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June 30, 2006

「らしさ」あっての好ゲーム@FIFA WORLDCUP Germany2006 Round of 16 Argentina vs Mexico

期待通り、応えてくれる両チームに感謝したくなった。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day16

Round of 16
Argentina 2(1-1/Ex 1-0)1 Mexico @ Leipzig
ARG:10'H.Crespo 98'M.Rodriguez MEX:6'R.Marquez

FIFA MatchReport

アルゼンチンスタメン:GKアボンダンシエリ、DFスカローニ、アジャラ、エインセ、ソリン、MFマスチェラーノ、カンビアッソ(→76'アイマール)、マキシ・ロドリゲス、リケルメ、FWサヴィオラ(→84'メッシ)、クレスポ(→75'テヴェス)

メヒコスタメン:GKサンチェス、DFマルケス、オソリオ、サルシド、MFパルド(→38'トラード)、メンデス、カストロ、グアルダード(→66'ピネダ)、モラレス(→74'シーニャ)FWボルヘッティ、フォンセカ

死のグループと思われたGroupCを楽々トップ通過したアルゼンチンと、無風と思われたGroupDで思わぬ苦戦を強いられたメキシコのカード。去年のCCで非常にテクニカルなゲームで、延長PKまで縺れ込んだが、その熱戦の再現となるか。

グループでの趨勢が対極的だっただけに、このゲームへの準備も対照的。オランダとの首位通過を賭けたゲームでは、イエローをもらった選手を休ませて出場停止を逃れたアルゼンチン。それだけにスタメンもほぼベストメンバーと言っていい構成。唯一変わったところは右サイド、守備のバランスを取っていたブルディッソがけがということでスカローニが入った。対するはメヒコはグループリーグ通過が掛かっていただけにポルトガルに対して本気のメンバーで臨み、そしてその中で好パフォーマンスを見せていたペレスが出場停止とマイナス。まあこれまで結構相手によってシステム、メンバーを入れ替える傾向があったが、この日もラ・ボルベ監督は組み替えを実効。左にグアルダード、右にはカストロと両サイドに今大会初スタメンの二人が入り、ボランチにはこれまでバックラインに入っていたメンデス(マルケスがバックライン)で、トップ下はモラレス、トップは怪我で戦線を離れていたボルヘッティが復帰、パートナーはフォンセカ、イラン戦で2ゴールを上げたオマール・ブラボはここ数戦の決定機逸が影響したのかスタメンを外れた。

前半

メヒコは戻ってきたボルヘッティの高さを意識して彼をターゲットにシンプルに狙う攻撃でアルゼンチンを押し込むと、いきなりCKを得る。そのCKもボルヘッティを狙い、エース復帰というのが改めて大きいということを感じさせる。そんな積極的な立ち上がりを見せたメヒコがペースを握りに行ってるのかなと感じた開始6分、狙っていた一つのパターンが嵌る。右サイドでFKのチャンスを得ると、パルドの速く鋭いボールをニア入れると、メンデスがバックヘッドですらし、そのボールに大外からフリーとなって走り込んだマルケスがダイレクトアウトサイドで押し込んだ!多分こういう形を常に狙っていたんだろうね。ポルトガル戦でも同じような形でチャンスを作っていたのをすぐに思い出せた(パルドのキックをニアでマルケスがすらして、最後はパルドが大外で叩いたシーンがあった)見事に嵌ってメヒコが先制した。

しかし、アルゼンチンは返す刀でやり返す。縦のボールの出し入れで20mぐらいのFKを獲ると、壁に当って左サイドからのCKになり、1本目はメヒコディフェンスがニアでクリアして対応したモノの、立て続けの2本目同じようなコースに今度はクリアされない高さ、スピードのキックがゴール前に供給、そしてそこに飛び込んだのはクレスポ、マークに付いていたボルヘッティとなだれ込むようにボールに飛び込み、結果としてボルヘッティの頭に当たってゴールとなった(記録はクレスポのゴール)リケルメがプレースキックを2本蹴って、感覚を感じてしっかりと修正して良いキックを入れてきたことで勝負ありだったかな。序盤からいきなりスコアが動いたが、結果として開始10分で元通りとなった。

これで、一応両チームとも慎重にバランスを大きく崩すことなくゲームを進めようとしていたこともあって落ち着いたのだけど、前半はどちらかといえばメヒコペースだったか。しっかりと人を捕まえて、入ってくるところを察知して前でインターセプトと言う形がアルゼンチンのテクニカルな選手達に能力を発揮させず、ボールを獲ったら切り替え速くスペースを突き、勢いを止められてもすぐに切り替えて、ワンタッチツータッチで細かくボールを動かしながら隙を伺い、ボルヘッティを活かす形で攻撃を形どる。あるはずのアルゼンチンとの力の差を感じさせなかったという意味で、メヒコに分があったのかなと。

そんな狡猾なメヒコのプレーに、手を焼いていた印象があったアルゼンチンでしたが、完全にやりこめられていたかと言えばそうではなく、カンビアッソから2度ほどクレスポの決定機が生まれ、リケルメもフリーでボールを持てばスルーパスからチャンスを演出しそうになるなど、それでもチャンスを作っていた。切り替えも速く、中盤でのプレッシャーも掛かっていて、メヒコの思い通りというところまではさせておらず、その辺はさすが地力があると言うところを感じさせた。

充実したゲームの中でパルドが怪我もあってトラードにスイッチせざるを得なくなったり、終了間際にエインセがやらかしてしまったり(助けられたね。普通なら退場かな、決定機阻止。手も使ってたし)、と先に影響のありそうなファクターこそあったモノのスコアは動かず。前半は1-1。

後半

攻撃構築に置いてマルケスの厳しいチャージになかなか楔を受けれなかったクレスポとサヴィオラがポジションチェンジしたことで、ある程度楔が入って攻撃のリズムが良くなるアルゼンチン。しかし、最初の決定機はメヒコに生まれる。左サイド、モラレスの人を喰ったキックフェイクから中に切れ込んでショートクロス、ディフェンダーから離れるように大外でそのクロスを受けたのはボルヘッティ、胸トラップからエインセのブロックをかいくぐってシュートに持ち込んだが、アボンダンシエリが何とか片手一本ではじき出した。

ただ、アルゼンチンの好感触は変わらない。前半は効力を発揮していたプレスも、リケルメの素晴らしいキープや創造性溢れるダイレクトプレーがそのプレスを無効化し、そこから細かい崩しが生まれ、決定的なスルーパスでシュートシーンを演出したりと、アルゼンチンが狙うリケルメ中心の攻撃というのが形取られていく。特に数人が囲い込んだかと言うところで見事なターンでそのプレスをかいくぐり、そのままアウトサイドのスルーパスでサヴィオラに決定機を演出したシーンはまさにリケルメというプレーだった(サヴィオラのシュートはサンチェスが何とかセーブ)

アルゼンチンにリズムがある中で、メヒコも防戦一方になるのではなく、事あるごとに「うまい!」といってしまうような細かいパス回しやフェイント、トリックプレーを駆使して攻撃に出たり(なかなかシュートには繋げることは出来なかったが)、守備も切り替え速くオリジナルポジションに戻ってスペースを与えず、リケルメを中心にいなされても水際での粘りある対応やサンチェスのファインセーブもあってゴールは許さず。ひいき目かも知れないけど、真っ向から渡り合っていた。しかし、メヒコに厳しいアクシデント、左サイドのグアルダードが負傷して交代せざるを得なくなり、結果的に意図しない形で2つの交代枠を使わざるを得なくなってしまう。結局ラボルベ監督はラストカードとして、モラレスに代えてシーニャを選択。彼のドリブルとアクセントを付けれるアイデアに賭ける形に。

徐々に時間もなくなる中で、リズムを握りながら勝ち越し点を奪えないアルゼンチンは、勝負に出る。クレスポに代えてテヴェス、そしてカンビアッソに代えてアイマールを投入。ペケルマンも又、余り記憶にない(コンフェデの決勝ぐらいかなぁ……)リケルメとアイマールの共存という形に賭けた。

アイマールが入ったことで、リケルメから派生されるリズムに、アイマールから派生されるリズムが加わって、テンポが変わり、攻撃のバリエーションが増えた。しかし、この交代でマスチェラーノと共に中盤のバランスを取っていたカンビアッソがいなくなり、マスチェラーノ一人ではさすがに大きく開いた中盤のゾーンをまかない切れなくなる。そうなると、メヒコも技術も戦術眼もあるチーム。攻撃に出る元気も残っており、バランスの崩れたアルゼンチンに襲いかかる。中盤に大きく空いたスペースをシーニャが何度か局面打開し、一気にアタッキングゾーンにメヒコのアタッカーを入っていき、あわやというシーンを作る。アルゼンチンとしては、一転非常に危うい状態に。

そんなタイトロープな状態の中でロスタイムに突入、そしてペケルマンの賭けが実る。スローインからソリンとアイマールがパス交換、ソリンがリケルメへ戻し、フリーの状態からラインに戻ったアイマールへダイレクトでメヒコのラインをえぐって、アイマールへ通し、ビッグチャンス。アイマールは前を向いて、そのまま横に流し、メッシがネットを揺らした。けど、リケルメのパスのところがオフサイド。オンサイド、多分。終盤激しくなった攻防はあったモノのスコアが動かず。延長戦に突入する。

延長戦←これはじめてだな

今大会初の延長戦、ナイトゲームとはいえ激しく90分を戦いあった後ではさすがに両チームとも体力的には厳しい状態になって、コンパクトな中盤でのプレス、囲い込みをするだけの運動量を維持出来なくなり、かなりオープンな攻め合いに。より攻撃面に置いて個人という部分がクローズアップされる展開となる。

そうなると、前線にフレッシュなメッシやテヴェスといった選手を持ったアルゼンチンが有利かなぁと思ってと思ってたら、スーパープレー。ソリンからのサイドチェンジを受けたマキシが胸トラップから素晴らしいボレーシュート。メヒコからしてみたら、あんなの打たれたらどうしようもない。崩されたわけでもなく、止めようのないプレーだったかも知れない。

これでアルゼンチンは、一気にゲームの考え方を変え、体を使いながらキープし、ショートパスを繋いで時間を使うボールキープモードに。メヒコとしては攻めたいところだったが、リスクを冒さずしっかりと待ち受けられては穴が空いてこない。時折隙が出来てシーニャが前を向いてシュートを打ったり、右サイドから局面打開してチャンスは作り、後半11分には波状攻撃もあったが、アルゼンチンディフェンスが最後の所ではやらせず。逆にアルゼンチンも機を見て、テヴェス・メッシ・アイマールでのショートパスでの崩しやメッシの局面打開など、チャンスを作ったが、こちらもスコアには繋がらず。結局マキシのスーパーゴールが決勝点となって、アルゼンチンがこのゲームを制し、ベスト8に駒を進めた。

いやー良いゲームだった。どちらも、らしさを出し、その上で噛み合って、素晴らしいゲームとなった。で、メヒコに健闘という言葉は失礼かも知れないけど、こういう相手にも勇敢に自分たちのサッカーをするということがあったからこそ、こういう素晴らしいゲームになったのかなぁと。そういう意味でメヒコが最後まで自分たちを貫いてアルゼンチンに立ち向かった事がこのゲームを熱く、素晴らしいモノにしてくれたのかなと。

選手の質という部分で考えれば、アルゼンチンに分があったのは間違いないと思うのだけど、個々の選手の判断力、柔軟な局面の対応力、プレーへの関与意識の高さ、という頭の部分がアルゼンチンとの差を埋めたからこそ、ここまで対抗できたのかなぁと。技術、フィジカル、スタミナ、組織力、そういう土台の上にこういう要素が加わると、こういう高みに登るのかと改めて感じさせてくれた。もちろん一朝一夕には伸びないサッカー文化を表す無形の力であるのだけど、こういう部分の大事さを改めて感じさせてくれるチームだった。

で、この後試合をするアルヘンティナは、そんなメヒコに「苦しめられた」ものの、それでもサッカー大国の強さを見せたかな。小さな修正を自分たちの力を発揮するきっかけにし、それでも崩さなければ溢れんばかりの才能でチームの魅力を変えることが可能と、本当に幅が広い。もちろんそういう選手達を支える選手達も非常に優秀で、その一人であるマキシがこの日は結果を残した。本来は右サイドのアタッカーだと思うのだけど、状況に応じて様々な役割を与えられてもそれに対応しうるだけの技術を持ち合わせており、こういう勝負を決めるプレーもする。マキシのプレーにアルゼンチンという厚みを感じました。アイマールたんが空回りしちゃって、この先チャンスがないかもしれないのが、切ないけれど、チームとしては柔軟性や多面性を持つ強いチームになって来たと言えるのかも(リケルメ次第だけど)

さて、もう時間がないのだけど、ドイツとの対戦は非常に楽しみ。強みという部分を出し合うのか、消しあう展開になるのか分からないけど、今大会のゲームを見る限り、出し合う展開になって行くような気が(根拠はあんまりないんだけど)アルゼンチンはリケルメはもちろん、サヴィオラ(スタメンはテヴェスの様子)、ドイツは好調のトップはもちろん、ラームとフリングスがキーになるかな。まあとにかく楽しみ。

ということで駆け込みなんで、後でタイトル含め修正するかも知れませんがとりあえず。ふぅ。

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