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June 17, 2006

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day8 "Digest" -ARG vs SCG &HOL vs CIV-

死のグループ、決まっちゃった。でも、強い、逞しい、そして素晴らしい。チームとして、個人として、非常に完成度が高い。始まる前まではリケルメ頼みという気がしたけど、本気のアルヘンティナは違うってこと?オランダ-コートジボワールとくっつけて。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day8

Group C
Argentina 6-0 Serbia&Montenegro @ Gelsenkirchen
ARG:6'&41'M.Rodriguez 31'E.Cambiasso 78'H.Crespo 84'C.Tevez 88'L.Messi

FIFA MatchReport

アルゼンチンスタメン:GKアボンダンシエリ、DFブルディッソ、アジャラ、エインセ、ソリン、MFマスチェラーノ、ルイス・ゴンザレス(→17'カンビアッソ)、マキシ・ロドリゲス(→75'メッシ"鮮烈デビュー")、リケルメ、FWサヴィオラ(→59'テベス"鮮烈デビュー")、クレスポ

セルビア・モンテネグロスタメン:GKイェブリッチ、DFドゥリャイ、ガブランチッチ、ドゥディッチ、クルスタイッチ、MFナジィ"マンマーク"(→46'エルジッチ)、P.ジョルジェビッチ、コロマン(→50'リュボヤ)、スタンコビッチ、FWケジュマン、ミロシェビッチ(→70'ブキッチ)

こんなに差が付くとは思わなかったけど、前半のリケルメを巡る攻防の中で、マンマークとゾーンディフェンスが混在して混乱してしまったことが勝負を決めたのかなと。個人としての怖さ、チームとしての怖さ、どちらも持っているからこそこういう状態を引き起こせるアルゼンチンの強みが思いっきり出たゲームだった。

まあ誰がどう見ても、アルゼンチンのキープレーヤーはNo.10のファン・ロマン・リケルメ。象牙海岸戦でも一瞬フリーになったら何もないところからでも強い信頼関係も相まってチャンスを創造していて、相手としてはあまり自由に泳がせたくないと考えるのは当然のこと。で、結局セルビア・モンテネグロは中盤の底(右ボランチ)のナジィをリケルメのマーカーにして、彼に貼り付けさせたわけだけど、これにより自分たちの組織にエラーを引き起こしてしまった。リケルメは基本ふわふわとボールの近くをさまよう感じで、かなり自由に動く。それだけに、マーカーがついていけば、組織の一員としてしっかりとポジショニングを獲ってンゾーンを埋めたり、カバーしたり、ゾーンに入ってきた選手を受け渡したりする役割はこなせなくなってしまう。チームでしっかりと組織を形成してこそセルビア・モンテネグロの堅守があった訳で、特別にマーカーを付けるという策は、綻びを自ら生んでしまったことになってしまった。で、それを見事にチームで突いたアルゼンチンの先制点。

左サイドでマキシ、ソリンでボールを回してるところにサヴィオラが流れ、深いところで起点を作ると、サヴィオラが突っかけるように引きつけて出したラストパス、それに反応したのはマキシ。ダイヤゴナルランで一気にペナの中に進入し、そのままゴールにねじ込んだ。

左サイドでの守りに置いて、数的不利になったことが大きく影響した形だったわけだけど(コロマンが戻れず、ドゥリャイが2人を見る形になり、ドゥリャイはアプローチ。空いたスペースにサヴィオラが流れたことで受け渡すべきポジションに人がいないのでセンターバックが左に引っ張られ、中に穴が空いてしまう)、その時に本来手助けに行くべきナジィはリケルメに引っ張られ、浮いたマキシを捕まえに行くことも、引き出されたセンターバックの穴を埋めることも出来なかった。ナジィがマンマーカーとして組織とは乖離された存在となっていればまだ良かったのだけど(ナジィをいないモノとして、他の選手が埋めていく姿勢を持つということ)、そこまで組織は醸成されておらず、チームとしては彼の助けが必要だった。そういう意味ではマンマークという戦術的選択が、組織の堅実さを奪ってしまった印象を受けた。

逆説的にアルゼンチンとしては、リケルメは余りマークをされていたこともあり、前半は余りボールを持てなかったのだけど、当たり前だけど他にも素晴らしい選手は沢山いる。リケルメもマークに付かれていることを自認して早いタッチでボールを離し、自分がなんとかしようという感じはなかったし、その辺はしっかりと状況を掴めていたのかなと。まあ冷静に考えれば、ソリン、マキシ、サヴィオラで数的優位を持って絡めば、リケルメが絡まなくても崩せるのは当然か。

まあこの後は本当にアルゼンチンのショーのようなゲームに。左でサヴィオラとリケルメの少ないタッチでのパス交換から右に展開し、薄くなったところを今度はクレスポとカンビアッソがこちらも少ないタッチでの美しいコンビネーションで崩しきって2点目(サヴィオラ→リケルメ→サヴィオラ→禿→クレスポ→禿の流れ)。終了間際にはサヴィオラの粘りあるフォアチェックでボールを奪い、そのまま中に切れ込みシュートに持ち込み、はじいたところをマキシが詰めて3点目。これでゲームの趨勢は決まった。

後半開始直後はセルビア・モンテネグロがエルジッチ、リュボヤと交代選手の積極的なプレーもあって攻勢に出たモノのアルゼンチンにあっさりといなされ、ボールキープされる時間が多くなると、ケジュマンのイライラが募って、マスチェラーノに不必要な強烈タックル。一発退場で反撃ムードは完全に消え去る。それに同情することなく畳みかけるようにアルゼンチンベンチはテベス、メッシという若いアタッカー達をピッチに送り込む。そしてその期待に応えるかのように、クイックスタートからメッシが左サイドを切れ込んで中に折り返し、クレスポが押し込み4点目。テベスが左サイドからドリブルで2枚のディフェンスを剥がし、そのまま流し込み5点目。センターでのコンビネーションから、テベスのスルーパスにメッシが抜けだし6点目と意気消沈のセルビア・モンテネグロを完全に虐殺。まらどん大はしゃぎ。

で、メッシとテベスも良かったですね。4点目が入ってセルビア・モンテネグロが完全に切れてしまっていたし、既にゲームの行方にとしては決まっていたので、そんなに重要度の高いモノではありませんでしたが、加茂さんを好々爺にさせちゃうようなメッシ・テベスの才能によるとろけるようなゴールショーはこのゲームをより華やかにした。しかし、強いね。リケルメ頼みの傾向が強かったのに、本番になったらこのようにリケルメが絡まなくても少ないタッチでの流麗なコンビネーションと個人技のミックスした素晴らしい攻撃を披露できる。ボールレシーブアクションの多さ、パスコースの確保など、チームで個々に課されている約束事とその中で各自が穴が空いたら仕掛けたり、創造的なプレーをする個の判断のバランスが良いのかなぁと。まあこういうことがいとも簡単に出来る選手の質は備えているから、驚きこそないけれど、この辺は強豪国の懐の深さというのを感じさせた(言われたことをきっちりとやり、その上で更に効果的なこと、必要なことを考え表現できる。一歩上の戦術表現なのかもね)3戦目は消化試合の趣もあるけど、オランダとのゲーム。良いゲームになって欲しい。

セルビア・モンテネグロはこれで予選敗退が決定。守備力が高く前評判も高かったのだけど、今大会では自分たちのゲームをほとんど出来なかったことに尽きるかな。このゲームは6分、オランダ戦は18分と、早い時間帯に失点を喫してしまったことは、リアクション型のチームにとっては致命的。本大会前に主戦センターバックのビディッチが怪我で、右サイドバックのガブランチッチをセンターバックに回さざる得ず、そうしたら右サイドが穴になるという部分は不運だったけれど、ただでさえ総合力という部分ではオランダ、アルゼンチンにはに劣っていただけに、苦しかったかな。正直攻撃面ではタレントの割に物足りなさもあるけれど、予選などここまでの戦いは見事だっただけに、最終戦は意地を見せて欲しい。ケジュマンいないけどさ、_| ̄|○

続けて、オランダ-象牙海岸

Group D
Netherlands 2-1 Cote d'Ivoire @ Stuttgart
NED:23'R.V.Persie 27'R.V.Nistelrooij CIV:38'B.Kone

FIFA MatchReport

オランダスタメン:GKファン・デル・サール、DFヘイティンガ(→46'ブーラルーズ)、マタイセン、オーイヤー、ファン・ブロンクホルスト、MFコク、スナイデル(→50'ファン・デル・ファールト"復活")、ファン・ボメル、FWファン・ペルシー"お見事"、ファン・ニステルローイ"初ゴール"(→73'ランツァート)、ロッベン

コート・ジボワールスタメン:GKティジエ、DFエブエ、コロ・トゥーレ、メイテ、ボカ、MFゾコラ、ヤヤ・トゥーレ、ロマリック(→62'ディンダン)、FWバカリ・コネ"お見事"(→62'ヤピ)、ドログバ"お疲れ"、アルナ・コネ(→73'アカル)

オランダのチャンスを生かす集中力、そしてコート・ジボワールの意地と迫力、それが作用して非常に白熱したゲームになりましたね。アグレッシブなゲーム展開は見るモノを熱くさせるし、そういう意味でコート・ジボワールのパフォーマンスはとてもポジティブだったなぁと。もちろん、守備の甘さというのはあるのだけど、非常に勇敢なサッカーをするというのは勇気のいること。それを大国相手に立派にやったのだから、結果は付いてこなかったけどそれだけでも称えられるべきだと思う。

ゲームとしては、4-3-3にして攻めるという意識を持ったコート・ジボワールがオランダを押し込み、そのためオランダとしてはなかなか自分たちのペースに出来なかったのだけど、そこでチームを救ったのがペルシーの個人技。右から中に切れ込むドリブルで相手を翻弄して結果としてFKを獲り、そしてそれを自ら沈める。これでオランダペースに一気に持ってきたかなと。

実際、いくらゲームのペースが相手にあろうと個人技というのはペースとかリズムに関係なく出てくるところがある。そういう意味でそういう選手を携えていたオランダの強みというのが出たのかなぁという印象を受けた。で、あのFKは凄かった。スピード命のようなシュートだったけどしっかりカーブが掛かってコースも良く、あれではGKとしてはそう反応できるモノじゃない。テストマッチから非常に威力あるシュートを打ち続けていたので、予感というのはあったけど、苦しいゲームの中でしっかりと決めきるメンタリティ。見事。

で、これでリズムが出来たオランダはそれに見事に乗って立て続けにチャンスをモノにする。ロッベンがうまくバイタル中央でキープし苦しい態勢からスルーパス、外に開きながらオフサイドラインをしっかりと見定めてかいくぐった(というよりラインを踏み越えないように止まってた)ニステルがそれを受け、しっかり押し込んだ。何か、強豪国というのは相手が隙を見せると本当に逃してくれない。そんなに明確な差は感じないというか、良いところを出せれば、それなりに対抗できるのだけど、こういう要素の差、サッカーにおける壺を押さえることの出来ることが差になっているのかなと改めて思う。このプレーに置いてはロッベンがバイタルに入ってきて、警戒心が一気にロッベンに集中しニステルのマークを緩くしたのかな?そういうところを見逃さない所も又、その思いを強くしちゃう。

結局ゲームとしてはこの2点というアドバンテージをひっくり返せず終わってしまうわけで、余りにこの2点は大きかった。力の劣るモノがこういう大国を倒すためには何が必要なのかなぁと考えたとき、切れないこと、連続して失点しないために踏みとどまる力なのかも知れないなぁと思った。

実際、ペルシーの先制弾はしょうがないし、2点目も素晴らしいテクニックとビジョン、そして決定力の伴ったプレーだったわけで、仕方ないと言ったら仕方ないのだけど、強豪国相手に2点のビハインドは正直厳しい。まあこの後コートジボワールは見事なビハインドメンタリティで反撃に出て(ゲーム通じて勇敢だった)、そしてバカリ・コネの見事なミドルシュートで一点を返し(これは凄いシュートだった。ドリブルとは間逆の方向へ飛ばしたミドルは本当にびっくりした。腰のキレというか、なんというか。ゾコラのミドルも惜しかった。入ってりゃあなぁ)、後半も長い時間攻め続けて、主観では勝ち点に値するパフォーマンスだったと思う。

でも、それがそうならなかったのは先制点を獲られた後の数分、オランダの攻撃を現実的に切れず、2失点目を許してしまった事にあったと思う、まあ結果論だけど。そういう意味ではゲームは落ち着いてしまうかも知れないけど(得点の後の攻撃はチャンスといわれるし)、まずはこれ以上傷口を広げないように、自分たちが落ち着きを取り戻すことも又大事なんだなぁと改めて感じた。てゆうか、こんな事誰もが分かってると思うのだけど、一戦一戦が当該国にとっては非常に重い意味持つ一戦で、それは見ている側にも伝わる。だからこそ、こういう事を強く感じた一戦だった。

コート・ジボワールはとてもポジティブなチームだった。リスクマネジメント、守備に関しての考え方に隙はあるけれど、ガーナと同じように前への強さと柔らかい技術、攻撃的にリズムが乗った時は本当に傘に掛かって迫力ある攻撃をする。もちろん核はドログバであり、彼を中心に回っている感はあるけれど、それでも他にも好選手(ゾコラはユナイテッドが買いたくなるのが分かる)は多かったし、ここで消えてしまうのはもったいないチームかもね。消化試合となってしまうけど、コート・ジボワールにとってはとても大事な試合。ワールドカップでの勝ち点というのはやっぱり大きいモノだと思うしね。ドログバなしのチームがどのように回るのか、それはそれで興味がある。ドログバはいないけど、頑張って欲しい。てゆうか、意地を見せて欲しい。

結局死のC組は、サッカー大国が連勝で、死のグループらしくない順当な結果で終わることになりました。まあそれだけこの2強の強さが際だつ展開だったのかも知れませんが、やはりアルゼンチン、オランダ共に完成度は高い。アルゼンチンは別にして、オランダはまだ本調子とはほど遠いけど、ロッベン、ペルシーという勝負を決められるタレントを擁している強みは持っている。まあそういう意味で妥当な結果だったのかも知れませんね。

ということで追記終わり。次は多分GroupE。

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