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March 24, 2006

相性を超越する個の共鳴@J1 第4節 レッズ vs セレッソ

このゲームでレッズの末恐ろしさを感じたプレーがあった。前半開始早々のプレー、シンジが左サイドのスペースに流し込み、アレックスが河村を振り切ってダイレクトでクロス、ワシントンがフリーでヘディングで狙ったシーン。結局このプレーはワシントンが枠を捉えきれず得点にならなかったんだけど、これの何が恐ろしいかと言ったら、何気ないプレーが決定機となり得る技術の精度があるということ。もちろんセレッソが立ち上がりで集中しきれておらず虚を突かれていて、対応の甘さがあったことは否めないにしても、特に工夫もアイデアも付随していないプレーを決定機に出来る個々の技術力(具体的に言えばシンジのパスの力加減、アレックスのトップスピードに乗りながらフリーマンを見つけ、しっかり合わせられる精度)は、余りにも脅威。ゲーム?ドローの可能性はあってもセレッソの勝ちの目はほとんどないワンサイドゲーム。

2006 J.League Division1 第4節

レッズ 3-0 セレッソ @ 埼玉スタジアム「相性をも超越する個の共鳴」
Reds:47'小野伸二 57'ワシントン 79'田中マルクス闘莉王

Super Soccer

レッズスタメン:GK都築龍太、DF坪井慶介、田中マルクス闘莉王、堀之内聖、MF鈴木啓太、長谷部誠、山田暢久(→75'平川忠亮)、三都主アレサンドロ、小野伸二"余りに華麗なただいまゴール"(→67'内舘秀樹)、ロブソン・ポンテ、FWワシントン(→80'黒部光昭)

セレッソスタメン:GK吉田宗弘、DF前田和哉、ブルーノ・クアドロス、藤本康太、MF下村東美、ピンゴ、河村崇大(→57'山田卓也)、ゼ・カルロス(→53'徳重隆明)、森島寛晃(→82'柿本倫明)、古橋達弥、FW西澤明訓

真っ赤っかの埼玉スタジアム。昨シーズンの成績としてみたら最後まで優勝を争った2チームで、しかもレッズにとっては天敵と言っていい相手だけに、サポも熱が入っていたのかも。ただ、シーズン序盤のここまでの戦いぶりは全くの正反対、力の差を見せつけて相手を叩き潰してきたレッズに対して、昨年の優勝争いが嘘のように開幕3連敗とどん底のセレッソ。メンバーはレッズは相変わらずメンバーはいじらず、開幕戦から続くスタメンを並べ、セレッソの方は試行錯誤の苦悩がかいま見えるように、ディフェンスラインは前節と同じながらも右サイドに河村、ボランチにピンゴという新しい組み合わせ(ピンゴ右、河村ボランチが開幕戦の並び)。

当たり前だけど両チームの状態が状態なだけに予想通りのスタートを切る。上記のプレーでいきなり決定機を生み出すと、そのままのリズムでレッズがほぼ全ての時間帯でゲームを支配し、ワシントン、闘莉王、堀之内が決定機を迎えて、ゴールネットを揺らすことだけが足りなかったというギドの言葉通りの一方的な展開。セレッソとしてはプレスを掛けたいのにかけれず、かといってゾーンを敷いて捕まえるという作業も出来ず、本当に苦しい時間帯を過ごすが、何とか水際で踏ん張り、運にも助けられて失点だけは逃れた形。

一方的に攻めながらもゴールが獲れないという嫌な展開で迎えた後半、その状況を一つのスーパープレーで打ち破る。セットプレーからのセカンドアタック、シンジからポンテにパスが通ってポンテがシュートもヒットせず、セレッソの選手がブロックしてクリアするがそのボールがシンジの元へ行くと、下がりながらもダイレクトで叩くと、そのシュートは美しい弾道でゴール前の密集の上を抜けてゴール右隅に決まった。良くシンジがセットプレーのこぼれ球をああいう形で狙ってたのを覚えていたからかも知れないけど、頭の中に描かれていたイメージを卓越した技術で具現化した余りに美しいゴール。あの密集だからこその高さ、コース、お見事。

このスーパーゴールで勝負は決したと言っていい。セレッソは粘り強く守ることは何とか出来ていたが、守→攻という部分では何もなかった。好調時のダイナミックなカウンターの素地となり得るチーム全体の早い切り替えも、アタッカーの気の利いたポジショニングも、サイドアタッカーの長距離ランニングも、出し手側のDFラインからボールを引き出す動きも。そうなれば、常に整ったレッズディフェンス陣に迎え入れられる状態で攻撃するしかなく、四苦八苦してボールは繋いでもなかなかシュートまでは繋げられない。それに対しレッズはアドバンテージを得たことで余裕が生まれ、カウンターからチャンスを生み出し、結局ゴールの可能性の高いレッズに追加点が生まれた。上がっていた闘莉王が左サイドから斜めの楔をワシントンに収まると、その楔が収まったの予期してた様にポンテが抜群のタイミングでのサポートから一気に突破に入る。この突破は藤本が何とか凌いだが、そのクリアが味方に当たってしまいワシントンの前にこぼれてしまった。ワシントンはすかさず右足を振り抜き、押さえられたシュートが右隅に突き刺さって2点目。この後シンジ、ワシントン、山田を休ませながら一点を追加して、最終的には3-0。レッズは3連勝で、序盤の大一番Fマリノス戦に弾みを付けた。逆にセレッソは4連敗。

中二日という厳しい日程のゲームと言うこともあって、勢いの差がもろに出たゲームと言えるのかも知れませんね。セレッソは修正すらままならず、多少いじってみたところで状況が好転する要素は何もなく(逆に悪化したように見える)、レッズとしては構築しつつある自分たちのやり方をしながら、自慢の優秀な個の技術で勝負を決めた。セレッソの状態が良ければ今節のメインマッチであるゲームだと思うのだけど、余りに一方的なままゲームが終わってしまった事はとても残念だった(まあレッズな人には最高のゲームで、セレッソな人にはそんな悠長なことは言ってられないって事になると思うけど)

で、まずセレッソ。こういう短い試合感覚の中で劇的に好転するような修正が不可能なのはわかっているんだけど(だから厳しく書くのは間違っているかも知れない)、この日のセレッソは本当に「先に何もない」プレーしかできていなかった。前節はまだ自分たちが動いて相手に揺さぶりを掛けようという意欲が見えたけど、この日はただ守るだけ、西澤までもが低い位置に下がってたりと何とか粘ろう、0で凌ごうとした訳だけど、守った先にラッキーパンチ以外何もないサッカーだったのかなぁと。

今の不調は確かに深刻だけど、セレッソの昨シーズンやっていたサッカーはとても整合性のあるしっかりとしたサッカーだったはず。そのサッカーを信じて、取り戻すための手筈を整える方が不調を脱する最高の特効薬になるのかなと。まずしっかりとリトリートしながら1vs1が責任あるディフェンスをして(ゾーンを組みながら、一人一人が粘る)相手の攻勢を引き寄せながら凌ぎ、奪ったらとにかく切り替えて、やるべき事はやる(やるべき事は去年の経験で各々わかっているはず。ボランチは相手のプレッシャーを受けない位置を見つけて奪ったところからパスを引き出す。サイドの選手はとにかくパスが出ることを信じてスペースに走る、アタッカーは守備陣を信じて前に残り、起点となる西澤への速いタイミングのサポートだったり裏に抜けれるポジショニングを獲る。西澤はどんなにボールが触れなくても我慢して最前線で体を張る)これは昨シーズン、選手間の信頼関係で出来ていた訳で、本来であればその信頼関係を作り直す事から出来ればいいのだけど、それはいかんせん短期間では不可能だから、とにかくそのやり方をなぞるだけでもやった方が良いんじゃないかなぁと。具体的な選手起用に関しては、現状ではチームのタスクの根幹を一人で担わざるを得ない下村の負担を軽くするために、彼をセグンドボランチ(最近覚えた、攻撃的な第二ボランチ)に据えて守備で忙殺されるのを避け、その守備の部分を山卓か気の利くポジショニングと対応力を持ったCBをプリメイロボランチ(対となる言葉、守備的な第一ボランチ)に据えてあげるのが良いんじゃないかなと。後、右サイドは河村やらピンゴより酒本とかの方がいい気がする。彼らには状態が良くなったところでフィットさせればいい。

まあ書くのは簡単で、この不調を脱するのは非常に難しいことだと思うけど、何か一つ歯車が噛み合えば案外うまく回ったりするモノかも知れないし(まあ楽観論にすぎないけど)とにかく壊れてしまったモノは一つずつ築き直すしかないのだから、着実にすべき事を一つずつしていってほしいなと。じゃなきゃ2002年シーズンの悪夢が待ってる。

で、レッズ。この試合はセレッソが悪すぎてレッズがどのくらい良いのかよくわからなかったのだけど、試合をこなすごとに各選手感のコンビネーションが良くなっていることが伺える。前節のレポートの中でシンジ-長谷部間の縦のポジションチェンジを書いたけど、それ以外にも闘莉王-鈴木啓太の関係(オーバーラップ&カバー)、ワシントン-ポンテ(ポスト&サポート)の関係、シンジ-アレックス(スペースパス&ランニング)の関係など良い形で繋がって、スムーズに攻撃が出来るようになっているのかなぁと。特にこの試合目立ったのがワシントンとポンテの関係。
ワシントンは相変わらず足元のプレーも卓越しており、深い位置でプレッシャーを受けながらもびたっとポストを受けたり、体を入れ替えてそのままシュートに持ち込んだりと、中央でどっしりとした軸となっているのだけど、そのプレーからヴェルディ時代には見えなかった周囲を活かす才能を発揮してる感があります。で、そこにリンクしたのが、レッズのエースアタッカー、ロブソン・ポンテ。ボールを持っても持たなくても存在感を発揮できる彼の特徴は更に引き出され、このゲームの2点目に繋がったような収まったところで速くサポートからすり抜けるプレーをしたり、ワンツーで抜け出そうとしたりと、中央の変化として彩りを生み出している。ワシントンはポストを受けるのは(オフ・ザ・ボールの面でも)本当にうまいから、それが確実に出来る(体の幅もある)そして、その深い位置で行われるポストワークがこういう形で直接決定機に繋げられる様になってきたと言うことは、更に恐ろしいことになっていると言えるのかなと(僕はこういうのが真のポストプレーだと思う。中盤にずるずる下がって受けて、落としてみたいなのは意味がないと常々書いてきたけど)

それにしても、基盤が出来ているチームなのでやる仕事というのはある程度見えているからかも知れないけど、ものすごいスピードでチームができあがって、熟成されているなぁと言う感じ。レッズの個力が抜けているのは重々承知だけど、ここまで簡単に勝てちゃうものかね?すでにそんなことになってるのがとてもおっかない。しかもまだ良くなるのびしろがあるわけで(シンジがより影響力を強めて流れを作り、自分がその流れに乗るみたいなプレーが出てきたらより怖い。イメージとしてはいつぞやのイングランド戦みたいな感じ)更におっかない。優秀な選手は時間を掛けなくても感覚が合えばフィットするという、ブラジル人監督がよく言いそうな言葉があるけど、そんな感じなのかも知れない。

まあそんなチームと土曜日試合するわけですが、不思議と怖いという気持ちはなかったりします。てゆうか、勝負事だから勝つかも知れないし、負けちゃうかも知れないけど、まだ序盤だし結果よりも、それよりもこの2チームが現状の良い流れの中で、ぶち当たったらどんなゲームになるんだろうと、ワクワクする気持ちの方が大きい。まあ泥試合になる可能性もあるし、拮抗して停滞したゲームになる可能性もある。もちろん一方的な展開だってない訳じゃない。まあ過度な期待はしないけど、噛み合ったら本当に今までのJで最高峰のレベルになるような気がしてね、本当に楽しみ。この締め方に違和感を感じて仕方ないんですけど、まあそんなことは気にしちゃだめ。と言うことで今日はここまで。

*日本代表発表。まあこれはそのうち代表ネタも絡めて。最近Jばっかりで他のことに興味がある人には申し訳なかったり・・・どうしても盛り上がっちゃってね。玉ちゃん復帰おめ(ひいき)

*今回の試合はプレビューもやろうかな・・・でも験が悪そう。どうしよう。

*最近レッズのことばっかり書いてる気がする。別に好きとかそういうんじゃないんだけど、興味をそそられるんだよね、色々な部分で。てゆうかこの言い回し、ツンデレ?

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Comments

マリノスも、レッズも上手く立ち上がったので、明日のゲームが本当に楽しみになっています。
負けても勝っても、まだ始まったばかりなので、余り気にする必要は無いと思っています。
レッズサポの立場からですが、まだまだ途上の今のレッズで、マリノスとどの程度のゲームができるのかが見たいところなのです。
今までの対手は、ちょと弱すぎましたので・・・

Posted by: oldtree | March 24, 2006 at 03:44 PM

oldtreeさん、こんにちわ。コメントありがとうございます。

どちらも好調、課題が出ながらも着実に熟成が進んで素敵なサッカーを見せていますから、嫌がおうにも期待は高まっちゃいますね。エントリーの中にも書きましたが、勝敗を超えてとにかくこの期待感に沿うような良いゲームを見たいなぁと。Jリーグの良さというのをこのゲームで出てくることを期待したいです。

レッズにとっても、Fマリノスにとっても、現状のチーム構築段階が見えると言うことでそういう意味でも楽しみですよね。久々に、生のシンジを見るのも楽しみにしているので、出来れば出てきてほしいですが・・・。

ではでは、又よろしくお願いします。

Posted by: いた | March 25, 2006 at 01:36 AM

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