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June 11, 2006

王様の王様たる所以@FIFA WORLDCUP Germany2006 Group C Argentina vs Cote d'Ivoire

さすが、死のグループと思わせられる充実の内容、面白かった。しなやかで一歩が伸びるコート・ジボアールの選手達に対し、狡猾に締めるところを締め、急所を突くアルヘンティナ。もやもやが貯まった中で期待に応えてくれました。人間力が勘違いしたまま褒め続けた図も面白かったけど、このゲームでは蛇足だったかな。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day2

Group C
Argentina 2-1 Cote d'Ivoire @ Hamburg
ARG:24'H.Crespo 38'J.Saviola CIV:82'D.Drogba

FIFA MatchReport

アルゼンチンスタメン:GKアボンダンシエリ、DFブルディッソ、アジャラ、エインセ、ソリン、MFカンビアッソ、マスチェラーノ、マキシ・ロドリゲス、リケルメ"王様"(→90'+3'アイマール)、FWサヴィオラ"らしく抜け出し"(→75'ルイス・ゴンザレス)、クレスポ"らしく抜け目なし"(→64'パラシオ)

コート・ジボアールスタメン:GKティジエ、DFエブエ、コロ・トゥーレ、メイテ、ボカ、MFゾコラ、ヤヤ・トゥーレ、ケイタ(→77'アルナ・コネ)、アカル(→62'バカリ・コネ)、FWボナバントゥール・カルー(→55'ディンダン)、ドログバ

死のグループのファーストマッチ。スタンドは水色の比率の方が多く、マラドーナの姿も。そんな中でアルゼンチンのスターティングメンバーは既にゲームの始まる数日前にペケルマンが発表していた通りのメンバーに。変則的な4バックで、前にはマスチェラーノとカンビアッソが並び立ち、マキシが右に開き気味で、約束された王様としてリケルメが入った。注目度の高かったメッシ、テベスはベンチスタート。コート・ジボアールの方は、4-2-3-1の様な形にも見える布陣で、ディンダンを削ってヤヤ・トゥーレをボランチに入れ、中盤を厚くした感じ。ドログバの周囲をカルーが動く。

前半
初めてのワールドカップと言うことを感じさせないぐらい飛ばして入ったコート・ジボアール。相手のトラップ際を狙うカットで前向きにかっさらい、勢いあるドリブルでゴールに迫る。積極的な個による局面打開の姿勢や面白いコンビネーションも見えたりと、いきなりエンジン全開の様子。それに対してアルゼンチンは、プレッシングとリトリート型のディフェンスを使い分けながら相手の勢いを受け止める。危ないゾーンはマスチェラーノとカンビアッソが埋め、うまくバイタルを消して相手に圧迫感を与える。ある程度勢いを消して、相手に難しいことを強いるように守っている感じで、経験のあるところを見せつけた。

そうはいっても、個々の技術の高さもあって良いリズムが掴んでいただけに何とか先制点を奪いたいコート・ジボアール。その中で非常に可能性を感じたのがセットプレー。高く、強い選手が居並ぶ中で、マークのズレを突いてシュートに繋げる。しかし、アルゼンチンも質の高さを見せつけ、同じくセットから、右CKからリケルメのキックはファーに走り込んだアジャラにぴたり。強いヘディングが枠に飛び、GKの手をはじいて決まったかと思われたが、結局ラインを超えていないという判定でノーゴール。しかしアルゼンチンこの試合の初のビッグチャンスだった。

これが呼び水となったのか、結局先制点はアルゼンチン。左サイドからのFK、リケルメはインスイングのボールをニアにボールを供給、エインセがドログバと競り合って潰れ、そのこぼれ球にクレスポが素早く反応しバウンドボールをボレーで押し込んだ。身体的な能力、身長など劣るアルゼンチンでしたが、直接的にゴールを決めれなくても、抜け目ない形でチャンスに繋げる。リケルメのキックはこの試合通じて素晴らしかった。

ビハインドを負ったことで更にギアを上げたいコート・ジボアールでしたが、低い位置ながらうまくコントロールするアルゼンチンディフェンスに勢いを削がれ、閉塞感の伴うオフェンスに終始。オーバーラップに特徴のあるサイドバックのダイナミズムを使いたい所でしたが、右のエブエはソリンに対しての警戒感が強く攻撃に置いてはほとんど存在感がなく、左のボカも期待されたほど多くは上がれない。しかし、身体的なミスマッチを突き、左からシンプルにファーを狙ってドログバ-ソリンというミスマッチで優位に立ち、落としたところをポジションを変えてセンターに入ってきていたケイタがダイビングヘッド。これはアボンダンシエリに凌がれたモノの、うまくミスマッチを突けた形だった。

しかし、意気上がるコート・ジボアールを現実に引き戻したのは又もリケルメ、下がってボールをもらうとこの時点でサヴィオラはダイヤゴナルランをスタート、一拍おいて抜群のタイミング、コース、スピードのスルーパスがコート・ジボアールディフェンスをえぐり、絶妙のタイミングで抜け出したサヴィオラはダイレクトでティジエの脇下を抜いた(その後副審を確認する辺りサヴィオラらしい)見事な二人のコンビ、これが匠の技といった感じ。リケルメのスルーパスまでの展開としては何も起こりそうにないボールの動きだったはず、でも前を向いてインスピレーションが完全に合致し、素晴らしいパスがまさに「創造」された。サヴィオラもリケルメに対しての信頼からか、彼がボールを受けて前を向いた瞬間アクションを起こしており、まさに二人の相互関係が生み出したゴールだった。王様たる所以、王様である理由。

ゲームのペースとしてはコート・ジボアールにあり、チャンスもアルゼンチンよりも沢山作ったがうまくいなされてしまったのに対し、アルゼンチンは急所を突く形で3度のチャンスにおいて2度ゴールに繋げる。アルゼンチンの経験、試合巧者ぶりが如実に表れた形だった。2-0。

後半
リケルメを中心にボールを繋ぐアルゼンチンは更に安定。過度にリスクは冒さず、ポゼッションしながらチャンスをうかがう。サイドに開く2トップで起点を作り、後ろからダイナミズムを付随させてチャンスを作った。コート・ジボアールは相変わらずアタッキング・サードまではいけるもののその先の部分でアルゼンチンのブロックに勢いを削がれて崩しきれない。その中でアンリ・ミシェルはゴールを奪うために次々と切り札を切っていく。ディンダン、アルネ・コネ、バカリ・コネとドログバ以外のアタッカーを総取り替え。又、ここまで慎重なポジショニングに終始していたエブエも高い位置に顔を出したり、コロ・トゥーレが奪ってそのまま前に上がったりと、チーム全体が攻撃的姿勢を強めていく。

時間が立つにつれて、前線で動き回って起点を作っていたクレスポ、サヴィオラを下げてしまったことでボールの終着点が見つからなくなり(何故にパラシオだったのだろう……縁故採用?)、カンビアッソ、マスチェラーノにも疲労が見え始めて、その安定度にかげりが見え始めるアルゼンチン。その中で、ドログバの数人に囲まれても圧倒的な強さでチャンスに繋げたりと、徐々にゴールに近づきはじめる。そしてついにゴールシーン。右サイドからアルネ・コネが俊足でスルーパスでDFの隙間をすり抜けると、高いボールを折り返す。これに対してわずかにドログバは合わせきれなかったが、流れたボールをフォローし再び中に折り返すと、下がりながらドログバが左足で蹴りこんだ。このアタックに関してはアルネ・コネのダイナミズムが活きた。この試合では攻めてはいるのだけど、スペースを消され、詰まった攻撃をさせられることも多かった訳ですが、このシーンに置いてはこのランニングでアルゼンチンの守備に混乱をもたらし、その閉塞感を打ち破った事が大きかった。こういう形がもう少し早く出ていれば……

しかし、コート・ジボアールの反撃もここまで。この後はリケルメの溜めからのミドルシュート、マキシのテクニカルな詰めで反撃ムードを断ち切り(オフサイド)、アルゼンチンが死のグループ突破に向けて勝ち点3を得る結果になった。

これまででベストゲーム(まだ5試合だけど、てゆうかもう5試合消化しちゃったんだなぁ。一日3つは多い。もったいない)アグレッシブな展開になったこともあるのだけど、両チームのせめぎ合いは非常に面白かったなぁと。コート・ジボアールの技術の高さ、身体能力の高さは時にアルゼンチンを凌ぐほどだったし、勢いを非常に感じたし、それを試合の流れを読むだけの厚い経験、そして高い判断力、こういう要素が焦れずに発揮すべき時に力を解放できる強いメンタリティに繋がり、ゲームを深いところで掌握する。そういう意味で非常に見応えがあった。深い時間だったが、全く退屈しなかったぐらいだ。

ゲームのキーとしては、テンポチェンジとキーマンに対しての意識だったかな。コート・ジボアールの方は技術もあって、突破できたりもするんだけど、どうしても一本調子になり、テンポに抑揚を付けるという部分ではどうしても足りない部分があった。あの得点シーンは緩→急と変調があったことを見ても、それがゲーム通じては出来なかったかなぁと。逆にアルゼンチンは、王様リケルメがボールを持ちながら巧みにゲームをコントロールし、それがテンポの抑揚になっていた。元々ボールを持つタイプだから展開が遅くなることもあるのだけど、ひらめきから一気にスーパープレーでスピードが上がるから相手としては対応しづらい。あのサヴィオラのゴールはまさにそういう感じだった。一瞬にして訪れたカオス。

で、そのリケルメ潰しという点で、コート・ジボアールはゾーンで見るという選択をしていたけど、正直捕まえきれず、止めきれずという感じで結局彼に結果を出されてしまった。まあ高い位置でのプレーじゃなきゃ大丈夫だろうという油断(と呼ぶに可哀想)が、命取りになったのかな。実際距離やポイントは関係なくフリーで前を向けば、自らパスアングルを付けながら溜めて演出・創造し、凄い事を出来てしまう。より厳しく高い意識で彼を「殺す」必要があったのかも知れない。まあ彼の調子がそれなりに良かったというのは不運でしかないわけだけど。

しかし、アルゼンチンとしては肝を冷やしたのでは?序盤結構高いテクニックと身体能力が予想を超えていたのか危ういシーンが多くて、早い時間帯でやられていたらやばかったかも知れない。その後慣れていって、マスチェラーノ、カンビアッソにバイタルを閉めさせたことがうまくいったけど、ね。ただ、相変わらず戦術的にも判断的にも非常に優れていて、柔軟性がある。ソリンを高い位置に上げる変則的な4バック+2ボランチもあっさり機能(まあ変則4バックはビエルサの時からやってることだけど)、攻撃もリケルメのテクニックは死なず、トップは幅広く動いて起点を作ってゴールも獲った。イイ出だしなのは間違いないでしょう。まあ唯一の不安は采配かもね。パラシオを入れて何がしたかったのだろう……。

コート・ジボアールの方は惜しかった。守備は置いておいて、ストロングポイントである身体能力や技術の高さというのは十分に通用していただけに、勝てるチャンスも充分あったと思う。ドログバが周囲を活かしながら核となっているけど、彼を潰せる選手は世界中を探してもそういない。そんな選手が核というのはこのチームに置いて大きな強みかも。まあ基本ゴールを獲って勝つチームだと思うので、あくまでも攻めダルマでこの死のグループを盛り上げてくれる気がします。

まあとにかく死のグループが盛り上がりそうで、この先又楽しみになりそうですね。ではここまで。

*結果をまとめた方が良いかな。ということで一応エクアドル-ポーランドを開幕戦の所に、スウェーデン-トバゴをイングランド戦の所にくっつけておこうかな。えぇ、予想が裏目ってますよ。やらなきゃ良かった_| ̄|○高地じゃなきゃ駄目だなんて浅はかだったなぁ……

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