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January 24, 2006

代表あれこれ、2006(2) -フース・ヒディング考-

激しい大陸間プレーオフを制して、32年ぶりに本大会出場を果たすオーストラリア。そんなオーストラリアとグループリーグ初戦で対戦することになり、そのゲームがキーマッチとなることはサッカーに余り強い興味を持たない人でも、既に知っている事かも知れませんね。雑誌や記事、ブログなどでその時の印象を書かれていましたが、力は互角(又は劣勢)、ただ厳しい試合になるのだけは間違いない、と言った感じが多いのかなぁと。で、今日はその中で必ず取り上げられるキーマンにスポットを当てて考えてみようかなと、今日のテーマは「フース・ヒディング」

・フース・ヒディングが積み上げてきた輝かしいキャリア

ご存じの通り98'フランス大会でオランダを率いてベスト4、02'日韓大会では開催国韓国を率いてベスト4、これだけ見ればワールドカップにおいて恐ろしいまでに強さを発揮して結果を残している監督と言う印象ですが、彼のキャリアはこれだけでは終わらない。

韓国代表監督を務めた後、母国に戻り名門PSVを率いて02-03、04-05とリーグを制し、記憶に新しい昨年のUCLではアウトサイダーと目されながらも、決勝トーナメントでモナコ、リヨンとフランス勢を次々と撃破し、準決勝では敗れたモノの最後の最後まで追いつめるという激闘を演じさせて、フース・ヒディングここにありと言うのを示した結果だった。まあ結果だけを見ても凄いのだけど、その過程がありながら(04-05ではマテヤ・ケジュマン、アリエン・ロッベン、デニス・ロンメダールを移籍により失い、今シーズンもマルク・ファン・ボメル、ヨハン・フォーゲル、朴智星、李栄杓を失っている)コンスタントに成績を残してきたことが、この成績に更に箔を付けたといえるのかも知れない。

これに飽きたらず、ヒディング自身が輝かしいキャリアの続きをオーストラリアで紡ごうとしている訳です。日本としてはそれをさせてはいけないわけですが。

・変幻自在の中で置かれている軸、その上でのオーストラリアとのマッチング

まあこれだけ凄いキャリアを積み上げてきているヒディングですが、その一つの要素にゲームの流れを捉えて柔軟に振るう采配というのがあるのかなと。一番有名な例は、あの誤審のあった(まあヒディングに罪はないけど)02'WC決勝トーナメント一回戦のイタリア戦。3度の交代で選手の玉突き式にポジションを次々に入れ替えて相手を惑わし、そして1vs1のマッチアップにおいて上回った所でイタリアの壁を突き破った訳ですが、この采配の中で大きく取り上げられたのが複数のポジションをこなせるユーティリティプレーヤーの存在。こういう選手がいることによって、相手に対応できるであろう柔軟なシステム選択が可能になっていたわけです。

ただ、これ自体はそんなに珍しいことではなく、僕が今回取り上げるのもここではありません。柔軟に相手に合わせてもヒディングのサッカーの中で変わらないのは、アウトサイドを中心とした1vs1の強調、それを基盤に置いた選手の取捨選択と起用というのがかいま見える。この要素が軸となり、その軸がぶれず、選手の育成含めて活かし方を知っているからこそ、常に結果を残せるチームが作れるのかなぁと。

実際、ヒディングのチームには常にアウトサイドに仕掛けられる選手を揃え、その選手達をコンディション・技術・フィジカル・相手との兼ね合い含めて柔軟に起用し、ストロングポイントを作ることで穴を開け、そこをきっかけにしていることが多いと思う。98'で言えば、オーフェルマウス、ゼンデン、R.デブール。02'で言えば朴智星、薛琦鉉、安貞桓、李天秀、車ドゥリ。そしてPSVで見れば、ロッベン、ロンメダール、ダマーカス・ビーズリー、朴智星、ジェファーソン・ファルファンなど。うーん、壮観。まあ彼らがヒディングの起用に応えて相手のディフェンスを切り崩してきたからこそ、ヒディングの輝かしいキャリアがあるのかも知れません。勿論上記の通り巧く起用してきたというのは言うまでもありませんが。

で、そんなことを踏まえた上でキーを握る選手というのは、アウトサイドアタッカーになる訳ですが、その重要な責務をこなせるだけの能力を備えた選手がオーストラリアにはいる。ハリー・キューウェル(リバプール/ENG)を筆頭に、マーク・ブレシアーノ(パルマ/ITA)、ブレット・エマートン(ブラックバーン/ENG)、スコット・チッパーフィールド(FCバーゼル/SUI)。結果はどうあれ、ヒディング×オーストラリアのマッチングは消化不良が起きるような組み合わせではないというのがわかるかなと。

・ヒディング・オーストラリアに対して、日本は何をすべきか。

まあこういう分析は基本的には大会直前位にしようかなと思っているので、このテーマの中では大局的にね。まあ上を読んだら分かるかも知れませんが、次々仕掛けられるであろう1vs1においてとにかく負けないこと。勝てないのなら2vs1の局面を作ったり、カバーできるような守備的自由を確保することなのではないでしょうか。まあ勝負はどうなるかわからないけど、オーストラリアの1vs1を抑えられたら勝つ可能性は大きく上がるのかなぁと(パワープレーとかセットプレーでやられたら元も子もないんだけどさ)

まあ1vs1に「勝つ」のではなく、「負けない」と書いたのは、とにかく抜かれない事、裏を取られない事をしっかりとすることが必要という意味で、1vs1を制してボールを奪うというのはそういう所じゃなくてもイイと言うこと。確かにここで優位に立てたらより良いのは間違いないんですが、対人能力(豪・攻-日・守の場合)において劣勢に立たされる可能性が非常に高い訳で、その中で一発カットを狙って抜かれた場合は目も当てられない。そういう意味でとにかく粘り強く対応して、クロスのコースを制限したり、中へのカットインをやらせないと言った決定機に繋がるプレーの精度を落とさせるような対応をしていくことが出来ればいいのかなと。そういう意味で「負けない」対応をしていく必要性があるのかなと。

グループ突破における挑戦者決定戦の様相を呈す6/12のカイザースラウテルン。ヒディングは余りに曲者で大きな存在ですが、日本がやることは至ってシンプルだと思います。と言うことでここまで。

*一応新企画です。だからタイトルはいつも通り「代表あれこれ」なんですけど、これにサブタイトルを付けてやっていこうかなと。対戦国の色々なファクターを一つずつコラムにしながら本大会までやっていくつもりです。まあ僕が気にならなかったらこの一回で終わるかも知れないけど。まあ何回やるかとかは未定という感じで

*ちなみにもう2個WC系で新企画を予定しております。ひとつは日本代表選手の個々の大会に向けての特集みたいな感じ。でもう一個は僕が気になる出場国分析、こっちは本大会前かな・・・。多分そのころには忘れてるに100ペリカ

*ちなみにこれをやろうと思ったのは、こんな記事がスポニチで出てきたから。まあこれを見て、日本も総力上げてスカウティングしろよ!とか思ったりもする訳ですが、まあ基本的にオーストラリアと対峙してみてどうなるかって感じですかね。しかし予選突破の後にヒデの言ってたことは暗示になってる気がするよ。クロアチアも1vs1は大きな勝負ファクターになりそうだし

*そういえばPSVにはもう二人オージーがいるんだよねぇ、ジョイソン・カリーナと今回呼び寄せたアーニー・トンプソン(?)。この二人は何か不気味だな。てゆうかPSVは怒らないのかね?さっきの記事もそうだけど、クラブの私的利用じゃん。

*何となく大風呂敷広げ過ぎな気もする今日この頃。Jの分析もやらなきゃな~。16チームもやれっかな。まあどれか中途半端に終わってもご勘弁を。WCのやつはまだまだ期間があるから気にする必要ないかな。

*ちなみに、コメント欄には書きたくないけどご意見、ご感想、応援、つっこみ、リクエスト、告白などありましたら、
itaruru0612(@)gmail.com
までどうぞ。お待ちしてます。てゆうかちょーだい。

*で、マルケスマダー?

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Comments

> てゆうかPSVは怒らないのかね?
やっぱりヒディングが連れてきた韓国人二人の実績が効いてるんじゃないですか?

あとワールドカップ前には敵情視察の日本人スカウティングデータも、ワールドカップが終わったら「PSVの日本人獲得参考資料」に早変わりじゃないですか。

Posted by: おりた | January 24, 2006 at 11:38 PM

おりたさん、こんにちわ。

確かにそれはあるかも知れませんね。朴も李もPSVにとっては優良物件でしたもんね。すでにクリーナはそれなりですし、オーストラリア人自体フィジカル的に高いレベルにあるのも、実証されてますし。

>あとワールドカップ前には敵情視察の日本人スカウティングデータも、ワールドカップが終わったら「PSVの日本人獲得参考資料」に早変わりじゃないですか。

獲る獲らないは別にして、クラブとしてデータとして持っていることに越したことはないですよね。オランダは日本人にとっても欧州入門には適した土地だと思いますし、これが実現すると良いなぁ。

そういえば、ヒディングは近いうちにPSVの監督をアシスタントコーチに禅譲するという噂も出てるようです。この噂が本当なら次の行き先も気になる所です。はてさて。

ではでは。

Posted by: いた | January 25, 2006 at 02:14 AM

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