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May 20, 2006

軽くない4年間の中身 -貢献度に思う一考察-

ドイツに行く23人が決まって数日が経ちましたが、報道の過熱ぶりや関心の高まり(アクセス数からももの凄い感じる)には、改めて驚きを感じました。日本代表への関心は未だに高いんだなぁ……。ということで、そのメンバー選考に関する事で感じたこと、思ったこと素直な気持ち。

・軽くない4年間の中身 -貢献度に思う一考察-

年々変化を遂げるフットボールの周辺において、ワールドカップの重要性はUEFAチャンピオンズリーグを代表としたクラブフットボールの隆盛などにより薄まってきたのかも知れない。しかし、アジアの片隅に位置し、まだまだナショナルチーム人気の高い日本にとってはまだまだとても大きな存在であり、選手達の欲求をかき立てるモノに変わりはありません。しかしその出れる選手は23人、しかも4年に1度しかない。とても狭き門。その選考を巡っては喧々囂々の議論を巻き起こします。

そんな中で、現日本代表監督ジーコは、「貢献度」という要素を重要視し、自分が率いた間の代表チームでのプレーを中心に選考するという事を打ち出しました。これで、事態は紛糾、リーグ戦の結果を無視している、選手の旬を考えない、貢献度という要素自体が不明瞭だ、などの批判が巻き起こった訳です。確かに感じない訳ではありません。ワールドカップは短期決戦であり、スプリント勝負の中で勢いのある選手を使った方が結果を残せる可能性が高いこと。それは歴史が物語っている。又、長く代表に呼ばれている選手にどうしても分があり、そういう選手を呼べなくなる可能性が高いこと。それは何より本当にワールドカップで結果を残すための選考ではなく、護送船団方式の様な形になっているんじゃないかということ。確かにそういう部分はあるのかなという感じがします。

ただ、ここで個人的に疑念が残る部分があります。スパンとして4年に1度という期間の中で、代表チームは常に活動をしてきました。ワールドカップ予選はもちろん、アジアカップやコンフェデレーションズカップ、様々なテストマッチ。その中で自分の身を削って戦ってきた選手達に対してのリスペクトに欠くのではないか。そんなことを感じて仕方がない。

もちろん、応援するモノの一番の希望である「ワールドカップの勝利」という事なのは理解できるし、更にチーム力を上げるためにはある程度心を鬼にして、世界で戦える可能性を探る必要性があるのも又事実です。しかし、それこそ切り捨て的な考えなのではないでしょうか。この4年間、代表に身を捧げて戦ってきた選手がいる。その中には無理をしてでも代表チームでの活動を重視し、永井シーズンを戦って疲労しているところを鞭打って苛烈な状況に身を投じた選手もいるし、無理をおして代表チームに参加し状況を悪化させた選手、試合により先に影響する怪我を負い契約を失った選手、代表とクラブの両立により過酷なスケジュールをこなしたことで怪我に繋がった選手だっている。

彼らがそこまでして代表チームに身を捧げた理由はただ一つ「ワールドカップに出たい」という気持ちからだったと思います。もちろん全ての選手が出れるモノではないから、いくら頑張っても出れない選手が出てきてしまうにしても、彼らの目的はそこにあるのは間違いない。そして、貢献度や信頼というモノが自らの足を削って得たモノだとしたら、この要素はとても尊いもので、軽んじるものではない。

ライジングスターの登場に沸き立ち、無邪気に喜ぶ人が多い現在、ひっそりと代表を離れ、代表に捧げて疲弊した体を戻そうと必死にやっている選手がいる。そんな選手のことを考えると僕には、「代表のため」「勝利のため」という言葉はきれい事にしか聞こえない。

*何でこんな事を書いたかっていうと「サプライズ」を求める裏にはその犠牲になる選手がいると言うことをもう少し考えて欲しかったから。もちろん、代表が強くなるためにやっているのだから、犠牲は致し方ない部分もあるかも知れない。弱肉強食という競争の元に成り立ったセレクションチームだしね。でも、それなら4年間って一体何だったんだろう?って思いが沸々とわき上がってしまった。貢献度という部分では確かに曖昧な部分もあって、「縁故採用?」と感じる部分がない訳じゃない。でも、その言葉をお題目に批判するのはちょっと違うんじゃないの?と感じた。実際に代表では苛烈な環境や厳しいゲームが沢山あって、それを戦ってきた選手にとっては相当な負担が掛かっていた訳だから、その貢献度は認められてしかるべきだし、それに伴う信頼は薄っぺらいものではないと思う。

*もちろん巻を批判するつもりは毛頭ない。彼は自分のやれることを必死にやって、結果を残し、自らの力でそのチケットをもぎ取った訳だから。彼にはその権利があるし、素直に頑張って欲しいと思う。ただ、そんな裏にはそういう選手もいるということをバックボーンに、重みを感じてほしい。そう思った。

*厳しい世界での勝負を考えたらナイーブで甘いのかも。あぁ、僕は甘い男だよ。

*ただ、松井は選んで欲しいと思った僕はダブルスタンダードかも知れない。台無しだ。

ということで、今日はここまで。他の国のメンバーに関してもかなり検索などで訪れていただいてるようなので、もう一回やろうと思います。全部とはいきませんが。

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Comments

こんにちは。
興味深く読ませて頂きました。
自分が思っていることを、全て表現していただいたようで、
勝手に感謝しています(笑)
メディアの報道を見ていて、モヤモヤを感じていたので。

そうですよね。この4年間、日本代表のため(勝利のため)、
W杯に出場するために何かを犠牲にしながら、
どんな批判も背負いながら闘い続けてきた選手達がいた。

もちろん監督がW杯での勝利のための選手を選ぶのは当然。
それには非情さが必要なこともわかっているんですよね。

でも、どんなに「努力」しても報われなかった選手達。
W杯は23人が闘うのではなく、この4年間を支えてきた
選手達全員が闘ったものだのだということを、
忘れないでいたいです。
日本代表を応援しているというのならば、
それを忘れないで欲しい・・・と思います。

Posted by: たま | May 20, 2006 at 06:19 PM

初めまして。いつも読ませていただいてます。
貢献度についてですが、私はあまり「ご褒美」的なもの
には感じてません。実力があった上での「経験」「連携」
「信頼」みたいなものなのかなぁと。ジーコの真意はわか
らないので、そういう「ご褒美」的意図から選出したところ
もあるのかもしれませんが、基本は「W杯で勝つ」ための
メンバー選びだと思ってます。
W杯が出場が目的でなく、W杯で勝つことがあくまで「目的」
だと。当たり前のこと書いてすみません。

Posted by: doroguba | May 21, 2006 at 10:07 PM

たまさん、こんにちわ。メールアドレスが素敵ですねw


感謝なんて、そんなそんな。

選考に関しては、上記の通り異論がある訳ではありません。今の日本に情を優先するような余裕などないし、そうすべきでもないのは当然だと思います。

難しい部分ではありますが、4年間は確かにワールドカップのためにという部分があるのは確かですが、そのプロセスの中で身を削ってきた選手達に対してのリスペクトというのを持っても良いのかなと。まあ、目線がワールドカップに行ってるから仕方ないのかも知れませんが、無邪気すぎる余り残酷な事をしているんじゃないかなと。

多くの犠牲のもとに成り立っているし、多くの犠牲があったからこそこの舞台がある。だからこそ少しでも良いから心の片隅に置いておいて欲しいなとというのが素直な思いです。というつもりで書きました。

まあナイーブな気もしますけど。それでは、コメントありがとうございました。ではでは。

Posted by: いた | May 22, 2006 at 03:04 PM

dorogubaさん、はじめまして。こちらこそいつも楽しく多角的なエントリーで楽しませていただいてます。

そうですね、確かにその通りなのですが、それを曲解して捉えている人は非常に多いのかなぁと。封建的な権威主義を見るような感じで、その中身であるプロセスを全く見ようとせず、それを壊すモノを望む……といった感じで。

ジーコ体制に置けるメンバーは誰もが実力者で、長いスパンで結果を残してきているからこそ、名を連ねている選手が多いですし、その中で様々なモノをチームとして積み上げているからこそ、信頼というモノになっているのかなと。だから、何となく「貢献度」という言葉が一人歩きした感は否めないのかな(どちらかといえば、ゲームの中での貢献とはき違えやすい)という感じはしています。

「出る」「勝つ」という部分は目先の違いかも知れないですね。難しいところですが、出る選手にとってはやはり夢舞台ですし、まずは出たい。で、やるからには勝ちたい。出たことない選手にとってはそんな感じなのかなと。まあこれは想像にすぎないですが。見ている側、選ぶ側と選ばれる側の解釈って感じです。第3者としては勝つことを前提に見ている部分も多いので、そのように見るのが普通なんですけどね。

僕の文章力が至らなかったので伝わらなかったと反省しております。これに懲りずに又感じたことがあったら何か書いてもらえると嬉しいです。ではでは、コメントありがとうございました。又よろしくお願いします。

Posted by: いた | May 22, 2006 at 03:18 PM

いつもおせわになっております。「缶詰にしん」、にしんです。
エントリに心動かされたので、コメントをと想い。

「実績と貢献」という言葉が一人歩きした為に生まれた
「サプライズ」への希求は、現象としてそれ自体が
少ししんどいものだったな、とか、思います。

選抜されるのはあくまでも「チーム」のメンバーであって
パズルのピースではなく。いままでの積み重ねがなくして
成立しないもののはずなのだけれど、それを忘れて
閉塞感の打開だけを求める方向に流れていったのは
危険な兆候だったのではないかと感じました。

たとえば宇都宮さんはコラムで、
ジーコが正常な判断を下せるかが試されていたうんぬん
書かれていましたが、ただしいただしくないなんて
神様だってわからない。示されていたものはあくまでも
その監督が信じる「可能性」でしかないと思うのですが、
その可能性のキーワードが「実績」だったりしたことは
少なくとも日本人の感覚的に齟齬があった。
それがちょっと無用な緊張感を生んでしまった気がします。

そういう緊張感が「可哀想」の比較衡量を生んでしまった。
そんな気がしてなりません。選考にいたる流れのなかで
「あんなにがんばってるのにかわいそうじゃねーかよ。」
そういう想いが
「これまで代表に尽くしてきたのにかわいそうじゃねーかよ。」
という声を押しつぶしてしまった。それは正直なところ
健康なものではなかったと。思います。

オシム監督が述べていたことは、だからこそすごいと感じました。

代表選手は、そういういままでの代表の積み重ねを
背負って戦ってくれると信じています。
だから、できれば応援をする僕たちも、現在選ばれた23名だけでなく
それまでの積み重ねに敬意をもって、想いを背負って
声援を送らなければならないのだろうと、
このエントリを読んで、そんなことを考えました。

長文失礼しました。

Posted by: にしん | May 22, 2006 at 10:31 PM

にしんさん、こんにちわ。コメントありがとうございます。こちらこそお世話になってます。レスが遅くなって申し訳ないです。

元々ネガティブに捉えられてきたチームで、閉塞感を感じる部分を感じるからこそ、それを破る意味でまだ底の見せていないポテンシャルのある選手の可能性に賭けたいという希求が強くなっていった訳で、それが強くなりすぎる余り、現状に置いて戦ってきた選手へのリスペクトや実績に対しての評価、このチームのベースの軽視などに繋がっていったと思います。それに対して、色々と思うことがあったので書いたのですが、これほどしっかり捉えてもらえると、書き手冥利に尽きます。ありがとうございます。

宇都宮さんのコラムに関しては、まあ仕方ないかなぁと。セレクションチームに置いて、セレクターである監督の基準に対して、違う基準で見るという意味ではナンセンスなのかなぁと感じる部分があります。ただ、元々否定的な視点で見ることも多かったですから、仕方ない部分もあるのかも知れませんけどね。ただ、仰られる通り正しい、正しくないという観点はない。あるとしたら、結果が出た後だけでしょう。

オシム監督に関しては、本当に感謝です。教え子をワールドカップに送り出すという喜びの裏で、そういうことを又考えられる。その深みに経験というモノを感じました。選ぶ苦しみも、選ばれる喜びも、選ばれない悲しみも知っている。だからこそああいう発言をしてくれたのではないかと思っています。個人的には救われた言葉の一つでした。

最近は反発心などから、代表への敬意というのは失われつつありますが、選手達が一番それを感じてプレーしているのかも知れません。そういう意味では選ばれなかった選手の分まで戦ってくれるのではないかと、僕も期待しております。

このエントリが考える一因となったことは、とても嬉しく、励みになります。長文も逆に嬉しいです。では、又よろしくお願いします。

Posted by: いた | May 24, 2006 at 05:55 AM

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