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July 09, 2006

最後の大舞台、最後の邂逅@FIFA WORLDCUP Germany2006 SemiFinal Portugal vs France

心奪われたり、忙しかったりと、色々なことがあって更新間が空いちゃいました。で、まだやっていなかった準決勝の2試合目、ポルトガルとフランスを。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day23

Portugal 0-1 France @ Munich
FRA:33'pZ.Zidane

FIFA MatchReport

ポルトガルスタメン:GKリカルド"神、降りてこず"、DFミゲウ(→62'パウロ・フェレイラ)、フェルナンド・メイラ、リカルド・カルバーリョ"足技の落とし穴"、ヌーノ・バレンテ、MFコスティーニャ(→75'エウデル・ポスティガ)、マニシェ、フィーゴ、デコ、クリスティアーノ・ロナウド、FWパウレタ(→68'シモン・サブローサ)

フランススタメン:GKバルテズ、DFサニョル、テュラム、ギャラス、アビダル、MFマケレレ、ジダン、リベリー(→72'ゴヴ)、ジダン、マルダ(→69'ヴィルトール)、FWアンリ(→85'サハ)

美しく、強かった01/02のレアル・マドリードを覚えているだろうか。そう、記録的な金額でジダンがイタリアからスペインに渡った年だ。ジダンの加わったチームにはフィーゴがいた。二人はレアルの攻撃を牽引し、彩り、チームを欧州一に導いた。そんな二人の最後の邂逅。それがこの大舞台。正直ぐっと来た、始まる前から。

そんなノスタルジックな感慨は置いておいて、ゲーム前の状況を。ポルトガルは数的優位な状況を得ながら、イングランドの固いゾーンを崩しきれず、PK戦まで「粘られた」という感じだった準々決勝。しかし、一つのエクスキューズとして、デコとコスティーニャの出場停止という部分もあって、その二人がこの試合では復帰。この二人にマニシェを加えたポルト・トライアングルの再形成で、再びポルトガルらしいサッカーの復活に期待を掛ける。対するフランスは、非常に質の高い守備ブロックで調子は上がらなかったとはいえ世界最強のタレント軍団を沈黙させ、復活を印象づけた。ジダンを中心とした攻撃陣もポテンシャルを最大限活かしているとはまでは言えないモノの、落としどころを見つけた感があり、チーム全体を見れば総じて上り調子といえる。スタメンの変更はなし。

どちらもこの試合では累積警告の不安を抱えている選手が多いこと、連戦の疲労という心配はあるが、特性を出し合うようなゲームを期待。

前半

開始40秒、いきなり得ていた手応えを表現するフランス。テュラムのロングフィードから、アンリを囮にマルダが裏のスペースを突いてシュートに繋げる(シュートは枠外)対するポルトガルはストロングポイントを前面に押し出し、それをアクセントに攻めに出る。デコのパスを受けて前はオープン、ブーイングの中クリスティアーノ・ロナウドが発進。スピードアップして中に切れ込み、サニョル、マケレレを引きつけて、走り込んだデコのシュートを引き出す(横パスを受けたデコが右への展開を伺いながら逆の体勢からグラウンダーのシュートもバルテズセーブ)同じように左サイドから中に切れ込み、強い警戒感を逆手にとってヒールパスからマニシェのシュートを引き出す(彼がボールを持って中に来た瞬間、マケレレとヴィエラがもの凄い警戒して距離を詰め、潰そうとした。しかしそれを逆手に取られてマニシェに対して誰も警戒できず)どちらも自分たちの良さを出そうという気概が伺える立ち上がり。こういうビッグゲームには珍しい展開かな。

どちらも前からプレスを掛け、奪いに行こうという意志を感じたモノの、両チームのボールを繋ぐ技術がその守備を凌駕する。それにより、守備よりも攻撃が目立つ展開になった。そんな展開で可能性を感じたのはポルトガルの方。ショートパスとミドルパスを使い分けながらサイドアタッカーが力を発揮できる状況を整え、そこを突破口に良いチャンスを作る。序盤は左サイドでのプレーが目立ったロナウドの中に切れ込むプレーはもちろん、アビダル-フィーゴというマッチアップが多かった右サイドもフィーゴがアドバンテージを持ちチャンスを作る。最後の所では迫力不足もかいま見えたが、ポルトガルのクオリティというのが表れていた感を受けた。

しかし、フランスも一方的に押されていたわけでもなく、細かくボールを繋ぎながら相手の隙を伺い、前の4枚の絡みで相手を崩しに掛かっていた。ジダンがボールを触れば、攻撃にアクセントが付いてそれなりに形になり、改めてジダンの空間コントロールの凄さは出ていた。が、コスティーニャに多くの時間マークに付かれていたこともあって、時間を作ってシュートを導き出したり、自らシュートを打つようなシーンは作れず。どちらも中盤での攻防では質を備えていたモノの、アタッキングエリアではその質を発揮することが出来ず、余り得点の匂いは感じなかった。

アクティブながら静かな展開でゲームが進んでいくと、一つのプレーディティールがゲームを動かす。前半32分、リベリーのパスを受けてマルダが斜めに切れ込んで相手ディフェンスを引きつけると、ボックスすれすれの所でポジションを獲っていたアンリへ。アンリは斜めの方向でボールに入るとアウトサイドで軽くファーストタッチ、そして続けざまに速いタイミング(タッ、ターンって感じ)のアウトサイドで中へ切り返す。すると、対応に入っていたリカルド・カルバーリョは読みを外され(体の方向のコースを切っていた)、2タッチ目の切り返しに対応しきれず苦し紛れのスライディング、これがアンリの足に掛かってしまう。これに主審は躊躇なくPKの判定。このPKをジダンが決めて、フランス先制(リカルドは又読んでいて、触れそうだったけどね。ジダンの神通力か)アンリのアイデアとボールコントロール、これが局面に置いての差を生んだ、かな。

これでゲームも動き出す。ビハインドを負ったポルトガルは一気に前に出て、そのビハインドをはね返しに掛かり、フランスは一時それを受けてしまうと言う展開に。序盤から目立っていた右サイドでの優位性を活かしてチャンスを作り、その流れからセットのチャンスも得る。しかし、最後の所ではマークが外れておらず、迫力不足は否めず。速い攻撃もフィニッシュシーンではズレを生み出すことは出来ず。結局前半のうちにビハインドを返すことは出来なかった。0-1で折り返す。

後半

フランスは先制したこともあり、前半とは守り方を変える。トップにジダンとアンリを置いて彼らがある程度のアプローチを掛けてパスコースを制限。そして4-4のゾーンを敷いてスペースを消して、入ってくる所を対応すると言う形にシフトさせる(もちろんそれだけをやるのではなく、前から行くときもある。ただその度合いの問題)ポルトガルとしては、イングランド戦でも弱点として露呈したゾーンの切り崩しを強いられて、なかなか攻め手が掴めなくなってしまう。それを表すように後半のファーストチャンスはポゼッションを持っていたポルトガルではなく、慎重にバランスを考えながらプレーするフランスに生まれる。バックパスのミスを拾ったアンリが一人で敵陣深くまで持ち込み、フォローが来たモノのそのまま縦に突破して角度はないながらもグラウンダーのシュートでリカルドを脅かす(が、リカルドがセーブ、CKに逃れた。こぼれ球が脇下を抜け、危うかったね)

この後も守備が後手になりがちで危険なシーンを作られたりと厳しい立ち上がりとなったポルトガルは、フランスの攻勢が一段落したところで後半最初のチャンスが。攻撃に移る最初の段階でパスが繋がらず、攻撃に移ろうしていたためゾーンが崩れる。これによりフィーゴがバイタルでフリーとなり、そのフィーゴからボックス内のパウレタへ楔、パウレタはテュラムを背負いながら反転してシュート。鋭いシュートだったが枠に収めることは出来ず。CFWが初めてシュートらしいシュートを打ったシーンだった。しかし、このプレーも好転のきっかけにはならず。偶発的なミスがなければ穴を作り出さないフランスのゾーンの攻略法を見いだしたわけではないからね。前半ほどウインガーのボールタッチが触れなくなり、ボールを持っても中を切られて縦に行かざるを得ないドリブルワークは相手の守備に与えるインパクトは少ない。デコはプレッシャーのきつい地域でほとんどプレーさせてもらえず。

そんな中でポルトガルに更に厳しいアクシデント。攻撃面で魅力を持つミゲウが足を痛めて出場続行不能に。リスクを冒す事も考えられたが、フェリポンここはスタンダードに同じポジションの入れ替えを選択、パウロ・フェレイラが入る。これで交代カードを一枚失う結果に。この交代では当然劇的な改善をもたらすこともなく、相変わらずフランス守備に対しての攻略法を見いだせない。それでも手をこまねいている余裕のないフェリポンは2枚目のカード、シモンを投入。この交代がパウレタ、イングランド戦でもあったクリスティアーノ・ロナウドを1トップに据える形に。しかし、前戦同様大きな効果はもたらせず、逆に唯一打開の可能性を秘めたロナウドのドリブル突破を失ってしまう。フェリポンはそれを見てかすぐさまエウデル・ポスティガをコスティーニャに代えて投入し、初めてバランスを崩して攻め手を強める交代策となった。

フランスは、マルダに代えヴィルトール、リベリーに代えゴヴと運動量を求められるサイドのポジションをフレッシュにするという形に。もちろんバランスは変わらない。ゾーンを打破するキーは見つかっておらず状況は変わらなかったが、サイドバックが高い位置に出て、前に掛かる人数も増えたポルトガルに救いの点が差し伸べられる。左より20m付近で得たFK。クリスティアーノ・ロナウドの放ったシュートは壁を越えて一気に落ちていくナックルシュート。威力を備えながら急激に変化するボールにコースに入っていてもバルデスはキャッチしきれない。上にはじかれたボールに反応したポスティガ、フィーゴが詰め、最後はフィーゴがジャンピングヘッド!フリーでのヘッドだったが、ミートポイントが高すぎたのか枠の上……。大きなチャンスを逃してしまった。

時間が少なくなって、長いボールでの攻撃構築に最後の可能性を託したポルトガル、前線に上がったフェルナンド・メイラの所に2つのチャンスが来たがそのチャンスを生かすことは出来ず(一つはパワープレーのセカンドを拾ってのシュートだけど枠を捉えきれず、そしてもう一つはバックパスをさらったところで前オープンにおけるスルーパスもオフサイド)、結局フランスの堅陣を攻め落とす事が出来なかった。結局アンリの細かなテクニックが勝負を分ける形でフランスが決勝戦に駒を進めた。

正直、寂しいゲームだった。第3者の感想なんだけど、もっとハラハラワクワクドキドキしたかったなぁと。フランスの1プレーでゲームの趨勢が作られ、そしてそのまま決まってしまう。フランスとしてはすべき事をしているだけで、決勝への道が「開けた」という感じに見えました。もちろん、勝ったフランスにしても、負けたポルトガルにも、非難も批判もするつもりはないけれど、4年に1度の大会のセミ・ファイナル、もっと魅力あるゲームになって欲しかったというのが素直な思いですね。

ゲームの綾としては、色々あったのでとりあえず羅列。

・先制点

まあ上記の通り。あのPKで一気にゲームの流れがはっきりした。後半に入った時点でフランスは4-4のゾーンを組んで、前半よりも更に守備にかなり意識を裂くようになった。これでポルトガルの苦手な閉塞した状況から切り崩すと言うことを求められ、結局その課題を打破することが出来ず、フランスの思惑通りに静か二ゲームが終わってしまったという感じだった。

そこに関わる部分ではやはりアンリの存在。なかなかアンリらしさというのがこの大会通じても見れていないし、あのPK奪取に繋がった一連のプレーも彼の特徴とは少々趣の違うプレーだったと思う。ただ、その中で一瞬のひらめきとそれを具現化できる技術力が活きた。逆に先制点を獲れなかったポルトガルは、1トップのパウレタの存在感が本当になかった。ボックスストライカーとして優秀な選手だと思うけど、それでも前戦同様、優秀なセンターバックの前ではあっさりと消されてしまった。

まあこの差は正直大きかったかな。何かパウレタに対しては酷評になってしまった。良い選手だとは思うけど、あくまでもフィニッシャーだから、獲れないと批判されてしまうのは仕方ない。まあそれがFWと言う職業ですな。

残酷だけど、トップの差。両チームの差を分ける一つの要因だった。

・厳格で優秀な審判と狡猾なポルトガルの相性

この試合通じて非常によく見られたのだけど、ポルトガルの選手はファールを「もらいにいく」プレーが多かった。しかし、主審のラリオンダはその演技じみたプレーを明らかに切り捨てていた感じがあって、そのほとんどを獲ってもらえなかった。

で、その繰り返しの中でポルトガルは自ら崩れていった感がありました。メンタル的な側面でも判定に対して非常に過敏になってバランスを失っていたように見えたし、倒れては見たけど笛は鳴らず、奪われて攻撃が切れてしまう。リズムなき淡泊な攻撃の一端になっていたのかなと。

・フランスの堅陣と崩せないポルトガル

で、メインファクターかな。イングランド戦では「デコがいないから……」なんて思ってましたが、引くことしかしないイングランドとは違い、フランスのゾーンは収縮しながらプレーのスペースを消してくる、フランスのゾーンによって前戦にもましてポルトガルは苦しんだ。まあ細かくは書かないけど(上に書いたし、前回も書いてる)フランスのゾーンの機能性の高さがポルトガルの攻撃構築能力を飲み込んだという形かな。スペイン、ブラジル、そしてポルトガルが餌食、これがこの守備のクオリティを表していると思う。

まあこればっかりは仕方ない。引かれたら崩せないよ。しかもその組織を構成している選手一人一人を見てもしっかりしている。唯一の打開の可能性のあったロナウドやフィーゴも収縮されて常に2枚で見られるような形で対応されてはなかなか厳しい。そして期待のデコもプレッシャーの強い地域でプレーできず、ボールは裁けてもアクセントを付けることは出来なかった(バルサの時はやってるんだけど、やっぱり役割が違うこともあるのかな。ロナウドのキープにうまく反応する形でフリーになって……とか見たかったけど)

まあ予想通りっちゃあ予想通り、本質的な部分でポルトガルの脆さが露呈したということなのかなと。まあこんな感じかな。

まあ試合内容はあれだったけど、ジダンとフィーゴが最後はシャツを交換して抱き合ってるシーンは、やっぱりぐっと来た。だから、まあそういうシーンを見れただけでも幸せだったかも知れない。で、ジダンのラストダンスの舞台はWC決勝、整いすぎです。まあそれだけ偉大だから、神様も気を遣ったんだろう。最高の花道が整えられ、後は最高のヒールであるアズーリを蹴散らして、ジダンがジュール・リメ杯を掲げて、めでたしめでたし……っておい!まあ正義の味方より悪役が似合うのは間違いないにしても、こんなシナリオ通りに進んで良いはずがない。だってサッカーの神様は気まぐれ、じゃなきゃここまでサッカーは面白くなってないんだから。まあどっちにしても良いゲームになって欲しいなと。と言うことでここまで。今からご飯食べて、ふろ入ったらプレビュー書きます。さらっとね。

*ちなみにイタリア-フランスは、イタリアが青、フランスが白だそうな。'98、'00と青い方が勝ってる(フランスだけど)

*ココログ凄い重いです。もうごめんなさい、本当にごめんなさい。メンテやるそうです。スケジュールは、11日14:00~14日14:00の48時間だそうな。延長もあるかも。死ねばいいのに。その間、更新できないらしいっす。基本的に僕はこの期間で総括をやろうと思ってたのですが、もしかしてずれ込むかも。本当ご迷惑おかけします

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