« フクアリな日。 | Main | UCLレポート&色々ニュース雑感。 »

October 17, 2005

One step fierce battle of the beginning@J1 第27節 ジェフvsFマリノス

まあ昨日色々フクアリに関してやったので試合に関してのレポートを。ちょっと長い(だいぶ?)かも。早速。

J.League Division1 第27節

ジェフ 2-2 Fマリノス@フクダ電子アリーナ"フクアリ"「A fierce battle to be good for commemorative one step」
Jef:16'阿部勇樹"第一号" 88'巻誠一郎 F.Marinos:71'ドゥトラ"God" 89'坂田大輔

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF中澤佑二、松田直樹、河合竜二、MF那須大亮、田中隼磨、ドゥトラ、奥大介、大橋正博(→46'山瀬功治)、FW坂田大輔、大島秀夫

ジェフスタメン:GK立石智紀、DF結城耕造、イリヤン・ストヤノフ、斉藤大輔、MF阿部勇樹、佐藤勇人、坂本将貴、山岸智(→69'水野晃樹)、羽生直剛(→82'工藤浩平)、FW林丈統(→82'マリオ・ハース)、巻誠一郎

フクダ電子アリーナのこけら落とし、フクアリには天候が良くないものの沢山の人が詰めかけ、ほぼ満員(17500)と素晴らしい雰囲気になりました。気になった芝も素晴らしい状態で水たまりが出来ることもなく、それに応えるようにジェフはほぼフルメンバー、負傷のハースもナビ同様ベンチに控え、このゲームに対して良い状況で迎えることになりました。対するマリはリーグでは出場停止明けとなる松田が戻ってきたものの、勇蔵が離脱、グラウがナビの退場を受けて出場停止となり相変わらずメンバーが定まらない。そんな状況での試合開始でした。

序盤相手を見て守り方を定めるジェフに対して、Fマリノスは積極的な前からの守備と両サイドのランニングを活かして攻め込むが、結局フィニッシュシーンは生みだせず。時間が立つともに相手の出方が見定めたジェフは、マリノスの攻撃の拙さもあって簡単にボールを奪い始めると、ジェフらしい攻撃が出始める。個々が主体的に動いて沢山の選択肢を生み出し、そこを使った後のセカンドアクションも非常に多い。そしてダイナミズムをうまく使って崩しに掛かると言う形はまさに「ジェフ」という感じでしたね。

それに対して後追いとなってしまい、混乱させられた事でリズムを明け渡してしまったFマリノスは、守備に対しての対応で手一杯。佐藤勇人のダイナミズムが冴えたところで奪われたCKから結局失点が生まれてしまう。羽生のキックは鋭かったものの、何とか河合がクリアするかな?と言うところで後ろからうまく押されてバランスを崩されて触れず、一人ボールが流れていることを予測していた阿部が鋭い反応から頭でバチッと合わせてゴール。ジェフのずるさというか巧さが出たゴールでしたね。これでフクアリ初ゴールはチームの顔であり、最大のスターである阿部勇樹が刻んだことになりました。

この歴史的なゴールでジェフのリズムは更に加速、主体的で早い動き出し、リスクの伴う場面でも躊躇のない速いパス、無駄になる事もいとわない第3の動きもなくならない(これに関しては後できっちりやる、同一視野である縦方向で見れたこともあって凄い勉強になったよ。マリの不振からの脱却のポイントになると思う)。そのためプレッシャーの高い地域でもぽんぽんパスが周り、もの凄いバリエーション豊かな攻撃でFマリ守備陣を完全に振り回した。それに対して後手に陥ったFマリは後ろで我慢するしかなく、守備でリズムを作れない事で攻撃に置いては望み薄の状態でシュートさえ繋がらない状態に終始してしまった。

非常に旗色の悪いFマリは、岡ちゃんの指示で相手の激しい動き出しとダイナミズムに対応するために大ちゃんを一段下げて2ボランチにして、しっかりと相手を捕まえることから修正。これにより守備が少しずつ落ち着きを取り戻し、厚みはないものの展開がある程度スムーズになり押されっぱなしだった押し戻す。

少しずつ展開を押し戻したこともあってチャンスも作る。那須のインターセプトから一度詰まってしまったが、ドゥトラが突破(苦しい状態で頼りになるけどチームとしてこれに頼るすきじゃない、低い位置での突破だから)からうまく外に流れた大島へ楔を付けると、ディフェンスラインにギャップが生まれ、このスペースに顔を出した坂田へダイレクトで流し込み3vs1(2)のチャンス、しかしストヤノフの速い寄せに坂田がいなしきれずに潰されるが、良い連動。この後も、大きく開いた中盤を見てそのまま持ち上がったマツから右サイドに展開、隼磨から大ちゃんへとシンプルにボールが繋がり、その流れからダイレクトでセンタリングを上げると、相手のチャージにも屈せず大島がヘッドで合わせるが立石の良い反応に凌がれてしまった。

結局前半は1-0。何とか悪い状況こそ押し戻したものの、スタッツを見るまでもなく、アイデア、意識レベル、一つ一つのプレーのクオリティの差が如実に出てしまった前半でした。

後半、Fマリはほとんど自分の良さも出せずに存在感を示せなかった(彼だけのせいじゃないにしても今日は悪かった)大橋に代えて山瀬を投入。これに対して、ジェフも早い対応、園や増せに対して阿部がマンマークに付く形でアテネ世代の直接マッチアップが後半の鍵となりました。

Fマリノスは開始早々プッシュアップから積極的な攻撃を展開。左サイドを突破したドゥトラの鋭いクロスに大島がニアに飛び込んだり、山瀬が中央部で細かいパスからの突破を試みたりと前半とは又雰囲気の違った様子を見せる。しかし、ジェフの動きが悪くなったわけでもなく、ゆったりと安定したポゼッションから色々な選手(特にバックラインのストヤノフ、結城の攻撃参加の意識は非常に高く、又うまい)が出て行ける時に顔を出してアクセントとなり、その顕著な例がこんな形。ポゼッションの中でストヤノフがスペースを見つけて飛び出し、そのままサイドを突破して速いクロス、これを巻がファーで折り返してゴール前にしっかりと詰めていた佐藤勇人がジャンピングボレーで叩いた(シュートは抑えきれず枠上)

それでも前半と違ってひるまなかったのはFマリ。高い技巧を活かしたキープでカウンターの起点となったりいいプレーを早々から続けていた山瀬がビッグチャンス、セカンドアタックから隼磨が素晴らしいアーリークロス、FWがニア・ファーに分かれたことでセンターにぽっかりとスペースが生まれ、ここに飛び込んできたのが山瀬!ドンピシャのダイビングヘッドだったものの枠に収めることは出来なかったものの雰囲気は変わる。那須も積極的に遠い位置から狙ったりと、ポジティブな空気がチーム全体に波及したかに見えた。

しかし、共有意識や攻撃における積み上げの差がものを言い、ジェフの方が良い形を作る。カウンターから結城が長い距離を持ち上がり林がフリーとなってシュートを狙う(達也がファインセーブ、羽生の詰めも許さない)右サイドで坂本が深い位置でボールを受けて佑二との1vs1を制してクロス、ニアに飛び込んだ巻似合いそうになるが、ここも達也が何とか飛びだして凌ぐ。逆にFマリはパワープレー気味の攻撃やサイドのからの攻撃で相手を押し込みこそするものの良い形でのフィニッシュには繋がらない。自ずとリードしているジェフの落ち着いたリズムになってしまう。

ここでオシムたんは林に代えてハース、山岸に代えて水野にスイッチ、リズムを持っているうちにクオリティの高い技術を持つ二人で勝負を決めようと動いてくる。しかしこの直後、ゲームが動く。右サイド、阿部のマークに苦しんでいた山瀬が、彼らしい突破の技巧を発揮、阿部を振ってかわしクロス、これはストヤノフがはね返すもののこのリフレクションがドゥトラの元へ、これをワントラップの後強烈に叩き、とんでもないシュートが立石を破った。珍しくドゥトラのシュートが枠飛んだ!(角度がしっかりとあったのも良かったのかも)ことも素晴らしいわけですが、何よりも山瀬が阿部を振った事ですよ、奥さん。素晴らしいドリブルワークでクオリティを発揮。これが局面を破ってゴールを生むきっかけとなったのかなと。

これでFマリノスの一気にリズムが好転、隼磨が縦の楔からワンツーでシュートを打ったり(わずかに枠逸れる)、坂田がカウンターからこの日何度も凌がれていたストヤノフとの1vs1に迷いなく勝負に挑みシュート(これも枠外)、とフィニッシュシーンも増える。サイドの動きも活性化し、隼磨もドゥトラも高い位置で張り出して上下動を繰り返してクロスを入れたりとリズムで良い形で攻め込む。が、最後の精度が足りずに勝負を決めることが出来ない。試合は最終局面へ。

両チームとも奪ったらスペースを見いだして速く攻撃、その中に激しいぶつかり合いが生まれたりと、非常に試合が熱くなる。そして90分に迫る中でジェフの連続したセットプレー、マリノスも身体を張って凌ぎ続けるものの最後の最後、CKからのこぼれ球を工藤、ストヤノフと繋がり、左サイドで待ち受けるハースへ、ハースが苦しい態勢ながら中に折り返し、結城が飛び込んできた裏側に待ち受ける巻、空気が弾けるような音を発した素晴らしいボレーは達也の手を弾き、ゴールに突き刺さり、残り一分で逆転。スタジアムはアウェーの沈黙に降りかかるように全体が爆発!もの凄い轟音。こけら落としにふさわしい結末になっちゃったかと思われた刹那、ドラマがもう一つ待っていた。

キックオフから速いプレッシャーでドゥトラが何とか粘り、左サイドフリー、右足で流し込んだクロスは大島が加太らを張ったことで坂本を抑え、その裏に待ち受けていたのは坂田!坂田が落ち着いてシュートブロックに来る坂本をいなし、立石のニアを抜いて同・点・弾!オシムたんが地を蹴って悔しがる。爆発するアウェースタンド。とんでもない試合だ・・・。

この2点はクロスの形・上げたアングル・フィニッシュの型こそ違えど、攻撃参加していたことでマークの枚数が足りなくなり、そこで身体を張ったことで後ろがこぼれた。フリーとはいえブラインドがありながら、これを決めたフィニッシャーである巻・坂田は素晴らしい訳ですが、この二つのゴールはチームで獲ったゴールといえるのかな。素晴らしいゴールの取り合いでした。結局この後も激しい攻防を繰り広げたもののこのまま終了、2-2でこのこけら落としの記念すべきゲームは終わりました。

ジェフにとっては痛恨のこけら落としとなってしまいました。相変わらず詰めの甘さと言うべきかも知れませんが、それでもジェフらしいサッカーを展開したのは間違いないと思います。17500人思いはそれぞれでしょうが、結果は別にしても、満足するような試合だったと思いますし、これからもサッカーだけのための素晴らしいスタジアムにふさわしいサッカーでこの雰囲気を維持して欲しいなと。

・同じピッチで表れた「差」。結果とは別に反省しなければならないこと。

と言うことで結果としては2-2。Fマリノスの得点は、ドゥトラのスーペルミドルとクロスボールから前で潰れて裏に通したところでの坂田のシュートから生まれたものでした。久々の1試合2ゴールと言うことで、攻撃に関しては最悪の状況からは脱したのかなぁとも思ったり。

進化を感じた点としては、長いボールにおいての次を考えたポジショニングが出来るようになったこと。大島が長身と強さを活かして競り合った後、坂田や大ちゃんがそのこぼれ球を拾えるポジションを獲って、そのセカンドボールを拾い攻撃に繋げると言うことが出来ていたのは、今までよりかは前に進んだのかなぁと。勿論サイドに寄って人を集めてセカンドボールを拾うという施術もありましたし、そういう意味では長いボールによる攻撃構築は少し詰められたのかなと思っています。(サイドに集めてセカンドボールを拾う施術に関してはその先が必要だと思いますけどね。それだけ次の展開スル場所を確保出来ず、効果は薄い。片方のサイドに収縮して相手も集まっているのだから、逆サイドの警戒が薄い所に連動して飛びだす選手が居るとより効果的だと思う)

しかし、同じピッチでもう黄色いシャツを着た選手達との動きの差は歴然。縦方向で見て分かったことでもありますが、ボールホルダーとレシーバーを同一視野に捉えて見ることで、改めて攻撃における意識の差というのを感じたし、Fマリノスの選手達は攻撃に置いて、この結果に満足するのではなく危機感を高める必要があると感じました。簡単な例を3つほど。

Ex.1)高い位置までボールを運んで、バイタルでの変化を付けたいところで主体的なアクションが起きず、アタッカーがラインの前でまごまごとボールホルダーの次の動きをウォッチしてしまい、出しどころがなくなってアプローチを掛けられてロストしたり、展開が硬直して作り直すことになってしまう。

Ex.2)ボールを持った選手に対して、先に動いてコースを作ろうと言う意識ではなく、先に要求ありきで無駄になることを嫌がる。実効的な要素を求めすぎる嫌いがあり、出てこなかったらそのままやめてしまうという、動き・意識に淡泊な印象を受ける。

Ex.3)レシーバーが動き出しているものの、パサーがタイミングやリスクを前に躊躇してボールが出てこない。そしてそういうことが何度も続く余り、アタッカーは出し手に対して信頼を無くして、オフ・ザ・ボールの動きが減退させてしまう。出し手はレシーバーのことを余り考えておらず、自分のタイミングという形が多いし、リスクのあるパスに関しては常に躊躇が伴ってワンテンポ遅くなる。

こんな感じかな。全部関連することです。動き出さないから出さないとも思うし、出さないから動き出しをやめてしまうとも言える。出し手本意的な要素もかいま見えるし、出し手としては引き出してくれと思っているかも知れない。まあ真意は定かではありませんが、こういう事が相まって崩しに置いては、個人の突破(やキープ)やオーバーラップという形ぐらいでしか良い形が作れず、多くのチャンスとなるべきチャンスをふいにしてしまったのかなと。

で、コンセプトが違うとか、比べる必要性がないかもとは思いますが、相手のジェフはこれが全然無い。距離が長かろうと無駄な動きをいとわずにどんどん動き出す、出てこなくても次の動きをすぐに捉えて動き直す、出し手も躊躇が無く速いタイミングでミスを怖れない、ウォッチする時でも次のボールの動きですぐにポジションを獲る。これは本当に素晴らしいと思いました。まあ、リスクを獲ってでも相手を崩しに行くという非常にオフェンシブなコンセプトの元にチーム作りが進められているので、元が違うとも言えるのですが、それでもジェフはそれだけ前に進んでいると言うことと言えるのかなと。

これに関しては特別なことではなく、サッカーの攻撃において当たり前のこと、確かにFWは出てこないかも知れない、それでも主体的にアクションを起こすことをやめない。一つの動きがゴールに繋がる。出し手もリスクを厭わない。出し手の躊躇しない、獲られたら自分の責任で追いかけて奪えばいい(てゆうか固い守備があるのだから少し失敗してもカバーしてくれるって信頼)、周囲の動きを感じ、空くスペースを感知して連動していく、こういう事をしていかなければマリノスの攻撃の閉塞感というのは改善されないのかなと。

これは現状のマリが個の能力に頼り、個の能力がなくなるor機能しないと沈黙というのでは、結局個の集まりでしかないと言うことを証明していると思います。少しずつでも良いから、まずは受け手の主導のサッカーに、そのために動き出しの意識、そこに伴う連動する動きの意識を高めていくことで変わってくると思います。勿論ジェフのようなサッカーをしろというのではありませんが、このままで良い訳じゃない。ディティールにおける要素として、その必要性を強く感じました。

と言うことでちょっと厳しめですけど。で、以前要望のあった選手評と関連のリンクなんかを。次やるかどうかは微妙だけど(え?)

採点
J1 第27節 採点&選手評(僕の読書+日常記録)

関連リンク
【J1:第27節 千葉 vs 横浜FM レポート】終了間際に横浜FMに追いつかれ、千葉は新スタジアムのこけら落としを勝利で飾れず。(J's GOAL)
【J1:第27節】千葉 vs 横浜FM:岡田武史監督(横浜FM)記者会見コメント(J's GOAL)
【J1:第27節】千葉 vs 横浜FM:オシム監督(千葉)記者会見コメント(J's GOAL)
【J1:第27節】千葉 vs 横浜FM:試合終了後の各選手コメント(J's GOAL)
フクアリ開店!(西部謙司 犬の生活/スポナビ)
横浜M、引き分ける(カナロコ)

お腹いっぱいになっちゃう位書きすぎた。まあ記念ですから。と言うことで今日はここまで。(ナショナルダービーは明日)

|

« フクアリな日。 | Main | UCLレポート&色々ニュース雑感。 »

Comments

長文の解説、お疲れ様でした。

しかし、

>これはストヤノフがはね返すもののこのリフレクション

ディフレクション
deflection
ではないでしょーか。

Posted by: おおつるジダン | October 17, 2005 at 11:02 PM

こんにちわ。

えーと、リフレクションに関してですが、僕の解釈では"reflect"の名詞形として跳ね返ったもの、反射したものという感じで使っています。"deflect"だと後ろに逸れる等なのかなぁと。屈折したものとか。あくまで英語的な解釈ですが。なので、ストヤノフのはね返したボールを"reflection"として捉えています。

サッカー的にははね返されたセカンドボール的な解釈で使ってますが、実際の所はあってるかどうか分かりません_| ̄|○

イマイチな説明で申し訳ないです。では。

Posted by: いた | October 18, 2005 at 12:22 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/6443065

Listed below are links to weblogs that reference One step fierce battle of the beginning@J1 第27節 ジェフvsFマリノス:

« フクアリな日。 | Main | UCLレポート&色々ニュース雑感。 »