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February 04, 2006

06'J.League 傾向と対策 -アントラーズ-

はい、今回で3回目。3回目は昨年度リーグ3位と言うことで鹿島アントラーズです。昨シーズンは年始早々に中田浩二の移籍問題などごちゃごちゃした感もありましたが、始まってみたら一気のスタートダッシュで他を引き離し、内容でも意欲の溢れるパフォーマンスで独走。過密日程もあり主力選手の疲労や故障、勝ちきれない流れに苦しみ、最終的には序盤のアドバンテージを活かすことは出来ませんでしたが、次世代の息吹は確実に芽吹いてきており、世代交代は確実に進んでいるだけに、今年どのようになるのかはとても楽しみだったり。と言うことでスタート。

・移籍動向

[IN]
監督
パウロ・アウトゥオリ(←サンパウロFC[BRA])

FW
田中康平(←モンテディオ/レンタル復帰)
佐々木竜太(←鹿島学園高/新人)

MF
大道広幸(←アントラーズユース/昇格)

DF
内田篤人(←清水東高/新人)

[OUT]
監督
トニーニョ・セレーゾ(→契約満了)

FW
鈴木隆行(→レッドスター・ベオグラード[SCG]/完全移籍)
中島裕希(→ベガルタ/レンタル)

MF
リカルジーニョ(→レイソル/レンタル終了)
大谷昌司(→アルビレックス/レンタル→完全)
阿部敏之(→未確定)

DF
金古聖司(→アビスパ/レンタル)
根本裕一(→トリニータ/レンタル→完全)

05-06のオフシーズンは鹿島から海外に旅立った選手達の去就に振り回された感もあり、結局即戦力の獲得はなし。しかし、相変わらずのスカウト力で今年も有望な新人を獲得。現ユース代表の右サイドバック内田、選手権で頭角を現したサイズもテクニックも兼ね備えたアタッカー佐々木、鹿島ユースの最新作大道と将来の期待できる選手が加入。そして何より、長期に渡って鹿島を率いてきたトニーニョ・セレーゾの後釜につい最近サンパウロで世界クラブ選手権を獲った名将パウロ・アウトゥオリの招聘に成功。太いブラジルとのパイプを改めて感じた招聘でした。

まあ戦力的には昨シーズンとほとんど変わらないですが(師匠はいなくなっちゃったけど、誰も悲しんでいないし)、逆に海外への移籍濃厚だった大黒柱小笠原満男の残留が一番の補強とも言えるのかも知れませんね。昨シーズンを見ても彼は欠かせない存在だっただけに、チームにとってはとても大きな事だと思います。まあ補強が必要なポジションを考えると、ボランチ、CB、RSBと言う所だったと思いますが、アマチュア時に名声を轟かせた若手が沢山控えているだけに、アウトゥオリの手腕で成長に導くことを期待、と言うことかも知れませんね。では、傾向。

・傾向

Antlers 06
Pattern1         Pattern2
  ミネイロ 野沢       深井 ミネイロ
 深井     本山        本山
  小笠原 フェル    新井場      内田(潤)
新井場      青木     フェル 青木
  大岩  岩政       羽田 大岩 岩政
    曽ヶ端            曽ヶ端

FW:田代有三、田中康平、佐々木竜太
MF:本田泰人、増田誓志、興梠慎三、中後雅喜、吉澤佑哉、山本拓弥、大道広幸
DF:名良橋晃、石川竜也、後藤圭太、内田篤人
GK:小澤英明、杉山哲、首藤慎一

前回と同じように代表で抜ける可能性の高い小笠原抜きのも一応、アウトゥオリ就任で3バックへの変更も一応視野に入れてのパターン2です。

で、何よりも気になる部分は鹿島の場合は新監督、パウロ・アウトゥオリの就任でどのようにチームが変化を遂げるのかと言うこと。もしかしたらトニーニョ・セレーゾの意志を継ぐかも知れないし、サンパウロが世界クラブ選手権で見せたような固いサッカーに変わるかも知れない。まあ今のところ何とも言えませんが、ブラジルではテレ・サンターナ、カルロス・アルベルト・パレイラと言った希代の名将と肩を並べるような名声を得ているパウロ・アウトゥオリが鹿島にどのようなモノをもたらすのかは、鹿島を応援する人のみならず、日本が注目すべきポイントなのかも知れません。

まあ新監督就任というのが大きなファクターだとすれば、その基盤となる既存のサッカーの質がとても大切になるのかなぁと。と言うことで、少し鹿島のサッカーの中身に目を向けてみましょう。きっと鹿島のイメージだけで考えれば、「狡い」「勝負の綾を読むのが巧い」「勝ち方を知っている」「慎重」「サイドのオーバーラップを使ったアタック」などかも知れませんが、それが去年一年で大きく変わった。勝負にこだわる余り、バランスが後ろに掛かりがちだった所から、去年は小笠原を軸にリズムを自在にコントロールしながら、ポジションブレイクを交えたよりオフェンシブなチームに変貌を遂げた。昨シーズン序盤、安定して強かった姿は決してフロックではなかったのかなと。

ボールの動かし方とリズム、タスクとアイデアのバランス、個々の選手の戦術眼、そしてコンビネーション。エスプリの効いたプレーが増え、高いクオリティが鹿島の攻撃の中には確かにあったし、それが新しい鹿島の強さでもあったと思います。中田浩二の移籍で小笠原に掛かる重圧は確かに増えましたが、その分チームのバランスは彼の望んでいた通り前に出たし、チームのメンタリティも「掠め取る」から「上回ってもぎ取る」と言った感じに変わってきた。まあその分コンディションが整わなかったときに勝ちきれない試合も増えたりと、万事順調ではないですが、鹿島は確実に新しい方向に進んでいると言えるのかなと。そういうチームをアウトゥオリがどう料理するのか、とても楽しみだったりします(逆に怖い部分も)

で、まあとても質の高い攻撃をしていたお陰か、若手がどんどん伸びてきていて、競争原理も働きそう。特にFW起用が当たって持ち前の技術力を活かして二桁獲った野沢拓也、クイックネスと思いきりのいいプレーで鹿島のアクセントとなっていた深井正樹の成長は目を見張るモノがあったと思います。増田や興梠もいるし、勿論本山や小笠原がそこに絡んでくるわけで、非常に競争は激しい。このポジティブなパワーは大きいかも知れませんね。後ろの方は層が薄く、又伸びてきている選手も見あたらないだけに、チームに暗雲をもたらしかねないと言うのも加えて書いておきますけどね(特にセンターは平気なのかね?)

まあとにかくアウトゥオリの手腕、鹿島に根付き始めた攻撃的メンタリティ、そして若手の伸長という3つの要素が絡み合ってどのような化学変化を起こすのか、それが最大の注目ですよ。と言うことで分析。

・対策

まあそうは言っても、Fマリノスは去年は2勝。鹿島が変わったことがFマリノスにとってはポジティブに影響したのかも知れませんね。ただ、非常にナイーブな要素が反映したゲームだっただけに、状況や勝負の綾が変わればまた際どい勝負になるような気もします。

で、鹿島の攻撃に関しては流動的で捕まえにくい形なんですが、その基点となるプレーは楔からのポストアップ。そのリズムが良くなったから鹿島の攻撃も流れたと言うことを考えると(アレックス・ミネイロの技術と速いサポートなどがより徹底されたことで、一連の流れ[楔を入れて、落として、展開する]がスムーズになり、それが攻撃にリズムをもたらした要因だと思う。師匠がこのチームにおいて起用されなくなったのは決して偶然じゃない)、やはりそこを潰すことで元から絶ちたいですね。勿論複数のプレーを通じてゲームの流れを変えてくる小笠原の存在も無視できないですけどね。

で、点を獲った形で一つ共通点があるとすれば、ラインの裏というポイントがあるのかなぁと。大橋→大島ライン、奥→鮪ラインとも共に斜めに入っていくボール、それはどういう事かというと、ボールホルダーとパスレシーバーを同一視野に捉えることが出来ず、そこが原因でオフサイドトラップにズレを生じさせることが出来たのかなと。偶発的な形だったのは否めませんが、相手のオフサイドトラップを巧く崩すという形は間違いなく有効なのかなと。アウトゥオリの就任で又ディフェンスラインが修正される可能性もあるので今シーズンうまくいくかどうかは分からないですけど、ロジックを破る一つの方法として、意識できれば良いのかなと。

上にも書きましたが、柳沢・中田浩二・小笠原と海外との兼ね合いで今オフは積極的な戦力補強に動けなかった訳ですが、その中で名将アウトゥオリの招聘に成功した。今年の鹿島が成功を収めたとしたら、ジェフがやり始めた「監督への投資」というパターンがJに根づくかも知れないなぁと思ったり。各クラブによって資金力の差でこれからより各クラブ間の戦力差は開く傾向にあり、資金の使い方の方向性として「まずは優秀な指揮官を招聘して、新人育成を絡めてチームのアイデンティティの確立を目指す」というのは、資金力の差を埋めるという可能性が見えるかも知れない。こういうのがドラスティックに起きると言うことは、逆説的にJの戦術的な拙さを表しているのかも知れないけど、そういうことが進むことによって日本のレベルも上がるしね。まあ鹿島が資金力があるクラブかないクラブかは分からないけど、今年はもろにその効果が分かるという意味で、注目ですよ。


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てゆうか、最後に書いたこと鹿島にあんまり関係ないじゃんねぇ。ただ、上記の通り鹿島の今シーズンは色々な意味で注目だと思いますよ。アウトゥオリがJにおいても名将になり得るかという部分も気になるし(成功例はシャムスカ、失敗例はパドン。パドンはブラジルでは救世主な訳だし。まあアレはヴェルディのメンタリティも深く関わってる気がするけど・・・)、面白い選手が後ろに控えていることもそうだからね。個人的には上位に来るんじゃないかなぁ・・・と思ったり。まあ予想は一番最後にやりますよ。と言うことで3チーム終わったかぁ・・・先長いなぁ。次は4位だからジェフかな?と言うことでここまで。

06' J.League 傾向と対策 -概要-(Looseblog)

*↑目を通してない方、一応今回の「傾向と対策」の概要なんで、目を通してみては?で、コメントとかトラバとかメールとかお待ちしてます、特に鹿島な方々。

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