« An intense fight seems to War@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Germany vs Argentina | Main | 偉大なる選手の引退に思う。 »

July 03, 2006

開かれる道@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Italy vs Ukraine

完勝と言っていいかな。大会前のテストマッチで勝てていないこともあって、余り良い予感を持っていなかったのだけど、このゲームに置いては全てがアズーリの手にあった。で、しっかりとそれを活かして勝ちきった。うん、道が開けてきた。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day20

Quarter Final
Italy 3-0 Ukraine @ Hamburg
ITA:6'G.Zambrotta 59'&69'L.Toni

FIFA MatchReport

イタリアスタメン:GKブッフォン"ポストなんて怖くない"、DFザンブロッタ"万能・有能"、ファビオ・カンナバーロ"どうしてそんなに神なのか"、バルザーリ"仕事きっちり"、グロッソ、MFピルロ(→68'バローネ)、ペロッタ、ガットゥーゾ"番犬"(→77'ザッカルド)、カモラネージ(→68'オッド"祝・出場")、トッティ、FWトニ"信じてたよ"

ウクライナスタメン:GKショフコフスキー、DFグセフ、ルソル(→45'+2'バスチュク)、スビデルスキー(→20'ボロベイ)、ネスマチニー、MFティモシュク、シェラエフ、グシン、カリニチェンコ、FWシェフチェンコ"しっかり応援してね"、ミレフスキー(→72'ベリク)

大会前にテストマッチで対戦して、スコアレスで終わっているこのマッチアップ。やはり注目はミランでエースとしてプレーし続けたアンドリー・シェフチェンコがセリエ最高峰の選手達を集めたアズーリに対して、どのようなプレーを見せるのかというところ。

前戦は退場者を出しながら、瀬戸際のPKで勝ちをさらったアズーリでしたが、その退場となったマテラッツィが出場停止、ネスタもまだ試合出場は難しい状態で第4のセンターバックであるバルザーリがスタメンとなる緊急事態(まあバルザーリも悪い選手じゃないけど)シェバ相手には相性が悪いこともあり、その辺は不安が残るところ。まあここまでは変更を余儀なくされた部分で、それ以外にもリッピは手を加えてきた。ワントップにトニ、その下にトッティ、そしてそこに4人のMFを並べてフレキシブルに動く感じの4-4-1-1(4-3-2-1?カモは結構高い位置)を敷いてきた。ウクライナ対策の答えか。ウクライナの方は、前戦出場停止だったルソルとスビデルスキーが復帰。けど、シェバと共にウクライナの前線を支えていたボロニンが怪我で離脱してしまったため、その代わりに"ネクスト・シェフチェンコ"ミレフスキーを抜擢。ブロヒンは彼のポテンシャルに期待を掛ける。

前半

前戦の鬱憤を晴らすかの如く、序盤から積極的に出たアズーリは、ウクライナも最大の警戒をしていたであろうトッティの存在を逆手にとってチャンスを生み出す。ファーストチャンスはカモラネージから。ボールを奪って中盤で奪うと、パスコースを切る姿勢が見えたウクライナのディフェンスの虚を突いてカモラネージが中央を局面打開、そのまま突き進んで自らミドルシュート。そして、その勢いのまま先制点を奪う。

左サイド、ザンブロッタに展開すると、斜めの楔をトッティへ。トッティにはティモシュクがマークに付いていたが、そのマークを一瞬離して選択したプレーはダイレクトのヒールパス、そしてザンブロッタが一気にスピードアップ、ワンツーの形で完全にウクライナの中盤組織を突破するとそのまま右足で低い弾道の強烈なミドル!ルソルのブロックをすり抜け、抜群のコースに飛び、ショフコフスキーも及ばず。トッティのテクニックとインスピレーションがウクライナの組織を壊し、そしてザンブロッタのダイナミズムと思い切りが実る形であっさりと先制点を奪った。

これでアドバンテージを得たアズーリは落ち着いてゲームを展開。守備意識の高さと早い判断で守備の仕方を柔軟に変えながら相手に反撃の隙を与えず(時には高い位置から奪いに行き、時にはゾーンを組み収縮してミスを誘発させたり)、攻撃面にでは奪ってから速い攻撃を志向しながらも、中盤で速いテンポのパス回しをしながらトッティのダイレクトプレーやトニのポストを使ってフレキシブルにポジションを崩してダイナミズムを加えてウクライナの守備陣を崩しに掛かる。安定したゲーム運びで握ったペースを離さない。

ウクライナとしては一番避けたいゲームの立ち上がりとなってしまった。その中でビハインドを返すためにも反撃したいところだったがなかなか自分たちのゲームをさせてもらえない。それを見てか、ブロヒンは20分の所で早くも動く。速いタイミングで一枚イエローをもらい、トニの対応に苦慮していたスビデルスキーに代えてボロベイを投入。グシンをセンターバックに下げ、右サイドにボロベイを上げる。しかし、この交代もウクライナの武器である質の高いグループでのスティールからの速攻を呼び寄せる要素にはなり得ない。

スピードの上がらないウクライナの攻撃をあっさりといなしながら追加点を狙ったアズーリでしたが、中盤のボールの動かし方などにクオリティを見せたモノのシュートに繋げられない拙攻が続き、逆にウクライナの攻勢が強まる。ティモシュクのショートクロスに対してマークがずれて怖いシェバにヘッドを許してしまったり(枠には飛ばせず)、長い距離からティモシュクにミドルを飛ばされたり(落ちていく良いシュートだが、枠に収められず)、楔からミレフスキーのポストを経由してシェバにペナ外から狙われたり(これはカンナのブロックもあって逆は突かれたモノの力無くブッフォンの元へ)得点に繋がりそうな匂いこそ薄いモノのシュートを打たれるシーンも。

しかし、それもしっかり凌ぎきって前半終了というところで、アズーリを更に有利にする要因が。ウクライナの守備の中心のルソルが競り合いの際に踏まれたのか右足を痛め、結局交代を余儀なくされてしまう。前半の時点でウクライナは交代カードが残り一枚という事になってしまう。結局前半は1-0。

後半

前半終盤の守勢をはね返そうとトッティの縦パスからトニがシュートを打つという立ち上がりを見せたアズーリ。しかし、流れは変わらず、ビハインドのあるウクライナ。そして、肝を冷やすシーンが続く。

まずはうまく右サイドから局面打開されカリニチェンコのクロスに対してバルザーリのクリアがオウンゴールとなりそうになると、その後のCKの流れでセカンドボールを拾ったティモシュクが左からアーリークロス、それをクリアしきれずファーに流れると、走り込んだグシンがヘッド。叩きつけたボールは素晴らしいコースに飛んだがブッフォンが素晴らしい反応で指先セーブ、勢い余ってポストに頭をぶつけてしまうほど非常に危ういシーンだった。

その後も両サイドからのチャンスメイクに脅かされ、ウクライナにとってこの日最大のチャンスが。右サイドでボールを引き出したシェバが中に切れ込みながら左サイドに展開、パスを受けたシェラエフ(かな?)がミドルを打ったが打ちそこない、しかしそれがうまく作用してミレフスキーへの楔のような形となり、完全にアズーリのラインは混乱、ミレフスキーはアズーリディフェンスのアプローチをいなす形でフリーとなっていた右のグセフへ流し、グセフは近距離から強烈なシュート!これはブッフォンの素晴らしい反応ではじき出す。ただ、まだ終わらない。はじき出されたボールは逆サイドグシンの元へ、躊躇なくグシンはシュートを打ったが、これはポスト際ゴールカバーに入っていたザンブロッタがブロック、最大のピンチを水際の芸術的なディフェンスで凌ぎきった。ウクライナとしては痛恨。そしてピンチの後にはチャンスありなのか、イタリアに神様からの贈り物が。

グロッソがオーバーラップしたことで奪った左サイドのCK、ショートコーナーからトッティが角度を付けて中に折り返すと、フリーのカンナバーロは合わせきれなかったモノのグシンよりも内側でマークを制していたトニがダイビングヘッドで押し込んだ。トニはワールドカップ初ゴール。ここまでは実効力は素晴らしくチームに貢献していただけに、ゴールだけが足りなかったところでのようやくの発ゴール。乗ってくれるとありがたい。

返す刀でFKから、又もグシンに脅かされるモノの(グロッソのマークをモノともせず、上からヘッドでファーに飛ばしたがバー)2点目で余裕が出たのか、カモラネージに代えてオッド、ピルロに代えてバローネを投入。オッドが右サイドバックで、左サイドバックにザンブロッタがずれ、そして玉突き的にグロッソが一枚前に上がる。すると、すぐさまその采配が3点目を生み出す。

スローインから、浮き球のパス交換で左サイドを局面打開すると、鋭い切り返しでザンブロッタが中にカットイン、そのままスライディングで中に折り返し、中に詰めていたのはトニ。イージーに押し込んで決定的な3点目!システムを弄ってそれがすぐに結果に繋がる。チームにとってはこれ以上ない形で勝負を決定づけるゴールを奪った。トニは解放されたのか立て続けにゴール。信じてたよ、やってくれるって。

これでゲームは決まった。この後シェフチェンコの強烈なFKがあったりと一矢を報おうとしたウクライナの攻撃をしっかりと無失点で締めて、3-0という大差、イエローカードなしと、最高の形でこのゲームを終えた。アズーリはあのアメリカ大会以来の準決勝進出。

まあ点差ほど、素晴らしい内容だったのかというと微妙なところだけど、まあゲームの主導権というか、流れを持って出来ていたのはアズーリで、自分たち次第という側面の中で局面局面で良いプレーしてくれていたので、結構安心して見れました。願ってもない結果で勝ち抜けたことはこの先を考えるととても大きい。正直大会前のテストマッチを考えれば、このような結果は予想できなかったけれど、大会を戦う中でチームがまとまってきていて、又運なども持ち合わせていると言うことを感じられた一戦だった。

まあ、ウクライナのチームスタイルがアズーリにとっては与しやすいモノだったことは否定しない。スイスが相手だった方が嫌だったかも知れない(前回書いたけど、共に組織として非常に充実しているチームな訳だけど、その特徴として個人の判断を内包しているだけにそれが破綻の遠因となり得るウクライナとゾーンを敷いてスペースを消してくるスイスだったら、やりづらさを感じるのはスイスだったかなぁと)ただ、それを可能にしたトッティのダイレクトの技術とインスピレーションはやはりアズーリ最大の武器であることを感じれた一戦だった。

まあ両チームのスタイルを考えれば先制点が大きなファクターを握ることは容易に想像できること。その中で相手のバランスをあっさりと崩すことが出来るプレーを出来る才覚というのはやはり大きい。周囲との関係というのも確実に良くなってきており、ゴールを決めたザンブロッタだけではなく、トップのトニやジラ(今日は出てないけど)、中盤で彼をサポートするペロッタやガットゥーゾの動き出しのタイミングを見てもそのダイレクトプレーを意識したモノが多く、嵌ればある程度は可能性の感じる形を生み出せそうな予感がある。

まあこれは余談なのだけど、トッティの能力は基本的に信用しているというか、今栄華を誇っているジダンやロナウジーニョといった大スターとも劣らないモノを持っているのかなぁと個人的に思っている。まあムラがあったり、精神的な脆さ(特に大舞台)、不安定さというのがあって評価が低くくなりがちなのだけど、本来持っているモノを発揮できれば、同じぐらいの評価を得れると思うんだよね。もちろん二人のような芸術的なボールタッチやフェイントをするわけではないし、局面打開力という面でも劣るけれど、もしジダンやロナウジーニョが「時間」や「空気」を司る天才だとしたら、彼は「瞬間」を司る天才といえるのかも知れない。常に警戒され、ボールを持てばバイオレンスなプレーで潰されるプレーエリアで、いかに実効性の高いことをするのかというセリエのプレーヤーらしいひらめきを持っていると思う。フリーマンを見つける周辺察知の速さ、ダイレクトでのプレーセンス、安易に引いたりして逃げない精神など、この辺は本当に質が高い。気まぐれなのは変わらないかも知れないけれど、あと2試合、更に彼が活躍してくれればイタリアが王者に近づける可能性は高まるはず。逆説的にイタリアは彼がやらなければ優勝できない。今度こそ、やってくれ(特に次のドイツ相手にはその能力を発揮して欲しい。最近は勢いに隠れて顕在化していないけど、裏への対応の弱さ、不安定さは早々解消されるとは思えない。その不安要素をダイレクトプレーでえぐれればチャンスは出てくる(ダイレクトプレーはノープレッシャーと同じようなもので、タイミングが計りづらいだろうし)まあリッピがどのようなスタメンを組んでくるか分からないけど(前回の4-1虐殺劇を重視すればトッティはベンチだけどね)、例えばジラやピッポの裏を取る巧さを噛み合えば……という感じはある)

で、負けちゃったウクライナだけど、初出場でベスト8は立派。この試合は高質な組織と個人能力の融合した中盤でのプレスからのボール奪取(逆にそれは利用されちゃったし)、そして直線的で速い攻撃というのは出せなかったけれど、不得意とする遅攻からチャンスを作ったりと意地は見せてくれた。シェバの出来が、良いときのそれと比べると余り良くなくて、怖さがなかったのは残念だけど、大きな一歩な事に間違いはないでしょう。3試合連続無失点は立派だし、ウクライナというチームのクオリティは充分見せてもらったと思う。後半序盤のチャンスが決まってたら、こんなに楽にはなってなかったよ。とにかくおめ、そして乙。

で、最後に。この試合の3日前にアズーリ、そしてユヴェントスで長くプレーしていたジャンルカ・ペソットがビルから転落するという事故が起こりました。ユーヴェに籍を置き、共にプレーしてきた仲間の事故にとても心を痛めただろうけど、そんな中でザンブロッタ、ブッフォン、カンナバーロ(試合には出なかったけど、アレックスも)、そして監督のリッピなどが素晴らしい仕事をして勝利に導き、試合後にはその旨を伝えるメッセージフラッグを持ってエールを送っていたり、リッピが会見で「この勝利をジャンルカ・ペソットと彼の子供、彼のすべての家族にささげたい」と話したことにもの凄い感動した。もちろん、アズーリで共にプレーした選手は未だに多く残っているし、ライバルとしてしのぎを削った選手達も素晴らしいプレーをしてくれて嬉しかった。この事故がどのような事故だったのかは分からないし、未だにペソットは回復に向かってるとはいえ予断を許さない状態のようで、軽率な事は言えないけれど、この試合で勝ったことはとても特別だったと思う。

とにかく、これで満足な訳じゃない。ここからでしょ。チャンピオンになる資格は得たけれど、それを手にするかどうかはこれからのプレーに掛かってる。ハードなプレーが多いドイツなだけにアメリカ戦のようにならないように、しっかりと頑張って欲しいもんだ。ということでここまで。次はフランス-ブラジル。イングランドはやるかわかんね。

|

« An intense fight seems to War@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Germany vs Argentina | Main | 偉大なる選手の引退に思う。 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/10769353

Listed below are links to weblogs that reference 開かれる道@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Italy vs Ukraine:

« An intense fight seems to War@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Germany vs Argentina | Main | 偉大なる選手の引退に思う。 »