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October 24, 2005

糧としなければ何も生まれない@J1 第28節 アルビレックスvsFマリノス

はい、冷静になって昨日の負け試合のレポートです。昨日は取り乱しました。まあ本音なんで訂正するつもりはありませんが。とにかくいきます。(ちなみに今週も別々に色々と試合をレポートしようと思ってます。ただ更新ペースは激遅ですが)

J.League Division1 第28節

アルビレックス 1-0 Fマリノス@ビッグスワン「糧としなければ何も生まれない」
Albirex:38'エジミウソン

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF中澤佑二、松田直樹、河合竜二(→60'マグロン)、MF上野良治、那須大亮、田中隼磨、ドゥトラ、奥大介(→52'山瀬功治)、FWグラウ(→52'大島秀夫)、坂田大輔

アルビスタメン:GK木寺浩一、DF高橋直樹(→82'藤井大輔)、菊地直哉、萩村滋則、MF梅山修、桑原裕義、青野大介、鈴木慎吾、FWアンデルソン・リマ(→80'寺川能人)、エジミウソン、ファビーニョ(→90'上野優作)

天候は雨が降りしきる中、オレンジに染まったビッグスワン、どうも雨は嫌な予感。マリはスタンダードな3-4-1-2、グラウ・上野がスタメン復帰し、大ちゃんが一列上がる。マグロン・山瀬・大島と言った面々がはベンチスタート。アルビは前節の流れを汲んだ3-4-3、外人3枚を前に並べる前節のメンバーが中心。野澤が復帰しなかったのは意外。

序盤から低めのライン設定から守備を基盤にカウンターを狙うゲームプランが尊重される形で、マリがポゼッションを握る。深く押し込む形で楔までは入るものの、連動するような崩しはなく、ボールキープの高さとは裏腹にフィニッシュシーンはなかなか生まれない。そんな時こそセットプレーという感じとなるが、数こそあるもののアルビのDFも集中力高く、これも決定機には繋がらない。

アルビのDFはコースを切ることにプライオリティを置いたゾーン、獲れそうなところでチャレンジしてくるものの、そんなに難易度の高いパスを狙っているわけでもないので、ボールの取り所は定まらない。しかし、マリとしては崩れていない構えられた所を攻めることとなり、そこで崩すようなプレーが出ないためシュートに繋がらない。楔自体は入っているし、遅いもののパスは繋がっている。しかし、そのパス回しが探りのパス回しでしかなく、ボールが行き所なく彷徨っていると言う感じでした。

そうなると自ずとアルビのペースとなるものですが、狙っているカウンターの効率が悪く、繋がらない事も多い。ただマリは崩せないし、リスクチャレンジとしては突破に計る選手に任せてしまうような形しかない。両チームの攻撃が冴えないと言うことでゲームは硬直していくかに思われましたが、しかし少しずつゲームは動き出す。まずはマリ、セットプレーからのセカンドアタック、隼磨がこぼれを拾って、相手がオートマティックにラインを上げてくる裏を取ってループパス、大外から反応した上野が抜け出してゴールに流し込むものの、オフサイドの判定。この判定は非常に微妙なものだったが(逆サイドの選手が残っていた?)結局ノーゴール。九死に一生を得たアルビは、返す刀で速いアタック、左サイドからのクロスをDFとGKが被るような形処理をミス(この後達也が相手選手にタックルするような形となりPKを求めるアルビ)、こぼれたボールを強烈に叩かれるがこれは枠を逸れる。マリはセットの数が多いこともあって、段々ゴールに近づく。ドゥトラの左CKからマークのずれた河合がフリー、コースを狙ったもののゴールカバーに入っていたリマがヘッドでカバー、又も九死に一生。際どいシーンの連発に先制点が生まれそうな雰囲気は両チームに漂っていた中で、段々ゲームの流れが変わっていく。

アルビのラインが押し上げられ、ポゼッションが高まり、ボールタッチが増えてきたこともあってアタッカーもリズムを掴み始める。Fマリの攻撃は、中途半端で単調なものに終始するようになり、楔も収まらなくなって攻撃の時間が短くなる。そして前3枚の動きが活性化してきたなぁと思った38分、押し込まれて何度目かの攻撃、凌いで凌いでと我慢していたものの、セカンドボールが拾えず流れが切れない中で、そのセカンドボールを少し下がった位置で拾ったリマから、リマ→楔・ファビーニョ→ダイレクト落とし・リマ→ダイレクトで横流し・エジミウソン→リターン・リマ→ラストパス・エジミウソンと速いテンポでボールが繋がり、そしてエジミウソンがこの抜けたところで思い切ってシュート、低く抑えられたシュートはゴールに向かい、達也の反応も及ばず、ポストにこすれる形で決まってしまう。

これぞブラジル人と言う感じの速いテンポとイメージの共有によるダイレクトプレーで4~5枚いたDFを崩し切られてしまいました。まあこれはアルビノ誇るブラジル人トライアングルが素晴らしいとしか言いようがないです。読みやより速い危機察知という部分があれば防げたかも知れないけど、やっぱり相手が一枚上手だった。結局前半はこのまま1-0、一点ビハインドで折り返す。

反さんはインタビューでしっかりとDFラインとボランチのエリアという前半で甘かった部分・危うい要素となり得る部分を分析出来ていたのに対し、岡ちゃんがハーフタイムのインタビューを拒否ったりと相当テンパってるのか?(ハーフタイムの指示としては精神的な要素の部分が多い、いつも通りな指示。発表されたものは「1失点は仕方がない。後半、慌てず我慢して1点ずつ返していこう。最後まであきらめるな。 」とのこと)こんな対応では、来年の解説の仕事がなくなっちゃうんじゃないかと心配。

まあそれは置いておいて、後半。交代なし。前半開始時と同じようにポゼッションを握り、両サイドから攻める狙いが見えるFマリノス。那須が積極的にパス&ゴーを試みるなど、出だしは良く、中に人数が沢山いる状態でクロスを上げたり、イイ位置でFKを獲得したりと(ドゥトラのキックは壁)、ビハインドを返そうという気概が見える。しかし、それでも生まれない結果に焦ったのか、かなり速いタイミングで大ちゃんに代えて山瀬(上野じゃないの?)、グラウに代えて大島をどうタイミングで投入。CK時に入った訳ですが、いきなりビッグチャンス。そのCKからのドタバタした隙を突き、セカンドボールを河合が前に出すと、それが通り抜けて大島へ、大島は振り向き様にシュート!しかしこれは木寺の近距離反応に凌がれてしまい、同点のチャンスを逃す。

リマのFKに脅かされながらも、少しずつ交代策の効果が出てか、主体的なアクションも増える。左サイドでの作りから山瀬の工夫ある繋ぎを経由して(この後もパスレシーブアクションを起こしているところが山瀬の良いところ)、大島に繋がると前はオープン、振り向き様に狙うが枠を逸れる。この後も坂田の左サイド突破からクロスを入れて山瀬(これは当てきれず)だったりと、良い形も作って気運が高まる。が、惰性的なミスもあって、そこからカウンターを浴びたりと、ポジティブな流れが途切れたりと乗り切れない。岡ちゃんは最後の打開の駒である鮪を河合に代えて投入、4バックに変更して、前に人数を増やす選択。

しかしこれが当たりでありはずれ。マグロン自体はいつも通り高い技術と止まらずにボールに絡む気の利く動きを続けるものの(周囲の選手が動き出さないため、抜群の位置でもキープでも崩せない。腹立った。余りに人任せ、余りに無関心。)、チーム全体のバランスは崩れ、セカンドボールが拾えずに鋭いアタックに晒される。マツが上がって那須が下がることでその状態はより顕著となり、相手を押し込んで攻めてもカウンターで流れを切られ、結局パワープレーも実らず、前半のビハインドを返せないまま1-0。まあこんな感じでした。

まあものの見事に相手のゲームプランにどっぷり嵌り、攻撃の主体性のなさにつけ込まれる形での敗戦。きっと反さんにとっては、快心のゲームだったと思う。個々のクオリティの差を埋め、自分たちの上回れるストロングポイントを引き出す形で相手を倒した。監督としてこれ以上の勝ち方はないという試合だと思う。まあそれにどっぷりと嵌り、その策を破れなかったマリは負けて当然のゲームをしてしまったと言うこと。

このゲームの捉え方は様々だと思う。攻めているとも取れるし、ボールを回しているとも取れる。実際ポゼッションは握り17本というシュートを放ったわけですからね。でも僕は、この試合はほとんどマリは主体的なプレーが出来ていたとは思わない。ポゼッションは、相手が引いてボールを確実に奪ってカウンターを狙うゲームプランの上でのことで、ある意味握らされていた。そしてゾーンを埋められ、構えられた上で、「攻めていた」のではなく、「攻めさせられていた」。こういう状態を打破するために何をしなければならなかったのか。それはチーム全体が考えなければならないこと。と言うことで一つだけ。

・ここまでの過程に残るものはなかった。それが証明された一戦。

まあ実際攻めるチャンスは沢山あった訳です。でもゴールを生むことは出来ませんでした。決定力不足?まあそれもあるんだけど、そんな大きなくくりでくくれるほど、問題はシンプルではありません。教科書通りのなぞるだけの偶発性を待つしかないサイドアタック、そして非常に低いインテリジェンスを証明するかのような、高い位置に持ち込んでも崩せない攻撃。全てが問題です。

今のFマリの主な攻撃パターンはサイドから。サイドに起点を作って、時には突破、時にはワンツー、時にはアーリーとドゥトラと隼磨(まあ一番可能性の高いのを上げるのはちびっ子ファンタジスタ大橋なんだけどさ)が周囲に助けられながらも何とかしてクロスを放り込み、ピンポイントで合わせることでゴールを狙う。勿論決まれば素晴らしい、でも守る側も分かっているから、すべきことを限定出来る。クロスは上げられても中のマークをしっかりしていれば早々決められるものでもないし、クロッサーにしっかりとプレッシャーが掛けられれば、イイ態勢では上げられないからそんなに精度の高いクロスが飛ぶことも事もない(飛ばせる子がいたら苦労しない)。そしてそれをやることがばれているとしたら・・・、自ずとゴールの確率は減ってしまいますよね。

それでもそれを愚直に繰り返すことも悪いことでは無いとは思います。繰り返すことでマークがずれたり、イイボールが入ったりすることもある。でも、所詮偶発的な要素でしかゴールに繋げることが出来ない。何かが起こらないとゴールは転がってこず、自分たちで獲ったゴールというのは思いの外少ない。

まあサッカーというのは元々得点というのはたまにしか無くて、ゴール自体が偶発性に溢れていると言ってもイイと思います。でもそういうものでもないと思ったりする。0から色々なものを積み重ね、0.1~0.3~0.5~0.7、0.8、0.9となって1となってゴールに繋がる。そういうプロセスもある。それが崩して獲ると言うゴールなのかなと。

実際相手を崩すプレーってどんなの?というと、相手の虚を突くファンタスティックなアイデア、一つのクロスでもオフ・ザ・ボールの動きでマークを外す、キープに反応してフリーランが連動する、スペースメイクとフリーランの連動、独力打開からの綻びを生みそこに連動、まあ色々ありますね。こういう事をしていって、ゴールに近づき、フリーマンを作り、シュートを打てるチャンスを作り出すわけです。いわゆる決定機。この過程が0.3だったり、0.6だったりするのかなと。

でも今のFマリの攻撃のほとんどが0.2位から中身を端折って1にしようとしているから確率が上がってこないのかなと。そしてそういう一発型の意識が蔓延している。それが外だろうと中だろうと。

センターからも攻撃しようと意図は見えます。昨日も楔はある程度入っていたし、山瀬やマグロンが入ってからはその可能性が見えないこともないです。でも、その後がない。今の上がっていった選手は前に入るものの単なる蓋となるように動かずにボールを待ち、来たところでマークはずれちゃいない。それを打開するだけの技術もないから崩せない。実際連動していけば崩せる可能性というのはあった。山瀬のドリブルワークや飛び出しははそれを意識させられたし、鮪のためは連動するには十分な時間を巧みな技巧で作った。でも周りはそれに反応しなかった。インポか?

冗談はさておき、そこで反応したり、考えたりして、動きに反映させるのが、サッカーセンスであったりインテリジェンスだったりするわけです。基本的に同じシーンはそうそう生まれない、だから局面局面で何をするか判断していかなければならないわけですが、そこで足を止めて待っていては何も生まれない。だから昨日僕はきつく書いたわけです。

一つ一つのプレーへの反応が著しく遅く、足を止めて待っていては何も起こらないのは昨日の試合の通り。でもそこで何かアクションを起こしていたら?

・オフサイドになる可能性は大きくても、予備動作を絡めて裏に抜けるアクションを起こしたら、ラインをかいくぐれたかも知れない。

・外に逃げる動きをして、交差したらマークはずれたかも知れない。

・引く動きをしてマークを釣るような動きをしたら、そこにはスペースが生まれたかも知れない。

そんな可能性を放棄し、単なる待ち人となったアタッカー達はやっぱり甘ちゃんだと言うこと。他のポジションの選手にしても、それを要求してないし、構築部に置いては惰性で動いてパスコースメイドの動きを意識してないから、同じようなものだけどね。

で、これが表すものは標榜した「速いポゼッション」を目指す上で、その過程にこういうボールのないところでの動きに関する意識付けがほとんど無かったと言うこと(前も書いたっけ)。だから今も彼らは動き出せない。でも監督だけの責任ではない(責任だけど)、サッカー選手として考えることを放棄して何かが起きることを期待しているだけの選手には本当にがっかり。

もっと高い意識を持ってプレーする。どんな方向性を目指すにしても、です。今のままでは話にならない、精神主義も良いけど、伴わない中身の中ではいつまでたっても変わらないよ。しっかりしてくれ。

と言うことでかなーりきつく書きました。まあ事実だからね。前を向けとか、切り替えろなんて気軽に言って欲しくない気分で一杯です。反省しろ、プレーを見直せ、鑑みろ。そういうことが今は必要なんじゃないかなと。出来ない訳じゃないんだから。ということでした。と言うことで長いけどここまで。明日はダービーどっちか(埼玉は3番手ぐらいかな?そこまでやれるかどうか・・・)。

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