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June 28, 2006

余りに対極的な、2つのゲーム@FIFA WORLDCUP Germany2006 Round of 16 Switzerland vs Ukraine/Brazil vs Ghana

一昨日の夜のゲームと昨日の夕方のゲームを。本当は同じ日にくっつけようと思ったのだけど、余りに対極的なゲームだったのでくっつけることにしました。

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day18

Round of 16
Switzerland 0(EX 0-0/PK 0-3)0 Ukraine @ Koln

FIFA MatchReport

両チームともとても似た傾向を持つチーム同士の非常にタクティカルなゲーム。組織的にオーガナイズされたプレスとゾーンを併用するバランスのいいディフェンス(フィジカル的にぶち当たるのではなく、個人に置いてもグループに置いてもボールを奪う術に長けていた)、攻守の切り替えが速く、カウンター的な攻撃を指向するチームで、その徹底度が非常に高いから隙が生まれてこなかった

で、結論から書けばスコアレスドローに終わった理由として、両チーム共に、非常に集中力が高く、闘争心も伴っており、こういうサッカーを維持するための必要な要素(運動量、攻守の切り替えの意識、戦術徹底の意識)を最後まで維持し続けた事で相手に隙を与えなかった(いや、最後までというのは言い過ぎかも。延長に入って体力的に苦しい部分はあったかな。ただ、意識レベルではきれていなかった)そういう意味ではこういうスコアはある程度決まっていたのかも知れない。

まあどちらも奪われた後、非常に攻守の切り替えが速くフォアチェックで速い攻撃を抑え、オリジナルポジションに戻り、組織を整えられば非常に質が高いから、ほとんど隙が出てこない。だから、ゲームの中でのチャンスとなるのはハイライトを見れば分かる通り、その形は限られていたと思う。チームとしての得意とする形でもあるカウンター、モダンフットボールの掟であるセットプレー、個人のスペシャルスキル、そしてミス。勢いを持たず、スペースを消された状態からポゼッションをして崩そうとしてもチャンスになるというシーンはほとんどなかった(別に質が著しく低いとも思わないのだけど、その組織の質を超えなかったということでしょう)そう意味ではボールを持たない方が強いというゲームそういうことを鑑みると、硬いゲームになるのも当然だったかなと。

まあそんなゲームの中で、その組織を崩すキーが何になるのか、同じ傾向の中でディティールとしてはどのような違いがあるのか、そういう部分を注目しながら見ていました。まあスコアは動かなかったし、どちらも攻撃に置いて相手の組織を揺さぶり、崩すとキーを見つけることが出来ていなかっただけに前述の部分は答えがなかったわけですが、もう後述の方は、非常に興味深かった。まああくまで印象でしかないけど。

で、守備におけるタスクとしての違いという部分を見ていたのだけど、ゾーン意識が高く、アプローチからミスを誘発させてインターセプトを狙うスイスと、組織をフレキシブルにブレイクしながら人を潰す、追い込んで囲い込むというウクライナという違いがあるのだけど、これに関しては度合いの違いで大きな違いじゃない。すると、組織を形成する個々の特徴、傾向という部分にも違いがあるかなぁと(当たり前なんだけど)

もちろん前提としてチームとしてのタスクの中で、ということ。より個人のインスピレーションによるプレーがある程度内包されているウクライナ。逆に個人の意識もより組織の方向へ、ゾーンを維持する傾向の強いスイス。これは差があったかなと。どちらが良いとかそういうのではなく、ウクライナの選手はソリッドでスティールする技術を持っているからそれの方がより個の特長を生かせるし、それがよりポジティブに反映されるし、スイスの選手はフィジカル的に強くサイズもあるので、ゾーンを組んだ方が効果的という傾向が出ているのかなぁと。

まあ、どちらのチームも、あそこまで組織力を高め、集中力、その掟を守り続けたことは本当に尊敬に値するということです。主力のCB(スイスはセンデロス、ウクライナはルソル、スビデルスキー)がいない中で120分間、高いレベルでああいうことを続けると言うことは口で言うほど簡単な事じゃないからね。どこかでリスクを獲るシーンがあれば、もっとゲームは動いたのだろうけど、こういう舞台だし。それ自体は否定されるモノではないかな。

結局PKに勝敗が委ねられることになって、シェバの失敗を(シェバはさ、思いっきり蹴った方が良いんじゃないかな?)ショフコフスキーが神懸かり的なPKストップでカバーするというドラマティックな形で決まったけど、非常に緊張感溢れる現代的ないいゲームだったと思います。攻撃的には、あれだったけどね。スイスは無敗、無失点と負ける要素が全くなかっただけに可哀想だけど、PKはね。まだ若いチームだし、この体制を継続したまま望むであろう自国開催(共催だけど)のユーロに期待ですな。で、ウクライナの次はアズーリと。シェバお礼参りの巻?めんどくさい相手だね、これまた(どことやろうと面倒くさい相手な訳だけど)

FIFA WORLDCUP Germany2006 Day19

Round of 16
Brazil 3-0 Ghana @ Dortmund
BRA:5'Ronald 45'+1'Adriano 84'ZeRoberto

FIFA MatchReport

アフリカ勢はこういう傾向が強いのかな?チュニジアもそうだったけどもの凄い強気のラインコントロール。その効果として、中盤をコンパクトにして相手にスペースと余裕を与えず、ボールを奪う可能性を高め(しかもフィジカル的な優位も活かせる、めちゃくちゃ粗い。やられた選手が怪我しちゃう。危ないよ)、高い位置でボールを奪うことになるから、その後の展開に置いてポジティブな形を作り出せる可能性も高い。けれど、ラインの高さが異常なほど高いから、それだけ恐ろしくリスクも高い。世界で一番上手な選手が揃っていて、隙も逃さないチーム相手にやった勇気は買うし、ポジティブに出ていた部分もあった。実際ブラジル相手に勝とうとしたら、どこかでリスクを獲らないといけないしね。でも、少々敬意を欠いた。中盤のプレッシャーが掛かっていない、牽制もしない、やられてもしょうがない。そういうゲームだったのかなと。

その象徴が先制点のデブのゴール、ルシオ→カカという縦の速い展開で完全に中盤を置き去りにし、プレッシャーが掛からない中でスルーパスを出された事が全て。ああいう状況でチームとしての考え方はラインを止めてオフサイドを獲る、ということなんだろうけど、それが浸透しきっていなかったのか、危機的状況で約束事を守りきれなかったのか、両サイドがラインで止まりきらなかった。デブも裏を取るのはうまいし、しょうがないと言ったらしょうがないのだけど、誰も見てないんだよね、ロナウド。これではオフサイドは獲れないなぁ……。その後もセンターを基準にラインをコントロールし、無警戒のサイドから飛び出されてぶち抜かれるというシーンが目立ったりと、ブラジルはガーナのラインディフェンスの弱点を完全に見抜いていた。まあこういう部分を鑑みても、リスクの方が高くついたかなぁと。もちろん上に書いたようにポジティブに出て、沢山チャンスを作っていたけど、実は伴わなかった。そういう意味ではピンチとチャンスの足し算引き算という部分でそこに掛かってくる(選手の質)というかけ算を間違えたかなぁと。(まあそんなこと考えたら、ブラジル相手に攻めることは出来なくなっちゃうわけだけど)

それにしても、相変わらず決めるなぁ、デブもアドリアーノも(オフサイド……か?)少し動くようになったけど(アドがカウンターされそうなピンチに、ロナウジーニョの穴を埋めるために下がってディフェンスしてたりと、ようやく本気モードになってきたのかなという感じはあったけど)両サイドのラインズマンに助けられた感がなくはないけど、相手の状況を見定める目、前を突き破る局面打開力、そしてチャンスを逃さない決定力、コントラストとして彼らの質の高さが際だった形だった。チームとして相手の疲れが出てきてスペースを得る後半の強さは異常。てゆうか、相手は力あるガーナなのに、これが決勝トーナメントなのかと思うぐらい楽に勝ってしまう、力の証明なんだろうね。

不安要素を上げるとしたら、ディフェンスかねぇ。ガーナのリズムと技術とアイデアの詰まった攻撃構築は素晴らしいけど、それ以前にブラジルの守備が組織として機能するシーンが少なく、バイタル使われすぎ。まあ前があんまりディフェンスしてくれない(まあグループリーグに比べたらやってるけど)から、仕方ない部分はあるのだけど、これだけやられたのはちょっと不安要素かもね。選手個々が機転が効くこと、危機察知の速さが何とかしている部分もあるけど、組織として揺さぶられると役割分担を失ったりして、非常にどっかのチームに似てる気がする。そのどっかのチームが獲った1点も、受け渡しミスだし。

まあ後半ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、ジウベルト・シウバ、ゼ・ロベルトの3ボランチになってバイタルエリアを埋めることが出来て少し安定したこと(ガーナの攻撃が中央に寄る傾向が強い)、ジダが大当たりなことはポジティブかも知れないけど、簡単にゴールを獲れなかった時、この日のガーナのように攻め込まれたらリスクに沈むかも?ボールを奪う力も低いしね。まあ4点ぐらいぶち込んじゃえば何点取られようと関係ない気もするんだけど。沢山点が取れるかどうか、そのキーを握るカルテット・マジコが仕事をするかどうかが優勝の鍵なのは変わらず間違いないでしょう。次はフランスか、98年決勝の再現か……。

両チームの傾向としてボールを持った方が強いという感じがありありと見えて、上のゲームとはもの凄い対比だなぁと思った。テクニックもアイデアも持ち合わせていて、崩せるだけの力を持つ。逆に守備に置いては秩序を欠くシーンも多く、守低攻高(こんな言葉はないだろうけど)というゲーム。これはこれでサッカーの喜びに溢れていて、これはこれで面白い。特にそれをガーナが表現していて、とてもポジティブだったと思う。差は付いたけど恥じることはない。お疲れ様だね。

ということでBest8が揃いました。よく言われることだけど、準々決勝はトーナメントの華なんて言われるわけで、華になりそうなゲームが沢山ありすぎて困っちゃいますな。

FIFA WORLDCUP Germany2006 QualterFinal MatchSchdule

6/30 17:00KickOff/Germany vs Argentina @ Berlin

6/30 21:00KickOff/Italy vs Ukraine @ Hamburg

7/1 17:00KickOff/England vs Portugal @ Gelsenkirchen

7/1 21:00KickOff/Brazil vs France @ Frankfurt

なにこれ、楽しみすぎて死ねる。やっぱり欧州の大会と言うことが、トップチームのコンディションにポジティブに反映したということなのかもねぇ。でも頂点に行くに従って、残りの試合は少なくなっているんだよねぇ。残り8試合か、寂しいな。まあその分密度の濃いゲームになると良いなと。綺麗にまとまったところでとりあえずここまでっす。

*スペイン-フランス、アルヘンティナ-メヒコもやるよ。てゆうか、この二つがグループリーグの中では個人的にアズーリは抜きにして、特に熱かった。いつ総括するんだって話ですけど、それも少しずつ書いていきますよ。少々お待ち。結局どっぷり愉しんでます。

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