブル突破のキレと魅力的な攻撃力は相変わらず、その中でセットプレーのチャンスが増え、そのセットプレーがゴールを生む。右サイド、ヤットのアウトスイングのボールは曲がってセンターへ、ゾーンを組んだジュビロディフェンスにエアポケットが生まれ、そこに入り込んだ宮本がヘッド。川口も及ばず同点。セットに置けるゾーンは難しいよ。個々の判断力・対応力と身体能力が高いレベルで伴わないと穴が空いてくる。去年体験済み。ヤットのキック精度も相変わらずだね。

両チーム共に攻撃に対する高い意識は失点を喫しても衰えない。ボールを動かし、両サイドから鋭いクロスが入り、ワールドカップに触発されたか鋭いミドルがゴールを襲う(ジュビロの方は太田が右サイド角度のないところからアウトサイドで狙った→ポスト、ガンバの方はセンターから左足で二川が狙う→川口の手をすり抜けたがバー)難しいピッチ状態の中でも両チームの選手達の技術の高さも目立ち、非常にアグレッシブなゲーム展開。

ただ、逆に守備的な側面から見ると、どちらもある程度低い位置で回されるのは容認しながら低い位置にラインを設定し、ボールが入ってきたところを抑えようという守備をしていたのだけど(もちろん押し上げているシーンもあるけどね)、ボールホルダーへのアプローチが甘くパスコースを制限するなどが出来ていなくて、又ゾーンを組んでいるのだけど、そこにぽこぽこ穴が空いてきて、結果相手の攻撃を自由にやらせすぎてしまう。守備組織が機能していない印象。で、前半終了間際、その緩さを突いてガンバが逆転する。左サイド深い位置から家長が1vs1を仕掛け、菊地との争いを制してグラウンダーでニアへ、ゴール前に入ってきていた二川がマークをいなして押し込んだ。ペナに簡単に入られすぎていて、難しい対応を強いられていたかな。激しい攻め合いが最後まで続いたことを示すスコア、2-1で折り返す。

後半

アタッカーの仕事ぶりが気になったのか、アジウソン新監督はこのハーフタイムのタイミングで名波に代えて成岡、前田に代えてカレンを投入。その効果か、開始早々カウンターからチャンスを生み出す。右から太田が持ち込み、そこにニアでアクションを起こした西に流し込んで、うまく抜け出したかに見えたがこれはオフサイド。シュートには繋がらなかったが、ビハインドと言うことも考えれば良い立ち上がり。いきなりピンチのシーンを向かえたガンバも、攻撃への意欲は高く、個々の落ち着いたボールキープからうまくディフェンスをいなしてチャンスを作り出す。加地、家長も相変わらず積極的に攻撃に絡み、その加地が詰まってからディフェンスの合間を突いて中に折り返し、フェルナンジーニョのシュートを導いたプレーや、左サイド(ジュビロの右)のマッチアップに置いて家長がアドバンテージを握っている事などを見ても、プレーのクオリティではガンバが上回っていたかな。前半同様攻め合い。

しかし、ジュビロが続けていたサイドからの攻撃が実る。右サイドから入ったクロスに中は3枚、一番大外の福西まで通ると、福西はワンタッチで前に出す。これで対応が後手になり、橋本の伸ばした足が掛かったということでPK(ボールだったんじゃないかなぁ……)先ほど同様そのPKを、金がしっかりと沈めて同点。微妙だけどね、勢いが反映されたかな。

同点にしたことでジュビロに流れが出始めたが、ガンバもいい形の攻撃で流れを引き戻す。このゲームの傾向が良く表れていたかな、目には目を、攻撃には攻撃を。その中で福西が足を痛め、ジュビロは早い段階で3枚目のカードを切らざるを得ないことに(鈴木秀人を投入。鈴木が右、菊地をボランチ)。ガンバもこのタイミングで1枚目、フェルナンジーニョに代えて前田を投入。相変わらずオープンなゲームに代わりはないモノの、終盤に掛けてガンバの攻撃が押し込む展開になる(押し込む時間が長くなったことで、西野監督は中山→播戸を二川→播戸という交代策に変更)

ジュビロの選手の足が止まり、運動量が一気に低下。ガンバが完全にポゼッションを支配して両サイドから攻め立てる。凌ぐか、破るかというシンプルな展開の中で、ガンバは両サイドから波状攻撃を仕掛け、何度か惜しいチャンスを作るが、最後の所でこの日は目立ったセーブがなかった能活が良い反応で凌ぐ。結局ガンバの猛攻も及ばず、ゲームは2-2のドローで終わった。

まあ上記の通り、アジウソン監督が就任して2週間足らずのジュビロにしても、攻撃面に比重を置いて守備の甘さはある程度目をつぶるスタンスのガンバにしても、守備に関しては……という出来だったが、再開のゲームがこういうアグレッシブなゲームだったと言うことは良かったのかなと。

で、両チームとも一人一人の技術が高いねぇ。こういうピッチでは結構コントロールが安定しないモノだけど、一つ一つのファーストタッチも基本的に安定していたし、パススピードが上がっても焦ることなく次の展開に繋げていく。だからこそ、しっかりとした攻め合いが成立していましたね。この辺はさすがだなぁと感じました。まあその中でクオリティに置いては個々の技術をうまく活かせていたガンバの方が高かったかな?チームの熟成度という部分に差があるのは仕方ない部分なんだけど、ジュビロとしてはフィニッシュに繋げるところでの効率性を上げていきたいところかも知れませんね。

まあ、その分守備に関してはあれだったね。上にも書いたけど、正直クオリティは低かった。簡単に言えば、「やらせすぎ」。現在日本のサッカーは、前からのプレッシングや高いラインコントロールを用いて、積極的に主導権を奪おうとするやり方がメインとなっていると思うのだけど、この日は相手の技術の高さ、ポゼッションの質を考えてか、積極的なプレッシングではなく受けて対応しようという感じに見えた。それ自体は全然良いのだけど(現実的な考え方だと思う)、その部分での質が低かったから、「やらせすぎ」という状態が生まれてしまった。それはプレスを掛けなかったことが駄目なのではなく、ゾーンの理解度の低さ、機能性の低さが非常に気になった。

プレスに関しては、トルシエ監督によってもたらされたメソッドもあって、理解度、徹底度、ディティール含めて質は高いと思う。それこそ世界レベルとも変わらない。実際それに呼応するように現在のJも又プレススタイルが主戦になっていますが(J自体プレス合戦に勝った方が強いという傾向はあると思う)、何ももたらされていないゾーンディフェンスに関しての意識、理解は低い。だからこそ今回のゲームの両チームのディフェンスの質が低かったのかも知れない(大宮、福岡、赤いところはうまいけどね)まあこの試合一つをとって言っているわけではないのだけど、、現在の組織概念だけで満足するのではなく、サッカーを学ぶ必要があるのかなぁと思います(ディティール的には計算されたポジショニングの形成だとか、入ってきたところでのゾーンの収縮、ゾーンブレイクとその後のスムーズなカバーといったシステムとポジショニングの関係性とかね)
僕はプレスもゾーンも優位性などないと思うし、高いラインが全てだとも思わない。どちらか一つ出来ればいいというのは偏った見方だと思う(理想はどちらも柔軟にこなせて、状況によってやり分けられることだね)今の日本はプレスを掛ければいい、高いラインでコンパクト、ショートカウンターだ、ということが是となっており、そのサッカーをするために必要だから走ればいい、みたいな風潮になっているけれど(これは穿った目線だけどね)それは余りに偏っているのかなと。それだけが「組織」ではないし、様々なやり方がある。具体的に書けば、正確なポジショニングは運動量を補うモノだし、質の高い判断や対応はファイトオーバーを求めない。もちろん最低限の運動量は必要だけどね。まあ何が言いたいかと言えば、様々な「タスク」の効能や必要能力を理解した上で、どのような「タスク」を用いるのかを考える方が健全だと思う。色々なサッカーを見て勉強した上でね。ただ単に(偏った目線による)組織的じゃなきゃ駄目だ、走らなきゃ駄目だ、というのは盲目的でパブロフだと思う。

何かだいぶずれたけど、試合としては面白いゲームだった。引き分けマンセー。で、マリのこと。

結構ほったらかしだったけどマリは、ナビ準々決勝の後、少し休んで、北海道キロロキャンプでフィジカルをやって、帰ってきて練習試合をこなしながらチームを作ってる状態とのこと。

まあ苦しい状態の時に中断に入ったわけだから、タイミング的には良かったと思う。結構やばかったもんなぁ……。今は夏場の苦しい連戦でも耐えられるフィジカルの基盤作り(春は失敗したしねぇ)、そしてぐだぐだになってしまったチームの立て直しなどをやってるのかな?どのチームにも言えることだけど、この時期をうまく活かせれば再点火出来る可能性はあると思う(去年のセレッソとかは凄かったしねぇ)マリにとっても優勝を諦めないという言葉を嘘にさせないためにもしっかり良い準備して欲しいな。

再開後初戦はとても大事。エスパは再開前からタクティカルでアグレッシブなサッカーである程度の手応えを得ているチームなだけに簡単じゃないけど、何とか勝ちたいね。てゆうか、こういうチームと初戦は正直嫌。思いっきり徹底してきて、ガチガチにはめ込まれちゃいそう。

何か試合のこと思い切り無視……すいません。やっぱりJはいいわ(ってJ2完全無視状態なんだよねぇ。たまに見てるんだけど……)あー楽しみだ、そういやオールスターが明日なんだっけ。佑二やドラゴン出るの?何かメンバー見ると凄い不思議な……もといフレッシュなメンバーだねぇ。てゆうか人数少なくない?FWばっかり。まあお祭りだし、怪我人出すな。ということでここまでかな。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 13, 2006

Beautiful Defense to glitter@FIFA WORLDCUP Germany2006 Final Italy vs France

ココログのメンテのことをすっかり忘れておりまして、いつの間にかメンテに突入して更新できませんでした。まあ早めの夏休みということで。とりあえず本日、13:30にメンテは終わったそうです。もっとチャントアナウンスすべきでした、訪れていただいた方には申し訳ないっす

当日朝はどうも微妙な気分でしたが、ようやくぐっと来ましたよ。凄いことだよね、本当に。世界チャンピオンだよ、改めて、泣けるよ。

だから言ったでしょ、アズーリが優勝するって←予想でも何でもなく、単なる願望だったけどね。裏付けなんて何もなし、愛だよ、愛。

FIFA WORLDCUP GERMANY2006 Day25

The Final
Italy 1(1-1/Ex 0-0/PK 5-3)1 France @ Berlin
ITA:19'M.Materazzi FRA:7'pZ.Zidane

FIFA MatchReport

イタリアスタメン:GKブッフォン"やっぱり神です"、DFザンブロッタ、ファビオ・カンナバーロ"泣けるよ、キャプテン"、マテラッツィ"憎まれっ子、世にはばかる"、グロッソ"ゴールデンボーイ"、MFペロッタ(→61'イアクインタ)ガットゥーゾ"白ブリーフ"、ピルロ"信頼に応える優男"、カモラネージ"優勝断髪式"(→86'デル・ピエーロ)、トッティ(→61'デ・ロッシ"復帰しました")、FWトニ

フランススタメン:GKバルテズ、DFサニョル、テュラム"悔し涙"、ギャラス、アビダル、MFマケレレ、ヴィエラ"不運"(→56'ディアラ)、リベリー"ライジング"(→100'トレゼゲ"気にすんな、運命だ")、ジダン"何があなたをそうさせた?"(110'赤)、マルダ"キレキレ"、FWアンリ(→107'ヴィルトール)

一ヶ月に渡って行われてきた祭典もこの試合で最後、決勝。そしてその舞台に立つは欧州列強2カ国、イタリアとフランス。サン・ドニ、ロッテルダムのリベンジか、返り討ちでラストダンスに華を添えるのか。

プレビューにも書いた通りのスタメン。コンディション(準決勝で延長を戦ったイタリア、試合の間隔が一日短いフランス)なども気になるところだが、奇をてらうのではなくどちらも今大会の流れを汲み、信頼度の高い選手を11人を選択したといえる。まあここまで来たらモチベーション的には最大限まで高まっているだろうし、後はどちらが強いのかというのを比べるだけ。幻想的な作りであるオリンピアシュタディオンが青に染まる中、運命の決戦。

前半

開始早々、両チームとも非常に厳しい囲い込みで時間を与えず、その中で激しいコンタクトが続く。アンリがカンナバーロと接触して倒れて数分ピッチを離れ、ザンブロッタがヴィエラに勢い余って激しくぶっ倒し、激しい展開になる予感、その中でいきなりゲームが動き出す。そのザンブロッタのファールで始まったリスタート、バルテズのロングボールが左サイドに飛び、アンリが外に流れてヘッドで落とす。そしてアンリとポジションを入れ替えていたマルダが隙間の空いたイタリアディフェンスの虚を突く形でつっこむ。すると、カンナバーロ、マテラッツィがはさみに行ったところでマテラッツィの足がマルダに掛かって、このプレーにこの日の審判オラシオ・エリソンドはPKの判定。そして、このPKをこの日が正真正銘のラストマッチとなるジネディーヌ・ジダンが心憎いばかりのチップキックでゴールに沈め、開始6分でキーとなると思われた先制点がフランスに生まれた。アズーリとしては、ゲームに入りきらず集中しきれない所を突かれたといえるが、今大会素晴らしいパフォーマンスを示していたカンナバーロが初めてと言っていいぐらいわかりやすいミスを犯したことが痛かった(まあマテがうまく対応できなかったっていうのもあるんだけどね。ただ、読みのミスだね、アンリのパスをサイドと決めつけて切る方向を間違えた)ブッフォンの無失点記録もあっさりとここで終了、偉大なるディノ・ゾフには届かず。

これで、フランスはある程度はっきりした形でゲームを考え、逆にアズーリとしてはスペイン、ブラジル、ポルトガルが苦しみ、そして崩しきれなかったフランスのゾーンを崩す事を求められることに。失点の余波かどうもばたばたしたプレーが続いたが、ダイレクトプレーを絡めながらサイドから攻めに出る。そしてその流れの中で、ピルロの右足がイタリアを救う。右サイドでもらったFK、最初の狙いはニア(テュラムが何とかCKに逃げる)、次のCKはスタンダードにセンターへこれもあっさりクリア)、そしてカモが右を走って獲った3本目の右からのセット、ピルロのCKは高い弾道から鋭く曲がり落ちるボールでファーへピンポイント、そのボールにマテラッツィが高い打点でヘッド!バルテズをすり抜け、同点!同点!12分後の同点弾、ビハインドの時間が長ければ長いほど、嫌な雰囲気が漂う事も充分考えられただけにセットで、失点を消せたのは非常に大きかった。今大会カモやトッティがCKを蹴ることが多かったけど、これを変更したのが是と出たね。マテ公は高かったねぇ、迫力あったねぇ。PK献上の失態をこのゴールで打ち消した。

これで、フランスは又前からのプレスの意識を高め、巻き直す。イタリアはビハインド時と変わらないバランスでゲームを進める。どちらもそれを受け止めあう守備があって、拮抗。ようやくゲームが落ち着いた。しかし、落ち着いた中でもアンリの突破からリベリーが右を抜け出したり(マテが中への折り返しを近い位置で遮断。素晴らしい感覚)、CKから同点弾同様の形でピルロ→マテでゴールを襲ったりと、両チームとも攻撃面でも見せ場を作る。

互角、拮抗、という雰囲気はあったが、時間帯によって交互に流れが行き来する。まずアズーリ、徐々に中盤でフランスの攻撃を遮断するようになり、インターセプトも見え始める守備、そしてその守備で生まれる流れに乗って、チャンスメイク。この日目立つ右サイドからの組み立てからガットゥーゾの攻撃参加がアクセントとなって、細かいパスワークから最後はガットゥーゾ→トニ、最後はトニがスペースに走り込んで流し込むが、これはフランスディフェンスがカバー。これで得たCK、又も右サイドからのピルロのキックはピンポイントで今度はトニへ、完全に合わせたがこれはバー。イタリアの攻撃を凌ぎきったところで今度はフランス、左を起点にマルダやアンリが縦に走ったりと、押し返す。しかし、結局スコアは動かず、前半は1-1で折り返すことに。

後半

開始早々、ガットゥーゾ、カンナバーロを抜き去り、ともの凄いスピードでアズーリの守備を切り裂いたアンリがシュートを打つ。これも又後半のフランスの勢いを表すモノだったのかも知れない。事実、フランスは前半よりもより積極的な姿勢が強くなり、この90分で決めるという意志に溢れたプレーが展開された。そんなフランスに対してアズーリは序盤こそ対等に渡り合ったモノの、トニがテュラムとギャラスにほとんど仕事をさせてもらえず、トッティは消えたまま。なかなか攻撃の起点が作れず、なかなかフランスのディフェンスラインを攻略するに至らない。

そんな中で、アンリのキレは更に上がる。ジダン、ヴィエラと繋がって中盤のエリアでボールを受けると、相手との間を伺いながら独力打開。体を寄せられながらも粘ってDFの合間を縫ってすり抜け、エンドライン際まで持ち込み、中に折り返す(これはマルダが反応しきれず。アンリは「ニアに来いよ!」とキレる)その後も左サイドをマルダとアビダルで局面打開してアンリへフィニッシュに繋げられそうなシーンだったり(これはアンリが逡巡し、最後はカンナの粘りある対応)、アンリの落としから今度は右サイドリベリーがスピード活かして突破、ジダンを経由して、最後は左からダイヤゴナルに走り込んだマルダが倒されたようなシーンを作るなど(結局笛は鳴らず、アレは確実にPK)フランスの勢いは一気に加速する。しかしその中で、アクシデント。ヴィエラがボールを扱ったところで左太ももを痛めてしまい、交代せざるを得なくなってしまう(肉離れかな)代わりにディアラが入るが、フランスにとっては大きなダメージのあるアクシデントとなった。

完全にフランスにリズムを明け渡し、苦しい立ち上がりとなっていたのを見てか、リッピは早々に動く。イアクインタ、デ・ロッシを投入、下がるのはペロッタ、そしてトッティという選択。英断。そしてリッピ神采配!と思わされるような出来事が。その交代選手が入ってすぐ、左サイドからFKからゲームが再開すると、そのFKは又もピルロから(何度目だ)CKなどと違って角度のあるキックだったが、遠隔操作のような鋭いカーブの掛かったピンポイントのボールはニアサイドのトニへ!少々距離があったがコントロールされたヘッドはバルテズのセーブを許さずゴール!リッピ神、リッピ神!と思ったけど、これはオフサイド。この交代策で少し流れが代わり、審判の裁定も手伝って少し流れを押し返した。

しかし、この交代の効果も持続せず、少し時間が立つと又フランスに流れが戻る。フランスが切り替えて高い位置から一気にプレッシャーを掛け、そして勢いを持って攻めきられる形が続出し、アズーリとしては精神的に腰が引けたのかなぁと思っていたのだけど、前で収まらないこと、ピルロが高い位置に出たことでこの日不安定だったビルドアップが顕在化してしまったことなど、総じて攻撃の準備段階で芽が潰えていった感じだった。そういうこともあって、アズーリの攻撃はあっさりと絡め取られ、フランスの攻める時間が増えていったが、そこは守備に文化を持つ国。息の付けない苦しい展開ながら、水際で耐えるカテナチオモードに突入。最後の牙城は崩させない。

アンリやマルダの突破に悩まされながらも、何とか凌いでいたが、劣勢と言うことには代わりはなく、リッピは残り数分と言うところでカモラネージに代えて、アレックスを投入。リッピは彼のファンタジーに全てを託す形に。アレックスは左サイドを主にプレー、その中でワンチャンス。ピルロがハーフライン付近から柔らかいフィードをディフェンスの裏に落とし、そこにイアクインタが走り込む。しかし、最後はギャラスとテュラムが戻った。結局、勝ち越し点はどちらにも生まれず、延長に突入することに(ちょっと喜んでました。30分余計に見れるんだってことで)

延長戦

延長に入っても、フランスが流れを握り攻めていく回数が多い。この試合通じてキレを見せるマルダの局面打開を突破口にするシーンが多く、疲れもあって振り回されるシーンが散見。最後の部分では何とかなっていたモノの、攻撃は相変わらず形にならず、流れを引き寄せられない。そして、その流れに準ずる形で決定機が続けてフランスに訪れる。

中盤でボールを繋ぎ、左サイドアタッキングゾーンに入るところでボールを持ったのはポジションを変えていたリベリー、リベリーに渡ったところでターゲットになろうと走り込んだマルダを使うと、カンナバーロが素早く反応しタックルで凌ぐ。しかし、ワンツーで受けるつもりで走り込んでいたリベリーの元へボールがこぼれ、そのままラインを抜けていってグラウンダーのシュート。ブッフォンも触れず、顔を覆いたくなったが、わずかに枠を逸れた。リベリーはこのプレーがラストプレー、ドメネクはトレゼゲを投入。久々のアンリ・トレゼゲコンビ。

中盤で、ボールを受けたのはジダン、アプローチをいなしながらキープし、右サイドで上がってきたサニョルへ、ボールを流すと一気にペナにつっこむジダン、そこへサニョルはピンポイントクロス!ジダンを誰も捕まえられずドフリー、ジダンドンピシャヘッド、枠を捉える、ブッフォンスーパーセーブ!参った。この時間になっても、力を発揮すべき所では発揮してキレのある動きをする。素晴らしいプレーだった(メヒコ-イラン戦のシーニャのゴールみたいだった)ただ、立ちはだかったブッフォン、良く止めてくれた。コースが甘かったことに助けられた感はあったが、あれを止めるのは簡単じゃない……神だ……

フランスペースの延長も折り返し、残り10分と言うところで大事件が起きる。クロスが入ったところ、マテラッツィがジダンをマークし、結局クロスはクリア。その後、戻りながらマテラッツィとジダンが言葉を交わしたところで、ジダンは戻っていたところを踵を返し、マテラッツィに何と頭突き。プレーが止まったところで、イタリアの選手が線審などにアピールし、エリソンドは協議の結果、ジダンにレッドカード。場内騒然、見ている側も何がどうなったのか状況が把握できないまま、ジダンはジュール・リメ杯を横目にロッカーに下がっていった。

数的優位を握ったアズーリですが、相変わらず攻撃はうまくいかず、その優位性を活かせない。フランスが攻めるシーンが多くなるが、それも実らず。余りに衝撃的な出来事を前に、ゲームは騒然としたままホイッスル。勝負はPKに委ねられることに。

そしてPK。ブッフォン、バルテズが立ちはだかるゴールの前でキッカー達はこれ以上ないぐらいの大きなプレッシャーの中で11mの距離の攻防戦。9人のキッカーの内、イタリアで沢山のゴールを積み上げ、2000年にはイタリアを悲劇に追い込んだダビド・トレゼゲが唯一失敗、これで勝負は決まった。イタリアが世界一、24年ぶりの世界一、12年前と6年前と8年前のリベンジを果たし世界一の座に着いた。

ゲームの中で勝負が付かず、PKに結果を委ねる形となった訳ですが、それが必然だったのか、偶然だったのか、それは人それぞれかも知れません。ゲーム中多くの時間主導権を握ったのはフランスであり、フランスが負けたことが理不尽だと感じる人もいるだろうし、自分たちのアイデンティティを守り抜いたアズーリの勝利は当然だと思う人もいるでしょう。どちらも間違いではないと思うし、正解などない。やはりPKは運の側面が強く、今回はたまたま勝利の女神がアズーリに微笑んでくれた。きっと勝負の綾は勝利の女神がどちらに微笑んでくれたかという、気まぐれな要素でしかないと思います。

PKというのは本当に無軌道なモノで、ゲームの流れは基本的に関係ない(どっちもどっちだよね)その中で運を司るサッカーの神様が、イタリアを勝たせた。それを分析する必要はないでしょう。今回はイタリアが勝った、それだけです。まあこういう結果となった事に思いを巡らせば、両チームの守備が固く、拮抗していたと言えるのかも。

この決勝自体が守備の優れた2チームの戦いだったわけで、それはこの舞台でも十分発揮されていました。今大会一番優秀な守備陣といえるフランスのゾーンブロックに関しては、どれだけ優秀なアタッカーがいようと、柔軟にゾーンを収縮して呼吸することを許さず、手を押さえ込んでしまう非常に機能性の高い守備組織になっていたなぁと。成熟したタスクはもちろん、個人能力(対応力や判断含む)、経験、全て揃ったフランスの守備は非常に質が高く、ここまで押し上げてきた原動力といえる。

もちろんアズーリの守備も言うまでもなく素晴らしかった。戦術の理解、約束事の徹底という当たり前のことを完璧にやり、そこに一つ一つの局面に置ける粘り、そして読みと危機察知。守備のプロフェッショナル達が見せたプレーは芸術でさえあった。バランスが少し攻撃的になった中でも、守備の堅さを維持できたということにアズーリの成功の秘訣だったのは間違いないところでしょう。

どちらにしても、組織、個人共に揃っているチームだけがなし得る質の高い守備、派手でスペクタクルではないけれど、世界最高峰の大会の決勝に相応しい質を兼ね備えていると言えるのではないでしょうか。そして、それを突き破る術がなかったからこそ、PK戦となった。そういうことかな。だからこそ、MVPがジダンなんて納得いかないんだけどね。ジダンは素晴らしいし、美しくて、大好きだけど、MVPはカンナかガッツかブッフォンにすべきだった。フランス側だったらヴィエラ、マケレレ、テュラム、ギャラスだと思う。

まあとにもかくにも痺れるぐらい良いゲームでした。って、触れないわけにはいきませんね。ジダンの退場のこと。

ジダン「後悔してはいない」(sportsnavi)

ワイドショーやニュース番組までがこの行為の顛末に注目し、大きな騒ぎとなった訳ですが、昨日ジダンがCanal+の生放送に出演して、様々なことを語った事が出ています。彼自身、マテラッツィの言葉に深く傷つき、許し難いがために行ったと言うことでした(その言葉は結局明かされず、家族に対しての事だそうだ)

まあ僕はこないだ書いた通り、ジダンのあの蛮行に対してとても残念、そして悲しいと思っていました。そして、美しい形で彼を送れなかった事が後悔として残っている。ただ、アズーリのファンとしても一つの感情がある。

ジダンにとって最後のゲーム、非常に特別なゲームだった。しかし、ほとんどの選手がこの決勝戦は特別で、ジダンのためだけの舞台ではないということ。WC決勝は限られたチームの限られた選手しか立てない特別な舞台、次に立てるという保証はどこにもない。年齢的に今回の大会が最後という選手達も沢山いる。そういうことを考えたとき、ジダンの行為も又、素晴らしい一ページを汚し、他の選手達を侮辱したような行為だったと思う。

確かに糾弾されるべきはマテなのだけど、ジダンも又正しくない事をした、フットボーラーとしてね(人間としては正しかったけれど)まあ全ては終わったことで、こういう行為が日常化していると言うことを日の目にさらしたということだけなのかも知れないけどね(こういうのは沢山ある。リーガはファン含めて一番酷く、セリエでも横行している。アフリカ系の選手が沢山いるリーグアンでもある)サッカーにとってはとにもかくにもマイナスのイメージを残したと思う。

あー暗くなっちゃった。とにかくアズーリViva!何度悔しい思いをしたと思ってるんだ、でもその悔しい思いも格別のスパイス。じわじわと、喜びが溢れてきてますよ。ペソットも喜んでくれたみたいだし、とにもかくにも一件落着って感じ。後はさらっと振り返ってワールドカップは終わりですな。ありがとう、ワールドカップ。多分僕が見てきた中では一番面白かった。ということでここまでかな。

*終わっちゃうと、何となく喪失感。そして日常。寂しいね。でも、もう日常は動き出してる。J1も再開ですよ。日本は負けちゃったけど、ワールドカップでサッカーに少しでも興味を持った人、スタジアムに行きませんか?少々レベルは低いけれど、日常に色をもたらすよ、赤、黄、緑、青赤、オレンジ、サックス、紫、紺、そしてトリコロール。きっと楽しいよ。

*組織云々という話が喧しいけど(具体的なものがなくて、結局一つの概念しか持たないモノの丸投げっぽい議論だけど)、もう少しフラットな視線で見て欲しいと思う。Jで出来てないものが代表で出来るわけないと思うのだけど、その辺は無視してない?それこそJを軽視している証拠だと思う。

*昨日の試合を見て何を感じるの?どう思ったの?Jは組織的じゃなくても良いって事ですか?そういうことを必要だと強く思うのなら、Jも又同じ視点で見て、評価していくべきなんじゃないかな。そんなことを昨日の試合を見て感じた。ゲームとしては面白かった、技術的にも非常にレベルが高かったし。ジュビロの選手もガンバの選手もやっぱりうまい。レポート書いてあるよ。今日の夜にでも

*てゆうか総括書いてます。なかなか進まなくて、精神衛生上とても良くないけれど。少々お待ちを

| | Comments (227) | TrackBack (1)

July 10, 2006

Azzurri!Campion!Azzurri!No.1!

Azzurri!Campioni del mondo!
Azzurri!Azzurri!Azzurri!
Bravo!Bravo!Bravo!

あれだけ悩まされてきたPKの呪縛。'90、'94、'98、全てPKで散ってきた。でも、ついに神は微笑んでくれた。24年ぶりのワールドカップ制覇!4度目の戴冠!

みんな浮かれまくって、お茶目過ぎるぐらいふざけて、イタリアっぽいね。もらう前にフライングでキスをしたくなっちゃうのが分かっちゃう。正直ここまで長かった……。

とにかくバモス!アズーリ!アズーリがカンピオーネだ。世界一だ。

しかしPKは心臓に悪い……、あのCSのPK並にドッキドキで、気持ち悪くなっちゃったよ。でも良いんだ、勝ったんだから。そうだ、勝ったんだ……。改めて泣ける……。

Campeon

*これだけは書いておこうかな、ジダンの退場に関して。本当に心の中にしこりが残った。何があったのか、彼の中に何が起きたのか、その真実が明かされることがあるかどうかは分からないけど、せっかくのファイナル、そして偉大なカンピオーネであるジダンのキャリアの最後が汚点となった事が残念でならない。僕はジダンのいるフランスに勝ちたかった。最後にアレとジダンがシャツを交換する姿を見たかった。

血が昇っちゃうとセルフコントロールを失うことがあるから、こういう事が起きても不思議ではないのだけど、本当に何があったのかな。イタリア寄りの笛、我が手に勝利を引き寄せておきながら決めきれない苛立ち、マテ公のラフプレーと挑発、こういうことが考えられるけど、本当に悲しい。だから何となく自分の中ですっきりしない部分がある。これが最後なのか……。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

In Berlin that all was blue, and was dyed@FIFA WORLDCUP Germany2006 Final Preview

と言うことで、大会も残り一試合を残すだけ。決勝です。僕はこのカードが見たかった。ここ最近の国際大会では最も充実、最もハイレベルだったEURO2000の決勝の再現。今からwktkですよ。と言うことで簡単にですけどプレビューなんかを。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day25

The Final
Jul 9 20:00KickOff/Italy vs France @ Berlin
Referee:Horacio Elizondo

Italy/4-4-1-1                 France/4-2-3-1
        Toni                       Henry
        Totti                Malouda  Zidane  Ribery
Perrotta Pirlo Gattuso Camoranesi       Vieira  Makelele
Grosso            Zambrotta    Abidal          Sagnol
   Materazzi  Cannavaro             Gallas  Thuram
        Buffon                     Barthez

まずはこの試合に向けての状態やエクスキューズなんかを。

細かく見ていくと、まずアズーリ。ネガティブな点としては、守備に置ける2枚看板の一人、アレッサンドロ・ネスタが3戦目で怪我を負ってから復帰に尽力してきたモノの、結局間に合わず。しかし、ここまでネスタの欠場分をマテラッツィ、バルザーリが何とか埋めてきたこと、そしてカンナバーロ、ブッフォン、ガットゥーゾの奮闘もあって問題の顕在化はしていない感がある。又グループリーグ第2戦にひじ打ちで退場となり、4試合の出場停止を受けたマヌエレ・デ・ロッシが復帰。中盤で攻守にダイナミックな仕事が出来る駒の復帰は、ベンチ采配に置いて選択肢が一つ増えるという意味ではポジティブか。

フランスの方は準決勝で途中出場したルイ・サハが警告を受け、通算二枚目でこの決勝には出場停止。ドメネクがトレゼゲではなくサハを重用していた部分を鑑みると、打つ手が狭まって少々痛手か。ただ、準決勝で多くの選手が一枚もらっていた事を考えれば、レギュラーとして戦ってきていた選手が出場停止にならなかったことは不幸中の幸いといえる。その他として怪我人などは見あたらず。

どちらも、出れない選手が一人ずつ、しかしこの大会を通じて考えれば、余り大きな影響を与えるモノではないかなと(まあ本当は痛いのだけどね、ネスタの怪我は。ただ埋まってるってだけで)この試合に向けてのコンディションに関するエクスキューズを鑑みると、準決勝が延長にもつれて30分余計に戦っているアズーリ、試合に向けての間隔が位置に短いフランス、どちらもネガティブなポイントを持っているが、相殺と考えればそんなに大きな差ではないかも。まあどちらも良い状態でこの決勝を向かえると言うことかも知れませんね。

では簡単にポイントなんかを、展開を占いながら。

・活きるか、殺すか。キーマンを巡る攻防。

今大会の失点数がイタリアは1(オウンゴール)、フランスは2(1点はPK)と、どちらも堅牢な守備ブロックを持っているというのが数字からも分かるだけに、ポイントとなるのは先制点というのは間違いないと思います。まあゲームプランとして両監督がどのような選択肢を選ぶのか気になるところですが(序盤から先制点を積極的に奪いに行くのか、それとも様子を伺いなら隙が出来るのを待つのか)、どのような展開になろうとこのゲームの鍵を握るのは、両チームのキーマンの働きぶり。イタリアはトッティ、フランスはジダン、彼らが数多くボールに触って良いプレーをされてしまうと、守る側としては本当に難しいことになってしまう。そういう意味では、守る側が彼らをどのように彼らを抑えに行くのかを含めて、非常に大きなポイントになるのかなと。

まずジダンを巡る攻防から。ジダンは今大会守備負担がある程度免除されており、基本的に非常に高いポジショニングでプレーすることが多くなっています。もちろん流れの中で受けに下がったりしているモノの、意識的にもかなり前に向いている傾向が見えるので、自ずと低い位置での対応と言うことになるでしょう。一番避けたいのはバイタル中央でボールキープされて、そこからアクションを起こされること(ラストパスやフィニッシュ、ということだね)それを避けるためにはやはりある程度彼を支配下に置いておきたいところ。ただ、ボールサイド中心に結構幅広く動くので、マンマークにすると組織破綻の遠因になることもあると思うので、ゾーンで見ることになると思います(ガットゥーゾも彼だけを見ているわけにはいかないと言う話をしているしね。まだ分からないけど。底を3枚にして、ペロッタとガットゥーゾでエリアを分けて……ないか)

まあ切れているとはっきり言って小さな隙からでも卓越したテクニックで穴を広げるようにその機会を作ってしまうけど、それでも基本はガットゥーゾ、ピルロがいかに彼にボールを持たせないように時間を与えないように出来るかと言うことになると思います。実際、現状のフランスはジダンがボールに絡む攻撃と絡まない攻撃では大きくクオリティに差があり、何を考えようとジダン中心と言うことは動かざる事実であるのは間違いない。まあここが一つ目のポイント。

で、二つ目。持たれた時。ジダンへのアプローチは当たり前なんだけど、共にアンリ、リベリー、マルダ、時にはヴィエラ、サニョル、アビダルと言ったレシーバーのアクションをいかに察知し、捕まえられるかと言うことになると思います。まあ守備の達人達であるアズーリの選手達に逆に学ばせてもらおうと思ってるぐらいですが、アプローチがいかにプレーを制限させ(奪えなくても、展開する方向を制限することで次に向けてのポジショニングの修正をする)、突破に掛かる水際の所で対応できるような組織を作らなきゃいけない。一番良くないのはエアポケットのようにジダンをフリーにすること。何でも出来るようになってしまうと本当に難しい対応を迫られるだけに、やはりジダンを潰したいところですな。

逆にフランスとしては、リベリーやマルダ、ヴィエラがいかに相手のボランチを引きつけられるか。アズーリの守備の約束事として(あくまでも整っているとき)、サイドに開くとセンターバックがヘルプに行くより、ボールサイドのボランチがヘルプに行く傾向が見え(まあガットゥーゾもピルロもサイズがないからね)、そうなるとバイタルが薄くなる。もちろん、そこを察知してもう一枚がポジションをズラしたり、カンナバーロが高速でそこを埋めてくるので、大きな穴ではないモノの、小さな穴を空けることでバランスを崩し、そのタイミングでジダンにボールを持たせたい所かな。まあどちらにしても人数が少ないことが多いと思うので、一人一人が複数人を引きつけるというのはポイントになるのかなと思います。

じゃあ、逆。トッティを巡る攻防。トッティも基本は守備はFWのようにディフェンスラインとボランチにある程度のアプローチを掛けるぐらいで、その分高い位置にポジションを獲ることが多い。彼の場合は基本中央で待ちかまえ、ボールを欲しそうにするという感じ。積極的にオフ・ザ・ボールの動きを続けると言うより、パサーとの意思疎通からボールに入ってダイレクトで何かをするという傾向が強い。フランスとして避けたいのは後追いになってそれをダイレクトではたかれてゾーンに穴を空けられることと言うことになると思う。

ただ、どんな選手であろうと影のようにつきまとわない限り、90分捕まえておくのは難しい。実際、トッティに対してそんなことをしても余りチームにとっては良いことではないと思う(トッティは普通に消えるけど、それを意にかえしてない。一瞬で仕事をすると言う姿勢があるからだろうけど)まあ基本4-4のゾーンブロックのフランスがマンマークをするというのは正直考えにくいしね。その中でポイントとなりそうなのは、いかに彼の静と動のタイミングを掴むのかと言うところ。まあ基本はマケレレ、ヴィエラが見ることが多くなると思うけど、チーム全体が彼の傾向を掴んで、何度か入りそうだなと言うところでチャレンジに行って潰せれば、それなりにプレーのリズムを狂わせられる。それが出来ればイタリアのアタッキングエリアでの質は低下させられるかな。

アズーリとしてはそんなに気にする必要はないと思う。基本隙を突くためにやっているわけだし、ダイレクトで速くボールを回していけば、嫌がおうにズレは出てくる。そこでタイミングが合えばトッティはいつでも活きたパスが出せると思うからね(プレーのリズムが悪くなったときは心配だけど)まあトッティに頼るだけがアズーリではないので(フランスにもそれは言えるけど)、トニのポストやペロッタの飛び出し、カモ&ザンブロッタ&グロッソのサイドアタックなど、ピルロの手綱捌きに期待。ピルロはアンリが警戒しに来るのかなぁ……

まあどちらにしても、今大会非常に影響力の高いボランチが目立っているだけに、その大会を象徴するように彼らの働きぶりが逆説的に大きなポイントを握っているのは間違いないと思います。特にガットゥーゾとマケレレ。彼らに託される役割は非常に多いですが、彼らの出来がゲームに大きく影響を与えるかなと。そしてそんな強い警戒の中でファンタジスタは何をするのか、全てを可能にする卓越の技術による魔法か、一瞬の隙を突く閃光のような魔法か。やっぱり楽しみだ。

・リスクマネジメントと采配の相互関係

まあ特に後半とかゲームが差し迫ったときに出てきそうなポイント。今大会の傾向として、終盤にゴールを生まれる傾向が強く、交代選手の得点も多かったりして、このゲームも多分に漏れず終盤にゲームのクライマックスがあるのは間違いない。それだけに、采配、そしてその中でのチームバランス、リスクという部分が大きなポイントになるのかなと。

アズーリの得点に交代選手が非常に多く、逆にフランスはスターティングメンバーによるプレーでウイニングポイントを奪っている。代えるも八卦代えないも八卦と言う感じだけど、気になるのはフランスがリスクを冒すときのバランス、この3試合ほとんど4-2-3-1は崩していない。もちろんこの形が機能していて、バランスを崩す必要性を迫られていないこともあるのだけど、もしビハインドになった時1トップの継続では迫力不足は否めない(実際セットでのゴールが多いしね)で、トップに枚数を増やせば、整理されていた役割分担が曖昧になり、獲れていたバランスも崩れる。その時にいかにチームのバランスを取っていくのか。まあチームの重心を司る選手が非常に経験豊富なので、その不安をかき消せる可能性もあるけれど、それがうまく行かないときに、フランスは本当に厳しい状態に陥るかも知れない。

もちろんフランスだけじゃなくアズーリにも不安要素はある。ずばずば交代策が当たって、点は獲れているけれど、一歩間違ったら一気におかしくなる可能性も秘めている。前戦のアタッカーを3枚並べ、しかも+トッティ&ピルロという恐ろしくリスクの高い選択をしたけど、あれは下手すりゃ逆に転んでいてもおかしくなかった。別にリスクを冒すなとは言わない、行けると思ったら存分に腕を振るって欲しい。ただ、状況判断。局面を見誤れば一気に地獄。リッピの腕も目も信用しているけど、この大舞台、大きなプレッシャーも掛かっているだろうし彼の頭脳に悪い影響があってもおかしくないからね。

まあ僅差な試合になることが予想されるだけに、そうなると自ずと勝負に監督の采配の比重が大きくなるのは間違いない。神と崇め立てられるのか、戦犯として嫌と言うほど叩かれるのか、その差は紙一重。どちらがピッチの状況を的確に把握し、うまくチームをコントロールして効果的な采配が出来るのか、世界最高峰の戦いを采配でも見せて欲しいなと。

これほど楽しみな決勝戦はない。両チームともハイレベルな組織と個を有していること、コンディション・モチベーション共に良い状態、ジダンのラストダンス(アレックスとの邂逅も!)もそうだし、ユーヴェの選手(在籍してた選手も含めて)が沢山いるのも僕にとっては愉しみ。見所は数え切れないほど。てゆうか両チームとも見続けてきたチームだから、それがこの舞台で見れるのが本当に嬉しいんよ。とにかく、歴史を彩った勝者のメンタリティが活きるのか、冷や水を浴び続けた敗者のリベンジか、世界最高峰の戦い、最後の一滴まで味わいたいですな。ということでとりあえずここまで。

*とりあえず中立でやったけど、僕の心はアズーリと共にあるよ。ここで勝てなかったら本当にタイトルから遠ざかる。ここで取らなくていつ取るんだ。積年のリベンジは青く染まったベルリンで。

Forza!Azzurri!!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 09, 2006

最後の大舞台、最後の邂逅@FIFA WORLDCUP Germany2006 SemiFinal Portugal vs France

心奪われたり、忙しかったりと、色々なことがあって更新間が空いちゃいました。で、まだやっていなかった準決勝の2試合目、ポルトガルとフランスを。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day23

Portugal 0-1 France @ Munich
FRA:33'pZ.Zidane

FIFA MatchReport

ポルトガルスタメン:GKリカルド"神、降りてこず"、DFミゲウ(→62'パウロ・フェレイラ)、フェルナンド・メイラ、リカルド・カルバーリョ"足技の落とし穴"、ヌーノ・バレンテ、MFコスティーニャ(→75'エウデル・ポスティガ)、マニシェ、フィーゴ、デコ、クリスティアーノ・ロナウド、FWパウレタ(→68'シモン・サブローサ)

フランススタメン:GKバルテズ、DFサニョル、テュラム、ギャラス、アビダル、MFマケレレ、ジダン、リベリー(→72'ゴヴ)、ジダン、マルダ(→69'ヴィルトール)、FWアンリ(→85'サハ)

美しく、強かった01/02のレアル・マドリードを覚えているだろうか。そう、記録的な金額でジダンがイタリアからスペインに渡った年だ。ジダンの加わったチームにはフィーゴがいた。二人はレアルの攻撃を牽引し、彩り、チームを欧州一に導いた。そんな二人の最後の邂逅。それがこの大舞台。正直ぐっと来た、始まる前から。

そんなノスタルジックな感慨は置いておいて、ゲーム前の状況を。ポルトガルは数的優位な状況を得ながら、イングランドの固いゾーンを崩しきれず、PK戦まで「粘られた」という感じだった準々決勝。しかし、一つのエクスキューズとして、デコとコスティーニャの出場停止という部分もあって、その二人がこの試合では復帰。この二人にマニシェを加えたポルト・トライアングルの再形成で、再びポルトガルらしいサッカーの復活に期待を掛ける。対するフランスは、非常に質の高い守備ブロックで調子は上がらなかったとはいえ世界最強のタレント軍団を沈黙させ、復活を印象づけた。ジダンを中心とした攻撃陣もポテンシャルを最大限活かしているとはまでは言えないモノの、落としどころを見つけた感があり、チーム全体を見れば総じて上り調子といえる。スタメンの変更はなし。

どちらもこの試合では累積警告の不安を抱えている選手が多いこと、連戦の疲労という心配はあるが、特性を出し合うようなゲームを期待。

前半

開始40秒、いきなり得ていた手応えを表現するフランス。テュラムのロングフィードから、アンリを囮にマルダが裏のスペースを突いてシュートに繋げる(シュートは枠外)対するポルトガルはストロングポイントを前面に押し出し、それをアクセントに攻めに出る。デコのパスを受けて前はオープン、ブーイングの中クリスティアーノ・ロナウドが発進。スピードアップして中に切れ込み、サニョル、マケレレを引きつけて、走り込んだデコのシュートを引き出す(横パスを受けたデコが右への展開を伺いながら逆の体勢からグラウンダーのシュートもバルテズセーブ)同じように左サイドから中に切れ込み、強い警戒感を逆手にとってヒールパスからマニシェのシュートを引き出す(彼がボールを持って中に来た瞬間、マケレレとヴィエラがもの凄い警戒して距離を詰め、潰そうとした。しかしそれを逆手に取られてマニシェに対して誰も警戒できず)どちらも自分たちの良さを出そうという気概が伺える立ち上がり。こういうビッグゲームには珍しい展開かな。

どちらも前からプレスを掛け、奪いに行こうという意志を感じたモノの、両チームのボールを繋ぐ技術がその守備を凌駕する。それにより、守備よりも攻撃が目立つ展開になった。そんな展開で可能性を感じたのはポルトガルの方。ショートパスとミドルパスを使い分けながらサイドアタッカーが力を発揮できる状況を整え、そこを突破口に良いチャンスを作る。序盤は左サイドでのプレーが目立ったロナウドの中に切れ込むプレーはもちろん、アビダル-フィーゴというマッチアップが多かった右サイドもフィーゴがアドバンテージを持ちチャンスを作る。最後の所では迫力不足もかいま見えたが、ポルトガルのクオリティというのが表れていた感を受けた。

しかし、フランスも一方的に押されていたわけでもなく、細かくボールを繋ぎながら相手の隙を伺い、前の4枚の絡みで相手を崩しに掛かっていた。ジダンがボールを触れば、攻撃にアクセントが付いてそれなりに形になり、改めてジダンの空間コントロールの凄さは出ていた。が、コスティーニャに多くの時間マークに付かれていたこともあって、時間を作ってシュートを導き出したり、自らシュートを打つようなシーンは作れず。どちらも中盤での攻防では質を備えていたモノの、アタッキングエリアではその質を発揮することが出来ず、余り得点の匂いは感じなかった。

アクティブながら静かな展開でゲームが進んでいくと、一つのプレーディティールがゲームを動かす。前半32分、リベリーのパスを受けてマルダが斜めに切れ込んで相手ディフェンスを引きつけると、ボックスすれすれの所でポジションを獲っていたアンリへ。アンリは斜めの方向でボールに入るとアウトサイドで軽くファーストタッチ、そして続けざまに速いタイミング(タッ、ターンって感じ)のアウトサイドで中へ切り返す。すると、対応に入っていたリカルド・カルバーリョは読みを外され(体の方向のコースを切っていた)、2タッチ目の切り返しに対応しきれず苦し紛れのスライディング、これがアンリの足に掛かってしまう。これに主審は躊躇なくPKの判定。このPKをジダンが決めて、フランス先制(リカルドは又読んでいて、触れそうだったけどね。ジダンの神通力か)アンリのアイデアとボールコントロール、これが局面に置いての差を生んだ、かな。

これでゲームも動き出す。ビハインドを負ったポルトガルは一気に前に出て、そのビハインドをはね返しに掛かり、フランスは一時それを受けてしまうと言う展開に。序盤から目立っていた右サイドでの優位性を活かしてチャンスを作り、その流れからセットのチャンスも得る。しかし、最後の所ではマークが外れておらず、迫力不足は否めず。速い攻撃もフィニッシュシーンではズレを生み出すことは出来ず。結局前半のうちにビハインドを返すことは出来なかった。0-1で折り返す。

後半

フランスは先制したこともあり、前半とは守り方を変える。トップにジダンとアンリを置いて彼らがある程度のアプローチを掛けてパスコースを制限。そして4-4のゾーンを敷いてスペースを消して、入ってくる所を対応すると言う形にシフトさせる(もちろんそれだけをやるのではなく、前から行くときもある。ただその度合いの問題)ポルトガルとしては、イングランド戦でも弱点として露呈したゾーンの切り崩しを強いられて、なかなか攻め手が掴めなくなってしまう。それを表すように後半のファーストチャンスはポゼッションを持っていたポルトガルではなく、慎重にバランスを考えながらプレーするフランスに生まれる。バックパスのミスを拾ったアンリが一人で敵陣深くまで持ち込み、フォローが来たモノのそのまま縦に突破して角度はないながらもグラウンダーのシュートでリカルドを脅かす(が、リカルドがセーブ、CKに逃れた。こぼれ球が脇下を抜け、危うかったね)

この後も守備が後手になりがちで危険なシーンを作られたりと厳しい立ち上がりとなったポルトガルは、フランスの攻勢が一段落したところで後半最初のチャンスが。攻撃に移る最初の段階でパスが繋がらず、攻撃に移ろうしていたためゾーンが崩れる。これによりフィーゴがバイタルでフリーとなり、そのフィーゴからボックス内のパウレタへ楔、パウレタはテュラムを背負いながら反転してシュート。鋭いシュートだったが枠に収めることは出来ず。CFWが初めてシュートらしいシュートを打ったシーンだった。しかし、このプレーも好転のきっかけにはならず。偶発的なミスがなければ穴を作り出さないフランスのゾーンの攻略法を見いだしたわけではないからね。前半ほどウインガーのボールタッチが触れなくなり、ボールを持っても中を切られて縦に行かざるを得ないドリブルワークは相手の守備に与えるインパクトは少ない。デコはプレッシャーのきつい地域でほとんどプレーさせてもらえず。

そんな中でポルトガルに更に厳しいアクシデント。攻撃面で魅力を持つミゲウが足を痛めて出場続行不能に。リスクを冒す事も考えられたが、フェリポンここはスタンダードに同じポジションの入れ替えを選択、パウロ・フェレイラが入る。これで交代カードを一枚失う結果に。この交代では当然劇的な改善をもたらすこともなく、相変わらずフランス守備に対しての攻略法を見いだせない。それでも手をこまねいている余裕のないフェリポンは2枚目のカード、シモンを投入。この交代がパウレタ、イングランド戦でもあったクリスティアーノ・ロナウドを1トップに据える形に。しかし、前戦同様大きな効果はもたらせず、逆に唯一打開の可能性を秘めたロナウドのドリブル突破を失ってしまう。フェリポンはそれを見てかすぐさまエウデル・ポスティガをコスティーニャに代えて投入し、初めてバランスを崩して攻め手を強める交代策となった。

フランスは、マルダに代えヴィルトール、リベリーに代えゴヴと運動量を求められるサイドのポジションをフレッシュにするという形に。もちろんバランスは変わらない。ゾーンを打破するキーは見つかっておらず状況は変わらなかったが、サイドバックが高い位置に出て、前に掛かる人数も増えたポルトガルに救いの点が差し伸べられる。左より20m付近で得たFK。クリスティアーノ・ロナウドの放ったシュートは壁を越えて一気に落ちていくナックルシュート。威力を備えながら急激に変化するボールにコースに入っていてもバルデスはキャッチしきれない。上にはじかれたボールに反応したポスティガ、フィーゴが詰め、最後はフィーゴがジャンピングヘッド!フリーでのヘッドだったが、ミートポイントが高すぎたのか枠の上……。大きなチャンスを逃してしまった。

時間が少なくなって、長いボールでの攻撃構築に最後の可能性を託したポルトガル、前線に上がったフェルナンド・メイラの所に2つのチャンスが来たがそのチャンスを生かすことは出来ず(一つはパワープレーのセカンドを拾ってのシュートだけど枠を捉えきれず、そしてもう一つはバックパスをさらったところで前オープンにおけるスルーパスもオフサイド)、結局フランスの堅陣を攻め落とす事が出来なかった。結局アンリの細かなテクニックが勝負を分ける形でフランスが決勝戦に駒を進めた。

正直、寂しいゲームだった。第3者の感想なんだけど、もっとハラハラワクワクドキドキしたかったなぁと。フランスの1プレーでゲームの趨勢が作られ、そしてそのまま決まってしまう。フランスとしてはすべき事をしているだけで、決勝への道が「開けた」という感じに見えました。もちろん、勝ったフランスにしても、負けたポルトガルにも、非難も批判もするつもりはないけれど、4年に1度の大会のセミ・ファイナル、もっと魅力あるゲームになって欲しかったというのが素直な思いですね。

ゲームの綾としては、色々あったのでとりあえず羅列。

・先制点

まあ上記の通り。あのPKで一気にゲームの流れがはっきりした。後半に入った時点でフランスは4-4のゾーンを組んで、前半よりも更に守備にかなり意識を裂くようになった。これでポルトガルの苦手な閉塞した状況から切り崩すと言うことを求められ、結局その課題を打破することが出来ず、フランスの思惑通りに静か二ゲームが終わってしまったという感じだった。

そこに関わる部分ではやはりアンリの存在。なかなかアンリらしさというのがこの大会通じても見れていないし、あのPK奪取に繋がった一連のプレーも彼の特徴とは少々趣の違うプレーだったと思う。ただ、その中で一瞬のひらめきとそれを具現化できる技術力が活きた。逆に先制点を獲れなかったポルトガルは、1トップのパウレタの存在感が本当になかった。ボックスストライカーとして優秀な選手だと思うけど、それでも前戦同様、優秀なセンターバックの前ではあっさりと消されてしまった。

まあこの差は正直大きかったかな。何かパウレタに対しては酷評になってしまった。良い選手だとは思うけど、あくまでもフィニッシャーだから、獲れないと批判されてしまうのは仕方ない。まあそれがFWと言う職業ですな。

残酷だけど、トップの差。両チームの差を分ける一つの要因だった。

・厳格で優秀な審判と狡猾なポルトガルの相性

この試合通じて非常によく見られたのだけど、ポルトガルの選手はファールを「もらいにいく」プレーが多かった。しかし、主審のラリオンダはその演技じみたプレーを明らかに切り捨てていた感じがあって、そのほとんどを獲ってもらえなかった。

で、その繰り返しの中でポルトガルは自ら崩れていった感がありました。メンタル的な側面でも判定に対して非常に過敏になってバランスを失っていたように見えたし、倒れては見たけど笛は鳴らず、奪われて攻撃が切れてしまう。リズムなき淡泊な攻撃の一端になっていたのかなと。

・フランスの堅陣と崩せないポルトガル

で、メインファクターかな。イングランド戦では「デコがいないから……」なんて思ってましたが、引くことしかしないイングランドとは違い、フランスのゾーンは収縮しながらプレーのスペースを消してくる、フランスのゾーンによって前戦にもましてポルトガルは苦しんだ。まあ細かくは書かないけど(上に書いたし、前回も書いてる)フランスのゾーンの機能性の高さがポルトガルの攻撃構築能力を飲み込んだという形かな。スペイン、ブラジル、そしてポルトガルが餌食、これがこの守備のクオリティを表していると思う。

まあこればっかりは仕方ない。引かれたら崩せないよ。しかもその組織を構成している選手一人一人を見てもしっかりしている。唯一の打開の可能性のあったロナウドやフィーゴも収縮されて常に2枚で見られるような形で対応されてはなかなか厳しい。そして期待のデコもプレッシャーの強い地域でプレーできず、ボールは裁けてもアクセントを付けることは出来なかった(バルサの時はやってるんだけど、やっぱり役割が違うこともあるのかな。ロナウドのキープにうまく反応する形でフリーになって……とか見たかったけど)

まあ予想通りっちゃあ予想通り、本質的な部分でポルトガルの脆さが露呈したということなのかなと。まあこんな感じかな。

まあ試合内容はあれだったけど、ジダンとフィーゴが最後はシャツを交換して抱き合ってるシーンは、やっぱりぐっと来た。だから、まあそういうシーンを見れただけでも幸せだったかも知れない。で、ジダンのラストダンスの舞台はWC決勝、整いすぎです。まあそれだけ偉大だから、神様も気を遣ったんだろう。最高の花道が整えられ、後は最高のヒールであるアズーリを蹴散らして、ジダンがジュール・リメ杯を掲げて、めでたしめでたし……っておい!まあ正義の味方より悪役が似合うのは間違いないにしても、こんなシナリオ通りに進んで良いはずがない。だってサッカーの神様は気まぐれ、じゃなきゃここまでサッカーは面白くなってないんだから。まあどっちにしても良いゲームになって欲しいなと。と言うことでここまで。今からご飯食べて、ふろ入ったらプレビュー書きます。さらっとね。

*ちなみにイタリア-フランスは、イタリアが青、フランスが白だそうな。'98、'00と青い方が勝ってる(フランスだけど)

*ココログ凄い重いです。もうごめんなさい、本当にごめんなさい。メンテやるそうです。スケジュールは、11日14:00~14日14:00の48時間だそうな。延長もあるかも。死ねばいいのに。その間、更新できないらしいっす。基本的に僕はこの期間で総括をやろうと思ってたのですが、もしかしてずれ込むかも。本当ご迷惑おかけします

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 05, 2006

ベルリンへの道、通ず@FIFA WORLDCUP Germany2006 Semi Final Germany vs Italy

朝っぱらから発狂しちゃいましたよ。

Viva!Pirlo!
Viva!Grosso!
Viva!Gila!
Viva!Buffon!
Viva!Canna!
Viva!Gattuso!

Viva!Aleeeeeeeeeeeeeeeeeeeex!

ついに決勝、ベルリンへの道通ず!最高だ、最高だ。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day22

Semi Final
Germany 0(0-0/Ex 0-2)2 Italy @ Dortmund
ITA:119'F.Grosso 120'+1'A.DelPiero

FIFA MatchReport

ドイツスタメン:GKレーマン、DFフリードリッヒ、メルテザッカー、メッツェルダー、ラーム、MFケール、シュナイダー(←83'オドンコール)、ボロウスキ(→73'シュバインシュタイガー)、バラック、FWクローゼ(→111'ノイビル)、ポドルスキ"not his day"

イタリアスタメン:GKブッフォン"神と呼ばずして何と呼ぶ"、DFザンブロッタ、ファビオ・カンナバーロ"抱いて下さい"、マテラッツィ"何もないのが良い知らせ"、グロッソ"ラッキーボーイ"、MFカモラネージ(→91'イアクインタ)、ピルロ"ミドルの布石、ノールックのエロさ"、ガットゥーゾ"めでたいカードなし"、ペロッタ(→104'デル・ピエーロ"トドメ!"、トッティ、FWトニ(→74'ジラルディーノ"ナイスアシスト")

もう準決勝となったら、前置きは余り必要ないかも知れませんね。どちらも、非常に充実し、各所に「らしさ」をちりばめたサッカーを展開して勝ち上がってきた、3度の優勝経験を持つ伝統国同士の対戦。若いチームらしい大会中の成長と熟成、期待に応えられるスピアヘッド、自国開催の勢いなど、全てのポジティブな空気を纏えれるだけ纏ったドイツと、毛色が変わったと思いきや、芸術的な守備と息を飲む美しきカウンター、そして流れを読む老練さで、粛々と勝ち上がってきたイタリア。派手でワクワクするようなゲームにはならないとしても、実力伯仲の真剣勝負は魅力たっぷり。

ドイツの方はこの試合の前日、準々決勝試合後のアルゼンチン選手との小競り合いの中での暴力行為がビデオにより発覚したため(そのビデオはイタリアの放送局の提供だとか?)、ドイツの中盤の秩序を担ってきたトルステン・フリングスが2試合(一応1試合+1という形になるらしい。決勝進出の場合は執行猶予となる様子)の出場停止処分を受け、このゲームには出られず。そして疲労が貯まっているということを考慮してか、今大会左サイドの中盤としてスタメンで出続けていたバスティアン・シュバインシュタイガーをスタメンから外し、アンカーにセバスチャン・ケール、左サイドにティム・ボロウスキを据える。対するアズーリはウクライナ戦とほぼ同じコンセプトの4-4-1-1(4-3-2-1?)で臨む。サスペンションを消化したマルコ・マテラッツィが復帰したこともあり、アンドレア・バルザーリが唯一の変更点。相変わらずアレッサンドロ・ネスタの怪我の具合は良くなっていない様子、又ダニエレ・デ・ロッシの出場停止処分はこの試合まで。

前半

どちらも慎重な姿勢を保ちながら進めるかと思われたが、どちらも高い位置から守備を始め、激しいコンタクトと早い切り替えを伴う中盤での攻防で幕を開ける。その中で最初にチャンスを作ったのはアズーリ。その激しいコンタクトで得たFKを、距離はあったがトッティが強烈なシュートで狙う。DFに当たっても勢いの落ちないシュートだったが、レーマンは落ち着いてキャッチした。

激しい展開の中で、リズムを握ったかに見えたアズーリは狙いである裏のスペースを狙う。その狙いを具現化し、トッティのスルーパスから、ダイヤゴナルに走り込んだペロッタが使ってレーマンとの1vs1となるチャンスを作ったが、ファーストタッチのミス、そしてレーマンの速い飛び出しもありゴールに繋げられず。そのチャンスを逃した後、時間と共にサポーターに後押しされるドイツの攻勢が目立ち始める。サイドからの斜めの楔が良く入り、そこから細かいパスコンビネーションでセンターを崩しに掛かったり、外→中→外といった形で展開してクロスに繋げていき、イタリアの守備陣を脅かす。

しかし、そんな攻勢に晒されながらもガットゥーゾを中心とした中盤の広範囲で非常に効果の高い守備貢献、カンナバーロのカバーリングなどが光って、水際で耐える。が、それでも一度肝を冷やすシーンが。高い位置でポドルスキがボールを奪われショートカウンターを受け、最後はクローゼからシュナイダーに繋がり、フリーでのシュートを許してしまう。シュナイダーのシュートは力が入りすぎたのか、抑えきれなかったが(ブッフォンは指先で触ったんじゃないかな、ゴールキックだったけど)この前半最大の決定機だった。

アズーリの攻撃は展開と共に減退したシーンこそあったモノの、ペロッタの飛び出しやサイドバックの攻撃参加などは衰えず、その中で多く得たセットプレーからチャンスをうかがった。しかし、ドイツの高く屈強な守備陣の前にはね返されてしまい、結局先制点は奪えず。前半通じて、両チームの高い守備意識と激しいコンタクトを伴う激しい局面の攻防はスコアを生むことはなかった。

後半

前半のハイペースなプレッシャーの掛け合いが少しずつ遅れ始め、スペースが生まれ始めた感じの後半、開始数分で両チームに決定機が。まずドイツ、中盤での速いテンポのパス交換から左サイドに開いたクローゼへ、クローゼは中に切れ込んで強引ながら巧みにカンナバーロとガットゥーゾの合間を縫うようなドリブルで突破、しかしその危機を素早く察知したブッフォンの勇気ある飛び出しで難を逃れる。その返す刀でトッティ→ピルロ→グロッソでドイツのラインを突破、そのままペナに入っていったが、レーマンの飛び出しに潰されてしまう。潰し合い、消し合いの展開が少しずつ変質し始める。

すると、ドイツが押し込み、イタリアがそれを凌ぎながらカウンターを狙うという展開に推移。両サイドバックがかなり高い位置を取り、バラックやケールも積極的に押し上げて攻撃に加わることで攻撃に厚みを加えたことで、イタリアを押し込んでいた。しかし、アズーリの守備陣は相変わらずの水際での守備能力の高さを見せる。危うい状況でのピンチを向かえてもカンナバーロがブロックに入ったり、コースを消し、ブッフォンがファインセーブを見せと、ドイツに先制点を許さず。

そんな展開で時計が進むと、激しいゲームを証明する様に徐々に選手の消耗も大きくなる。そうなると、より大きなファクターを握るのは両監督の交代含めた采配。スコアレスで、拮抗しているゲームなだけに動きにくいが、先に動いてきたのはクリンスマン。スペースが出てきただけにスピードやテクニックという個に依る局面打開を期待して、ボロウスキに代えシュバインシュタイガー、シュナイダーに代えオドンコールを投入。より攻撃的な選手でリスクはあるが、この大会通じて目立つ、積極的な交代策で拮抗した状況の打開を狙う。リッピもこれを見てか重い腰を上げ、一人前線で体を張り続け、ルーズボールを追い続けたトニに代えてジラルディーノを投入。バランスなどの変更点はなし。
この時点で、僕は少々リッピは後手に陥ったかなぁと思っていた。中盤の運動量が落ちて、切り替えという面では緩慢になっていたから、両サイドバックは彼ら(オドンコール、シュバ坊)を警戒せざるを得ない。オーバーラップの数が減っていた中で更に貼り付けられちゃうかなと。枚数が少なく、なかなかアタッカー達がボールが収まらないから攻撃が形取れず、更にサイドバックが貼り付けられちゃうというのは痛い。そういう意味で、維持を最優先にといった形のトップの入れ替えは消極的に写った。この時点での僕の願いとしては完全にスタミナ切れでミスが目立つどころか、ファールしてセットのピンチを作っていたカモを下げて、2トップにしてほしかったかな

しかし、両監督の采配もこの時点では展開を動かすだけの効果はなかった。時折得点の匂いがしたが、ペナアーク付近のバラックのFKは枠に収まりきらず、この日再三走っては裏に飛び出し続けていたペロッタのラインを抜けたプレーはレーマンのフライングパンチング後エルボーに阻まれ、スコアは動かない。運動量が減り、スペースは生んでも、それだけ両チームの守備の強さや質の高さ、集中力が非常に素晴らしかった。後半もスコアレス、延長戦へ。

延長戦

延長戦というタイミングで、リッピは2枚目のカードを切る。カモラネージに代えてイアクインタを入れ、彼を右サイドに張らせる変則的な2トップに。その交代がメッセージになったのか、アズーリは後半の沈黙を破って積極的になり、チャンスを生み出す。右サイドで競り合いを制したジラルディーノは右エンドライン際を局面打開、カバーに来たバラックを切り返しでいなして素早く打ったシュートは緩やかながらレーマンの反応を許さずゴールに向かったが、ポスト。チャンスは続く、CKのセカンドボールをザンブロッタが拾い、強烈なミドルでレーマンを襲ったがこれはバー直撃。2つの決定機を逃してしまう。

体力的に厳しい中で完全にオープンな展開となり、ドイツはオドンコールが右を突いて再三クロスを上げ、イタリアはイアクインタが右サイドを駆け上がり、どちらにもチャンスが訪れる展開。どちらが先に点を獲るのか、それともこのまま終わるのか、張りつめた中でリッピが再び動く。アレックス投入、下がるのは動き続けたペロッタ。アレックスはプレーエリアを左サイドの高い位置に取り、3トップの様な形に。その中盤を支えるのはピルロ、トッティ、ガットゥーゾ。打って出るという姿勢が見える反面、とてもリスクフルな形に変化させる。
これもびっくりした。まあペロッタがもの凄い動き続けていたというのはあるにしても、守備がしっかり出来る選手をこれ以上下げても良いモノか、あれだけ腐心しようとしていたバランスを失ってしまうんではないかとびくびくものだった。個人的にアタッカーを入れるならなら、トッティ下げても……という感じはあった。しかし、リッピはトッティもピルロも残したまま、アレックスを入れた。20分ぐらいならディフェンスは耐えてくれるという信頼感故からか、獲れると確信していたのか、勝負師らしい賭けの要素を伴う采配だったと思う

しかし、先ほど逃した決定機の報いか、ドイツに決定機が訪れる。延長前半終了間際、カウンター気味の形からオドンコールが右サイドからクロスを上げると、イタリアのディフェンスのマーキングがずれたところを突いて、ポドルスキが走り込みながらフリーでヘッド。しかし、枠に収めきれず。それでも、もう一度ポドルスキにチャンスが訪れる。アレックスがゴール前に飛び出して向かえたビッグチャンスを生かし切れなかった後、アズーリの中盤は戻りきれず、数的有利のカウンターとなり、右から左にボールが流れ、最後はケールからのパスを受けたポドルスキが左足で強烈に狙う。しかし、カンナバーロの高速の寄せ(ファーのコースをある程度切る効果)、そしてブッフォンのセーブがアズーリを救う。

冷や汗をかかされたアズーリでしたが、リスクフルな布陣は、そのリスクに見合うチャンスも作る。ボックス間際でトッティのループパスに反応したイアクインタがヒールで中へ流し、それをしっかりと予測していたかジラルディーノがうけに入って落とし、そしてこのお膳立てをアレックスがフリーでシュート。しかし、狙い通りのシュートを飛ばすことが出来ず枠を大きく逸れてしまう(アウトサイドでの巻いてファーサイドネット狙いだったと思うけど)

どちらも攻め合うがゴールは奪えず、勝敗はPKへと思われた残り1分、ラストチャンスがアズーリに。ピルロのミドルシュートから得た右サイドからのCK、アレックスのキックはクリアされるが、セカンドボールを拾ったのはそのワンプレー前にミドルを放っていたピルロ。ピルロは外に流れながら、CK後も右サイドに開いていたアレックスへ戻すようなそぶりを見せる。しかし、選択したプレーは緩やかなノールックパス。これがドイツディフェンス陣の虚を突き、完全にフリーとなっていたグロッソは緩やかなグラウンダーのパスをダイレクトで巻き込むようなコントロールシュート!これがレーマンの対応を凌ぐ素晴らしいコースに飛んでゴール!ピルロの119分ハードワークして残り1分という状況での、あの落ち着き、あのアイデア、そしてグロッソが落ち着いて必要とされる最高のシュートをしっかりと飛ばした。うーん、最高。

残りはロスタイム、わずかな望みを託して長身のメルテザッカーを上げて総攻撃に出ようとしたドイツ。しかし、そのリスクは実らず、逆にイタリアのカウンター発動。カンナバーロが鋭い飛び出しでインターセプトすると、そのまま持ち上がり、トッティに預けるとトッティは前を走るジラルディーノへロングフィード、これをしっかりと収めたジラはペナ手前左よりでメッツェルダーと1vs1、メッツェルダーをかわし右足シュート!というタイミングでショートパスを左に流し、走り込んできたのはアレックス。レーマンとの1vs1を開き気味に体制から、右上へと沈めて、トドメ!前掛かりになったドイツディフェンスの隙を逃さない、美しく実効的な「らしい」カウンター。カンナバーロのインターセプト、トッティのフィード、ジラの溜めとラストパス、そしてアレックスの長いランニングと落ち着いたフィニッシュ。采配含めて全てが綺麗に繋がって、この勝利に華を添えるゴールになった。このゴールと同時にタイムアップ。延長戦にまで縺れ込んだ激闘はイタリアに凱歌が上がった。

アズーリにとって今大会一番厳しいゲームで、小さなのきっかけ一つでどちらに転がってもおかしくない非常に難解なゲームだった。前評判(テストマッチではホームとはいえ4-1虐殺だったし、タレントの質、チームの積み上げてきた実績を見ても差はあった)、相性(本大会でドイツに負けたことがなかったらしい[2勝2分け])という面ではアズーリ有利というのは分かっていても、ゲーム中では両チームの差異となる部分が生まれてこず、強いメンタリティを持つという要素が悪い予感を呼んでしょうがなかった。それだけドイツに脅威を感じていたと言うことなのかも知れませんね。

勝負の綾としては、やはりリッピの采配かな。クリンスマン云々ではなく、リッピが賭けに勝った。僕は上に書いた通り、試合中は消極的なんじゃないかとか、リスク掛け過ぎとかと思ったけど、結果として相変わらず思慮遠望の効いた、非常に効果的な采配だった。

リッピは流れを読んだ中で、端からリスクを増やしていくのではなく、チャンスが来そうな流れを見て圧力を強めていった。100分以上プレーして体力的には限界に近く、完全にオープンな展開となるのはある程度読めていたのかも知れない(まあ冷静になれば当たり前のことだけど)そうなれば、ゴール前での攻防という部分に試合の趨勢が掛かってくるのは間違いなく、リスクを恐れるより、自国が誇る素晴らしいクオリティを備える選手達をピッチに数多く立たせておくというのは理に適っている。そして結果として、そのクオリティの差がドイツとの差になった。一つのミスが命取りとなる拮抗したゲームで、冷静な判断力を維持し、効果的な采配を振るえるリッピの眼には本当に尊敬以外の何者でもない。

もちろん、そんな采配を可能にするのも信頼を寄せられる堅い守備。オープンな状態でも何とかDF陣は耐えてくれる(もっと書いちゃえばカンナバーロが何とかしてくれる、ブッフォンが何とかしてくれる、ってことかも)という信頼感が、リッピに勇気を与えているのかなと。神な二人はもう書くことがなくなるぐらい高いパフォーマンスを示しているし、マテラッツィもこの日は切れることなく非常にタフなディフェンスを見せた。ザンブロッタもグロッソもバランス良くディフェンスをした。中盤の選手の守備に対する意識、運動量、技術も素晴らしかった。特にピルロの守備貢献は目を見張るモノがあり、攻守両面に置いて存在感を発揮し続けた。まあ采配面を大きく取り上げたけど、様々な状況に対応できるだけの選手を揃え、チームバランスも良く、個々のパフォーマンスもばらつきこそあれどそれなりに高い。決勝進出も充分妥当なモノだと思います。

で、これだけは書いておきたい!アレックスのトドメとなる追加点の価値。まず個人として、こういう場面で勝負を決めきれなかったアレックスが勝負を決定づけるゴールを決めた事。EURO2000の決勝戦、後半に1点先制(トッティのヒール→ビリンデッリの低いクロス→デルベッキオ)した後、交代出場で入っていたアレックスにはカウンターから多くのチャンスが来ていた。でも、その再三のチャンスを活かせず、ロスタイムにパワープレーから信じられない失点を喫してしまっい、結局延長で沈められてタイトルを逃した過去がある。まあそれ以外にも沢山あるけど、勝負弱さみたいなイメージは正直言ってかなり強く付いてしまった。実際、強く残るロビーの幻影にアレックスにしてもトッティにしてもプレッシャーを受け続けてきて、それを打破できないから、結果も出せなかった側面はあると思う。でも、こういう大事なゲームでワンチャンスをモノに出来たというのはその苦々しいイメージから脱却しつつあるんじゃないかなと。トッティも同様。まあロビーが引退したというのもあるんだろうけど、ね。で、チームとしても、引きこもって、時間稼ぎして、逃げ切るのではなく、もう一点獲りに行ったということにチームとしてのメンタリティの変化を感じました。このゴールはチームが変貌してきている証明となるような価値のあるゴールだったんじゃないかなと。

とにかく良かった。あっ、ドイツね。ドイツは3決でやるよ、多分。このゲームが白熱したのはドイツが頑張ってくれたおかげ、まあ列強開催国の最低限のノルマである最後まで大会に居続けるということは果たしたと思うし、素晴らしいと思いますよ。結局この試合でざるラインディフェンスの傾向は余り見えなかったし、大会通じて成長していることを改めて感じれました。とにかく重責を果たしたクリンスマンはお疲れさんだね。

ということでベルリンベルリンベルリン!嬉しくてたまらんですよ。でも、何も成し遂げていないというのはその通り。タイトルを取って死ぬほど喜びたいと思います。どっちが良いって?そりゃフランスでしょ。6年前の悔しさは忘れてないよ。それにジダンの正真正銘のラストダンスが余り関連のないドイツより、長くプレーしたイタリアの方がドラマティックでしょ?まあいいや、ということで長いっすけど。それにしても、嬉しいなぁ……

*ココログの調子が悪いそうです。僕もこの更新するのに30分以上掛かってます。コメントしたのに反映されてないよーという方、ストレス貯まると思うので、その際はもしよろしかったらメールを。お返事しまっす。少し遅くなるかも知れませんが。

itaruru0612☆gmail.com

*↑横にも一応乗せてあるんですが、メルアドです。☆は@に変えて下さいな。ココログさいてー

| | Comments (0) | TrackBack (1)

駆け足レビュー@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Brazil vs France/England vs Portugal

色々あって、書けてなかった準々決勝の2試合を激遅ですが、駆け足で。まあプレビュー代わりにでもなればいいなぁと。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day21

Quarter Final
Brazil 0-1 France @ Frankfurt
FRA:57'T.Henry

FIFA MatchReport

ブラジルスタメン:GKジダ、DFカフー(→76'シシーニョ)、ルシオ、フアン、ロベルト・カルロス、MFジウベルト・シウバ、ゼ・ロベルト、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(→63'アドリアーノ)、カカ(→79'ロビーニョ)、FWロナウジーニョ、ロナウド

フランススタメン:GKバルテズ、DFサニョル、テュラム、ギャラス、アビダル、MFマケレレ、ヴィエラ、リベリー(→77'ゴヴ)、ジダン、マルダ(→81'ヴィルトール)、FWアンリ(→86'サハ)

フランスとブラジルの対戦で、アップセットという言葉が相応しいのかどうかは分からない。でも、世界最高峰のタレントを揃え、アルゼンチンでさえ大差で勝ってしまうほどのポテンシャルを備える今や絶対王者と言っていいブラジル、世代交代に失敗し、"過去"の英雄にすがってようやくこの舞台に立つことが出来てフランス、といった感じの大会前の評判を考えれば、「アップセット」という言葉を使っても、そうおかしいモノではないかな。ただ、中身はアップセットという言葉は使えない。フランスの復活を改めて強く印象づけるゲームだった。ブラジルを抑えきるのはどこも難しいからこそね。

何がゲームの綾だったのかと考えると、フランスの守備が素晴らしく、ブラジルの攻撃は美しいリズムを刻まなかったことになるのかな。もちろんその中には様々な要因が影響していたのだけど、全てをひっくるめて、点を獲れなかったという事に収束していくのだと思う。

この日のブラジルは、エメルソンが怪我、結果を残していたとはいえ本格稼働とはなっていないカルテット・マジコなどの側面から、システム・スタメンを弄ってきた。ワントップ気味にロナウド、セカンドトップ気味にロナウジーニョを据え、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、カカ、ゼ・ロベルト、ジウベルト・シウバがそれを支えるような形(最初は4-2-3-1のような感じに見えたのだけど)に見えたのだけど、これがうまく回らなかった。

本来であれば、テンポが良く、リズムを感じさせるパス&ムーブで相手を困惑させ、その混乱に乗じる形でフリーマンを作り出して、世界最高峰の技術力をフルに発揮できる状況を作り出す、って感じなんだけど、前半は選手間の距離も開いていてほとんど相手の守備ブロックを揺さぶるような形が出てこなかったし、トップはほとんど動かず、完全にテュラムとギャラスの所で存在が消え、ロナウジーニョも厳しく警戒されていたため、ボールが入っていかなかった。後半の途中で慣れた4-2-2-2に戻して、ある程度パスの回りが良くなって、ロナウジーニョがボールを触る機会も増えたのだけど、それでも一度狂った歯車を立て直すことは出来なかった。刺激を与える意味でのロビーニョ、シシーニョの投入も起爆剤にはならず、結局やりこめられたというのが正しいのかな。

確かにフランスの守備ブロックは素晴らしかった。特にブラジルが使いたいバイタルを完全にテュラム、ギャラス、ヴィエラ、マケレレで封鎖したのは素晴らしかったし、サイドに開いたりしてもポジションをズラしながら局面での数的優位を保って、穴という穴を作らなかった。これに関しては仕方ないという側面もあるのかも知れない。実際、この日のフランスの守備のクオリティはブラジルの攻撃の出来を上回っていて、どうにもならなかったという側面が強いのかなぁと。

ただ、本当のブラジルというのが見れなかったのがしこりのように残る。失点後の采配としてリスクを取るという采配も見られなかったし、選手達も何かを変えて相手の守備を崩す工夫をしようとかも見えなかった。まあそれだけ信頼に値するタレント群だったとも思うけど、そのタレントを活かす術としては持っていなかったと言うことなのかな。

まあ個人的にパレイラの志向性としてはカウンター型のチームだったと思うので、ポゼッションにおいて相手を崩すというのは選手の才能に任せていたとも言える。まあそういう意味では当然の帰結だったのかな、寂しいけどね。てゆうか、ブラジルらしさを見せたのは日本戦だけだったのか、出させてしまったとも言えるのだけど。

まあブラジルの出来は置いておいても、フランスはスペイン戦同様非常に整理された形でゲームに臨み、しっかりとゲームプラン通りに進めたことでブラジルを上回った。守備に関しては、上記の通り非常に硬く、ベテランの経験値の高さを表すような読みの鋭さも相まって穴を作らないチームに変貌している。

で、特に良くなったのがジダンの使い方。ジダンにMFとしてではなく、FWの様な役回りを与えることで彼に負担を余り掛けず(彼が自主的にやっている側面は感じるし、その辺は非常に体が切れているのかなぁと感じる)、しっかりと4-4のブロックを作って守る。で、前に出て行くときにジダンをボールステーションとしてボールを預け、そこからダイナミズムを付随させて相手を崩していく。リベリーやマルダはもちろん、グループリーグの第3戦で復活を遂げたヴィエラとのコンビネーションも目立つ。この試合でもジダンの警戒度は低かったとはいえ、彼が非常に多くボールに絡み、チャンスを生み出していたこと考えたら、とても良く機能するようになっていると感じました

ある程度まとまってきただけに、後はいかにゴールを獲るかという事に掛かってくると思う。セットでのゴールが目立つけれど、アンリ-ジダンとか、アンリ-ヴィエラという本線が繋がってくるか、オプションとしてのトレゼゲだったり、サハということなのかな。スタイルが変わると、チームの特性も変質して機能性、負担度などが変わってくるから、難しいところだけど、今の良い流れからすれば、冒険もしやすいんじゃないかな。星占いはしないにしても、ね。

とにかく、フランスの復活を非常に強く感じるゲームでした。ジダンのラストダンスの残数が残り"2"になったこと。これがとてもめでたいと思った。

Quarter Final
England 0(0-0/Ex 0-0/PK 1-3)0 Portugal @ Gelsenkirchen

FIFA MatchReport

ベッカムの負傷退場、ルーニーの退場など相変わらず負けるときにエクスキューズが付くイングランドらしい敗戦。ポルトガルもここまでのポジティブなパフォーマンスがイングランドの引きの姿勢に消されてしまった。全体的にはちょっと残念なゲームだった。

実際、勝敗はPKに委ねられ、そのPKで又リカルドが躍動しまくりで、ジェラード・ランパードをストップするというもの凄いことをやりのけたことでポルトガルが勝利したわけだけど、あれに何かが表れている気がした。あれだけもの凄いキック力を持つジェラードもランパードも思い切り蹴らずにコースを狙ったキックをした。あの距離で思いっきり蹴れば、読んでもそうストップモノではないと思うけれど、彼らはコースを狙ったキックをした。そこに今大会のイングランドの姿勢が表れていたかなぁと。選手間がバランスを取ることに腐心し、慎重な姿勢にならざるを得ないことを象徴してたのじゃないかな。まあたまたまなんだろうけどね。

で、この後ゲームのあるポルトガルだけ。この日はイングランドに引っ張られる形で良いパフォーマンスを表現できず、その中でフェリポンもおかしな事をしてたけど、ここまでのパフォーマンスを考えれば、フランスとも対等に渡り合うとは思う。守備は組織として熟練されており、攻撃に置いても中盤の高い構成力に加えて、神出鬼没なマニシェのダイナミズム、クリスティアーノ・ロナウドの突破力、フィーゴの老練なプレーなど、チームのストロングポイントをうまく内包しているとてもバランスの良いチームだと思う。てゆうか、デコ、コスティーニャ、マニシェが揃えば、普通にクオリティは上回るかも知れない。それくらいクオリティは高いと思う。課題としてはスコアに繋げる部分。

まあとにかくフランス相手にどんな試合をするのか、あの固い守備ブロックはスペインやブラジルといったこの大会の攻撃的な象徴だったチームを抑え込んだだけに、ポルトガルが崩せるかどうかは本当に興味深い。だから、ゴールを獲れるかどうかは別だけど。

そういえばウォルコットは使われませんでしたね。レノンは頑張ってたのに下げちゃうなら、そこで思い切っちゃえば良かったのに、と思ったのは内緒だ。

ということで全然まとめる気もなくやっつけですよ。たまには良いでしょ。てゆうか更新できなくて、その合間に書いただけだから。一応決勝トーナメントは全部カバー(笑)ということでここまでっす。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 04, 2006

偉大なる選手の引退に思う。

2006年7月3日、中田英寿がピッチに別れを告げるという旨のニュース速報が流れた。

素直な思いとして。

驚いた。青いシャツから離れることは予測できたが、現役引退とは。強烈なインパクトを伴うプレーで数々驚かせてもらったけれど、最後まで驚いた。

惜しい。彼の持っている力、経験が惜しい。プレーヤーとして、若いときから考えれば変化を必要とした時期だったかも知れないが、聡明な頭脳、戦う意志、逞しさ、そういう要素を兼ね備えているフットボーラーのプレーがこれで終わりだというのは惜しい。そして、彼の積んだ尊く、又厳しい、貴重な経験が、後進、特にこれからの日本を支える世代に直接伝わらなかった事が、惜しい。

らしい。常に孤高な存在として、期待や責任の重さを背負い続けながら、道を切り開いてきた強さがあるからこそ、あるであろう様々な後悔や未練、あるいは愛着を振り切って、新しいステップに進めるのだろう。そして、そこには日本人的なウェットな感情を絡めず、クールにスタイリッシュに締めてしまうことも、らしい。

寂しい。日本サッカーの急速な発展は彼と共にあった。彼が道を切り開き、彼が引っ張り続けた。そしてそれを僕は見続けてきた、日本が強くなる課程と共に。そんな一時代が去るという時の流れと共に、そして彼を見れなくなるという事が、寂しい。

とにかく残念だ。そしてこれからの日本代表を考えても又、ポジティブな感慨は浮かんでこない。

一時代を築くような偉大な選手を失うことは大きな喪失感を伴う。これからディエゴ・マラドーナを失ったアルゼンチンやロベルト・バッジョを失ったイタリアのように、日本も又偉大な選手の喪失感による「ヒデ・シンドローム」に悩まされるかも知れない。それは後進の選手には重荷となり、可能性のある選手を潰す可能性もある大きな重しだ。それでも尚、いてくれて良かったと思う。それだけ偉大な選手が日本にいたという証明でもある。

とにかく、こちらこそありがとう

これは僕の未練として。フットボール界の喧噪と情熱を懐かしく思ったら、いつでも戻ってきて欲しい。それが、どのような形でも。出来ればそれがJだったら、望ましい。それを僕は待っている。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 03, 2006

開かれる道@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Italy vs Ukraine

完勝と言っていいかな。大会前のテストマッチで勝てていないこともあって、余り良い予感を持っていなかったのだけど、このゲームに置いては全てがアズーリの手にあった。で、しっかりとそれを活かして勝ちきった。うん、道が開けてきた。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day20

Quarter Final
Italy 3-0 Ukraine @ Hamburg
ITA:6'G.Zambrotta 59'&69'L.Toni

FIFA MatchReport

イタリアスタメン:GKブッフォン"ポストなんて怖くない"、DFザンブロッタ"万能・有能"、ファビオ・カンナバーロ"どうしてそんなに神なのか"、バルザーリ"仕事きっちり"、グロッソ、MFピルロ(→68'バローネ)、ペロッタ、ガットゥーゾ"番犬"(→77'ザッカルド)、カモラネージ(→68'オッド"祝・出場")、トッティ、FWトニ"信じてたよ"

ウクライナスタメン:GKショフコフスキー、DFグセフ、ルソル(→45'+2'バスチュク)、スビデルスキー(→20'ボロベイ)、ネスマチニー、MFティモシュク、シェラエフ、グシン、カリニチェンコ、FWシェフチェンコ"しっかり応援してね"、ミレフスキー(→72'ベリク)

大会前にテストマッチで対戦して、スコアレスで終わっているこのマッチアップ。やはり注目はミランでエースとしてプレーし続けたアンドリー・シェフチェンコがセリエ最高峰の選手達を集めたアズーリに対して、どのようなプレーを見せるのかというところ。

前戦は退場者を出しながら、瀬戸際のPKで勝ちをさらったアズーリでしたが、その退場となったマテラッツィが出場停止、ネスタもまだ試合出場は難しい状態で第4のセンターバックであるバルザーリがスタメンとなる緊急事態(まあバルザーリも悪い選手じゃないけど)シェバ相手には相性が悪いこともあり、その辺は不安が残るところ。まあここまでは変更を余儀なくされた部分で、それ以外にもリッピは手を加えてきた。ワントップにトニ、その下にトッティ、そしてそこに4人のMFを並べてフレキシブルに動く感じの4-4-1-1(4-3-2-1?カモは結構高い位置)を敷いてきた。ウクライナ対策の答えか。ウクライナの方は、前戦出場停止だったルソルとスビデルスキーが復帰。けど、シェバと共にウクライナの前線を支えていたボロニンが怪我で離脱してしまったため、その代わりに"ネクスト・シェフチェンコ"ミレフスキーを抜擢。ブロヒンは彼のポテンシャルに期待を掛ける。

前半

前戦の鬱憤を晴らすかの如く、序盤から積極的に出たアズーリは、ウクライナも最大の警戒をしていたであろうトッティの存在を逆手にとってチャンスを生み出す。ファーストチャンスはカモラネージから。ボールを奪って中盤で奪うと、パスコースを切る姿勢が見えたウクライナのディフェンスの虚を突いてカモラネージが中央を局面打開、そのまま突き進んで自らミドルシュート。そして、その勢いのまま先制点を奪う。

左サイド、ザンブロッタに展開すると、斜めの楔をトッティへ。トッティにはティモシュクがマークに付いていたが、そのマークを一瞬離して選択したプレーはダイレクトのヒールパス、そしてザンブロッタが一気にスピードアップ、ワンツーの形で完全にウクライナの中盤組織を突破するとそのまま右足で低い弾道の強烈なミドル!ルソルのブロックをすり抜け、抜群のコースに飛び、ショフコフスキーも及ばず。トッティのテクニックとインスピレーションがウクライナの組織を壊し、そしてザンブロッタのダイナミズムと思い切りが実る形であっさりと先制点を奪った。

これでアドバンテージを得たアズーリは落ち着いてゲームを展開。守備意識の高さと早い判断で守備の仕方を柔軟に変えながら相手に反撃の隙を与えず(時には高い位置から奪いに行き、時にはゾーンを組み収縮してミスを誘発させたり)、攻撃面にでは奪ってから速い攻撃を志向しながらも、中盤で速いテンポのパス回しをしながらトッティのダイレクトプレーやトニのポストを使ってフレキシブルにポジションを崩してダイナミズムを加えてウクライナの守備陣を崩しに掛かる。安定したゲーム運びで握ったペースを離さない。

ウクライナとしては一番避けたいゲームの立ち上がりとなってしまった。その中でビハインドを返すためにも反撃したいところだったがなかなか自分たちのゲームをさせてもらえない。それを見てか、ブロヒンは20分の所で早くも動く。速いタイミングで一枚イエローをもらい、トニの対応に苦慮していたスビデルスキーに代えてボロベイを投入。グシンをセンターバックに下げ、右サイドにボロベイを上げる。しかし、この交代もウクライナの武器である質の高いグループでのスティールからの速攻を呼び寄せる要素にはなり得ない。

スピードの上がらないウクライナの攻撃をあっさりといなしながら追加点を狙ったアズーリでしたが、中盤のボールの動かし方などにクオリティを見せたモノのシュートに繋げられない拙攻が続き、逆にウクライナの攻勢が強まる。ティモシュクのショートクロスに対してマークがずれて怖いシェバにヘッドを許してしまったり(枠には飛ばせず)、長い距離からティモシュクにミドルを飛ばされたり(落ちていく良いシュートだが、枠に収められず)、楔からミレフスキーのポストを経由してシェバにペナ外から狙われたり(これはカンナのブロックもあって逆は突かれたモノの力無くブッフォンの元へ)得点に繋がりそうな匂いこそ薄いモノのシュートを打たれるシーンも。

しかし、それもしっかり凌ぎきって前半終了というところで、アズーリを更に有利にする要因が。ウクライナの守備の中心のルソルが競り合いの際に踏まれたのか右足を痛め、結局交代を余儀なくされてしまう。前半の時点でウクライナは交代カードが残り一枚という事になってしまう。結局前半は1-0。

後半

前半終盤の守勢をはね返そうとトッティの縦パスからトニがシュートを打つという立ち上がりを見せたアズーリ。しかし、流れは変わらず、ビハインドのあるウクライナ。そして、肝を冷やすシーンが続く。

まずはうまく右サイドから局面打開されカリニチェンコのクロスに対してバルザーリのクリアがオウンゴールとなりそうになると、その後のCKの流れでセカンドボールを拾ったティモシュクが左からアーリークロス、それをクリアしきれずファーに流れると、走り込んだグシンがヘッド。叩きつけたボールは素晴らしいコースに飛んだがブッフォンが素晴らしい反応で指先セーブ、勢い余ってポストに頭をぶつけてしまうほど非常に危ういシーンだった。

その後も両サイドからのチャンスメイクに脅かされ、ウクライナにとってこの日最大のチャンスが。右サイドでボールを引き出したシェバが中に切れ込みながら左サイドに展開、パスを受けたシェラエフ(かな?)がミドルを打ったが打ちそこない、しかしそれがうまく作用してミレフスキーへの楔のような形となり、完全にアズーリのラインは混乱、ミレフスキーはアズーリディフェンスのアプローチをいなす形でフリーとなっていた右のグセフへ流し、グセフは近距離から強烈なシュート!これはブッフォンの素晴らしい反応ではじき出す。ただ、まだ終わらない。はじき出されたボールは逆サイドグシンの元へ、躊躇なくグシンはシュートを打ったが、これはポスト際ゴールカバーに入っていたザンブロッタがブロック、最大のピンチを水際の芸術的なディフェンスで凌ぎきった。ウクライナとしては痛恨。そしてピンチの後にはチャンスありなのか、イタリアに神様からの贈り物が。

グロッソがオーバーラップしたことで奪った左サイドのCK、ショートコーナーからトッティが角度を付けて中に折り返すと、フリーのカンナバーロは合わせきれなかったモノのグシンよりも内側でマークを制していたトニがダイビングヘッドで押し込んだ。トニはワールドカップ初ゴール。ここまでは実効力は素晴らしくチームに貢献していただけに、ゴールだけが足りなかったところでのようやくの発ゴール。乗ってくれるとありがたい。

返す刀でFKから、又もグシンに脅かされるモノの(グロッソのマークをモノともせず、上からヘッドでファーに飛ばしたがバー)2点目で余裕が出たのか、カモラネージに代えてオッド、ピルロに代えてバローネを投入。オッドが右サイドバックで、左サイドバックにザンブロッタがずれ、そして玉突き的にグロッソが一枚前に上がる。すると、すぐさまその采配が3点目を生み出す。

スローインから、浮き球のパス交換で左サイドを局面打開すると、鋭い切り返しでザンブロッタが中にカットイン、そのままスライディングで中に折り返し、中に詰めていたのはトニ。イージーに押し込んで決定的な3点目!システムを弄ってそれがすぐに結果に繋がる。チームにとってはこれ以上ない形で勝負を決定づけるゴールを奪った。トニは解放されたのか立て続けにゴール。信じてたよ、やってくれるって。

これでゲームは決まった。この後シェフチェンコの強烈なFKがあったりと一矢を報おうとしたウクライナの攻撃をしっかりと無失点で締めて、3-0という大差、イエローカードなしと、最高の形でこのゲームを終えた。アズーリはあのアメリカ大会以来の準決勝進出。

まあ点差ほど、素晴らしい内容だったのかというと微妙なところだけど、まあゲームの主導権というか、流れを持って出来ていたのはアズーリで、自分たち次第という側面の中で局面局面で良いプレーしてくれていたので、結構安心して見れました。願ってもない結果で勝ち抜けたことはこの先を考えるととても大きい。正直大会前のテストマッチを考えれば、このような結果は予想できなかったけれど、大会を戦う中でチームがまとまってきていて、又運なども持ち合わせていると言うことを感じられた一戦だった。

まあ、ウクライナのチームスタイルがアズーリにとっては与しやすいモノだったことは否定しない。スイスが相手だった方が嫌だったかも知れない(前回書いたけど、共に組織として非常に充実しているチームな訳だけど、その特徴として個人の判断を内包しているだけにそれが破綻の遠因となり得るウクライナとゾーンを敷いてスペースを消してくるスイスだったら、やりづらさを感じるのはスイスだったかなぁと)ただ、それを可能にしたトッティのダイレクトの技術とインスピレーションはやはりアズーリ最大の武器であることを感じれた一戦だった。

まあ両チームのスタイルを考えれば先制点が大きなファクターを握ることは容易に想像できること。その中で相手のバランスをあっさりと崩すことが出来るプレーを出来る才覚というのはやはり大きい。周囲との関係というのも確実に良くなってきており、ゴールを決めたザンブロッタだけではなく、トップのトニやジラ(今日は出てないけど)、中盤で彼をサポートするペロッタやガットゥーゾの動き出しのタイミングを見てもそのダイレクトプレーを意識したモノが多く、嵌ればある程度は可能性の感じる形を生み出せそうな予感がある。

まあこれは余談なのだけど、トッティの能力は基本的に信用しているというか、今栄華を誇っているジダンやロナウジーニョといった大スターとも劣らないモノを持っているのかなぁと個人的に思っている。まあムラがあったり、精神的な脆さ(特に大舞台)、不安定さというのがあって評価が低くくなりがちなのだけど、本来持っているモノを発揮できれば、同じぐらいの評価を得れると思うんだよね。もちろん二人のような芸術的なボールタッチやフェイントをするわけではないし、局面打開力という面でも劣るけれど、もしジダンやロナウジーニョが「時間」や「空気」を司る天才だとしたら、彼は「瞬間」を司る天才といえるのかも知れない。常に警戒され、ボールを持てばバイオレンスなプレーで潰されるプレーエリアで、いかに実効性の高いことをするのかというセリエのプレーヤーらしいひらめきを持っていると思う。フリーマンを見つける周辺察知の速さ、ダイレクトでのプレーセンス、安易に引いたりして逃げない精神など、この辺は本当に質が高い。気まぐれなのは変わらないかも知れないけれど、あと2試合、更に彼が活躍してくれればイタリアが王者に近づける可能性は高まるはず。逆説的にイタリアは彼がやらなければ優勝できない。今度こそ、やってくれ(特に次のドイツ相手にはその能力を発揮して欲しい。最近は勢いに隠れて顕在化していないけど、裏への対応の弱さ、不安定さは早々解消されるとは思えない。その不安要素をダイレクトプレーでえぐれればチャンスは出てくる(ダイレクトプレーはノープレッシャーと同じようなもので、タイミングが計りづらいだろうし)まあリッピがどのようなスタメンを組んでくるか分からないけど(前回の4-1虐殺劇を重視すればトッティはベンチだけどね)、例えばジラやピッポの裏を取る巧さを噛み合えば……という感じはある)

で、負けちゃったウクライナだけど、初出場でベスト8は立派。この試合は高質な組織と個人能力の融合した中盤でのプレスからのボール奪取(逆にそれは利用されちゃったし)、そして直線的で速い攻撃というのは出せなかったけれど、不得意とする遅攻からチャンスを作ったりと意地は見せてくれた。シェバの出来が、良いときのそれと比べると余り良くなくて、怖さがなかったのは残念だけど、大きな一歩な事に間違いはないでしょう。3試合連続無失点は立派だし、ウクライナというチームのクオリティは充分見せてもらったと思う。後半序盤のチャンスが決まってたら、こんなに楽にはなってなかったよ。とにかくおめ、そして乙。

で、最後に。この試合の3日前にアズーリ、そしてユヴェントスで長くプレーしていたジャンルカ・ペソットがビルから転落するという事故が起こりました。ユーヴェに籍を置き、共にプレーしてきた仲間の事故にとても心を痛めただろうけど、そんな中でザンブロッタ、ブッフォン、カンナバーロ(試合には出なかったけど、アレックスも)、そして監督のリッピなどが素晴らしい仕事をして勝利に導き、試合後にはその旨を伝えるメッセージフラッグを持ってエールを送っていたり、リッピが会見で「この勝利をジャンルカ・ペソットと彼の子供、彼のすべての家族にささげたい」と話したことにもの凄い感動した。もちろん、アズーリで共にプレーした選手は未だに多く残っているし、ライバルとしてしのぎを削った選手達も素晴らしいプレーをしてくれて嬉しかった。この事故がどのような事故だったのかは分からないし、未だにペソットは回復に向かってるとはいえ予断を許さない状態のようで、軽率な事は言えないけれど、この試合で勝ったことはとても特別だったと思う。

とにかく、これで満足な訳じゃない。ここからでしょ。チャンピオンになる資格は得たけれど、それを手にするかどうかはこれからのプレーに掛かってる。ハードなプレーが多いドイツなだけにアメリカ戦のようにならないように、しっかりと頑張って欲しいもんだ。ということでここまで。次はフランス-ブラジル。イングランドはやるかわかんね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 01, 2006

An intense fight seems to War@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Germany vs Argentina

フットボールは戦争、歴史がプライドをくすぐって、もの凄い熱いゲームになっていった。これぞ、がちんこ。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day20

Quarter Final
Germany 1(Ex 0-0/PK 4-2)1 Argentina @ Berlin
GER:80'M.Klose ARG:R.Ayala

FIFA MatchReport

ドイツスタメン:GKレーマン、DFフリードリッヒ、メルテザッカー、メッツェルダー、ラーム、MFフリングス、シュナイダー(→62'オドンコール)、シュバインシュタイガー(→74'ボロウスキ)、バラック、FWクローゼ(→86'ノイビル)、ポドルスキ

アルゼンチンスタメン:GKアボンダンシエリ(→71'レオ・フランコ)、DFコロッチーニ、アジャラ、エインセ、ソリン、MFマスチェラーノ、ルイス・ゴンザレス、マキシ・ロドリゲス、リケルメ(→72'カンビアッソ)、FWテヴェス、クレスポ(→79'フリオ・クルス)

'86、'90、ワールドカップで決勝を争った2つのサッカー大国がこの準々決勝というタイミングで対戦。きっと誰もが楽しみになるマッチアップですな。

ライバル同士のマッチアップの中で動いてきたのはアルゼンチン。前戦120分間戦ったということ、セットプレーに置ける高さなどを鑑みてか右サイドバックにコロッチーニ、中盤はカンビアッソに変えて2戦目に怪我を負ったルイス・ゴンザレス"ルーチョ"が復帰して早々スタメンに名を連ね、トップはサヴィオラではなくテヴェスを起用。ドイツは前戦と同じ11人。それぐらい今のチーム状態には自信があるという証明か。今日の主審はルボス・ミシェル。

フランス-スペイン戦の中でスペインサポが懲りずにモンキーチャントした事が影響したのかしなかったのか、この準々決勝から国歌斉唱の前に人種差別根絶のためのセレモニーが含まれた。

前半

非常に慎重で、そして厳しい立ち上がり。どちらも局面でもの凄く激しいコンタクトし、相手を潰していく。そうなると、流れがファールで止まるシーンが多くなり(ネガティブな意味ではなく、流すレベルじゃなかったから)、セットプレーというのが多くなるが、そこも集中力高く潰していく。ファーストシュートはそのFKから。ポドルスキが少しボールを動かしてから、壁の横を低いボールで狙ったモノ(アボンダンシエリが少しファンブルするが、自ら抑える)

局面の中で分かる事というと、アルゼンチンはプリメイロボランチにマスチェラーノ、セグンドボランチにルーチョ(彼の特性を鑑みてか、余り制約がないように見えた、ただ守備の意識は非常に高い)、右にマキシ、中央から左フリーな感じでリケルメ、左に高めで守備もするテヴェスが張り出すという感じ。テヴェスがバックライン近くまで下がったりと、守備意識が非常に高く、貢献度高い。で、ドイツは、フリングスはほとんど上がらず、フリードリッヒも同様。バラックも低い位置でプレーすることが多い。いける選手がとにかく局面で激しく行って(特にリケルメ)技術を出す余裕を与えたくないという意図が見える。

リアリスティックで戦争のようなコンタクトがピッチで繰り広げられる中、まずゲームのリズムを握った感があったのはドイツ。非常に高い位置から激しくプレスを掛け、相手に呼吸させず、アルゼンチンのリケルメを中心としたゆったりとしたポゼッションサッカーをさせない。で、奪ってからはスペースを見いだしてはアタッキングエリアに入って崩しにかかる。ラームもこの時間帯はそれなりに上がっていって、ドリブルからコロコロさんを恐慌に陥れていた。そんな展開の中で、前半唯一のビッグチャンス。シュナイダーのアーリークロスは近い位置でボールを受けようとしたトップの二人をデコイにファーへ、大外からダイヤゴナルに入ってきたバラックがほぼフリーの状態(コロコロさんが一応付いていた)でヘッド。しかしこのヘッドは枠を逸れ、チャンスを生かすことが出来ず。

時間と共にドイツのプレッシングが弱まる傾向が見え始めると、ゲームの流れはアルゼンチンへ。特徴でもあるゆったりとボールを動かすポゼッションから、リケルメやテヴェス、ソリンのいる左サイドから攻め手を伺う。特にリケルメは低い位置で前を向いてタイミングが合うと、何度か「そこに出すか!」と言ったようなのスルーパスでトップに合わせる形が何度か見えた。しかし、ドイツディフェンスもラインコントロールで止めるのではなく、人を捕まえ、コースを切ることで何とか凌ぎ、決定機を許さない。

とにかく守備の意識が高く、集中力も途切れない、消しあう、潰しあうという印象の前半は、スコアが動く予兆を見せぬまま折り返すことに。

後半

前半はほとんど見られなかった右からのオーバーラップをいきなりフリードリッヒが仕掛けたことを見ても、かなり前への姿勢を出してきたドイツ。自ずとプレッシングを核にした硬い展開からオープンな攻め合いとなって、前半からはがらっと変わってアグレッシブなゲーム展開になる。そして、そのゲーム展開に呼応するように、スコアも動く。

押され気味だったアルゼンチンが右からのCKを得ると、リケルメのアウトスイングのキックはふわっと浮き上がってから狙ったところへ落ちながらセンターへ、そのボールに対してクローゼに寄せられながらボールサイドに入っていたアジャラ大先生がダイビングヘッドで合わせた。ラームのゴールカバーも、レーマンの反応も及ばずゴールに突き刺さって、アルゼンチン先制。リケルメがこの日初めてスタンダードに入れてきたCKが点に繋がった。アジャラ大先生おめ。

これで一気に火が付く。ドイツは前に出る姿勢を強め、アルゼンチンも引く姿勢は見せず、高い位置からプレッシングに行く。そしてコンタクト激しいゲームは続く。得点後こそゴールの勢いを携えたアルゼンチンが押し込んでいたモノの、オドンコールの投入(下がったのはシュナイダー)を機にドイツ攻勢。そして一つのキープレーが。

2度続けてのシュバインシュタイガーのCK。1度は逃れたモノの2度目、ファーを狙ったボールに対し、アボンダンシエリが飛び出したところでクローゼと接触してボールがこぼれる。エインセが咄嗟にクリアをしたけれど、クリアボールはセンターで待ち受けるバラックの元へ、GKが戻れない状態でバラックはボレーで狙ったが、これはブロック、もう一度ヘッドで押し込むがこれは戻ったアボンダンシエリの正面。何とか難を逃れた形のアルゼンチンでしたが、アボンダンシエリはこの時の接触で受けたダメージが大きく、10分ほど続けたモノの結局出場続行不能に(担架に乗せられたまま下がっていった)レオ・フランコが代わりにゴールマウスを守ることに。これで貴重な交代カードを一枚使ってしまう。

何かを決断したのかペケルマンは続けざまにカンビアッソを投入、個人的には動き続けていたマキシかルーチョと思ったが、下がる選手はリケルメ。完全に1点を守りきって勝つ狙いを打ち出す。その中でアルゼンチンはビッグチャンス、クレスポがプレッシャーを掛けてドイツディフェンスの横パスミスを誘発すると、テヴェスが拾って、そのまま3-3の数的同数のカウンター(という表現で良いのだろうか、超ショートカウンター)クレスポが左を回り、右にマキシが走り込む中でテヴェスの選択はマキシ、右サイドにボールを流し、マキシはブロックも気にせずそのまま強烈なシュート!しかし、これはサイドネット。大きなチャンスを逃す。もう一度同じような形でカウンターのチャンスを得たが、同じように右サイドに回して結局チャンスをモノに出来ず。勝負を決めきれない。ドイツはボロウスキをシュバインシュタイガーに代えて投入、アルゼンチンは最後まで追い続けたクレスポに代えてフリオ・クルスを入れる(セットプレーの対応を意識したモノ)

完全に逃げ切り体制のアルゼンチンでしたが、そのあからさまな姿勢がサッカーの神様の機嫌を損ねたのか、このままでは終わらせてくれない。左サイドバラックがインスイングのクロスを入れると、トップより後ろにポジションを獲ってフリーとなっていたボロウスキへ(スイープみたいな形)、ボロウスキはこれをヘッドでうまく流し込み、最後はクローゼ。ソリンのマークをモノともせずダイビングヘッドで押し込んだ。もの凄い美しい展開、ダイレクトダイレクト、見事。これでアルゼンチンとしては難しいゲームを強いられることに。

更にゲームは激しくなるが、攻撃の核リケルメを失ったアルゼンチンに対して、攻め手を強める交代で追い込んでいったドイツが優位性を保つ。その中でクリンスマンにも難しい選択が、クローゼ、バラックとエースと大黒柱が激しいコンタクトで怪我を負ったらしく、交代を迫られるが、残るカードは1枚。クリンスマンの選択はバラックをピッチの残すという選択、クローゼに代えてノイビルを投入した。終盤までぎゅっと詰まったゲームは、ロスタイムでも見所が。マキシが右サイドからペナに入ると、中の選択肢はあったモノの縦を選択、そしてラームのタックルを受けたのか倒れ込む。しかし、これはシミュレーション。このプレーにアルゼンチンの気持ちが表れているのかなぁ、なんて思ったりした。チームバランスがおかしい中で延長を戦うのは不利、それならこのワンプレーで勝ちをさらおうとしたのかなぁと。ロスタイムにもフリオ・クルスのクロスから、大外から入ってきたルーチョがヘッドで狙うが、テヴェスに邪魔されながらもレーマンがセーブ(オフサイド)激しい展開だった後半でも差は付かず、延長戦に突入する。

延長戦

開始早々、フリオ・クルスが思いっきりメッツェルダーの臑を蹴る(わざとか?パスレシーバーがいなかったんですけど……)ファールで始まるという不吉な展開。その通り非常に激しいイエローお構いなしの戦争のようなゲームは続く。その中でチームバランスの整ったドイツがチャンスを迎える。良い組み立てを見せて右サイドを局面打開、スルーパスで抜け出したオドンコールが良い状態で強烈な低いクロスを入れる。しかし、これはノイビル届かず、GKが抑えた。精度欠いた、痛い。

すると、徐々に怪我の影響かバラックの動きががくっと落ち、10vs11のような状態になってアルゼンチンが形勢逆転。しかし、フリオ・クルスはゲームに乗れず、チャンスを潰してしまうシーンが散見。持っている勝負強さを活かせず(てゆうか元々あんまり色々起用にこなせるタイプじゃないと思う。ゴールするのが上手な選手)

ドイツは動けないバラックを外に出し、ボロウスキを中に入れて、中盤の修正を計る。しかし、バラックがいる右サイドをコロコロさんが上がってミドルを放ったり、シュータリングをしたりしてレーマンの守るゴールを脅かすが、結局スコアは動かず。ゲームはPK戦に

円陣を組みチームで戦い抜こうとするアルゼンチン、カーンがレーマンに声を掛けたり、クリンシーがバラックに蹴れるかと聞いたりと、思い思いの感じで集中力を高めるドイツ。で、PK戦。ドイツはホームの大声援を受け、怪我のバラック含めて全て決める。そしてレーマンonステージ。アルゼンチンの選手に向けられる大ブーイングの中、4本のキックを全て読み、アジャラ大先生、カンビアッソのキックをストップ。これで決まった。戦争のような激しいゲームは残酷なPK戦の末、開催国ドイツが準決勝に進んだ。

前半、後半、延長と状況が変化する中で、最初から最後まで続いた戦争のような厳しいコンタクト合戦は見応え充分。時にはやり過ぎと思う部分もあったけど、この試合に対していかに気持ちが入っていたか、そういうモノが分かる試合だった。ルボス・ミシェルもホームアドバンテージを持つドイツ寄りな側面はあったにしても、うまく裁いたかな。退場者が何人か出てもおかしくないゲームだと思ったし。それでもアルヘンティナは相当貯まってたみたいで、何がトリガーになったのかは分からないけど、大乱闘には発展してたけどね。

で、ゲームの綾としてはやはり采配面だったかなぁ。刻々と変わる状況の中で、きっかけとなったアボンダンシエリの怪我のあと、ペケルマンの頭の中は完全に逃げ切る姿勢に切り替わってしまった。まあどうしても結果論になってしまうのだけど、自分たちのスタイルを捨て、そして攻撃を捨てた形(クルスの投入はセットプレーに置ける身長のある選手の補填のようなものでしょ?)になった采配はやはり臆病すぎたかな。ボールキープしながら、ゲームを時間を使ったメヒコ戦を考えたら、出来ないわけではなかったと思うし(脅威は強かったけど)、危険性を伴うとして守備を固めるのを止むなしとするのなら、やはりカウンターの効果を高めるカードが適当だったかなと。メッシかサヴィオラ、あの展開ならメッシが良かったかな。クルスの投入は展開を考えればほとんどプラスに働かなかったのを見ても、ね。

まあ上記の件がゲームに大きく影響したことは否めないけど、120分のゲームの中では大きな差はなかったし、出来としてもどっちが素晴らしかった、悪かったとは言い切れないゲームだったかな。戦う側面が強いゲームで、どちらも引かなかったのを見ても、同じぐらい強い気持ちで臨んだということを見ても、差が付かないというのは妥当な結果だと思う。

で、アルゼンチンは、改めて才能の大きさというのを感じさせられたゲームだったのかも知れませんね。なんだかんだ言ってリケルメは仕事をしていたし、いなくなったら不在を大きく感じるモノだった。まあそのように作られたチームだから仕方ないちゃ仕方ないんだけど、メンバー構成的にどこかに頼る形で作られたチームの弱みが出たかなぁと。延長後半、相手の左が弱くなったところを突けなかったことにしても、偏重の布陣のバランスの悪さが響いた。まあこれまではそれがうまくいっていたわけだから、それはもう仕方ないことなんだろうけど。このモダンフットボール全盛の時代にこういうロマンティシズムを感じるサッカーをするチームで、まだまだ見たい選手もいたし、ここで大会を去るのは残念。しかしまあ全部を生かし切るというのは難しいことだ。アジャラ大先生は気にしないように、PK以外は素晴らしかったんだから。

ドイツの方は、前戦爆発した2トップのコンビが封じられ、シュナイダーとシュバ坊も仕事できず、結構苦しんでいたけど、強いメンタリティと逃げなかった采配(まあビハインドだから強気が当たり前とも言えるけど)がチームを救ったかな。オドンコールを入れるのも結構ギャンブルだったと思うし、シュバ坊の局面打開力というのはチームでアクセントを付けられる数少ない存在だっただけに、難しい決断だったろうけど、それが当たったわけだから賞賛されるべきかな。バラックとクローゼの取捨選択は間違えた感があったけど、残したバラックは最後の最後にPKを決めたわけだし、大当たりって事なのかな。メンタリティの強さは相変わらずで、絶対優位なホームアドバンテージの勢いも携えていたことが差になったのかな。まあ次戦に向けて、バラック・クローゼが怪我、延長まで続いたハードな激戦、数多くのイエローカードなど様々な代償も払ったけど、それを覆い隠せるだけの勢いもある気がする。実際弱点である脆弱なディフェンスラインもいつの間にか目立たなくなっているしね。まあベルリンに行けなくても最後まで大会に残るわけで、開催国としての義務は果たしたと思うから、そろそろお疲れさんとなって欲しいんだけどね、僕としては。

ということで、とりあえずここまで。次はアズーリかな。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« June 2006 | Main | August 2006 »