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March 31, 2006

間違いなく、うまくなっている@KIRIN Challenge Cup vs エクアドル

エクアドル戦を見ながら思ったこと。日本代表は多分本大会でグループリーグで抜けれる可能性は非常に低いだろうと言うこと。でも、間違いなく日本の選手達はサッカーがうまくなっていると言うこと。辻褄が合わないような気もするけど、何となくそう思った。でも、それに青筋立てて駄目だなんて言うつもりはないです。だって、ワールドカップに勝つことだけが全てじゃないし(これは間違っている気もするけど)、進むべき方向性は間違っていないと思うから。と言うことでレポートの代わりに、ちょっとした戯れ言を(試合がどうにもこうにもとか、変な勘ぐりをしないように)

・やらせてくれる相手、やらせてくれない相手。

先に書いた「グループリーグは抜けられないであろう」という仮説の意味を。「そんなに悪くなかったのに悲観的な・・・」なんて思われるかも知れませんが、まあこれはあくまでも相手があってのことで、その相手を鑑みた上でそうなる可能性は高いだろうなぁと言うこと。

別に相対的に日本代表が弱いとか、相手が強いからと言うことではなく、ここまでジーコが作ってきたチームは自分たちのサッカーをさせてくれる相手、させてくれない相手のどちらかと言うことにパフォーマンスの出来が委ねられるからです。そして、グループリーグに置いて直接的に一つの席を争うことになるであろうクロアチアとオーストラリアは明らかに後者で、多分日本は研究され、警戒され、その相手の策の中でもがきながらサッカーをさせられることになり、そうなると日本は力を発揮できない可能性が高い。

実際、現代サッカーに置いて相手を置いておいて自分たちの力を振り回して勝てるようなチームは数えるほどしかなく、ほとんどのチームは相手を抑える術を重視し、自分たちの良さを出すというのは二の次になっていく(トルシエ・ジャパンが良い例)箱の大きさをわきまえた上でのサッカーといえるかも知れません。もちろん直接のライバルであるクロアチア・オーストラリアも例に漏れずそういう策を携えてワールドカップに臨む訳ですが、日本代表は残念ながらそうではなく、自分たちの力を活かして勝とうとする。逆説的ですけど、その力を発揮できなければ自ずと勝てる可能性が狭まる。そして、それは押さえ込まれる可能性が高い。どちらにしても日本がこういうチームに勝つ可能性は非常に少ないんじゃないかなと思ったり。まあ単純な話ですね。

ここまで代表チームはワールドカップで結果を出すためにやってきたわけだから、それじゃ駄目じゃんと言う話になるわけですが、短期的な視点で結果を残すためには間違っていても、中長期的な視点に置いては決して間違いだけではないのかなと。

・戦術的な武装をしない選手達の考える力の成長。

まず代表チームだけではなく、Jでの試合もあったり、クラブでの日々の練習もあるし、様々な要素が絡んでの成長であることは言うまでもないことなのをまず前提条件として。

戦術というのは、「勝つための術」であり、その度合いや手法がそのチームの特徴となったりするわけで、今までの書き方は間違っているかも知れません。ただ、よく今の代表チームは「戦術がない」と言われる書き方をされてきた。まあそれは捉え方の問題で間違っていないと思います。オートマティズム、組織的なディフェンスと言った監督主導で作られたモノはほとんどなく、「約束事」としては個々の選手がコミュニケーションと感覚で作ってきた横の繋がり合いで生まれたあやふやなものでしかない。強い制約というのはないと言っていいと思います。

まあそういう監督主導の戦術がなく、その分選手達はチームの事を考え、サッカーのことをより深く考えることを余儀なくされたと思うわけですが、その要素は選手達にとって思いがけず大きな経験となり、成長に繋がったのかなぁと。

サッカーというスポーツは、プレーすると同時に考えるという要素が非常に重要なことだと思います。常に様々な状況把握を求められ、その中で様々な判断が必要となる訳で、戦術というのはロールプレイのようなもので、その判断を簡素化していくことで、判断の拠り所となり、プレーへの迷いを消す(まあ全てを消せるわけではないけど、ガイドラインとはなり得る)。ただ、このチームでは上記の通りそういうモノはなく、ピッチの上の選手達に任されている訳で、それだけ複雑な判断が求められる。そして結果的にそれが選手達には非常に刺激になったのかなぁと。

まあ何が言いたいかと言えば、うまくなってるのは頭の部分。決められたガイドラインに沿う形でなぞるだけではなく、今の状態を把握し、何をしなければならないかをより主体的に判断してプレーに移すことになったこと、判断の主体性は間違いなく育ったと思う。そして、その主体性がプレーに置いてとてもポジティブな影響を出しているんじゃないかなぁと。

身体能力・技術・戦術、まだまだフットボールネーションと呼ばれる先進国の足元にも及ばない部分は多々ある。でも、一番劣るのは今、ジーコの代表チームの選手達が成長している頭の部分。一例として、昨年のワールドユースでの恥ずかしいパフォーマンス。戦術をなぞる(らせる)ばかりでそのピッチの中で必要な事・効果的な事を判断して、行動に移せる選手達は少なかった(まあそれは監督と選手の主従関係というのもあるわけだけど)選手の主体性と言っても良いと思うけど、個々の選手達がサッカーの本質を捉えること、それは考えることに他ならない。そんな部分を育てている現チームは必ずしも全てを否定すべきではないのではないかと、個人的には感じました。まあ、そういうことを一緒にやるのが一流だと思うけどね(台無し)

と言うことで戯れ言はおしまい。まあチームとしてどうのこうのと言う風には余り見ていなかったので、選手評だけやります。

KIRIN Challenge Cup 2006

Japan 1-0 Ecuador @ Big Eye,Oita
Japan:85'H.Sato

Sports navi

日本代表スタメン:GK川口能活、DF坪井慶介、宮本恒靖、中澤佑二、MF福西崇史、小野伸二、加地亮、三都主アレサンドロ、小笠原満男、FW玉田圭司(→77'巻誠一郎)、久保竜彦(→77'佐藤寿人)

エクアドルスタメン:GKモラ、DFペルラサ、コルテス、エスピノーサ、ジョージ、MFアジョビ、テノリオ、ウルティア(→85'サリタマ)、ソレディスパ(→67'カイセド)、FWバルデオン、カルデロン(→67'フィゲロア)

・選手評。

川口能活(ジュビロ)→強烈なシュートが何本か飛んできたモノの落ち着いて対応。外から放り込まれるハイボールに対しての飛び出しに置いてちょっと怖い部分があったのだけど、GKのハイボール対応は本大会ではキーとなると思うので、そんなことは気にせず積極的に行ってほしいところ。

坪井慶介(レッズ)→Jでの好調をそのまま代表に持ってきた感じ。多少高くて強い相手に苦しんだ部分はあったにしても、安定して対応した。それとビルドアップもプレスはなかったにしても、積極的な姿勢を保って出来ていたのかなと。センターバックは何枚入れるんだろ?累積を考えたら5~6枚ぐらいかな?プライオリティ的にもパフォーマンス的にも充分圏内。

宮本恒靖(ガンバ)→サポティスタに弄られるキャプテン。でもそれなりだったかな。多少おっかないシーンがあったけど、3バックで一枚浮く所を積極的に利用して前への意識も高かった。その積極性をラインコントロールにも出して欲しい。中盤と連動しておらず、バイタルが開くシーンが多々なんで。

中澤佑二(Fマリノス)→本調子じゃないのはわかっていたにしても、強さは相変わらず。不調でも尚、欠かせない存在。積極的な姿勢がビルドアップに出ていたし(ミスもあったけど)、それはとても効果的だった。この姿勢を是非クラブでも。

福西崇史(ジュビロ)→シンジが前に上がる事を考えながら中盤のバランスを考えながらプレーしていた。周囲とのコンビネーションも良く挟み込むシーンもよく見え、守備は充分及第点。オーバーラップも効果的で惜しいシーンも多かったし、欠かせない存在になってきた。後はディフェンスラインとの連動、ヒデが帰ってきた時もその影響力を発揮したい。

小野伸二(レッズ)→ミスも多く、調子は決して良くはなかったと思うけど、技術レベルはさすが。相手が余り良くなかったこともあり、かなり高い位置でプレーしたが、攻守でコミュニケーションは良く取れ、決定機を演出したり、挟み込みにも良く顔を出した。求める部分では攻→守の切り替え、戻りが遅く、ゾーンをあけるシーンが多いので、相手の特徴を考えるとこの意識レベルでは苦しい。ヒデを前に押し出すか、小笠原のポジションを狙うか、どちらにしても決定打となるようなパフォーマンスではなかったかな。

加地亮(ガンバ)→アレックスが積極的に前に出ていたこともあり慎重にプレーしていたにしても、出るシーンでは非常に積極的に仕掛けていたし、攻撃面での充実ぶりは続いているかなと。守備に関しては余り1vs1を強いられるシーンが少なかったので、見るべき所はなかったけど、そこをいかに我慢できるかが鍵かな。それにしても、この1年で伸びたなぁ、もう誰も懐疑論は訴えない。

三都主アレサンドロ(レッズ)→キレキレ、精度も抜群でアシスト。恐ろしいほどの存在感で左サイドをホットエリアにした。プレーのリズムが良いと球離れも良く、仕掛けに執着せず良いタイミングでスルーパスを出したり、クロスを上げたりと(アシストにしても)、プレーセレクトも良かった。守備は加地同様余り求められるシーンはなかったけど、セットはちょっと怖い。この調子を維持したい、ピークアウトは勘弁。

小笠原満男(アントラーズ)→まあ見方は色々だろうけど、代表でのプレーとしてはこれで良いと思う。ゲームを作れる選手はいるから、より高い位置でチャンスメーカーとして、そしてパスレシーバーとしてプレーする選択は決して間違っていない。シンジの高いポジショニングにバランスを気にする部分もあったけど、攻撃に置いての積極性は買い。FWとのコンビネーションと高めて、3枚で崩せる形を作りたい。今のところスタメンの座は保っているか(4バックなら)。

玉田圭司(グランパス)→久保、小笠原との絡みを強く意識しながら、FWとしてのエゴイスティックな部分もあったりと、出来としては良かった。仕掛けのキレ、周囲と連動しながら攻撃構築やチャンスメイクにも貢献できる才能の片鱗はアピールできたと思うし、柳沢の不在を埋めれる可能性は見えたかなぁと。ただね、シュートが・・・、シュートが入ってればねぇ。ジーコの序列に置いて、高いのか、低いのか。コメント見ると褒められてるから、気に入られて入るんだろうけど。どうなんだろ?当落線上なのは間違いないけど。佐藤寿人や大黒の競争はもちろんだけど、柳沢の復帰にも大きな影響がありそう。首の皮一枚?

久保竜彦(Fマリノス)→中4日でそんなに状態が上がるわけもなく、ボールタッチは安定せず、相変わらず接触プレーを嫌ったりと、まだまだ。これを代表チームでやらせて良いのかという疑問もあるんだけど(Fマリノスでもそうだけど)、まあ彼の復帰を望むジーコとしてはプライオリティの高い久保とのコンビを見るためにも彼がプレーしない訳にはいかなかったのかもね。とにかく調子が良かろうが悪かろうが、久保の現在の仕事量ではフィニッシャーとしてゴールを獲れなかったら、ほとんど存在価値はない。お祈りしたいよ、腰が良くなりますようにって。

佐藤寿人(サンフレッチェ)→プレータイムはほんの十数分。その中で良く結果を出した。相変わらずプレーセレクトがはっきりしており、周囲もその特徴を理解が進んで彼の狙い所にボールが出ていた。ポジショニング(特にラインポジショニングがうまい。あこがれのピッポのよう)、動き出しのタイミング、そしてシュートの繊細なタッチと高質。あのポジショニング感覚、決定力はラッキーボーイの可能性を秘めているだけに、ジーコにとっては悩ましいところか。守備も頑張るのに、カウンター時でも良いポジションを取ってる意識の高さと頭の切り替え、買い。

巻誠一郎(ジェフ)→寿人とは対象的にほとんど存在感を示せなかった。頑張ってはいたけど、ボールがこなかったね。可能性はどうなんだろう?高原・久保の序列を超えるのは困難なだけに、後は枚数の問題か。

まあゲームの方は、相手がぬるかったとかそういうエクスキューズは抜きにして、個々のパフォーマンスが良いコンビネーションと相まって、それなりに良いサッカーをした方じゃないかなと。一つ一つのプレーを感じ合いながらできていたのは凄い良いことだと思うし、見ていて不快に感じるようなパフォーマンスではなかったと思う。後はこれがプレッシャーが掛かったときに出来るかどうかと言う感じかなと。てゆうかそれが問題だ。と言うことでこの辺かな。レポートの方が良かったかな?ごめんね。

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Comments

たびたび恐縮ですがご招待です。
「ジーコジャパン、エクアドルに勝利」に関するクイズを作りました。
「佐藤寿のゴールで勝利。新しい星が輝き始めた?」という記事です。
問題は、「佐藤寿が今までに在籍したことのないチームは?」
選択肢が3つ □京都サンガ □ベガルタ仙台 □セレッソ大阪
答えは→ http://q-q.at.webry.info/200603/article_109.html
他にも500問ほどのクイズがあります。退屈で死にそうな折りにどうぞ。
(ご迷惑でしたら、お手数ですがコメント、TBの削除をお願いします)

Posted by: 素町人@思案橋 | March 31, 2006 at 10:56 AM

はじめまして
さすがサッカーをよくご存知ですね、毎回感心して拝見しています。代表に対する見解で言わんとされることは共感します。
確かに、今の力では徹底的に弱点を衝かれたら対処できないと思う。だから本当に目先のワールトカップで勝とうと思うのならこの理想と現実のギャップを具体的にどう埋めるかを徹底しなきゃいけないんだろうけど、最近のテストマッチの相手を見ると現実に直面する危機感は生まれない。ただ長期的には「やらせてくれる相手」との経験は本来目指すものをサポーターも含めて全国民(大げさか)がイメージができつつあるんじゃないかと思うのです。
もし本番で無残に敗退してもジーコの功績はこの部分で残ると思います。ただマスコミが目先の勝ち負けで大騒ぎしているのは本質的な部分からはちとずれているのかなとも感じます。
わがマリノスの中澤、久保には本当にがんばってもらいたいですが。。。。最後に寿人のコメントは泣かせました。

Posted by: あおちゃん | March 31, 2006 at 01:18 PM

あおちゃんさん、はじめまして。

読みにくい文章をかみ砕いて読んでいただいてありがとうございます。まだまだ日々勉強中の身です。

そうですね、現状では押し込まれた時にいかに攻撃するかとか、チームとしての守り方の意思統一とか、様々な部分でこのチームには拙さがあると思いますし、その部分はヒディングもクラニチャールも分析済みでその弱点を突かれることは必死だと思います。そういう意味では理想と現実のすりあわせは未だ見えてきていないですよね。

で、イメージの話ですが03'CCフランス戦、05'CCギリシャ戦、ブラジル戦などは相手がやらせてくれたとはいえ、とてもポジティブなプレーをしたわけで、このチームがどういうサッカーをするのかというのを充分伝えていたと思います。そしてそれが日本の才能達のポテンシャルを十分に発揮したときの可能性も見せれていたのではないかなと。

少しずれるかも知れませんが、今批判している方々の意見も十分理解できます。それは目線の違いで、目標として「本大会」という判断基準の下で評価しているからだと思います。メディアももちろんその基準で見ていると思いますし。ただ、その短期的な視点だけでは間違っていたとしても、何もないと判断してしまうのは早計で、今やっていることも又日本には必要なことなんだというのをわかってもらえたらなと思っています。

まあだからといってジーコの全てが素晴らしいとは思わないですけどね。佑二とドラゴンはとにかくコンディションですね。彼らの夢だと思いますから、何とか実現して欲しいです。寿人は・・・まあ現実が見えていると言うことでしょうね、ジーコが作ったモノですが。

ではでは。又よろしくお願いします。明日は勝てると良いなぁ。

Posted by: いた | April 01, 2006 at 01:13 AM

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