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July 01, 2006

An intense fight seems to War@FIFA WORLDCUP Germany2006 Q.Final Germany vs Argentina

フットボールは戦争、歴史がプライドをくすぐって、もの凄い熱いゲームになっていった。これぞ、がちんこ。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day20

Quarter Final
Germany 1(Ex 0-0/PK 4-2)1 Argentina @ Berlin
GER:80'M.Klose ARG:R.Ayala

FIFA MatchReport

ドイツスタメン:GKレーマン、DFフリードリッヒ、メルテザッカー、メッツェルダー、ラーム、MFフリングス、シュナイダー(→62'オドンコール)、シュバインシュタイガー(→74'ボロウスキ)、バラック、FWクローゼ(→86'ノイビル)、ポドルスキ

アルゼンチンスタメン:GKアボンダンシエリ(→71'レオ・フランコ)、DFコロッチーニ、アジャラ、エインセ、ソリン、MFマスチェラーノ、ルイス・ゴンザレス、マキシ・ロドリゲス、リケルメ(→72'カンビアッソ)、FWテヴェス、クレスポ(→79'フリオ・クルス)

'86、'90、ワールドカップで決勝を争った2つのサッカー大国がこの準々決勝というタイミングで対戦。きっと誰もが楽しみになるマッチアップですな。

ライバル同士のマッチアップの中で動いてきたのはアルゼンチン。前戦120分間戦ったということ、セットプレーに置ける高さなどを鑑みてか右サイドバックにコロッチーニ、中盤はカンビアッソに変えて2戦目に怪我を負ったルイス・ゴンザレス"ルーチョ"が復帰して早々スタメンに名を連ね、トップはサヴィオラではなくテヴェスを起用。ドイツは前戦と同じ11人。それぐらい今のチーム状態には自信があるという証明か。今日の主審はルボス・ミシェル。

フランス-スペイン戦の中でスペインサポが懲りずにモンキーチャントした事が影響したのかしなかったのか、この準々決勝から国歌斉唱の前に人種差別根絶のためのセレモニーが含まれた。

前半

非常に慎重で、そして厳しい立ち上がり。どちらも局面でもの凄く激しいコンタクトし、相手を潰していく。そうなると、流れがファールで止まるシーンが多くなり(ネガティブな意味ではなく、流すレベルじゃなかったから)、セットプレーというのが多くなるが、そこも集中力高く潰していく。ファーストシュートはそのFKから。ポドルスキが少しボールを動かしてから、壁の横を低いボールで狙ったモノ(アボンダンシエリが少しファンブルするが、自ら抑える)

局面の中で分かる事というと、アルゼンチンはプリメイロボランチにマスチェラーノ、セグンドボランチにルーチョ(彼の特性を鑑みてか、余り制約がないように見えた、ただ守備の意識は非常に高い)、右にマキシ、中央から左フリーな感じでリケルメ、左に高めで守備もするテヴェスが張り出すという感じ。テヴェスがバックライン近くまで下がったりと、守備意識が非常に高く、貢献度高い。で、ドイツは、フリングスはほとんど上がらず、フリードリッヒも同様。バラックも低い位置でプレーすることが多い。いける選手がとにかく局面で激しく行って(特にリケルメ)技術を出す余裕を与えたくないという意図が見える。

リアリスティックで戦争のようなコンタクトがピッチで繰り広げられる中、まずゲームのリズムを握った感があったのはドイツ。非常に高い位置から激しくプレスを掛け、相手に呼吸させず、アルゼンチンのリケルメを中心としたゆったりとしたポゼッションサッカーをさせない。で、奪ってからはスペースを見いだしてはアタッキングエリアに入って崩しにかかる。ラームもこの時間帯はそれなりに上がっていって、ドリブルからコロコロさんを恐慌に陥れていた。そんな展開の中で、前半唯一のビッグチャンス。シュナイダーのアーリークロスは近い位置でボールを受けようとしたトップの二人をデコイにファーへ、大外からダイヤゴナルに入ってきたバラックがほぼフリーの状態(コロコロさんが一応付いていた)でヘッド。しかしこのヘッドは枠を逸れ、チャンスを生かすことが出来ず。

時間と共にドイツのプレッシングが弱まる傾向が見え始めると、ゲームの流れはアルゼンチンへ。特徴でもあるゆったりとボールを動かすポゼッションから、リケルメやテヴェス、ソリンのいる左サイドから攻め手を伺う。特にリケルメは低い位置で前を向いてタイミングが合うと、何度か「そこに出すか!」と言ったようなのスルーパスでトップに合わせる形が何度か見えた。しかし、ドイツディフェンスもラインコントロールで止めるのではなく、人を捕まえ、コースを切ることで何とか凌ぎ、決定機を許さない。

とにかく守備の意識が高く、集中力も途切れない、消しあう、潰しあうという印象の前半は、スコアが動く予兆を見せぬまま折り返すことに。

後半

前半はほとんど見られなかった右からのオーバーラップをいきなりフリードリッヒが仕掛けたことを見ても、かなり前への姿勢を出してきたドイツ。自ずとプレッシングを核にした硬い展開からオープンな攻め合いとなって、前半からはがらっと変わってアグレッシブなゲーム展開になる。そして、そのゲーム展開に呼応するように、スコアも動く。

押され気味だったアルゼンチンが右からのCKを得ると、リケルメのアウトスイングのキックはふわっと浮き上がってから狙ったところへ落ちながらセンターへ、そのボールに対してクローゼに寄せられながらボールサイドに入っていたアジャラ大先生がダイビングヘッドで合わせた。ラームのゴールカバーも、レーマンの反応も及ばずゴールに突き刺さって、アルゼンチン先制。リケルメがこの日初めてスタンダードに入れてきたCKが点に繋がった。アジャラ大先生おめ。

これで一気に火が付く。ドイツは前に出る姿勢を強め、アルゼンチンも引く姿勢は見せず、高い位置からプレッシングに行く。そしてコンタクト激しいゲームは続く。得点後こそゴールの勢いを携えたアルゼンチンが押し込んでいたモノの、オドンコールの投入(下がったのはシュナイダー)を機にドイツ攻勢。そして一つのキープレーが。

2度続けてのシュバインシュタイガーのCK。1度は逃れたモノの2度目、ファーを狙ったボールに対し、アボンダンシエリが飛び出したところでクローゼと接触してボールがこぼれる。エインセが咄嗟にクリアをしたけれど、クリアボールはセンターで待ち受けるバラックの元へ、GKが戻れない状態でバラックはボレーで狙ったが、これはブロック、もう一度ヘッドで押し込むがこれは戻ったアボンダンシエリの正面。何とか難を逃れた形のアルゼンチンでしたが、アボンダンシエリはこの時の接触で受けたダメージが大きく、10分ほど続けたモノの結局出場続行不能に(担架に乗せられたまま下がっていった)レオ・フランコが代わりにゴールマウスを守ることに。これで貴重な交代カードを一枚使ってしまう。

何かを決断したのかペケルマンは続けざまにカンビアッソを投入、個人的には動き続けていたマキシかルーチョと思ったが、下がる選手はリケルメ。完全に1点を守りきって勝つ狙いを打ち出す。その中でアルゼンチンはビッグチャンス、クレスポがプレッシャーを掛けてドイツディフェンスの横パスミスを誘発すると、テヴェスが拾って、そのまま3-3の数的同数のカウンター(という表現で良いのだろうか、超ショートカウンター)クレスポが左を回り、右にマキシが走り込む中でテヴェスの選択はマキシ、右サイドにボールを流し、マキシはブロックも気にせずそのまま強烈なシュート!しかし、これはサイドネット。大きなチャンスを逃す。もう一度同じような形でカウンターのチャンスを得たが、同じように右サイドに回して結局チャンスをモノに出来ず。勝負を決めきれない。ドイツはボロウスキをシュバインシュタイガーに代えて投入、アルゼンチンは最後まで追い続けたクレスポに代えてフリオ・クルスを入れる(セットプレーの対応を意識したモノ)

完全に逃げ切り体制のアルゼンチンでしたが、そのあからさまな姿勢がサッカーの神様の機嫌を損ねたのか、このままでは終わらせてくれない。左サイドバラックがインスイングのクロスを入れると、トップより後ろにポジションを獲ってフリーとなっていたボロウスキへ(スイープみたいな形)、ボロウスキはこれをヘッドでうまく流し込み、最後はクローゼ。ソリンのマークをモノともせずダイビングヘッドで押し込んだ。もの凄い美しい展開、ダイレクトダイレクト、見事。これでアルゼンチンとしては難しいゲームを強いられることに。

更にゲームは激しくなるが、攻撃の核リケルメを失ったアルゼンチンに対して、攻め手を強める交代で追い込んでいったドイツが優位性を保つ。その中でクリンスマンにも難しい選択が、クローゼ、バラックとエースと大黒柱が激しいコンタクトで怪我を負ったらしく、交代を迫られるが、残るカードは1枚。クリンスマンの選択はバラックをピッチの残すという選択、クローゼに代えてノイビルを投入した。終盤までぎゅっと詰まったゲームは、ロスタイムでも見所が。マキシが右サイドからペナに入ると、中の選択肢はあったモノの縦を選択、そしてラームのタックルを受けたのか倒れ込む。しかし、これはシミュレーション。このプレーにアルゼンチンの気持ちが表れているのかなぁ、なんて思ったりした。チームバランスがおかしい中で延長を戦うのは不利、それならこのワンプレーで勝ちをさらおうとしたのかなぁと。ロスタイムにもフリオ・クルスのクロスから、大外から入ってきたルーチョがヘッドで狙うが、テヴェスに邪魔されながらもレーマンがセーブ(オフサイド)激しい展開だった後半でも差は付かず、延長戦に突入する。

延長戦

開始早々、フリオ・クルスが思いっきりメッツェルダーの臑を蹴る(わざとか?パスレシーバーがいなかったんですけど……)ファールで始まるという不吉な展開。その通り非常に激しいイエローお構いなしの戦争のようなゲームは続く。その中でチームバランスの整ったドイツがチャンスを迎える。良い組み立てを見せて右サイドを局面打開、スルーパスで抜け出したオドンコールが良い状態で強烈な低いクロスを入れる。しかし、これはノイビル届かず、GKが抑えた。精度欠いた、痛い。

すると、徐々に怪我の影響かバラックの動きががくっと落ち、10vs11のような状態になってアルゼンチンが形勢逆転。しかし、フリオ・クルスはゲームに乗れず、チャンスを潰してしまうシーンが散見。持っている勝負強さを活かせず(てゆうか元々あんまり色々起用にこなせるタイプじゃないと思う。ゴールするのが上手な選手)

ドイツは動けないバラックを外に出し、ボロウスキを中に入れて、中盤の修正を計る。しかし、バラックがいる右サイドをコロコロさんが上がってミドルを放ったり、シュータリングをしたりしてレーマンの守るゴールを脅かすが、結局スコアは動かず。ゲームはPK戦に

円陣を組みチームで戦い抜こうとするアルゼンチン、カーンがレーマンに声を掛けたり、クリンシーがバラックに蹴れるかと聞いたりと、思い思いの感じで集中力を高めるドイツ。で、PK戦。ドイツはホームの大声援を受け、怪我のバラック含めて全て決める。そしてレーマンonステージ。アルゼンチンの選手に向けられる大ブーイングの中、4本のキックを全て読み、アジャラ大先生、カンビアッソのキックをストップ。これで決まった。戦争のような激しいゲームは残酷なPK戦の末、開催国ドイツが準決勝に進んだ。

前半、後半、延長と状況が変化する中で、最初から最後まで続いた戦争のような厳しいコンタクト合戦は見応え充分。時にはやり過ぎと思う部分もあったけど、この試合に対していかに気持ちが入っていたか、そういうモノが分かる試合だった。ルボス・ミシェルもホームアドバンテージを持つドイツ寄りな側面はあったにしても、うまく裁いたかな。退場者が何人か出てもおかしくないゲームだと思ったし。それでもアルヘンティナは相当貯まってたみたいで、何がトリガーになったのかは分からないけど、大乱闘には発展してたけどね。

で、ゲームの綾としてはやはり采配面だったかなぁ。刻々と変わる状況の中で、きっかけとなったアボンダンシエリの怪我のあと、ペケルマンの頭の中は完全に逃げ切る姿勢に切り替わってしまった。まあどうしても結果論になってしまうのだけど、自分たちのスタイルを捨て、そして攻撃を捨てた形(クルスの投入はセットプレーに置ける身長のある選手の補填のようなものでしょ?)になった采配はやはり臆病すぎたかな。ボールキープしながら、ゲームを時間を使ったメヒコ戦を考えたら、出来ないわけではなかったと思うし(脅威は強かったけど)、危険性を伴うとして守備を固めるのを止むなしとするのなら、やはりカウンターの効果を高めるカードが適当だったかなと。メッシかサヴィオラ、あの展開ならメッシが良かったかな。クルスの投入は展開を考えればほとんどプラスに働かなかったのを見ても、ね。

まあ上記の件がゲームに大きく影響したことは否めないけど、120分のゲームの中では大きな差はなかったし、出来としてもどっちが素晴らしかった、悪かったとは言い切れないゲームだったかな。戦う側面が強いゲームで、どちらも引かなかったのを見ても、同じぐらい強い気持ちで臨んだということを見ても、差が付かないというのは妥当な結果だと思う。

で、アルゼンチンは、改めて才能の大きさというのを感じさせられたゲームだったのかも知れませんね。なんだかんだ言ってリケルメは仕事をしていたし、いなくなったら不在を大きく感じるモノだった。まあそのように作られたチームだから仕方ないちゃ仕方ないんだけど、メンバー構成的にどこかに頼る形で作られたチームの弱みが出たかなぁと。延長後半、相手の左が弱くなったところを突けなかったことにしても、偏重の布陣のバランスの悪さが響いた。まあこれまではそれがうまくいっていたわけだから、それはもう仕方ないことなんだろうけど。このモダンフットボール全盛の時代にこういうロマンティシズムを感じるサッカーをするチームで、まだまだ見たい選手もいたし、ここで大会を去るのは残念。しかしまあ全部を生かし切るというのは難しいことだ。アジャラ大先生は気にしないように、PK以外は素晴らしかったんだから。

ドイツの方は、前戦爆発した2トップのコンビが封じられ、シュナイダーとシュバ坊も仕事できず、結構苦しんでいたけど、強いメンタリティと逃げなかった采配(まあビハインドだから強気が当たり前とも言えるけど)がチームを救ったかな。オドンコールを入れるのも結構ギャンブルだったと思うし、シュバ坊の局面打開力というのはチームでアクセントを付けられる数少ない存在だっただけに、難しい決断だったろうけど、それが当たったわけだから賞賛されるべきかな。バラックとクローゼの取捨選択は間違えた感があったけど、残したバラックは最後の最後にPKを決めたわけだし、大当たりって事なのかな。メンタリティの強さは相変わらずで、絶対優位なホームアドバンテージの勢いも携えていたことが差になったのかな。まあ次戦に向けて、バラック・クローゼが怪我、延長まで続いたハードな激戦、数多くのイエローカードなど様々な代償も払ったけど、それを覆い隠せるだけの勢いもある気がする。実際弱点である脆弱なディフェンスラインもいつの間にか目立たなくなっているしね。まあベルリンに行けなくても最後まで大会に残るわけで、開催国としての義務は果たしたと思うから、そろそろお疲れさんとなって欲しいんだけどね、僕としては。

ということで、とりあえずここまで。次はアズーリかな。

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