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October 07, 2005

最大限の力、引き寄せられなかった運@NABISCO Cup 2005 Semi Final

「カップ戦で負けたら意味無い」「内容が良くても意味無い」なるほどなるほど・・・。

てゆうか勝ってるんですけどね、試合自体は。ただ勝負を決めるPKで負けちゃった。それだけ。勿論悔しくない訳じゃないけど、実際しょうがない。勝負を決めるゴール獲りきれなかった、そしてPK戦で運がこっちにめぐってこなかった。今できることを最大限やってこれだけという現状を受け止めるしかない訳で。でも久々に痺れる試合だった。では遅れましたが、レポート。

J.League Yamazaki NABISCO Cup 2005 Semi Final 2ndLeg

Fマリノス 1(Total 1-1/Ex 0-0/PK 1-4)0 ガンバ@日産スタジアム「最大限の力、それでも足りなかった運」
F.Marinos:30'那須大亮

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF中澤佑二、中西永輔、栗原勇蔵(→49'松田直樹)、MF那須大亮、田中隼磨、ドゥトラ、大橋正博、奥大介(→60'山瀬功治)、FW坂田大輔(→105'清水範久)、グラウ(108'黄紙×2=赤紙)
ガンバスタメン:GK藤ヶ谷陽介降臨、DFシジクレイ、宮本恒靖、山口智、MF橋本英郎、遠藤保仁、渡辺光輝、二川孝広、フェルナンジーニョ(→115'松波正信)、FWアラウージョ、大黒将志

試合開始直後のセットで大橋の鋭いボールから、大外でフリーとなった佑二が走り込むものの合わせ損なう。逆に長いボールの処理時にエースケがスリッピーなピッチに足を滑らせ、大黒がシュートを打つものの枠外。そんなバタバタした雰囲気の中で始まったこの試合ですが、試合が落ち着くと非常に締まったゲームとなりました。

3-3-2-2と言う感じでいつもとは中盤のセンターのトライアングルを逆にした強気の布陣で望んだ訳ですが、那須の1ボランチは思った以上に機能。相手の中盤が余りバランスを崩して上がってこなかったことはあったにしても、DF陣+那須を中心にチーム全体の守備意識の高さと集中力、玉際での積極性も相まってほぼパーフェクトに押さえ込むことが出来ました。手厚いサポートがなかったとはいえ、大黒・フェルナンジーニョ・アラウージョという守る側にとっては悪夢のようなトライアングルに対しても、次々と強烈なアプローチで中盤と連動しながらボールを奪い(インターセプトもかなり多かった。守備に置いて個々が集中していた証拠。その後の切り替えという意味では守備をやりすぎて良いポジショニングにいる選手が少ないこともあって良いカウンターこそ無かったけど)、その強いディフェンスが彼らを分離させる効果を生んだのかなと(前半アラウのプレースタイルも相まって左サイドに逃げてフリーとなりたがるようなポジショニングが多かった。これにより、大黒・フェルは絡んだものの、アラウが絡んでこなかった。)

まあそんな感じで守備が安定し、守備での積極的な意識が伝染したかのようにアタッカー達も積極的。まだまだノッキングも多く、低い位置での危険なキープも目に付きましたが、中から外と有機的にサイドを使い、コースが開いたらシュート(坂田も仕掛けてシュート、ドゥトラ、大橋も序盤から行ってた)、と最近では珍しいぐらいに攻撃がうまく回る。フィニッシュで終われたこともあって、守備に置いて一番恐ろしいカウンターというのもほとんど無く、攻守が久々に噛み合って好転しているという感じがしました。

リズムとしては完全に握っているものの、なかなかゴールが生まれないもどかしい展開の中、クオリティの高いガンバオフェンスがいつ爆発するかとハラハラしながらの前半30分。大橋のCKから、那須がらしい直立不動のヘッドで合わせて先制点!久々のゴールでトータルスコアをタイに戻しました。

これでガンバも前に出てくるかなと思いましたが、攻撃の起点であるヤットが低い位置にいたこともあってなかなかリズムが生まれない感じ。それでも変化を付けてDFをずらして決定機を生み出す辺りはさすがと感じましたが、この日はいつもよりは運に見放されておらず、アラウージョのシュートがバーを叩いたり、いつもは正確にコースを狙う大黒の決定機(これはやばかった、センターで巧く繋がれてマークをずれ、大黒のゴールに向かうファーストタッチからフリーで至近距離から打たれた)が達也の正面を突くなど助けられ、何とか0で凌ぎきった。

後半に入っても前半と変わらず高い集中力と積極性でガンバにリズムを与えない守備を見せるFマリでしたが、速いタイミングでアクシデントで勇蔵(右足足首の怪我)から松田にスイッチ。ただ、この日最初のアクシデントの後は、大黒のお目付役をしながら、高い危機察知をフル作動させてカバーに奔走していたエースケセンターを維持したこともあって、安定度は変わらない(マツの出来も怪我してたの?ってぐらいアグレッシブだった。他の部分も相変わらずアグレッシブ、というよりやんちゃ)後半に入ってさすがにガンバも修正してきて、中盤の押し上げが前半よりは積極的になったり、アラウの位置がより怖さを感じるポジショニングに変わっていたけど、それでも遅攻においては集中力が高くマークしてズレを許さず、局面での1vs1でもほとんど打開を許さなかったこともあって、しっかりと守ることが出来ました。

ただ、攻撃に置いては崩しこそ出来ているものの最後の精度が伴わずに追加点が奪えない。カウンター的な攻撃が多かったわけですが、スペースこそ巧く使えてはいたものの(サイドの積極性は前半よりも4割増しぐらい、ドゥトラ・隼磨共に運動量で渡辺光輝・二川を凌駕し、次々にスペースに出ていった)その後のクロスに象徴されるラストボールやシュートに精度が伴わない。相変わらず決定力不足がしつこく染みついていると言うことを改めて感じながら、それでも勝ち抜くためにはもう一点必要なだけに、中盤でディバイダーとバランサーの役割を担っていた大ちゃんに代えて(怪我?接触シーンでの)山瀬を投入。試合は更にオープンな展開になっていく。

オープンな展開になると苦しいかなぁと思っていましたが、この日のチームでやるDFは本当に質が高く、疲れも集中力切れも感じさせずガンバアタッカー陣に鋭いシーンを作らせない。70分過ぎてどうも停滞していた攻撃も(ここまで良いパスを出して攻撃構築に置いては存在感を発揮していた大橋のガス欠と集中切れが要因かな、責めないけど)山瀬が広範囲に動き回りながら、らしい2列目からのフリーランニングでスペースを狙ったりと存在感を見せ(これに関してツネの読みからのカバーに遮られまくってたけどね)、そして流れの中での最大の決定機と言っても良い大橋のクロスが逆サイドまでこぼれた所からの展開でグラウ→ドゥトラ→山瀬と繋がって、山瀬のテクニカルなファーストタッチでDFの間隙を突いて至近距離の決定機を迎えるが、この頃にはほぼ攻められるリズムを掴んでいた藤ヶ谷のスーパーセーブに凌がれてしまう。それ以外にも佑二の決定的なフリーのヘッド(枠外!もう!)やマツの「将軍様カウンター」(中央でヤットに止められる)や坂田がグラウからの縦のスルーパスを巧く受けてシュートを打ったり(素人が言うのも何だけど浮かせる蹴り方だよねぇ、足も合ってないし。枠に飛ぶ気がしない)したものの結局決めきれず後半終了。このゲームは1-0、トータル1-1と言う形で延長に入る。

延長に入って、通常時間中かなり頑張っていただけあってスタミナ切れが気になったけど、そういうものを吹っ飛ばすような集中力で長めの距離からのシュートこそ打たれていたものの、危険な形は許さないというこの試合通してのしっかりとしたDFを継続。一番危険だったカウンターからのアラウージョの長距離単独突破も隼磨のカバーで難を逃れた。攻撃に置いてはがら空きの中盤を活かしてのカウンターが中心となるが、相変わらず最後の部分では精度が伴わなかったり、良い形でのシュートも藤ヶ谷が素晴らしいセーブに凌がれと(大橋がかなり行ってたけどねぇ、山瀬のこぼれ球を拾ってのずらしての巻シュート、中央を割って入ってのミドルと両方惜しかった)ゴールが獲れない。

延長後半にグラウが退場になり、数的不利でポゼッションは輪を掛けてガンバに握られるが、それでも集中力は途切れずに最後まで凌ぐ。逆に大橋のFKがバー直撃のシーンだったりと守備一辺倒になることはなかったが、結局ゴールは生まれずPK戦へ。結果はご存じの通り。山瀬がストップ、大橋が枠を大きく外したのに対して(この二人はゲーム中も決定機を藤ヶ谷にやられてただけに精神的に不利に陥ってたのかもなぁ・・・若いしね)、ガンバは4人全員が決めて勝負あり(ヤットは流石代表で修羅場をくぐってるだけある)。ガンバがクラブ創設初のナビ杯決勝へ駒を進め、Fマリノスはここで敗退となりました(2000万)

20本のシュートを打ち、結局ゴールに繋がったのはセットプレー一発。決定機をことごとく外したり、又は藤ヶ谷に凌がれ、と後一点が足りなかった。でも内容はマリノスらしい抜群の集中力と前への意識に溢れたDFにしても、その前の意識の乗ってスピーディーに中から外という有機的な攻撃を作ったりと、最近の試合内容では随一とも思える試合内容で、中身だけ見れば完勝してもおかしくないゲームだったと思います。それに関しては納得とも言えるかも。ただ結果だけが伴わなかった。まあ去年までは内容お構いなしに制してきただけに、改めて今年は勝利の女神がこちらを向いてくれないというのを痛感させられました。

ゴールが獲れないことに関しては、色々言いたいことはあるけど、それは又今度にしようかな。ただ、この試合に関しては大橋や山瀬は叩かれるようなプレーはしていない(PKに関しては外したことに関しては仕方ない)。勿論悪い部分もあったけど(特に大橋、体力的なことから集中力が切れたり、プレーが淡泊になって戦う姿勢を示さないとか)、評価基準は他の選手とは違う。彼らを評価する基準はどれだけチャンスを作ったか、どれだけゴールに近づけたか、そういう部分であって、戦う姿勢だとか、守備貢献だとか、運動量とか言う要素はあくまでオプション過ぎない。それだけでは計れないものがあると思うから。

勿論戦う、DF貢献と言うことがマリに置いては(いや、日本全体にも言えるかな。前代表監督かぶれのモダンフットボールの一面だけを切り取って「前線からのチームディフェンスをしないやつはダメ」と判を押したような評価を下す傾向がある。強調されすぎている気も)もの凄~く強調されるし、特にこの試合のようなゲームはそういう部分が際だって大切だったりするのも理解出来る。だけど、選手の特性やプレースタイルも考慮に入れて欲しいし、その基準が全てのプレーヤーに当てはまるものじゃないと言うことは上に書いた通り。だからこそ出来れば彼らに対しては、小さなプレーのミスに関しては許容して欲しいし、戦わないけどそれ以外の部分で評価をして欲しい。特に創造力のあるプレーヤーに関しては、プレーにムラがあることが多い。それに対してナイーブに他の基準にはめ込んだら、その才能を殺すことになると言うのを理解して欲しい。周囲の声、起用法、そういうものが才能を潰すと言っても過言じゃないと思う。

簡単な例を言えば、ジネディーヌ・ジダン、言わずと知れた世界最高の怪物(今はもう過渡期にあるけど)でも最初から怪物だった訳じゃない。ボールテクニックと優れた身体は持っていたけど、精神的にはひ弱でトッププレーヤーとしての精神的な逞しさは持っていなかった。それがあんな怪物になったのは代表監督がエメ・ジャケ、ユーヴェのチームメイトにディディエ・デシャンと言う存在があったから。ジャケはプレーを理解し、彼の才能を活かそうとして、それを阻害するものは全て排除した(レ・キップのような強烈なマスコミもそうだし、暴君エリック・カントナ、芸術家ダビド・ジノラという強烈な個性を持つ選手さえ外した)そしてデシャンが彼に掛かる強烈な周囲の声から守った。そんなサポートがあって彼は大きな自信という栄養を得て、世界最高の選手になっていった。厳しい声、戦う要素だけが選手を育てる訳じゃないと言うこと。

現状ではそういう部分を許容出来るような状況ではないというのもあると思うし、強調されているだけに目立ってしまうかも知れない。でも、もう少し視点を変えて見てあげて欲しい。今のままじゃ、大橋もいつかリスクを冒さないつまらない選手になってしまうし、後藤も狩野も中途半端に終わってしまう。創造力を殺さない。彼らの創造力がチームを彩って、必ずチームを救うシーンは出てくると思うから、ましてや攻撃に置いて光の見えない状態を救える可能性があるのは、彼らだと思うしね。

だいぶずれた。ごめん、正直試合見てる時からかなり腹立ってたから。まあそれはおいておいて、負けて悔しい、でも何にも残らない訳じゃないとは思う。確かに結果的には何も残らないけど、負けたことを何も残らないと断罪しないで?この屈辱を忘れないことが更なるビハインドメンタリティを生むと思うしね。とにかく今は我慢の時。告白すれば、那須のゴールで泣きそうになった。後隣の人がPKのと気になってようやく手を叩いてくれたことが嬉しかったりした。まあだから何だって感じだけど。で、もう一方はまだ見てないけど結果だけ。

ジェフ 2(Total 5-3)2 レッズ@臨海「失敗さえも糧として」 Jef:47'&86'阿部勇樹 Reds:19'田中マルクス闘莉王 27'田中達也

J.League Yamazaki NABISCO Cup 2005 The Final
11/5(Sat) 13:00KickOff/Gamba vs Jef @ National Stadiam「歓喜の初タイトルへ」

と言うことで決勝はガンバ-ジェフで、タイトル童貞対決で、負けた方はJ設立当初のメンバーで一番最後のタイトル童貞になってしまうと言うお互いに(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル な対決になってしまいました。ただ、内容的には非常にアグレッシブで華やかな試合になるのではないでしょうか。まあ今年の勢いを象徴するようなゲームとなってくれるといいなと。どっちも頑張れ。出来ればスタジアムが満員になって欲しいな。もし埋まらないようなら見に行こうかな。と言うことでここまで。朝早起きだなぁ。

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Comments

こんにちは。

>今のままじゃ、大橋もいつかリスクを冒さないつまらない選手になってしまうし、後藤も狩野も中途半端に終わってしまう。
本当に、それだけは勘弁してほしいです!
チームが結果出ないのも辛いですが、だからと言って
可能性を消してしまうような方向性にならないでほしい!

Posted by: ナツキ | October 10, 2005 at 07:42 AM

ナツキさん、こんにちわ、レス遅くなってごめんなさい。

実際確かに厳しい声が多いんですよ、大橋にしても山瀬にしても。でも彼らを育てるという意味ではもう少し我慢が必要かなぁと・・・。勘弁して欲しいんですが現状では勝つだとか、戦うという部分が強調しすぎてしまうと、彼らのような違う部分で特性を持っている選手は厳しいかも知れませんね。そこを逞しく伸びてこい!というのは暴論だと思いますし。

ファンタ好きなのでどうしても心配になっちゃいます。ではでは。

Posted by: いた | October 10, 2005 at 11:38 PM

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