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March 27, 2006

現状での純然たる差@J1 第5節 Fマリノス vs レッズ

一晩たってようやく落ち着きました。ビデオを見て改めて「完敗」「惨敗」というのを受け入れることが出来たり。まあシーズン序盤、実力差もさることながら、ここまで積み上げてきたサッカーにおいて沢山の課題が出てきたことは決して悪い事じゃない。そういう意味では貴重なレッスンだったし、そのレッスンを糧としないとね。まあ50000人集まったスタジアムでこっぴどくやられたという屈辱に代わりはないわけだけど。

2006 J.League Division1 第5節

Fマリノス 1-3 レッズ @ 日産スタジアム「現状での純然たる差」
F.Marinos:89'大島秀夫 Reds:43'山田暢久 48'ワシントン 89'長谷部誠

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF松田直樹、栗原勇蔵"口は災いの元"、中澤佑二、MF上野良治(→73'大島秀夫)、マグロン、吉田孝行"アタッカーじゃない人"(→54'田中隼磨)、ドゥトラ、奥大介(→54'清水範久)、FW久保竜彦、マルケス

レッズスタメン:GK都築龍太、DF坪井慶介、田中マルクス闘莉王"悔しいけれどMVP"、堀之内聖、MF鈴木啓太、長谷部誠"マコ様"、山田暢久(→73'平川忠亮)、三都主アレサンドロ"キレキレ"、ロブソン・ポンテ、小野伸二(→67'内舘秀樹)、FWワシントン"すいませんでした"

快晴、ぽかぽかの陽気、当にサッカー日和の日産スタジアムには50000人の観衆が集まった。それだけの注目に値する好カード。ここまで4連勝、昨年の屈辱をバネに精緻で厚いプレッシングと巧みな左サイドのコンビネーションを核に好スタートを切ったFマリノス、開幕戦のドローの後3連勝、補強により得た優秀な駒を着実にチームに消化し、徐々に助走を付けてそのポテンシャルを発揮し始めたレッズ、両チームともベストメンバーといえる布陣でこの一戦に臨んだ。

前半
中盤での激しいプレッシングの応酬、両チームの守備の意識の高さ、そして先制点を獲られたくないという心理要素がかいま見えた前半。出だしはリスクを避けるように長いボールを使いながら攻撃の糸口を探し、時間が立つごとにどちらも少しずつ自チームの色を出し始める。Fマリノスは獲りどころを見つけると一気のアプローチでボールを奪い、左サイドのブラジリアントライアングルの絡みから局面打開してクロスボールという形、レッズは相手の攻撃をはね返すことに重きを置きながら、早い攻守の切り替え・セカンドボールを拾う意識を高めて個々がスペースを見いだしたらボールを前に運び、その中で技術の高さをうまく使いながら最後はワシントンという形。どちらも相手のゴールを脅かそうとするが、いずれも決定機と言えるものはなかなか生み出せなかった(一番のチャンスは山田がゴールライン付近から折り返したボールをワシントンがニアサイド、ヘッドで合わせたシーンかな)

強豪同士と言うこともあってか、激しいつぶし合いが主となるリアルファイトが続き、チャンスとなりそうなのはセットプレーという感じで、緊張感を保ったまま時間だけが過ぎる。そのまま0-0と言う雰囲気が漂い始めた終了間際、安易なクリアから与えてしまったレッズの左サイドからのCKは、アレックスとポンテがスポットに立ち、蹴ったのはポンテ。速いライナー性のボールがそのままゴール前へ入ると、そこに出てきたのはマグロンのマークを外した山田暢久。栗原の前に入るとうまい具合に勢いの死んだボールが目の前にこぼれ、アウトサイドで押し込んで待望の先制点。結局チャンスをきっちりと活かしたレッズがリードを持って折り返した。

後半
ビハインドを負ったFマリノスは積極的に出るが、効果の薄いロングボール中心の攻撃構築はバランスの整ったレッズディフェンスにはね返される。崩しきれない中で、消極的な吉田のプレー、達也のミスキックなどネガティブなプレーが続いてリズムを崩すと、カウンターからポンテのファンタスティックなダイレクトヒールパスで抜け出したワシントンに独走を許してしまう。結局ワシントンは追いすがるマツを巧みなタイミングをずらすフェイクで転ばせ、近距離から強烈に逆サイドに沈めて追加点を奪った。攻勢を強めるマリノスの逆手を取り、そのチャンスの質を高める個々の技術とアイデアが最高に活きた、狙い通りといえるカウンターだった。

これで更に前に出ざる得なくなったFマリノスは失点直後にビッグチャンス。左サイドマルケスにボールが収まり、そこに佑二が猛烈なオーバーラップを掛け、スイッチプレーから左サイドを破るが、アウトサイドの華麗なクロスも大ちゃんの頭にはわずかに合わず(あと1歩!)このプレーの後、ジローと隼磨を入れてアタッキングエリアの活性化を狙ったが、レッズの整備された守備ブロックとプレスの前に相変わらずビルドアップがあっぷあっぷ。ボールを繋ぐことを放棄し、長いボールでしか攻撃構築できず、その唯一の攻撃パターンもしっかりと捕まられて、競られて、はね返されてと、封殺、そして沈黙。レッズはそのはね返したセカンドボールを拾う意識も伴い、逆にカウンターから次々に決定機を生み出す(その決定機はミスを取り返すかのように達也が次々に厳しいピンチを凌ぎまくった)

岡ちゃんはこの苦しい展開の中でロングボール中心の攻撃を成り立たせるために、上野に代えて大島を投入し、4-3-3の様な形に移行。この采配は疑問だったが、システム云々の前にレッズの速いテンポのゲームの中で疲弊し完全に足が止まって中盤が全く機能せず。単調で力任せのロングボールによる攻撃の後に、レッズのカウンターに脅かされ続ける展開を変えることは出来なかった(更に悪化した?)勝負の趨勢がほぼ決まり、続々と席を立つ人が増え始めたロスタイム、ようやくクロスボールからの攻撃が実る。左サイドのマルケスのアーリークロスから大外で大島がヘッド、一矢を報いて1-2。一時的に同点への士気は高まるが、その裏を突かれる形で長谷部に豪快に叩き込まれてThe End。力の差がそのままスコアに現れる形で、ホームで屈辱的な完敗。Fマリノスの連勝は4でストップ。そしてレッズは4連勝、勝ち点13で首位に躍り出た。

まあ現在の力関係が如実に出たゲームでした。煮詰まっていない部分、必要ない部分、曖昧な部分、自信のない部分、ここまでは相対的な力の差でネガティブな要素を覆い隠せていたけど、対等、いや力の上回る相手に対してはそれが全てがピッチの上で出てしまった。それに対して、レッズはゲームプラン、共通意識、技術、判断と全てに置いて熟成していてチームの力となっていた。まあ現状では、レッズの方が整合性が高く、定まったサッカーが出来ていたと言うことでしょう。そしてそれが相対したときに力の差となった。これに関しては認めなざるをえないでしょう。それだけレッズは強かった。

まあ負けちゃったことは仕方ないので、次に向けて出てきた課題を一つ一つ考えてみましょう。

・はがれたメッキ その1 -放棄してしまった「自分たちのサッカー」-

これに関しては、様々な考えがあるでしょうが、個人的に非常にがっかりした部分。積み上げが足りなかったことは確かですが、何故とても雑なサッカーをすることになってしまったのか。ここまでの岡ちゃんの発言から考えても、リスクを冒してでも、相手の守備ブロックを崩すサッカーを標榜してきたはず(まあそれが強いては爆発するサッカーに繋がるのでしょう)それなのに、スタートの部分でリスク回避が先に来てしまった。

まあ開始直後とかは(様子見と言うことも考えて)長いボールを主体に組み立てるのは良いにしても、それを30分40分・・・・90分続けてしまったことがとても不満だった。バックラインにアプローチを掛けられて、自由にボールを回せる状態ではなかったかも知れない。ただ、回せないほど厳しいモノでもなかったはず。コースを切られただけボールを積極的に取りに来るようなプレスではなかったのに、それにびびって蹴っていては、先が思いやられる。それはクリアにしてもそう、大きく蹴ることはセーフティで安全第一のディフェンスに関しては間違った事じゃないけど、そのボールをどのようにするかでゲームの組み立て方も変わってくる。この辺は相手とは意識レベルで非常に差があったと思う。

基本的に今のFマリノスのビルドアップはアクションのタイミングと出し手のタイミングのずれがあることはに紛れもない事実。そういう部分のすりあわせも含めてこれからDFラインからのビルドアップ向上は必要なことだと思う。とにかくこの日のような逃げ腰の判断で濁してしまっては進歩がないんだから(自発的なサッカーと言うことを考えたとき)、コミュニケーションを取りながら(もっと受けに来い、アクションを起こせ、って)、しっかりと繋ぐという意志の発露をこれからしていかないと。

ビルドアップの脆弱性は今までの試合でも見えていただけに、いつか出てくると思ったけど、こういう早い段階で出てきたのはとても良かった。どんなチームでも良いサッカーをするには土台から、これから頑張ればいいんだから。ちょっと強がりな僕。

・はがれたメッキ その2 -アタッキングサードでの変化と創造力の欠如-

まあこれに関しては言い続けてきたので簡単に。安易にサイドに逃げるな、バイタルで直接的な脅威を、見るな止まるな動き出せということ。マルケスがサイドに流れるのはしょうがないにしても、チーム全体が外へ外へ、クロスクロスという形になりすぎているのは明らか。まあ実際、その形でほとんどのゴールが生まれているわけだけど、相手が強く高いディフェンスの時もそれが全く変わらなかったのは創造力の欠如と言えるし、型に嵌りすぎてるのかなと。チーム全体もそれを意識しすぎて、動き出しが遅いし、中を崩すという意欲が少ないと思う。崩すこと=クロスボールということではないのだから、何とかクロス以外での攻撃方法にアイデアが欲しいなと。

例えば左サイドからボールを運んで、相手を引きつけたところで後ろから押し上げた良治たんがフリーでセンターとなったシーン。最終的にあっさりマツの押し上げを使ったわけだけど、そこでFWとトップ下が連動したアクションを起こせれば、DFを崩せるプレーだって可能。てゆうかせっかくサイドで引きつけて中は薄くなってるわけだから、崩せる可能性は必ずしも低くなかった。実際、シンプルにオフ・ザ・ボールの動きをしてスルーパスを引き出したって良いし、ミドルだって良い。難しく考えずにとにかくチャレンジ、とにかく安易に外に逃げない。相手の警戒がきつい部分ではあるのだけど、それは相手が一番怖がるゾーンでもあるのだから。

まあそれが出来たからといって、この日のレッズディフェンスが崩せたかどうかは微妙な部分ではありますが。ただ、目先を変えるという意味でも、幅を広げて柔軟性を作るという意味でも、チャレンジしていって欲しいなと。出来るだけの選手は揃っているはずだから。大ちゃん、期待してるよ。山瀬、早く帰ってこい。FW、もっと引き出せ。

ということで、とにかく糧にして欲しいなと。あ、レッズの事やり忘れた。やりましょう(ちょっと自棄)

・高質なる主体的ディフェンス -持ち続けた主体性-

3点を取った個々の前への推進力や技術の高さというのは、これまでのレッズのレポートの中で結構取り上げたのだけど、今回生で見て改めて気づかされたこと。それがレッズというチームの完成度の高さ。去年まではそこまで感じなかったのだけど(まあ対等な関係で戦ってなかったからね)、この試合ではディフェンスラインを中心にチーム全体で高い意識を持った守備がとても素晴らしかった。プレス&高い位置でのアプローチ、マーキング、カバー、ラインコントロール、どれも高質なものだったんだけど、特に良かったのはディフェンスラインの相手をコントロールする術。

一例。ターゲットにはマークにはきっちり付くのだけど、長いボールが入ってくるタイミングの時にある程度ラインを動かして(フェイントみたいな感じで)、セカンドボールを狙う選手の予備動作を制限させていた(結果的にはボールの長さを見ながら下げるし、マリはその裏に抜けるような予備動作が意識としてほとんどなかったけど)

非常に小さな事なんだけど、ラインを上げる動作をすることでオフサイドを警戒させて、脅しを掛けているような感じだった。そういうことで裏へのアクションを規制させて相手をコントロールすることで主導権を握ってディフェンスすることが出来ていたのかなと。ましてやそこで前に出してもらえば、前に強いレッズディフェンスはある程度どんな相手でもどうにかなるという自信もあるだろうし。だからこそ、"主体的"なディフェンスな訳です。もちろんそれがチーム全体で上げるときには思い切ってラインを押し上げたりと、チームタスクと連動しているのは言うまでもなく、細かいことまでしっかりと詰めて出来ていることには、本当に敵ながらあっぱれでした(いつも出来ているかどうかは確認する術がないので、とりあえずはこの試合限定と言うことにしておいてくださいな。次に又レッズを生で見る機会があれば、確認してきます。それと、マリもマツがやると結構細かく動かして相手をコントロールするよ、マツの場合はオフサイド獲りに行く方が傾向としては強いかな)でもトゥーリオ嫌い。

ということでここまで。あー、次々。多分選手評もやるよ、言いたいことが山ほどある。

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Comments

レビュー、お疲れさまです。
いつも参考になります。

私はといえば録画をほとんど観ずにHDDから消去してしまいま
した。精神衛生上観れませんでした。
ウチの建て直しはもちろん今後見守り続けていくのですが、
それとあわせて、どこがどうやって今の浦和を止めるのかとい
うのも興味があります。J全体で「Stop浦和!」の包囲網となるこ
とと思います。昨年も序盤は鹿の独走だったわけで、まだまだ
W杯の中断もあるし先は長いのでどうなるかわからないです
し。(もちろん、さらに連携が深まり強くなるという危険もありま
すが…)、ウチは包囲網の裏で着実に勝ち点を稼いでいければ
よいのではないかとも思います。

那須、坂田出してほしいですね。特に那須はベンチにも入って
ないですし・・・。試合前に那須がアップをしているメンバーを横
目にピッチの周りをスタッフと走っている姿を見ると声援を送っ
てあげたくなります。那須、坂田には"マリノスで"がんばってほ
しいです。ナビスコでは是非>岡ちゃん

Posted by: Looseblogファン改メ ヨコ | March 27, 2006 at 01:13 PM

ヨコさん(で良いんですよね?)、こんにちわ。コメントありがとうございます。

確かに精神衛生上良いものではありませんでしたが、スタジアムでは見えない部分を確認するという意味で見ました。冷静に見ると細かい部分で差がありましたねぇ。まあこれから一つずつ曖昧な部分を詰めていければ良いなぁと。

「Stop Reds」、まあいつかは止まるんでしょうけど、現時点ではなかなか難しそうですねぇ。いかんせん穴が生まれにくい基盤の上に高い個の技術が乗っかっていると言う感じで成り立っていますから、どのチームも苦労するというか厳しい戦いを強いられるでしょうね。先制点を取るというのが一つのファクターになりそうですが、今年のレッズの守備は本当に良いからなぁ。相性的にこれまでトゥーリオをちんちんにしているジュニやマルクス擁するふろん太、中盤の技術レベルでは劣らない鹿島、強烈プレスのエスパ辺りに期待、ですかね。

仰るとおりマリは、着実に勝ち点を重ねていくしかないですね。直接対決がリーグ順位を決めるわけではないですし(まあ大きいですけどね)

セレッソ戦に周囲がゲーム前のアップをしてる中、19人目の那須がかなりのペースでランニングしている姿を見ると、結構ぐっと来ます。岡ちゃんが練習や練習試合などで現在のメンバーに変えて使いたいというアピールがとが出来ていないと判断しているからなんでしょうけど、とにかくこの悔しさをバネ頑張って欲しいですね。まともなプレータイムをもらってない坂田にしても。ナビスコでは本当に是非!ですね。

ではでは、コメント返信遅れて申し訳ありませんでした。又よろしくお願いします。

Posted by: いた | March 28, 2006 at 06:11 PM

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