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July 22, 2006

2006 Fマリノスへの提言 -カオスの中で思うこと-

リーグ戦は9戦で1勝、チーム状態はカオスの中に突入しつつあり、危機を向かえている……

ということで、久々に「2006 Fマリノスの提言」です。

・「なんとなく」の末の低空飛行

開幕4連勝の後、低空飛行。その中でも主力選手の怪我というエクスキューズがあって「主力のメンバーさえ帰ってくれば……」と一縷の希望は残っていました。が、そんな一縷の希望も再開後初戦のエスパルス戦であっさり絶たれてしまった。選手が揃っていても勝てない現実、今のFマリノスは、勝ち点を積み上げられる状態ではないというのは明らかです。

何故、こうなってしまったのか。それは言うまでもなく、チーム作りに齟齬があり、チームがチームとして機能していないということになると思います。色々思い返せば、岡田体制4年目でマンネリの打破を狙って刺激的な新しいトライをしようと、より選手の自主性を大事にしながら、より主体的なチームに作り替えようとしたところがはじまりでした。

元々、コレクティブで一般的に「良いサッカー」と呼ばれるような質を備えたサッカーをするチームではなく、あくまでも効率的、局面的に強さを前に押し出すことで勝利を得てきたチームなだけに、いきなりの転換がうまくいくとは思っていませんでした(まあ去年からやっていることでもあるけれど)というのも、フットボールの質が変わることで求められる要素も変わるし、積み上げのない中でそういうサッカーを機能させるのは難しいと思っていましたから。

ただ、この予想は良い意味で裏切られる。開幕4連勝。ブラジリアン・トライアングルの抜群の技術力と実効力、中盤での強烈な収縮プレスを基盤に、京都・鹿島・セレッソ・大分とあっさりと撃破した。でも、現在リーグではNo.1とも言える戦力を誇り、攻守に充実したレッズに完敗したのを引き金に、内容はどんどん希薄になり、怪我人続出でチームの体すら保てなくなってしまった。伴ってこない質、付いてこない結果、失われる自信、チームは転げ落ちるように急降下して、そして現在に至っているわけです。

開幕4連勝がチームを悪い方向に導いてしまったと、選手各々が語っているように、中身は伴わなくても部分的な要素だけで何となく勝ててしまうから、本質的な質の向上という部分に目が向かない、悪い部分の修正さえ施されない。質の高い選手を備えているということは決して悪いことではないのだけど、そこに全てを託してしまい、何をしていたからしうまくいっていたのか、チームとして質を上げていくために何をすべきなのか、などそういう要素をロジカルに捉えきれず、何となく進めてきてしまった。より質を上げていくために様々なモノを求めていかなかったことが今の苦戦に繋がっているのかなと。何となくでは勝ちきれない、チームとしての姿勢が今問われている。

・必要なこと、すべきこと –現状の方針を維持する場合-

正直言って状況は急を要する状況なので、そろそろ現実的な修正策に目を向けるべきとも思うのだけど、「これをやめるのは、俺が辞めるときだ」なんて言ってたので(まあ既に現実的に舵を切って、マイクタイム大作戦ですけどね)、この方針のまま、チームを良くしていくことを考えようかなと。

1.もう一度「目的地」の設定を。

まず、もう一度チームとして一つ一つのプレーの目的をしっかりと確認していく。どのように守り、どのように攻めるのか、具体的に詰めて行くことで共通理解を持ってサッカーをするというのが必要になるのかなと。プレスを掛けるのか、しっかりとゾーンを作るのか、カウンターなのか、ポゼッションなのか、ビルドアップの時にファーストチョイスとしてどこを狙うのか、出来ないときにセカンドチョイスはどこなのか、サイドから崩すのか、センターから崩すのか。これはもの凄い大まかななんだけど、こういうことを一つずつ詰めていって、段階的に具体的にしていくことで、ある程度チームの形というのを作っていってほしい。

根本の部分で、やっていること自体は悪いことではないのだから、一つ一つチームの共通理解を作っていくことで、チームを再び作り上げていくということをして欲しい。僕はこのチームは、やることさえはっきりしていれば、しっかりとそれを遂行できるだけの能力は備えていると思うから。

*以前書いたけど、マイクタイムの時にチームの実効力が高まるのは、マイクという電柱が入ることでチームに共通理解が生まれるからだと思う。「まずはマイクを見て、マイクの高さを活かそう」ということでチームが動き出せるから、それなりに連動して結果が出たりする(もちろんマイクがしっかりと仕事をしてくれているという部分が大きいけどね)こういうことを見ても、やることがはっきりしていればちゃんとできるはず。もちろん選手間でのコミュニケートも続けて欲しい。特にプレーのディティールに置いて要求しあうことは特に。

2.プレーへの関与意識をより高く、真の主体性を。

よく、ポゼッションして攻めることに主体性という言葉が使うのだけど、今回はそういうことではなく。

はっきり書けば、このチームはプレーへの関与意識がもの凄い低い。ボールを引き出す動きが少なく、各選手ボールが来たら頑張るという傾向が強い。だから、パスコースは自ずと少なく、ボールも回らないし、チームも有機的に繋がっていかない。だからこそ偶然頼み、個人頼みの傾向が強くなりがちになってしまう。とにかくここを改善しなければ、ずーっと付け焼き刃的なポゼッションっぽいことをしながら結局放り込みサッカーからは脱却することは出来ないのかなと。

そういう部分を変えるためにも、意識から変えなきゃいけない。一つの局面に置いて、自ら動いてボールを引き出す。全て10~20mと長い距離を走るということではなく、1~3m相手を離して(出来ればずるずる下がる形じゃない方が良いね)、良いアングル付けてパスを受けれる状況を作る。そして、それが2つ3つとある状況を作る。こういうことを続けていくことで攻撃に置ける閉塞感を何とか打開して欲しい。

ある程度の方向性を付けていくことと、沢山の選択肢を作るということのは、1とは少々矛盾することかも知れない。ただ、一人一人がプレーに絡む意識を持たないと、プレーが繋がっていかない。どちらもコレクティブなサッカーをするには必要な要素であり、この二つが出来て始めて「主体的で良いサッカー」に繋がっていくのかなぁと。まあとにもかくにも、真の主体性の第一歩である積極的なプレーへの関与意識を作り上げて欲しい。

*本来であれば、プレーへの関与意識なんて言うのはあってしかるべき要素で、こんな事を言及しなきゃいけないのは少々恥ずかしいことでもあるの。ただ、今まで岡ちゃん自ら認めている通り役割を明確にし、ロジカルにやってきたことの副作用でもあると思う。選手達が自ら、ピッチの状況を捉え、予測し、判断し、行動に移すというのは、選手達が積極的にプレーしようと言う意志がなければ出来ない。そういう意味では、今やらなければならないことは積極的にプレーするということなのかなと。

ただ、基本的に別に続けなきゃいけないわけでもない。実際、次負けたら嫌でも現実に目を向けなきゃいけない。どちらにしても、今のままでは絶対に良くない。放置するのではなく、何かしら手を加えていって欲しい。ということでラストファクター、監督へ。

・全ての点を一本の線に -お願い、岡ちゃん-

当たり前だけど、この成績で解任論の噴出というのは当然。テーマとして「Win Back The Champ」とぶちあげているわけだし、Fマリノス自体が優勝を狙わなければならないチームなんだから、優勝するためのデッドラインに来ている状況で、監督に対しての信頼が揺らいだとしても何ら不思議ではない状況です。

僕はというと、こういうふがいない状況になっていることにだいぶ不満を溜めているけれど、基本的に岡ちゃんのことが大好きなので、出来れば岡ちゃんには綺麗な花道を通って辞めていって欲しい(まあ多分今年が最後でしょ、結果を出したとしても)そういう意味では岡ちゃんにはここで踏ん張って欲しいなぁと思ってる。

でも岡ちゃんがいきなり覚醒するとも考えにくいので、岡ちゃんっぽいアプローチで考えていきたいと思う。監督としてすべきことを。

基本的にサッカーは、一つのボールを、奪い、相手陣に運び、ゴールを獲ることを目的とし、このプロセスを繰り返すことでスコアを争うスポーツ。そして、無理のないプロセスを作れたチームが良い流れを作ることが可能になり、自分たちの形というのを数多く表現することが出来るのかなと。

今の状況として、Fマリノスはチームとしてゲームを形どる術、選手起用なども含めて、ほとんどの部分で矛盾点が多くあり、正常に力を発揮しているとは言い難い。てゆうか、現状を見れば、こういうプロセスは今のチームには「ない」。

で、岡ちゃんに何をして欲しいかというと、このプロセスをある程度で良いから矛盾なき形で作ってほしいと言うこと(作り直して欲しい)岡ちゃんは頭のいい人だと思うし、ディティールを作るのは下手でも、プロセスを無理なく作ると言うことは出来ると思う。もちろんこれを作ったからといって、選手達を導いてピッチで表現できなければ意味はないのだけれど、今は奪うこと、運ぶこと、ゴールを奪うことが点でしかないのだけど、それが一本の線になることで、チームは少し変化が起きるんじゃないかなと。より展開はスムーズになると思うし、選手達がやりやすい環境、力を活かしやすい環境にはなると思う。上の1の部分に置いて何を基盤にし、それにあう組み合わせ方と言うのを組み合わせることで作っていくことは出来るのかなと。一例として。

Example

バルセロナの場合
ボールロスト→カウンターケア(フォアチェック)をしながら、コンパクトフィールドでのプレス(ボールを奪う)→技術・判断において最高レベルな中盤でのゲームコントロール(ボールを運ぶ)→世界最高のクラックによる局面打開を基盤としたテクニカルなアタック(ゴールを奪う)

チェルシーの場合
ボールロスト→リトリートし、DFとMFで4-3(4-1-4)のブロックを形成しスペースを消す(ボールを奪う)→速い切り替えからフリーマンを作り、そこを供給源に高い位置にいるアタッカーのポジショニングを活かしてスペースを突く(ボールを運ぶ)→相手の状況の整わない間に選手の質の差を利用して崩しきる(ゴールを奪う)

*あくまでもこの例はイメージに過ぎないです。状況によって、凄い変わるのでこの通りじゃなくてもあしからず(当たり前だけど、奪われる場所、奪う場所、相手の質などどんどん変化するのでね)

こういう事を書くと、「何だよ、結局ロジカルに嵌め込めってことかよ」という風に受け止められてしまうかも知れないけど、基本的に嵌め込んで欲しいわけではなくて、選手達にはディティールをしっかり考えさせて、プロセスのデザインは監督に担って欲しいなと(まあ当たり前の仕事だけどね)プレーの中身にまで踏み込んでオートマティズムを作ってほしい訳じゃない(それが出来上がるのを待ってたら、どっぷりと浸かっちゃうよ)

どちらにしても、今はグランドデザインが出来ていない状態。どのように攻め、どのように守るのか、そしてそれが矛盾なき形で繋がるのか。そういうことを今一度考えていくべきなんじゃないかなぁと。こういう危機的な状況だからこそ、ね。

*こういうスーパーチームはプロセスもディティールもしっかりしているので、余り参考にはならないのだけど、勝てているチームはやはり余り矛盾点がない。個に依るところは大きいのだけど、個を活かす術という部分まで矛盾点がないから、スターが活躍できるという理屈。まあわかりやすいかなぁと思って。こういうの見たいなら海外見てろよなんて言う人が出てこないことを祈る。Fマリノスが強くなって欲しいから書いてるわけで。

*特にリアクション型のチームというのはこういうプロセスがとても大事で、こういうデザインが下手な監督はどこかに齟齬が起きて、破綻を来す場合が多い。よりポゼッション志向の強いチームは、ディティールをしっかりと詰めていかなければならないのだけど、上に書いたようにディティールだけになると目的地なき単なるパス回しになりがち。そういう意味ではポゼッションを志向する意味でも、しっかりと目的があるというのは決してネガティブではないと思う。

ということで、少々厳しいことを書きましたが、とにかく今のままで良いなんて言わないで欲しい。優勝を狙うチームが勝ち点18しか獲れていないこと、首位との差が12あること(最下位とも12)、置かれた現実を見なければならない。何もしなくて良いなんて言えない状況なんだから。アビスパ戦は正念場、先に繋げるためにも、頼むよ。ということで今日はここまで。ジェフ-ガンバやりたかったんだけどなぁ……ごめんね。明日の昼、出かける前にやるかも知れない。

*思いっきりネガティブな事を書いたので、お口直しにトリパラ・ブログさんの素敵なエントリーをご紹介。

ポジティブ・シンキング【データーは語る】(トリパラ・ブログ)

*うん、ポジティブだ。まだまだ終わっちゃいない、うん。

*って、佑二肉離れかよ……_| ̄|○

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