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April 12, 2006

解放、変貌、快勝@J1 第7節 FC東京 vs ジュビロ

プレビュー替わりにしようと思ったけど、遅すぎですな。まあFC東京の変貌ぶりは非常に興味深いテーマだったのでやるつもりだったからいいけど。しかし、この一週間で何があったんだろう?

2006 J.League Division1 第7節

FC東京 3-1 ジュビロ @ 味の素スタジアム「解放、変貌、快勝」
FCTOKYO:22'&44'ルーカス 66'栗澤遼一 Jubilo:25'村井慎二

Super Soccer

FC東京スタメン:GK土肥洋一、DF徳永悠平、増嶋竜也、茂庭照幸、鈴木規郎、MF伊野波雅彦(→46'宮沢正史)、梶山陽平、今野泰幸、栗澤僚一(→83'浅利悟)、FWルーカス、ササ・サルセード(→89'赤嶺真吾)

ジュビロスタメン:GK川口能活、DF鈴木秀人、茶野隆行、田中誠、森下俊(→60'船谷圭祐)、MF菊地直哉、ファブリシオ、太田吉彰、名波浩、村井慎二(→71'成岡翔)、FWカレン・ロバート(→56'前田遼一)

どちらも新しい方向性に向けて模索中、熟成中というチーム同士の対戦。FC東京は前節からトップの所を川口からササに変更。マンマーカーとしてにわかに注目を集める伊野波はこの日名波をターゲットとして定める。ジュビロの方はミッドウィークのナビスコでは少しメンバーを落として、このゲームに照準を合わせてきた。福西、金がまだ戻れず菊地、茶野が入り、左サイドにはユース上がりの2年目森下が服部に代わってスタメン。

前半
ゲーム開始から積極的な姿勢を示したFC東京は、こ前節とは全く違うサッカーを展開して、ゲームの流れを掴んだ。中盤でのボール回しに置いて繋ぐと言う意識から前方に運ぶという意識がに変わったことで、良い距離感と連動による繋ぎでスムーズに前に運んでいく。そこに相変わらず高い位置で攻撃参加のタイミングを伺うサイドバックが攻撃に絡む事でチャンスを生み出す。

ジュビロは、そんなFC東京のポゼッションを網に掛け、サイドバックが上がる事で生じるスペースを高い位置にいる村井、太田で切り替え早く突いていく事を狙うと言う意図が見えましたが、ことごとくFC東京のパス回しに翻弄されてプレスが空転、守→攻と言う狙いが根底から崩れてしまう。そうなると攻撃も閉塞感を伴い、常にプレッシャーを掛けられながら攻撃させられ、その流れから失点を喫してしまう。

中央右サイドの名波に出た縦パスに対して、徳永と栗澤が収縮してプレスを掛けボールを奪うと、そのまま栗澤がドリブルでボールを前に運ぶ。栗澤は速いタイミングでのショートクロスを選択し、これが裏に抜け出したルーカスへどんぴしゃり。ルーカスは巧みなダイレクトでのループシュートで能活の守るゴールを破った。プレスからのショートカウンターという形ですが、徳永がオーバーラップを掛けた事でサイドバックにアプローチを抑えた形になったことを含め、非常に質の高いゴールでした。ルーカスは今シーズン初ゴール、不名誉なノーゴール記録をようやくストップ。

これで更に勢いに乗るかと思われましたが、その直後ジュビロも反撃。右サイドからの攻撃でファブリシオが名波のワンツー(名波のヒール!)でペナに進入、そのまま中へ流し込むと、この試合何度もペナに入り込んできていた村井が増嶋を制してニアで先に押し込み同点弾。このシーン以外はほとんど見られなかったけれど、ジュビロらしいアイデアとスペースユーズの融合したゴールだった。

ただ、このゴールでも流れはそんなに変わらず相変わらず東京が主導権を握ってゲームを進めると、終了間際伊野波→ルーカス→ササという形で決定機を作った後(ササの近距離からの強烈なシュートを能活がスーパーセーブで凌いだ)のCKから、梶山の速いキックにルーカスが体を寄せられながら長い足でボレー。これが素晴らしいコースに飛んで再び突き放す。結局前半は東京ペースのまま2-1。

後半
ハーフタイムに、そんなに悪くはなかったと思うのだけどカードをもらっていた事とマークの意識の再徹底と言う事らしい狙いで伊野波から宮沢にスイッチ。この交代がどうなるかという部分も注目されましたが、相手のジュビロの調子が上がってこない。相変わらず閉塞感のある組み立てに終始し、使いたいアウトサイドもしっかりと対応されてしまう。この流れを打破しようと前田、船谷を投入するも、流れは変わらずなかなか攻勢に出れない。

一方FC東京の方は、相変わらずの中盤の積極的なムーブとサイドバックの攻撃参加で主導権を保ち、宮沢が入った事で組み立てにサイドへのミドルパスによる展開を交ぜたりと、より幅のあるサッカーを展開。そして20分過ぎに望むべき形で追加点をあげる。左サイドに流れた梶山がキープ、押し上げてきた宮沢に渡り、宮沢はDF間に飛び出した今野へ糸を引くようなスルーパス。今野がこのボールを折り返して、最前線に出てきたのは栗澤、これをスライディングで押し込んだ。中盤の4人が流動的にポジションを変え(左サイドに3人の選手が寄ったという事が象徴的かな)、そのままの流れで一気に崩しきった得点。冷静に考えると非常にリスクのある事だと思うけど、ポゼッションサッカーの理想とも言える(ポゼッションすることで多くの選手達が高い位置を取る時間を作り、その選択肢をうまく使って崩す)崩しだったと思うし、非常に美しかった。

この後、ジュビロは完全におかしくなってしまい、ほとんどフィニッシュに繋げられない攻撃に終始。逆にFC東京のカウンター(徳永が最前線に来るんだよねぇ、これは凄い)が冴えたりと、流れを明け渡さず。結局3-1でFC東京が自信と共に勝ち点3を手に入れた。

実況の人もいってたけど、去年と今年では全く立場が変わってしまった感じでしたね。FC東京がポゼッションして崩すのに対し、ジュビロはアウトサイドからの速いアタックを狙う。ただ、狙いを具現化できたのはFC東京の方で、この1週間で良い修正を出来ていたと言う感じを受けました。

誰かのコメントにあったと思うけど、志向するスタイルがポゼッションに変わった事で、繋ぐという意識が強くなりすぎて、動きを制限する鎖にもなっていた感じだったのですが、この試合はその意識が変わったのか繋ぐためではなく崩すためと言う感じで、選手達がボールを受けるためにスペースを見つけてコースに顔を出すと言う形で非常に流動性のあるポゼッションとなっていました。

で、やっぱり触れるべきは中盤の5人の選手のパフォーマンス。とにかくまず頭が良く動いているという事。出し手と受け手の関係においてパスコースを見つけて動き、そして他の選手が次のプレーを予測して動く事が出来ている事でプレーがスムーズに繋がっているのかなと。前節は相変わらず中盤と最前線の間が空いて、長いフィード中心の攻撃構築になりがちでしたが、人とボールが良く動く事でボールを前に進め、その距離を縮める事で良い距離感でプレーが出来ているように見えました。

個々で見ると、まず梶山がものすごい良かった。ボールを持てば出来る事は誰もが知っているからこそ、ボールのないところでいかにボールを引き出すかと言うところに課題があったと思いますが、この日は待つ姿勢ではなくパスコースに顔を出してパスを促すような形でボールを受けれていたのかなと。そういう部分もあってボールタッチの機会が増えて、オン・ザ・ボールのスキルの高さ、視野の広さは相変わらず。見事にゲームメーカーとしての役割を全うしていたのではないでしょうか。

そして、栗澤。相変わらずセンスが良い。余り下がりすぎずにルーカスやササに絡める位置取りをしながらも、アタッカーになりすぎずに中盤とうまく絡む事でFWとMFを繋げる役割をしていたかなと。梶山がゲームメーカーなら彼が受け手としてそれを助ける役割と言う感じ。元々、鼻が利くというか、感覚的に鋭いのでああいう得点も増えてくるかもね。アシストも微妙なアングルで難しいと思うけど、高精度で柔らかいボール。素晴らしかった。

注目度の高い伊野波に関しては、名波に対してマンマークというよりゾーンに入ってきたところで捕まえるという感じで、ちょっとびっくり。でもその分自由度が増して(それが気にくわなかったのかなぁ?ガーロは。結局名波に崩されて失点しちゃったし)ポゼッションにも積極的に参加し、良い楔を打ったり、左サイドに出ていったりとここまでは見られなかった攻撃面での存在が光っていた気がする。ユース代表の壮行試合(チリ戦?)では結構サイドにポンポン展開してたから、こういう事も出来るのを証明したのかも。

中盤だけでなくセンターバック(特に憎き増嶋)がトップへフィードを飛ばして楔を打ち込んだり、相手を引きつけて一枚剥がす仕事をしたりとチーム全体がポゼッションへの積極的な関与をするというのが波及していたように見えました。その他にもディフェンスにおける前の姿勢、ルーカスとササの役割分担など非常にポジティブだったと思う。まあとにかく苦しみながらも積み上げてきて、選手達の頭の中の成長を改めて感じたゲームでした。

ジュビロの方は・・・ねぇ。どうするんだろ?FC東京が良かったとは言え、ジュビロは酷かったかな。システム云々じゃないけど、両サイドを意識する余りジュビロの良さというのはスポイルされていると思うし、速い攻撃をするにも、ポゼッションしながら攻めるにもどうもやりづらさを感じているような感じを受けました。守備も結構崩壊気味だし、ちょっとカオスだね。個人的に4-2-3-1は山本監督の志向するサッカー(極力手数を掛けずにスペースを突くカウンターサッカー)には合ってると思うけど、ジュビロの選手達にはあってない気がする。1トップが厳しい支配下に置かれて楔が入らずジュビロスタイルの攻撃はほとんど生まれず、名波のトップ下も正直あり得ない(機動力という面で、名波の特性を考えたら低い位置からゲームを作るというのが合ってると思う。言い尽くされてるけど)。てゆうかジュビロの良さである楔をスイッチにした連動性のある組み立てだと思うのだけど、それが消えているというのは大きな問題なんじゃないかなぁと。弱いジュビロは見たくないので、どうにか立ち直って欲しいけど、はてさて。

で、今日はナビスコ。まあいけないんだけどさ、でも意識改革の進んだFC東京は強いよ。前回はマルケスが伊野波をちんちんにしたりと左サイドが働いたから(実は足りないけど)ある程度優勢にゲームを進めれたけど、今回は一つ殻を破っただけにああいう展開にはならないと思う。マリの方はアマノッチや河合がスタメンという話があるけど、とにかく中盤で動いてくる今野や梶山をうまく捕まえてプレスを掛けたいところ。攻撃はオーシorマイクのポスト&放り込み中心になるかなぁ・・・坂田頑張れ、超頑張れ。まあこないだ書いたとおり、ブラジリアントライアングルに頼らないで、個々の選手がより高く意識を持ってプレーする事が今のチームには必要だと思うので、しっかりと戦って、何か掴んで欲しいなと。そういう意識改革が進んだFC東京は格好の見本となると思うし。とにかくアマノッチ頑張れ、超頑張れ。

と言う事でここまで。

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