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March 17, 2006

06' J.League 傾向と対策 -サンフレッチェ-

序盤は堅い守備を基盤にとても整理されたサッカーを展開して、上位につけたサンフレッチェ。終盤主力の怪我が相次いだこともあり失速しましたが、出来るという自信を胸に「今度はタイトル」と、鼻息も荒いです。ということで飛ばしちゃったけど、サンフレッチェ広島の傾向と対策。

・市場動向

[IN]
FW
ウェズレイ(←アトレチコ・ミネイロ[BRA]/レンタル)
上野優作(←アルビレックス/レンタル)

MF
戸田和幸(←ヴェルディ/レンタル)
中里宏司(←ベルマーレ/レンタル)
柏木陽介(←サンフレッチェユース/昇格)

DF
ジニーニョ(完全移籍に移行)
槙野智章(←サンフレッチェユース/昇格)
橋内優也(←東海第五高/新人獲得)

GK
木寺浩一(←アルビレックス/完全移籍)
河野直人(←グランパス/完全移籍)

[OUT]
FW
茂木弘人(→ヴィッセル/レンタル)
田村祐基(→愛媛FC/レンタル)
田中俊也(→愛媛FC/完全移籍)
木村龍郎(→ツェーゲン金沢/完全移籍)

MF
茂原岳人(→レイソル→フロンターレ/レンタル終了)
高萩洋次郎(→愛媛FC/レンタル)
高木和正(→FC岐阜/完全移籍)

DF
吉田恵(→サガン/完全移籍)
池田昇平(→エスパルス→ベガルタ/レンタル終了)
大久保祐樹(→パープルサンガ/レンタル→完全)
森脇良太(→愛媛FC/レンタル)

GK
上野秀章(→パープルサンガ/レンタル終了)
河原正治(→サガン/完全移籍)

優勝を狙うと「目標」として定めたサンフレッチェは、オフシーズンの動きからどん欲な動きを見せました。これまでは、自チームの優秀なユース出身選手(又は見いだした新人選手)を時間を掛けながら自前で育てて、それをチームの力に反映して来たわけですが、今年はとにかく即戦力の補強。その選手達の力を反映させて、優勝という目標を現実とするという姿勢が打ち出されていたような気がしました。

で、その象徴とも言えるのがウェズレイ、戸田という十分な実績と経験を持った選手の獲得(レンタルだけど)。まずウェズレイ。合わせる時間が少ないながらコンビを組む佐藤寿人ともフィーリングが合うのか相互理解が進み、この2試合で3ゴールという結果。シーズン入る前は年齢的な要素、日本を離れる前のプレーの低下などの不安論を一蹴。早くもサンフレッチェにフィットし始めている。

戸田の方は、まだ実力を発揮するまでには至らないけど(これに関しては下で)、彼の経験は若いチームに置いては希少な価値を持つと思うし、今年のコンセプトの中では彼のように展開を読み、厳しくディフェンスできる選手が必要なだけに、この加入はインパクト以上に価値があるのかなと。後はその期待に応えるだけのパフォーマンスを示せればと言う所なのかなと。

その他で言うと、地味ながらも木寺、河野というGKのバックアッパーを取れたのも大きいかも知れない。というのも、昨シーズン正GKの下田が怪我をして、それまで保っていた安定感が一気に崩壊したという経緯があったから。そういう意味で層の薄さを感じさせた訳ですが、そこを的確に補強できたのも大きいかなと。

放出の方を見てみると、トップチームで出場機会を得れなさそうな若い選手を一気にレンタル、又は完全という形で放出。レンタルの選手には出場して場数を経験を積ませ、完全移籍させたというのは現在チームに残っている選手へ刺激(脅し)にもなるだけに、必ずしもマイナスではないかなと。豊富な運動量で中盤を繋ぎ続けていたダイナモ・茂原(彼は残しておきたかったんじゃないかな?)の放出はマイナスだと思うけど、優秀なユースからU19の柏木・槙野を昇格させるなど、思いの外大きなプラスといえるオフシーズンだったのではないでしょうか。では、傾向。

・傾向

Sanfrecce 06
Pattern1          Pattern2
  佐藤寿 ウェズレイ     佐藤寿 ウェズレイ
森崎浩       ベット        前俊
   戸田  森崎和       李漢宰  ベット
服部公       駒野  服部公  森崎和  駒野
   小村 ジニーニョ        小村 ジニーニョ
      下田              下田

FW:上野優作、盛田剛平、大木勉、趙佑鎮
MF:高柳一誠、桑田慎一朗、中里宏司、柏木陽介
DF:吉弘充志、西河翔吾、八田康介、橋内優也、槙野智章、入船和真、中尾真那
GK:木寺浩一、佐藤昭大、河野直人

FC東京同様、もうシーズンも始まってるので、それを見た上での印象を。

小野監督が昨年まで掲げていた3シーズンで昇格→定着→優勝(を狙えるチームに)という計画は、外側から見た上ではある程度うまくいっているのかなぁという印象を抱いていたわけですが、それだけ今年の戦力、そしてチーム力の仕上がりと可能性に自信を持っているのかも知れませんね。優勝するかどうかは別にして、そのポテンシャルはあると思います。堅いディフェンスを基盤に、去年ぶつかった壁を突き破るために創造性を高めた流動的な中盤で更に攻撃に厚みと変化が加わり、そして勝負を決めるだけの力強さがあれば、普通に優勝争いに加われるでしょう。ただ、昨年からある課題、そして今年出てきた新たな課題を消化できればという限定が付くのかなと。

まず、去年からある課題。去年はメンバーが揃えばどこのチームともある程度対等に戦うことが出来たわけですが、予期しない怪我人などが出てしまうと途端にチーム力を保てなくなってしまうこと。11人のその次という感じですね。

もちろんこういうのはどこのチームでも抱える悩ましい課題であり、課題というのはおこがましいかも知れないけれど、サンフレッチェは特に(FC東京と同じぐらい)ディフェンスライン、GKという部分でこの傾向が顕著に出た。上に書いたように下田の離脱は思った以上に大きな穴となったし、小村の怪我で自慢の堅守もコンビネーション不良を起こして綻びが次々に生まれてしまった。そういう意味では長いシーズンを戦う上では大きな不安を抱えているのかなと。そうはいっても、バックアッパーが主力組と遜色ないぐらいにコンビネーションを高めて機能性を維持できるようにするというのは簡単じゃない。練習だって主力組と控え組で分かれるから主力組に入らなきゃいけないわけだし、培ってきたものがないから経験則に基づいてプレーすることも不可能。そういう意味で、ポンっと入れても機能しないのはある程度仕方ないことかも知れませんね。しかし、個で見れば若年層代表で国際経験を積んだ選手も多く、ポテンシャル的には高い選手が多いだけに、経験を重ねればもっと出来るはず。彼らがファーストチームで活躍できるとなればチームの底上げにもなるだろうし、そういう意味ではセカンドグループの選手達がいかにトップチームで力を発揮できるかというのは一つのキーとなるのかなぁと。

で、今年の課題としては、開幕節のサンフレ-鹿島戦でも書いたことなんだけど、流動的に動く中盤の中でいかにリスクマネジメントをしていくのかという部分。というより、バランスをいかに取るのかということかなと。

去年はある程度形があって、その上下動の活性化という形である程度はバランスが保てた訳ですが、今年はオリジナルポジションを崩して攻撃に出て行くと言うことで、よりそのバランスの保ち方というのは難しくなった。そこを鹿島に突かれて4失点という事になってしまったわけで、ポジションを崩すことで生まれるリスクを、いかにまかなっていくのかというのが今年のサンフレの大きなテーマになるのかなと(もちろん失点以上に沢山ゴールを獲るという選択肢もある。カラーとは違う気がするけど)

まあ課題だけ挙げて、というのも投げっぱなしジャーマン(明日も新日来襲、蝶野さん)なので、ちょっと考えてみましょうか。

Ex.1 奪われた後、奪われた選手やその周辺にいる選手がとにかくボールホルダーに対して早いチェックを掛け、前にボールを運ばせず、守備体制を整える時間を稼ぐ(フォアチェックね、いわゆる)

Ex.2 ある程度前に出て行く選手の数に規制を掛け、最低限守備出来るだけの人数を保つ。森崎和が上がったらベットが下がるとか、サイドバックが上がったらボランチからの上がりは控えるとか、簡単な数合わせを約束事として作る(西部さんのコラムじゃないけどさ)

基本的に今のサンフレのベクトルは前にしか向いておらず、確かに攻撃的な意識を感じるけど、前に掛かりすぎてしまっているから後ろでまかなえない状態になっているのかなと。もちろんそこでゴールを獲れれば無問題なんだけど、サッカーがミスゲームということを考えた時、リスクマネジメントというのは勝敗を決する一因となるのは当たり前のこと。ましてやJリーグはトランジッションゲームを得意とするチームは多く、それを鑑みたとき今のサンフレは攻めながらも常に失点の可能性をはらんでしまっていると思う。戸田やジニーニョの危機察知の速さや守備能力を活かすためにはある程度組織を整えて、守れるだけの形が必要なだけに、小野監督がいかに自分の方針と現実のバランスを取れるかという部分かも知れませんね。じゃあ対策。

・対策

基本的にべた引きするわけでもなく、向かってきてくれるチームなのでFマリノスにとっては戦いやすい相手なのかなと。どのチームに対しても自分たちの戦い方を押し通してくるだけの自信と自負があるからこそ、そういう形を取ってくるのだけど、まあいやな相手じゃないというのが本音かな?

パワーバランスは別にして、サンフレッチェというチーム自体はとても綺麗なサッカーをするチーム。森崎和を中心にポゼッションして、ポストを起点にサイドバックを使って、そして佐藤寿人の動き出しを活かすか、ウェズレイのパワフルなプレーを活かすという感じで、とても道筋がはっきりしたチームだと思うので、守る方としてもある程度見通しが付きやすい攻撃とも言える。局面的に考えれば、サイドバックがサボらずタイミング良く上がってくるので、そこをいかに抑えるのか(走り合いの側面もある)。それに合わせて佐藤寿人が抜群の感覚で合わせてくるから、それをしっかり捕まえておけるか。まあそれが守備における押さえどころだと思うのだけど、チームとして考えたときは鹿島戦のような形でゾーンで守りながらも獲りどころで収縮して中盤でボールを絡め取れればモアベターかなと。そうなれば、ボールを受けようと佐藤寿人やウェズレイがボールを受けようと外に開いてくるだろうけど、外に開いてくれたら怖さはなくなる。そういう形が出来るとチームとしてはとてもイイ守り方といえるのかなと。

攻撃に関しては上に書いてあること。動いて生まれるスペースを最大限活用してカウンターを仕掛けること。戸田もジニーニョも危機察知が早く、甘いプレーは逃してくれないけど、選択肢が増えて絞りきれなくなれば影響力は落ちる。まあそんな感じで早い切り替えから選手が沢山反応してカウンター出来ればゴールは生まれるんじゃないかなと。

まあ色々と書いてきましたが、とにかく僕が言いたいのはこれ

「前俊使え」

僕がシーズン前に書こうとしていたのは、チームのやり方は2005年と同じでも充分戦えると思うけど、攻撃面に置いては佐藤寿人が18点取っても足りなかったわけだから+αが必要。そのαに前俊のテクニックと創造力が成りえるのではないかということ。もちろん試合の出来のイイ悪いがはっきりしてる選手だし、チームのタスクをしっかりやるという観点では足りない部分もあるかも知れないけど、彼のテクニックと創造力は今チーム全体でリスクを抱えてまでやろうとしている変化を0から起こすことが出来る。それを使わない手はないでしょうと思ったりするわけです。ウェズレイ・寿人コンビが嵌ってるので出場機会が減りそうだなぁと思ってとても切ないのですが、彼は磨けばデル・ピエーロにでもカッサーノにでもなる素材と言うことを考えてほしいなと、ねぇ?小野監督(チームのことはどうでもいいような書き方 苦笑)

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実はまだ2戦目(トリニータ戦)を見ていないので(今日見ようと思ってる)、好転してたらどうしようと思うわけですが、まあそのときはそのときですな。基本的には前俊をもっと見せろと言うことですよ。彼は俊輔の後に10番を背負うポテンシャルを持ってる選手だと思う。だからもっと使おうよ。ひつこいね。サンフレ自体もとても楽しみなチーム、リスクを掛けてでもという意欲の中でいかにリスクをコントロールするか。その課程は見ていきたいなぁと思うし(最近オシムの言葉でリスクリスクというけど、その裏のリスクマネジメントを語らないのはこれいかに)、綺麗なチームだからね。ということで、今日はここまで。明日はJ1第2節。マリ-セレッソやるよ。

*遅ればせながら、腹の出てる熊、手に入れました。コンビニではアピールするように阿部っちが三つ並んでてマツのは見えなかったから買えなかったけど、スーパーで普通に段ボールのまま出してあったから、そこで(何故か)反射的に2つ買っちゃいました。でもこれ、ストラップでもキーホルダーでもないので、何にも付けたり出来ない。とりあえず飾ってあるPlaymobilの中に置きました。

*そういや、マツがらみでもう一つ。今週のサカマガを今更読んでるわけですが、Jのトレーディングカード発売を記念してか、そのプロモカードが付いてたわけですよ(2枚。だから30円増し)で、各チーム一人ずつで2枚だから1/9の確率。出たよ、松田直樹(もう一枚はエスパの平松)なんか、マツに縁があるのかもしれん。

*当分プレビューはやりません。諸事情(今は言いたくない、効果が薄れそうだから)のため。山卓右サイド、ピンゴがボランチらしいね。まあ予想通り。難しいゲームになると思いますよ。精神的にもタスク的にも。Fマリノスにとっては主体的な崩しとリスク管理が問われるゲームになりそうですな。

*しかし、ピンクの山卓を想像すると笑っちゃう(どうも違和感が・・・)明日はアウェーだから白なんだろうけど。そんなピンク山卓も見れて(だから白だって)、試合前には蝶野も見れて、超絶テクニシャンの技術も、将軍様オーバーラップも、昇竜の舞も、西澤の襟も(今年は付いてないか)、最も腰の低いJリーガーも見れる日産スタジアム、来たらいいじゃない。ちなみに14:00開門、16:00KO(宣伝。20000超えるか超えないかって寂しいじゃない。何とか25000行ってほしいなぁ)

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Comments

いたさんが仰る様に、チーム全体が前へ向く姿勢が「強力」なだけに、全体が守勢になった時がポイントでしょうね。
宮崎キャンプ一日と開幕戦(ビッグアーチ)見ましたが。
元々「守備から」のチームでないだけに、自分はボランチの役割が今季は重要になりそうな気がしています。
前年に佐藤寿、今季は戸田というキーポイントを補強した点は大きく評価したいところですね。
期待の前俊は小野さんのサッカーではちょっと使い辛そうですね(笑)
個人的には、こういう小さくても光るクラブが、ビッグクラブに果敢にチャレンジし今季は優勝争いして欲しいと思っています。

Posted by: そーた | March 18, 2006 at 06:16 AM

そーたさん、こんにちわ。ご無沙汰してます。

3節でもそうなってしまったようですが、攻守のバランスはまだ模索段階というところでしょうね。難しい部分ではありますが、うまくコントロールしながらサッカーを進めると言うことが出来てくるとゲームも安定するんじゃないかなぁと。サンフレッチェ自体撃ち合いで勝つチームではないと思うので、守備の安定は必須だと思いますから。

補強に関しては非常に意欲的ですよね。戸田を獲れたことはとても大きいと思いますし、後は戸田がいかにこのチームで存在感を発揮できるか。そーたさんの言われるとおり、ボランチ、特に彼がキーになるでしょうね。現段階では一介の選手って感じでまだまだ影響力を発揮できないようですが、時間と共に出てくれば・・・。

前俊に関しては、確かに今シーズンはちょっと厳しいかも知れないですね。凄い納得いかないですが、まあしょうがないですね。これ以上崩れるようなことがあれば、彼の出番も増えてくる気もしますけど、それを望むのはさすがに・・・・。まあ腐らず前を向いてサッカーをしてほしいところです。

まあサンフレに優勝されても困るのですが(苦笑)サンフレやジェフ、FC東京などが意欲的に前を向いてサッカーをしてくれると、Jも活性化するだろうし、盛り上がっていくと思うので、こういうチームは応援したくなります。まあ対戦するときはとてもやっかいなんですけどね(苦笑)

ではでは。又よろしくお願いします。

Posted by: いた | March 19, 2006 at 03:47 AM

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