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July 16, 2006

祭りのあと@FIFA WORLDCUP Germany2006 総括

もうJ1が再開してるってのに、なかなか筆が進まないいたです、こんばんわ。たまった宿題とか洗い物をするのが嫌いなんですよ、えぇ。まあまあやりますけど、ただどうも締まりが悪いというか書けば書くほどとっちらかって。

で、今日はワールドカップ全体の総括などを。全ての出場国がほぼ同等の条件の元に臨んだ今大会は、前回大会よりもプレーコンテンツの充実が目立ち、そしてその中でも欧州開催のメリットを存分に感じさせる欧州列強の強さが目立った大会でした。ということで、今大会の中で気になったテーマ、そしてベストイレブンとかを書いちゃおうかなと。日本代表の方を先にやるべきだ?だから、上に書いたじゃん、言い訳、書けないの(苦笑)

じゃ、いきます。

・精錬される守備 -より高度に、より柔軟に-

優勝したイタリアが7試合で失点2(1つがオウンゴール、1つがPK)、準優勝のフランスが失点3(1つがPK、1つがセットプレー)と、守備の充実が成績に直接繋がっていく傾向の強い大会だったと思います。

実際、2002日韓大会のドイツやアメリカ、EURO2004のギリシャなど、守備的に強み、安定性を持ったチームがトーナメントを駆け上がる傾向は強く、既にトレンドを超え「掟」となりつつあるのかも知れません。まあ時代は常にそれを突き破るスペクタクルな攻撃やファンタスティックなクラックを求めるわけですが、今大会はその願いも虚しく「掟」が勝った大会と言えるのかも知れません。

そのディティールを見てみると、プレッシング志向の強かった4年前に比べ、よりラインは低く設定され、ゾーンを堅牢に築き上げることでスペースを消して、効果的な攻撃をさせないという傾向が強かったように思えました。まあオフサイドのルールが変わったこと(そのルールをかいくぐる攻撃手法の芽生え、それによる高いラインコントロールにおけるリスクの向上)、代表チームの更なる時間的な問題など、様々なことが影響しているのだと思いますが、失点を削るための最善の手法として、こういう傾向が生まれたと言えるのかも知れません。

ただ、これはプレスよりゾーンということを言っているのではなく、あくまでも今大会有効に作用してトレンドとなっていただけの話。より優秀なチームは相手の状況、ゲームの流れなどを鑑みながら状況に応じた策(プレスとゾーン)を運用し、効率的な形を表現していた訳で、そういう部分が差になっていたのではないでしょうか。

フランスを例に取れば、決勝戦後半、ラインを高く設定し、前からプレッシングを掛け、積極的に奪いに掛かっていました。本来一つのタスクに「固執」していたら、あくまでも低い位置でのゾーン形成を主にするわけですから、このプレッシングはタスクから逸脱する訳なんですが、何故そういう事が出来たのか。それは、相手(イタリア)の攻め手がほぼ潰えていて、前から行ってもリスクが高くないという状況を感じ取り、より効率的なプレーとして前からプレスに行くことだ、という選択があったからです。こんな感じでフランスはゲームの中で戦術を「運用」していたわけですね。

一つのタスクを熟成させ、精錬させることは決してネガティブではないけれど(一つのタスクの熟成度、完成度を見たら、イングランド(ゾーン)、スイス(プレッシング)、アメリカ(プレッシング)なども、イタリアやフランスにも劣らない高いレベルにあったと思う)、一試合の中で状況は変化し続け、それだけ効果的な形、状況に即した形というのもどんどん変わっていく。相手のあるスポーツだから当たり前のことでもあるのだけど、それに対応していくことが理想であり、その理想をトーナメントの頂点に駆け上がった2チームは表現していた。この辺に今大会の守備手法の進化、いや精錬というのを見た気がします。世界は更に歩を進めている、ということかも知れませんね。

*もちろんこういうことをするために必要な要素は多岐に渡ります。グループとしての熟成度、完成度はもちろん、個々の高い戦術理解+実効力、流れを読む力、判断力、そして局面に置ける対応力や守備力、そういうモノがあって初めて成立し得るモノ。自由と組織が水と油ではないのと同様に組織と個人も又水と油ではないということですね。質の高い個人も組織として形成されていなければ機能しないし、同義のように質の高い個人がなければ質の高い組織にはなりづらいというのも分かってもらえるといいかな。二元論じゃないと語っている人が、二元論を語ってるのが滑稽。組織を形成するのが個人と言うことをもう少し重要視されても良いかなぁと。

*04~05、05~06シーズンのUCLでも一つのテーマとなった「戦術的柔軟性」。このテーマはワールドカップではより守備面に置いてその傾向が出てたのかなぁと感じました。

*UCLに関しては攻撃面に掛かっていた部分が大きかった。リアクション型のチームがビハインドを負ったときにポゼッションして主体的に攻撃を求められると、仕掛ける事が出来ない事が多く、その部分でリアクションとポゼッションの戦術的柔軟性の重要性がクローズアップされていた。ユーヴェとかリバポとかね。それと少々趣がずれるが、2年連続で対戦したバルセロナ-チェルシーに置いて、ポリシーを持つチームに置ける戦術的柔軟性という部分でも非常に興味深いテーマだったかな。

*今大会、攻撃面でミドルシュートというのが目立った訳ですが、もちろんモルテン製の新しいボールの効果もあるだろうけど、何よりも「低いラインにはミドル」という「格言」というのが、意識として反映されていたからこそ、素晴らしいシュートが多かったのではないでしょうか。組織レベルが精錬されればされるほど、ミドルシュートなどの守備組織を壊す力というのが改めてクローズアップされていくかも知れませんね。

なーんか、嫌味っぽい?まま僕の性格的に、皮肉っぽくなっちゃうけど。うーん、性格悪っ(まあ懸命な読者の方にはばれてるかも知れないけど←そんなものいるのか?)まあそんなダークサイドは置いておいて、素敵な大会のベストイレブンを。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Best Eleven
1st Team(Coach:M.Lippi)
     Podlski  Klose
        Zidane
    Vieira    Gattuso
Grosso    Pirlo    Miguel
   Cannavaro  Thuram
        Buffon

2nd Team(Coach:J.Klinsmann)
    Henry   Toni
    Riquelme     Figo
Zambrotta Makelele Maniche 
   Gallas Terry Marquez
       Lermann

FW:F.Torres、D.Villa、C.Ronaldo、J.Saviola、H.Crespo
FW:C.Tevez、A.Robben、C.Tenorio、A.Gyan

MF:S.Perrotta、F.Ribery、M.Ballack、T.Frings
MF:J.Mascherano、M.Rodriguez、D.Beckham、O.Hargreaves
MF:Z.Robert、A.Tymoschuk、T.Barnetta、A.Pardo、T.Cahill

DF:W.Sangol、P.Lahm、Lucio、R.Ferdinando、As.Cole
DF:R.Ayala、G.Heinze、C.Sarcido、R.Osorio、P.Senderos、P.Muller

GK:Ricardo、O.Shovkovskyi

まあこんな感じですかね。グループリーグでさよならした国は全部外したので、これを加えたら又変わってくるかも知れないけど、まあ上位進出国を中心にね。それにしても、攻撃面で目立ったタレントがいないいない。この辺を見ても、守備の目立った大会といえるのかも知れませんね(僕の選んだ選手も守備において活躍した選手が多いし)

まあ1stチームだけは短評を。

ジャン・ルイジ・ブッフォン(イタリア/ユヴェントス)

神セーブでイタリアの総失点2に最大限貢献した事を見ても文句なし。質の高いポジショニング、速い反応、広いセーブエリア、全てがパーフェクト、「世界最高のGK」という看板に偽りなし。ちなみに当然のように「レフ・ヤシン賞」獲得です。次点としてはレーマン、そしてリカルドかな。PKが目立った。レーマンがネタプレーのキレがイマイチだったのが不満。

ファビオ・カンナバーロ(イタリア/ユヴェントス)
リリアン・テュラム(フランス/ユヴェントス)

カンナバーロがMVPにならなかったことに未だに納得いってないわけですが、今大会のプレーは本当に神と言って申し分ない出来。危機察知の速さ、読み、フィジカル的な強さ、全てが研ぎ澄まされていた。サイズのなさを語られることが多いけど、これは早々真似できない。センスも経験も持っている選手だからね。

テュラムに関しては迷った。ギャラスでも良いかなと思ったし、マルケスの危機察知の速さも素敵、アジャラ大先生の安定感と経験も捨てがたい。でも、テュラムのゾーンの中で存在感はやはり抜けていたかな。対人の強さ、マークに対する集中力、MFの連動など、この辺はさすがといったところ。ブッフォン、カンナ、テュラムとユーヴェのトライアングルですな。贔屓とは言わせない。

次点としては、沢山書いた通り。みんな良い選手。僕が好きなのは読みとか危機察知に優れている選手。アジャラ大先生残って下さい、黄色いところとか行かないで。

ミゲウ(ポルトガル/バレンシア)

迷ったけど、オランダ戦でロッベンを抑えた功績、そして攻撃参加による効果的なプレーを評価して。正直バレンシアのプレーを見ている限り、パウロ・フェレイラで行った方が良いんじゃないかと思ってましたよ。ごめんなミゲウ。ただ、攻撃参加に置けるアグレッシブさ、思わぬ守備の強さなど、ミゲウここにアリというのは示していたと思う。正直びっくりした、何故これをバレンシry)

ザンブロッタに関しては正直1stチームに入れるべきだったかも。クオリティ高く、そして特性である左右上下どこでも変わらずにプレーして、結果も残してと文句の付けようがない。結構心配してたんだけどね、大会前は怪我があったし。まあ、どっちでも良かったけど、アズーリ多いかなと思ってさ。フランスのサニョルも良かった。

ファビオ・グロッソ(イタリア/パレルモ→インテル)

アズーリのラッキーボーイとしてかなりインパクトの強いプレーを見せ、その他普段のプレーでも1vs1の強さ、積極的なオーバーラップ(それに準ずる細かなテクニックによる局面打開力)など、ハイブリッドなプレーヤーであることを証明した。未だにアメリカ戦でグロッソではなくザッカルドを使ったのか、なぁリッピ?休ませようとしたのかねぇ。

次点はラーム、そしてヌーノ・バレンテと言うところか。ラームに関しては今大会No.1の破壊力を持つサイドバックだったね。突破力、シュート、クロスの精度と全てを持ち合わせており、攻撃面でのインパクトは非常に強かった。守備は……という部分もなきにしもあらずだけどね。ヌーノ・バレンテも良い選手だね、相変わらず。

ジェンナーロ・ガットゥーゾ(イタリア/ACミラン)

リッピに嬉しいのか憎しみなのか、クビ締めちゃうガッツさんサイコー。豊富な運動量と粘り強い対応で相手の勢いを殺し、エースキラーとしても機能、両サイドの挟み込みにもよく行っていたし、非常に実効性が高かった。ピルロが守備に置いても望外の出来を示していたとはいえ、やはりその存在感は余りに大きかった。素敵すぎて外すわけにはいかないね。バイタルの番犬というのがぴったりだった。正直マケレレと迷ったのは内緒だ。

アンドレア・ピルロ(イタリア/ACミラン)

トッティやデル・ピエーロといったイタリアを救うべき選手に波があった中で、低い位置でゲームをリズムを生みだし、守備にも体を張り、そしてアシストもゴールもしてと、獅子奮迅の活躍。アーティスティックだけど少々ひ弱なイメージを持っていたけど、今回のワールドカップに置いては、守備はもちろん、攻撃に置いても長い距離を走ってトッティのサポートに入ったり、前線に顔を出したりと、非常に精力的にプレーしており(てゆうかハードワーカーと見まごうほど)、プレーの実効性という部分でも抜群だった。セットも絶品。トッティやカモに蹴るなと言いたくなるぐらいね。

それと付け足しとして、普段はカカと縦のラインを形成しているけど、そのコンビがトッティに変わることで、自分のプレーも変えていたかな。速いドリブルで局面打開を仕掛けるカカに関しては前にスペースがある状態、前を向ける状態でボールを預ける志向を持ってプレーしている印象だけど、トッティはダイレクトプレーが多いのでなるべく距離感や角度を考えながらも精力的にサポートしようと言う意識が見えた。この辺は素晴らしい。彼の明晰な頭脳に感服。こういう選手がいたら良かったのにな……。

パトリック・ヴィエラ(フランス/ユヴェントス)

ユーヴェに来て「???」という評価をされたけど、3戦目のトーゴとの試合から、らしいダイナミズムが復活。攻守にダイナミックなプレーが戻って、世界最高峰のセントラルだった頃の凄みがあった。守備に置いても、マケレレ、ギャラス、テュラムとの意思疎通、役割分担は非常に統制が獲れており、ゾーンの番人としてしっかりと堅陣の一翼を担っていた。スペイン戦のスルーパスは絶品だったねぇ。何とか残ってくれないか?

ジネディーヌ・ジダン(フランス/レアル・マドリード)

まあ最後はあれだったけど、あれで価値が減るわけでもなく、最後までフランスの偉大なるコンダクターだった。本当にコンディションが良く、全般的にアグレッシブだったし、その中でもやっぱり神の域とも言える崇高なるテクニックによる周囲を活かすプレーは、光の見えなかったフランスを明るく照らした。あれが最後というのは返す返す残念だけど、伝説のプレーヤーの輝かしいキャリアを見てこれたことは今更ながらに幸せなことだった。一度で良いから生で見てみたかったな、糞高いチケットだったけど見に行けば良かった、集金ツアー。

これはちょっとずれるけど、フランスのこれからというのは大変だね。一時代の終わりとはいえ、ジダン、テュラム、マケレレといった名手を失う喪失感は本当に大きいと思う。今大会を見ても、もし彼らがいなかったら、ここまではこれなかっただろうし。もちろんアンリやリベリーといった今大会活躍した選手はこれからも代表を背負うだろうし、他にもクレール・フォンテーヌを代表とした育成期間から輩出された優秀な若駒も沢山いるから、全てが無に帰してしまうわけではないけれど、この名手なしのチーム形成に置いては一度失敗しているし、答えはまだ見つかっていないはず。そういう意味でこれからのフランス代表の行方はどうなるのか気になるかな。美しく強いらしいチームになって欲しいけど、ドメネクじゃなぁ……(まだ懐疑的なの、彼の手腕には)ジダン・シンドロームとフランス、興味深いテーマだね。

ミロスラフ・クローゼ(ドイツ/ヴェルダー・ブレーメン)
ルーカス・ポドルスキ(ドイツ/1FCケルン→バイエルン・ミュンヘン)

まあ1トップでクローゼ、というのが一般的かも知れないけど、二人のコンビネーションの良さに敬意を表して(てゆうか仲が悪いというのがネタだと思えるぐらい)てゆうか、ドイツ嫌いなんだけど、彼ら二人のパフォーマンスはドイツの印象を少し変えてくれた気がする。

クローゼは今大会得点王として当然の選出、今大会No.1FW。前回大会ではヘディングの印象が非常に強かったけど、今大会はストライカーとして全てを兼ね備えているオールマイティな所を見せてくれた。得点感覚、周囲を活かすセンス、フィニッシャーとしての精神力、技術、体の使い方に至るまで、本当に素晴らしかった。何よりもゴールを逆算してプレーできること、ゴールへの意識を常に持っていることが素晴らしい、狩人だね。アルゼンチン戦のゴールはまじ震えた(バラッククロス→ボロウスキヘッド流し→クローゼダイビングヘッド!)本当は嫌いなんだけどね、チーム共々(ドイツも、ブレーメンも)、でも認めないわけにいかない、素晴らしいプレーだった。

ポドルスキは、ポテンシャルというのを存分に見せてくれた。「プリンス・ポルディ」という冠に負けてないぐらいのインパクト。グループリーグでは消化不良気味だったけど、一度はじけてからはクローゼとのコンビネーション、強い得点への欲求、シュート力、そして技術レベルの高さ、そういうモノがポジティブに反映されてた。ブレイクと言っていいのかな。個人的にルーニーと似たようなイメージを抱いていたのだけど(DQNなところも)、パワーは負けても才能レベルでは大きくは見劣りしないと思う。結構好きなタイプよ、才能がある故の強気、そして結果を出す。天才と○○は紙一重と言うし。左利きだし。バイエルンでキャリアアップを果たした来期も注目だね。

ということで迷ったけど、こんな感じです。2ndチーム、又候補選手も入れておきましたけど、もっといたような気もするし、もう少し絞っても良かったかなぁ。ただ、これを見てもヨーロッパの選手が多い。この辺も又大会の特性というのを表しているのかも。てゆうか長いな…、すいません。とにもかくにも、ワールドカップはこれでおしまい。後は日本の事ね。頑張ります。ということで又4年後ですな、いや2年後のユーロ、いや来年のアジアカップか、サッカーはまだまだ続くってことで。

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