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November 02, 2005

差のない意識、差を分けた意識@J1 第29節 トリニータ vs ジェフ

さて、(個人的に)今節のメインマッチです。もうこの一戦を書いた素敵コラムが沢山書かれていて、だいぶ出遅れ気味ですが。

J.League Division1 第29節

トリニータ 0-1 ジェフ@ビッグアイ「差のない意識、差を分けた意識」
Jef:81'佐藤勇人

トリニータスタメン:GK西川周作、DF深谷友基、三木隆司、福元洋平(→88'山崎雅人)、MFトゥーリオ、エジミウソン、梅田高志(→83'松橋章太)、吉田孝行、FWマグノ・アウベス、高松大樹

ジェフスタメン:GK立石智紀、DF斉藤大輔、イリアン・ストヤノフ、結城耕造、MF阿部勇樹、佐藤勇人、坂本将貴、山岸智(→77'工藤浩平)、ガブリエル・ポペスク(→58'羽生直剛)、FWマリオ・ハース"ご乱心"、巻誠一郎

レポートに関しては割愛。いきなり分析、見てない人には優しくないかも。

・守備メソッドの共通項、トライアングルの妙。

スペシャルというか、どちらも奇を衒う様な策を取るのではなく、スタンダードな形で両チームが力比べをするような形となった訳ですが、根幹をなす守備の考え方としては似通ったものがありました。それがマンツーマン。人を捕まえ、責任を持って付いていく。その姿勢は両チームとも徹底されており、その結果ある程度拮抗していたように見えました。

その中でもキーとなったのが中盤センターのトライアングルのマッチアップ。2-1の形で組み合ったわけですが、両チームともボランチが攻撃時に手を拱いているチームではないだけに、その辺をどう見るかというのが一つの大きなポイントとなるのかなぁと。

トリニータにとって抑えるべきポイントとして定められたのは阿部勇樹。吉田をマンツーマンで見させて警戒し、起点やオーバーラップ時に無警戒な状態を作らせないようにした。ただジェフもカウンターの起点となりながら幅広く動く吉田を潰すと言うことで、最近はエースキラー的な仕事も素晴らしい阿部が付いた。両チームともタスクとしてここを潰そうという狙いが一つのマッチアップに収まり、そして互いのパフォーマンスが高かったこともあって相殺されたのかなと(それでも二人とも攻撃に置いて存在感を見せたのは面白かった、一瞬のズレを見逃さずに出てくる)。

そうなると流動的な2枚にスポットが当たり、中盤での主導権争いもここに掛かることになりました。佐藤勇人はかなりの回数前線に出て行きましたが、良い状況で上がれている時はジェフのペース。逆にポペスク(羽生)がトリニータのボランチに引っ張り回されるようだと、トリニータのペースというある意味わかりやすい状態になったのかなと。実際、前半ポペスクが守備をある程度免除されたかのように高い位置を維持する様な時間帯があったのですが、その時はポゼッションこそトリニータが持っているもののポストアップに対してサポートの距離が良く、枚数が少ないながらもイイ攻撃が出来ていて、「これがトリニータ対策か?」と思うぐらいうまく行っていたと思います。しかし、段々トリニータのダブルボランチが攻撃にも存在感を出すようになると、ポペスクは(守備を)サボる事は出来なくなって、その結果ポジションが下がってしまい、ポストアップに対してのサポートには時間が掛かるから早い仕掛けというのが難しくなった。

よく言われるサイドでの引っ張り合いがセンターで行われていたような印象で、その駆け引きは本当に見応えたっぷりでした。結局阿部と吉田は吉田の奮闘もあってある程度相殺、そして両チームとも集中、スタミナが切れることなくしっかりと対応出来ていた事もあって、優劣をはっきりと分けるような形にはなりませんでしたが、非常にフレキシブルな駆け引きに、両チームに浸透しているマンマーク意識をかいま見ることが出来て、このチームのぶつかり合いの濃縮した要素を見れた気がしました。

・攻撃に見えた熟成度の違い、メソッドと特性と。

守備に関しては非常に似ていたわけですが、攻撃に関しては両チームの狙いは異なるもので、必ずしもミラーな状態ではありませんでした。まあどちらがイイというのではありませんでしたが、より狙いが明確で終着点を意識するような形で攻撃をしていたのはジェフだったのかなぁと。

ジェフの最大の崩しのキーにあるのはダイナミズム。それを活かすための攻撃のとっかかりとして2トップの巻が身体を張ったり、又はハースが足元で受けたりと、ポストマンがボールを前に引き出すことで、飛び出しを誘発させる時間とスペースを作り出す。勿論楔が入っただけでは、勝負パスは出せないからそこにはサポートが必要だけど、そのサポートへの意識も高く、又早い。チームがその形を意識しながら動く事で、連動してより崩せる攻撃が生まれるのかなぁと改めて感じました。

まあ簡単に書けば、楔(この時点でサポートに入る人間も予備動作開始)→ポストアップから落とし(この時点で最終的に受ける選手がダイナミズムを起こしている)→勝負パス→守備ブロック突破という感じかな?まあ他にも様々な形がありますから一概には言えませんが。ただ口で言うほど簡単なことではありません。マンマークという個々の責任と運動量が伴う守備をした上で、切り替えてそこから必要な予備動作や動き出し、リスクを負う覚悟(オリジナルポジションを離れるわけだからね)、動きの中でも精度の高いプレーをする技術、そういう部分が必要になってくる。この日は技術という部分ではミスも多かったけど、動きに置いては非常に質が高かった。ジェフというチームが改めて進化を留めていないと言うのが分かるゲームでもあったのかなと感じました(まあそれでもセットの一点に抑えたのはトリニータの守備がしっかりしていたと言うこと)

ただトリニータも、方向性は違うけど、それなりに形をしていったのも事実。マグノ・アウベスを終着点にしたカウンターがあくまでも1stプライオリティ、遅攻の場合はポジションを上げることで相手を押し込んで、その隙にマグノが動いてフリーで受ける形を作り上げる。まあどちらにしてもエースをフリーにするために動き、又その能力を活かすために周囲が動き出して彼のシュートコースを開ける動きだったり、彼からのパスを引き出す動きを狙うと言うのが多いのかなと。ただそこでこの日はマグノも隙を見て良いところはあったモノのきつい警戒下に置かれ、周囲の高質な動き出しと言うのも余り見られなかった。まあ結果、崩しきれずに抑えられてしまった。

実際、それでも得点機に近い形は出来ていたのだから大したものなのですが、攻撃に置いては守備に比べると整備は道半ばなのかなと言う印象は受けました。まあカウンターが嵌ってしまえばそれでイイという感じもしますが、これからの課題なのかなと言う感じはします。ただ、あれだけ守備をしっかりと出来るチーム、優秀な監督だとしたら、攻撃に置いても段々形作られていくのかなぁと思います。実際、まだ2ヶ月ですからね。

まあ3年目のチームと2ヶ月のチームを比べるのも実際どうかと思うわけですが、この意識レベルの差が決勝点に繋がった。

・勝負を分けた一本。

結果としては一本のFKに対しての対応策が勝負を分けた訳ですが、これの対応が悪かったと言うより、相手の状況をしっかりと把握してオーバーラップを仕掛けたストヤノフ、それを感じた阿部勇樹、そしてしっかりと決めた佐藤勇人、ジェフの選手達の中に芽生えているインテリジェンスが、トリニータの隙を見逃さなかったということかなと。壁は3枚、中はマンマークでついていたこともあって余裕はなし。その中でキッカーの阿部、ストヤノフに対して一枚誰かが行くべき所で彼に対して誰も行けなかった(突然の出来事で完全に虚を突かれ、数的な余裕がなかった)。そしてフリーでクロスを上げられ、完全にパニックに陥ったところでペナ真ん中にエアポケット。フリーとなった佐藤勇人がきっちりと決めた。

実際流れの中ならあり得なかったゴールかも知れない。上にも書いた通り、マンマークに置いては80分ゲームをしてきた流れで整備されていたと思うし(その分体力的に厳しくなっているとは思うけど)、ジェフ側から見ればストヤノフが上がったら(ストヤノフに限らず結城が上がってもそうなってる)、阿部か佐藤勇人が下がるというオートマティックなリスクマネジメントもあったはず。ただ、これはセットプレーで非日常的な要素だった。そこでトリニータは後手を踏んでしまった。

状況を把握して新たな動き出していたジェフと直接的(合わせるにしても)にゴールを狙ってくると狙いを絞って虚を突かれたトリニータ、勝負の差を分けたのはほんの小さな要素かも知れませんが、その差は決して小さくない。運動量という要素に光が当たりがちで、走り事こそ全て的な論もありますが、走ることだけでは状況は変わらない。その中でピッチの状況を理解し、何をすべきか判断する、そういうインテリジェンスの要素が備わっているかどうかでチームの出来はかなり変わってくるのかなと。今回はそれが結果に繋がったわけですが、トリニータの次への課題を示すような1点だったかも知れませんね。走ることだけでは勝負を決める要素にはなり得ない、その先にあるものをジェフに示されたゴールの様な気がしました。

・お互いのこれから。

まあどちらもよく走って良く戦った。結果としてジェフが勝ったけれど、トリニータとしては悲観するような内容ではないし、先に繋がるゲームだったと思います。守備に関してはしっかりと集中し、一人一人が仕事をしていけば失点を削っていけるという更なる自信を深めただろうし、攻撃に置いてはマグノのカウンターは嵌らなかったけど、チーム全体の積極性というのは必ずしも低くなかった(根本の飛び出し×2などは素晴らしかった)これから更に積み重ねていってどのようなチームになるのかは非常に楽しみです。

実際このゲームでは、阿部を潰せず、この試合においての対策というのは嵌らなかった訳ですが、それでもシャムスカのチーム作りの方向性は間違っていないというのが証明された一戦でもあったと思います。その対策が無くても、継続的な強化をしていったことをきっちりやっていけば戦えるし、勝つチャンスも出てくるというのが見えていたはず。この短期間で精神的にも逞しくなっているし、彼がどのような指導をしたのか、本当に気になります。攻撃においてもこの指導力が発揮されたとしたら、もっと変わってくるのかなと。

ジェフは天皇杯もありますが、何よりも次はナビスコカップ決勝です。この試合は非常に難しいゲームでしたが、何とか勝ち取ることが出来た。内容も悪くない。チームの状態が上向きのまま望むことが出来るのではないでしょうか(アクシデントがなければ)特に三角形の3つ重なるセンターライン、その一番後ろ(ボランチ二人、佐藤勇人と阿部勇樹、そしてストヤノフ)のフレキシブルな姿勢はチームのアクセントとして、非常に面白いし、相手にとってはイレギュラーなものだから対応しようと思ってもなかなか難しい。確かにリスクもありますけど、リスクマネジメントも出来ているし、何よりも最近この形でゴールが生まれている。そういう意味ではこの3人には非常に注目ですね。それにしても去年よりも更に質が高くなってる気がしてならない・・・恐るべきオシムたん。

まあ色々書きましたが、こんな所でしょうか。とにかくイイゲームで、両チームとも先に繋がるゲームだったと言うことでイイのかなと。と言うことで今日はここまでです。

*こういうやり方はやっぱり流れがないのでちょっと難しいなぁ。書きたいことは書けるけど。それと見てない人にとっては何のこっちゃって感じ。

*てゆうかこの試合で日本代表云々というのは無理じゃない?走ることは確かに素晴らしいけどそれだけを評価基準にするのは無理がある気がする。技術レベルを軽視しすぎ。個人的にはこのゲームで日本代表に値するようなプレーをした選手は、阿部っちぐらいじゃないかな?それと佐藤勇人かなぁ・・・(贔屓っぽいかなぁ?でも異質で面白いと思うけどね)

*てゆうか今日はUCLだねぇ、又寒くなって対応しきれず風邪引いたし、見れるかなぁ・・・出来たら又はてなの方でやります。ニュースもやりたいけど・・・・。本当に更新間隔がまばらですいません。

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