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June 21, 2006

歴史とプライドの刺激@FIFA WORLDCUP Germany2006 GroupB Sweden vs England

ネタバレっす。

良いゲームだったんだけど、とても面白いゲームだったんだけど……オーウェン。鶴、鶴、鶴。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day12

Sweden 2-2 England @ Koln
SWE:51'M.Allback 90'H.Larsson ENG:34'J.Cole 85'S.Gerrard

FIFA MatchReport

スウェーデンスタメン:GKイサクション、DFアレクサンデション、ルチッチ、メルベリ、エドマン、MFリンデロート(→91'ダニエル・アンデション)、ヨンソン(→54'ヴィルヘルムション)、リュングベリ、カルストローム、FWラーション、アルバック(→75'エルマンデル)

イングランドスタメン:GKロビンソン、DFキャラガー、リオ・ファーディナンド(→56'ソル・キャンベル)、ジョン・テリー、アシュリー・コール、MFベッカム、ハーグリーブス、ランパード、ジョー・コール、FWルーニー(→64'ジェラード)、オーウェン(→4'クラウチ)

2連勝でGroupB通過を決めたイングランドと、パラグアイとのシビアなゲームにおいて終盤にウイニングポイントをもぎ取り、何とか突破に向けて目処の立ってきたスウェーデンの対戦、スヴェン・ダービー。イングランドは引き分け以上で首位通過、スウェーデンはここで勝ち点を得れれば自力でのグループリーグ突破が決まる(負けても同時刻開催のトバゴ-パラグアイの結果如何では通過出来る)欧州トップクラスのオーガナイズされた組織にタレントを内包しており、ハイレベルなゲームを期待。ちなみに38年間ほどイングランドはスウェーデンに勝てていないとのこと。

イングランドは突破が決まっているだけに、ある程度メンバーを落とすことも考えられたが、一枚頂いているジェラード、クラウチ以外はほぼベストメンバー(代わりはセントラルにオーウェン・ハーグリーブス、トップには復帰して間もないウェイン・ルーニー、ランパードももらっているがそのまま出場。ギャリー・ネヴィルがまだ戻れず欠場)スウェーデンは右サイドでキレのあるドリブルを中心にアグレッシブなプレーを見せていたヴィルヘルムションに代わってヨンソン、又パラグアイ戦で怪我を負ったイブラヒモビッチに代わりアルバックがスタメンに名を連ねる。

前半
どちらも慎重にゲームに入った印象でしたが、いきなりのアクシデント。特に接触プレーもないところで後ろにボールを戻そうとしたオーウェンが腰砕けのように膝が落ちてしまい、そのまま立ち上がれず開始4分でピッチを去るという形に(大丈夫かなぁ……深刻そうな下がり方だった)休ませるつもりだったクラウチを急遽投入した。

そんなショックを伴う立ち上がりのイングランドでしたが、切り替え速くシンプルな展開からランパードが続けざまにミドルを放つなど、出来としては悪くない。その中でも復帰あけのルーニーの存在感が際だつ。左サイドジョー・コールのスルーパスから素晴らしいタイミングで抜け出すシーンを作ったり(オフサイドだったけど。誤審な気がする)、ベッカムのロングパスに機敏に反応し、ランパードのヘッドを演出したりと、ポジティブなプレーを展開。才能を見せつける。スウェーデンの方はというと、一度テクニカルなプレーでカルストロームがシュートシーンを向かえたぐらいで、ルーニー、ジョー・コールを始めとしたイングランドのタレント達を少々もて余し気味。イングランドの攻撃を耐えながら、カウンターやセットプレーからチャンスを伺う。

ゲームの流れがはっきりしたゲーム展開。イングランドが多くの時間ポゼッションを支配してスウェーデンの組織を崩しに掛かり、スウェーデンは耐えながら一瞬の隙を狙う。その中で光ったのがイングランドのタレント力。ジョー・コールがドリブルで突っかけることで攻撃の起点となり、少々難しいシーンでもルーニーが何とかする(後ろから来た長いボールを走りながら見事にコントロールしてディフェンス2枚の間に落としてシュートシーンに繋げそうになった[最後はブロックされた]見事なコントロール)しかし、スウェーデンもある程度耐性が出来、ゲームが停滞してきたかに見えた34分、スーパーシュートで先制点が生まれる。

右サイドからクロスを上げ、クラウチが折り返したが、スウェーデンディフェンスはそれに対応、ヘッドでクリア。そのこぼれがジョー・コールの元へ、胸でワントラップ、そして振り抜く。左サイド20~25mぐらいの距離から放たれたシュートは大きな弧を描いて右のポストへ、イサクションの必死のセーブも及ばず、ポストに当たって吸い込まれた。まぁ~見事なドライブシュート。胸でトラップしてそのまま地面に落とさずアウトに引っかけて狙ったわけだけど、その思い切り、そしてそれを実現する技術力、見事。そしてビューティフル。これはGKどうしようもない。イングランドが先制。

このゴールでリズムを掴んだイングランドは、積極的なアプローチで網に掛け、高い位置でボールを奪うシーンも多くなり、スウェーデンをエリアに貼り付けるように押し込む。ミドルシュート、サイドからのクロス、セットプレーと脅威を与え続け、優勝候補らしい力を見せ付けた。シュート数に大きく差が付き、イングランドペースを物語っていた前半だった。1-0。

後半
後半もイングランドペースで始まった感があったが(中盤とディフェンスが連動していなくて、バイタルが開いてそこを起点に攻撃されることが気になる。タレントを警戒して、きっちりと人を揃えゾーンを組むことに重きを置きすぎた感はあった気がする)、スウェーデンはセットプレーのワンチャンスを生かす。左サイドからのCK、リンデロートのニアを狙ったインスイングのキックにマークを外したアルバックが反応。バックヘッドで合わせてそのままファーサイド、ゴールカバーも及ばず吸い込まれた。同点弾。綺麗なセットだった。で、ヨンソンに代えてヴィルヘルムションを投入し更に攻め込む。間を置かずに今度は右からのCK、カルストロームのインスイングの低いボールに又もニアで、今度はラーション。ヘッドで合わせたシュートは(キャラガーの手に当たって?)ゴールに飛ぶが、バーを直撃。ハンドは認められず。もう一発、右からのCK、リンデロートの狙いは今度はファー、ルチッチが外に流れながらフリーで折り返し、メルベリボレー!しかしこれもバー。先制点で一気に流れを持っていった感じ。スウェーデンはやっぱりイングランドに自信を持ってるのか、それともそういう星の元にあるのか、そんなことを感じさせる一連の流れだった。

イングランドは、この失点を含むスウェーデンの立て続けの猛攻で完全にリズムを失い、なかなか攻め手が掴めなくなる。攻撃での好プレーがスウェーデンの守備に好影響を与えたのかうまく連動し始め、アプローチも厳しくなってバイタルに楔が入らなくなった事が攻撃に置いても閉塞感を伴うよう原因となっていた。そのまま奪われてショートカウンターを浴びるシーンも出始めたりと、このゲーム初めての苦しい時間帯。その中でリオに代えてキャンベル、ルーニーに代えてジェラードという交代を経て(ハーグリーブスをアンカー、クラウチ1トップの)4-1-4-1に代え、修正を計る。

修正が功を奏したのかは微妙だけどポゼッションは回復し、イングランドはある程度落ち着きを取り戻したかに見えたが、スウェーデンのセットからのチャンスの流れは続く。左からのCKのこぼれをカルストロームがダイレクトで狙い、ロビンソンを抜ける。しかし、ゴールカバーに入っていたジェラードがクリアする形で難を逃れる。危機一髪。

その後、どちらもアグレッシブにゴールを狙うが崩しきれず拮抗するという形で時間が推移。引き分けOKはずの(どちらもOKなんだけどさ)イングランドもこの相性の打破、悪い歴史からの脱却を狙ったのか積極的に出ていったのは少々疑問が残ったが(和司も言ってたけど)、出場停止のリスクを冒して、クラウチ、ジェラードを投入していること、ベッカム、ランパードなどを下げなかったことを考えたら勝ちたかったと思われる。そしてその姿勢が報われたのか、残り5分の所でゴールが生まれる。ボックス付近、右サイドに流れていたジョー・コールがうまく溜めてからの送り込んだショートクロスに一番外に入ってきたジェラードがヘッドで合わせて、勝ち越し。ジョー・コールがシュートか、突っかけるかと相手ディフェンスに迷わせ、そしてその溜めていた時間をうまく利用して、大外に回ったジェラードがフリーになったこと。個人の技術、感覚がぴたりと重なり合った事で生まれたゴールだった。エリクソン采配的中。

このままゲームは決まるかに思われたが、これが長年積み重なった相性なのか、一瞬の隙が生まれ、スウェーデンはそれを逃さない。左サイドスローインから。目測誤ったところから、バウンドしてクリアしようとした選手の頭を越えてゴール中央に、このミスを逃さずラーションが素早く反応(ちなみに一緒に飛び込んできたのはメルベリ)、アウトサイドで押し込んで又も最終番での同点弾。うーん、重みなのかな。結局このゴールがカーテンコール。結局2-2、ドローでスウェーデンは自力で2位通過を確定(決勝トーナメントでドイツと対戦)、イングランドの首位通過(エクアドルと対戦)という互いに求める結果となった。

ある程度立場的に整った同士(まあスウェーデンとしては万が一の可能性も残っていたけど)の対戦でしたが、様々な歴史的な積み重ね、スヴェンダービーという要素もあって、とても良いゲームになってくれました。期待してた通り。

中身の方は、イングランドのタレントのクオリティ、スウェーデンの集中力高いプレー、そして終盤のゴールの奪い合いと、本当に熱かった。情報も入っていただろうから(パラグアイが1点リードの時間帯が長かったし)、どちらもそんなに無理をする必要性はなかったと思うのだけど、それでもプライドや歴史というモノが、このゲームをとても意味のあるモノにしてくれた。この辺は僕らが思う以上に(周辺事情を鑑みて勝手に力加減を代えていると想像するけど)選手達はピュアだと感じたし、それを世界のトッププレーヤーがやっていることを考えたら、とても嬉しかった。

で、両チームの印象。まずイングランド。主導権こそ握り続けていたけど、相手の守備が定まってから、どうも前の2試合で見たような閉塞感に苛まれた部分が出てしまったこと、そしてディフェンスの集中力という部分では課題が残ったかな。個々の選手のコンディションという意味では、結構上がってきていると思うし(特に結果を残したジョー・コール、ルーニーが良かった。ジェラードも良い仕事したし)、そのタレントの力が拠り所にもなり得る実感も得れたかなという気もするけど、まだチームとしては定まっていないのかなという印象を受けた(まあベストメンバーじゃないけどね)一番気になったのは失点シーンのナイーブさ。決勝トーナメントではこういう隙が死に繋がりかねないだけに、締め直したいところ。エリクソンとしてはどちらにも恨まれない結果で、それだけは良かったのかも(苦笑)

スウェーデンとしては、又も勢いになり得る終わり方だったかな。押され気味のゲームでもやっぱり自力で決めれたというのは精神的にポジティブだし、こういう終盤のゴールはチームの勢いになると思う。気になった部分としては、強い相手に対しての振り回されて統制が取り切れず、相手にペースを与える遠因となってしまった事(中盤とDFの連動ね。距離が空いてしまってバイタルで起点を作られてしまう。10mぐらいなんだけど、レベルの高いチームはそこを見逃さずに使ってくるというのが改めて分かったと思う)、後は攻撃構築能力が少々不足してるかなと。ポストからの展開だけじゃなく(ラーションはポジショニングやタイミングは良いけど、サイズは不足してるし、ズラはまだ微妙でしょ?それとサポートにはいるべきカルストロームのポジショニングも含めて)、リュングベリやヴィルヘルムションの前に運ぶ力ををうまく使う展開があっても良いと思うし、そういう幅を持つことがこの先は必要になる気がした。

まあとにもかくにも面白いゲームで、どちらも質の高いチームなだけに、充実しているGroupA(エクアドルの最終戦の出来はあれだけど)との対戦がより楽しみになる一戦でもありました。うんうん、これでこそワールドカップだね。充実!ただ、前半早い時間に下がってしまったオーウェンが心配だ。重くないと良いけど。やっぱり魅力ある選手はいて欲しいからね。戻ってくることを祈って、鶴。ということでとりあえずここまでっす。

で、一応この日のゲームの結果。レポもやらなきゃね。

Group A
Germany 3-0 Ecuador @ Berlin
GER:4'&44'M.Klose 57'L.Podolski

FIFA MatchReport


Group A
CostaRica 1-2 Poland @ Hanover
CRC:25'R.Gomez POL:33'&66'B.Bosacki

FIFA MatchReport

この結果、ドイツが3連勝、勝ち点9で1位通過(決勝トーナメント一回戦でGroupB2位のスウェーデンと対戦)エクアドルが2勝1敗、勝ち点6で2位通過(同じく、GroupB1位のイングランドと対戦)そしてもう一方の試合ではポーランドが今大会初の勝ち点を得て、この大会を終えた。

Group B
Paraguay 2-0 Trinidad&Tobago @ Kaiserslautern
PAR:25'OwnGoal(B.Sancho) 86'N.Cuevas

FIFA MatchReport

トリニダード・トバゴの淡い夢は断ち切られる結果に。どれも雑感は又後で。

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Comments

すごいいい試合でしたね!タイトルにもある歴史とプライドの刺激というながふさわしいと思います!

Posted by: 祥平 | June 21, 2006 at 07:38 AM

祥平さん、こんにちわ。

本当に良い試合でしたね。こういう試合を見せてもらうと、なんだか嬉しくなっちゃいます。

これからもこういう試合を期待したいです。ではでは。

Posted by: いた | June 22, 2006 at 04:06 PM

Incredible! This blog looks just like my old one! It's on a completely different subject but it has pretty much the same layout and design. Great choice of colors!

Posted by: fifa Point Gratuit | October 14, 2014 at 12:48 AM

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