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July 05, 2006

駆け足レビュー@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Brazil vs France/England vs Portugal

色々あって、書けてなかった準々決勝の2試合を激遅ですが、駆け足で。まあプレビュー代わりにでもなればいいなぁと。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day21

Quarter Final
Brazil 0-1 France @ Frankfurt
FRA:57'T.Henry

FIFA MatchReport

ブラジルスタメン:GKジダ、DFカフー(→76'シシーニョ)、ルシオ、フアン、ロベルト・カルロス、MFジウベルト・シウバ、ゼ・ロベルト、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(→63'アドリアーノ)、カカ(→79'ロビーニョ)、FWロナウジーニョ、ロナウド

フランススタメン:GKバルテズ、DFサニョル、テュラム、ギャラス、アビダル、MFマケレレ、ヴィエラ、リベリー(→77'ゴヴ)、ジダン、マルダ(→81'ヴィルトール)、FWアンリ(→86'サハ)

フランスとブラジルの対戦で、アップセットという言葉が相応しいのかどうかは分からない。でも、世界最高峰のタレントを揃え、アルゼンチンでさえ大差で勝ってしまうほどのポテンシャルを備える今や絶対王者と言っていいブラジル、世代交代に失敗し、"過去"の英雄にすがってようやくこの舞台に立つことが出来てフランス、といった感じの大会前の評判を考えれば、「アップセット」という言葉を使っても、そうおかしいモノではないかな。ただ、中身はアップセットという言葉は使えない。フランスの復活を改めて強く印象づけるゲームだった。ブラジルを抑えきるのはどこも難しいからこそね。

何がゲームの綾だったのかと考えると、フランスの守備が素晴らしく、ブラジルの攻撃は美しいリズムを刻まなかったことになるのかな。もちろんその中には様々な要因が影響していたのだけど、全てをひっくるめて、点を獲れなかったという事に収束していくのだと思う。

この日のブラジルは、エメルソンが怪我、結果を残していたとはいえ本格稼働とはなっていないカルテット・マジコなどの側面から、システム・スタメンを弄ってきた。ワントップ気味にロナウド、セカンドトップ気味にロナウジーニョを据え、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、カカ、ゼ・ロベルト、ジウベルト・シウバがそれを支えるような形(最初は4-2-3-1のような感じに見えたのだけど)に見えたのだけど、これがうまく回らなかった。

本来であれば、テンポが良く、リズムを感じさせるパス&ムーブで相手を困惑させ、その混乱に乗じる形でフリーマンを作り出して、世界最高峰の技術力をフルに発揮できる状況を作り出す、って感じなんだけど、前半は選手間の距離も開いていてほとんど相手の守備ブロックを揺さぶるような形が出てこなかったし、トップはほとんど動かず、完全にテュラムとギャラスの所で存在が消え、ロナウジーニョも厳しく警戒されていたため、ボールが入っていかなかった。後半の途中で慣れた4-2-2-2に戻して、ある程度パスの回りが良くなって、ロナウジーニョがボールを触る機会も増えたのだけど、それでも一度狂った歯車を立て直すことは出来なかった。刺激を与える意味でのロビーニョ、シシーニョの投入も起爆剤にはならず、結局やりこめられたというのが正しいのかな。

確かにフランスの守備ブロックは素晴らしかった。特にブラジルが使いたいバイタルを完全にテュラム、ギャラス、ヴィエラ、マケレレで封鎖したのは素晴らしかったし、サイドに開いたりしてもポジションをズラしながら局面での数的優位を保って、穴という穴を作らなかった。これに関しては仕方ないという側面もあるのかも知れない。実際、この日のフランスの守備のクオリティはブラジルの攻撃の出来を上回っていて、どうにもならなかったという側面が強いのかなぁと。

ただ、本当のブラジルというのが見れなかったのがしこりのように残る。失点後の采配としてリスクを取るという采配も見られなかったし、選手達も何かを変えて相手の守備を崩す工夫をしようとかも見えなかった。まあそれだけ信頼に値するタレント群だったとも思うけど、そのタレントを活かす術としては持っていなかったと言うことなのかな。

まあ個人的にパレイラの志向性としてはカウンター型のチームだったと思うので、ポゼッションにおいて相手を崩すというのは選手の才能に任せていたとも言える。まあそういう意味では当然の帰結だったのかな、寂しいけどね。てゆうか、ブラジルらしさを見せたのは日本戦だけだったのか、出させてしまったとも言えるのだけど。

まあブラジルの出来は置いておいても、フランスはスペイン戦同様非常に整理された形でゲームに臨み、しっかりとゲームプラン通りに進めたことでブラジルを上回った。守備に関しては、上記の通り非常に硬く、ベテランの経験値の高さを表すような読みの鋭さも相まって穴を作らないチームに変貌している。

で、特に良くなったのがジダンの使い方。ジダンにMFとしてではなく、FWの様な役回りを与えることで彼に負担を余り掛けず(彼が自主的にやっている側面は感じるし、その辺は非常に体が切れているのかなぁと感じる)、しっかりと4-4のブロックを作って守る。で、前に出て行くときにジダンをボールステーションとしてボールを預け、そこからダイナミズムを付随させて相手を崩していく。リベリーやマルダはもちろん、グループリーグの第3戦で復活を遂げたヴィエラとのコンビネーションも目立つ。この試合でもジダンの警戒度は低かったとはいえ、彼が非常に多くボールに絡み、チャンスを生み出していたこと考えたら、とても良く機能するようになっていると感じました

ある程度まとまってきただけに、後はいかにゴールを獲るかという事に掛かってくると思う。セットでのゴールが目立つけれど、アンリ-ジダンとか、アンリ-ヴィエラという本線が繋がってくるか、オプションとしてのトレゼゲだったり、サハということなのかな。スタイルが変わると、チームの特性も変質して機能性、負担度などが変わってくるから、難しいところだけど、今の良い流れからすれば、冒険もしやすいんじゃないかな。星占いはしないにしても、ね。

とにかく、フランスの復活を非常に強く感じるゲームでした。ジダンのラストダンスの残数が残り"2"になったこと。これがとてもめでたいと思った。

Quarter Final
England 0(0-0/Ex 0-0/PK 1-3)0 Portugal @ Gelsenkirchen

FIFA MatchReport

ベッカムの負傷退場、ルーニーの退場など相変わらず負けるときにエクスキューズが付くイングランドらしい敗戦。ポルトガルもここまでのポジティブなパフォーマンスがイングランドの引きの姿勢に消されてしまった。全体的にはちょっと残念なゲームだった。

実際、勝敗はPKに委ねられ、そのPKで又リカルドが躍動しまくりで、ジェラード・ランパードをストップするというもの凄いことをやりのけたことでポルトガルが勝利したわけだけど、あれに何かが表れている気がした。あれだけもの凄いキック力を持つジェラードもランパードも思い切り蹴らずにコースを狙ったキックをした。あの距離で思いっきり蹴れば、読んでもそうストップモノではないと思うけれど、彼らはコースを狙ったキックをした。そこに今大会のイングランドの姿勢が表れていたかなぁと。選手間がバランスを取ることに腐心し、慎重な姿勢にならざるを得ないことを象徴してたのじゃないかな。まあたまたまなんだろうけどね。

で、この後ゲームのあるポルトガルだけ。この日はイングランドに引っ張られる形で良いパフォーマンスを表現できず、その中でフェリポンもおかしな事をしてたけど、ここまでのパフォーマンスを考えれば、フランスとも対等に渡り合うとは思う。守備は組織として熟練されており、攻撃に置いても中盤の高い構成力に加えて、神出鬼没なマニシェのダイナミズム、クリスティアーノ・ロナウドの突破力、フィーゴの老練なプレーなど、チームのストロングポイントをうまく内包しているとてもバランスの良いチームだと思う。てゆうか、デコ、コスティーニャ、マニシェが揃えば、普通にクオリティは上回るかも知れない。それくらいクオリティは高いと思う。課題としてはスコアに繋げる部分。

まあとにかくフランス相手にどんな試合をするのか、あの固い守備ブロックはスペインやブラジルといったこの大会の攻撃的な象徴だったチームを抑え込んだだけに、ポルトガルが崩せるかどうかは本当に興味深い。だから、ゴールを獲れるかどうかは別だけど。

そういえばウォルコットは使われませんでしたね。レノンは頑張ってたのに下げちゃうなら、そこで思い切っちゃえば良かったのに、と思ったのは内緒だ。

ということで全然まとめる気もなくやっつけですよ。たまには良いでしょ。てゆうか更新できなくて、その合間に書いただけだから。一応決勝トーナメントは全部カバー(笑)ということでここまでっす。

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