修正と、追憶と@東欧遠征 vsウクライナ Preview
東欧遠征の1戦目の後、ヒデのコメントについてだったり、シンジの離脱だったり、中田浩二のミスの所在だったりと相変わらず議論する話題に事欠かない日本代表なんですが、明日は2戦目のウクライナ戦ですね。地元では熱が上がらない様子ですが、WCに向けて日本代表にとっては機会が限られているだけに出来るだけ実り多く、そして前戦で出た課題をどこまで修正出来るのかというところが気になる所です。ではプレビュー行きますか。
Japan Sub
柳沢 高原 大久保・鈴木
中村 松井・本山
稲本 中田英 村井
三都主 中田浩 駒野
田中誠 坪井 茂庭・箕輪
川口 楢崎・土肥
と言うことでシンジが離脱、俊輔も試合後発熱でスタメンかどうかは分かりませんが(そうしたらトップ下には松井かな?実際あんまり無理して欲しくなかったりする、今週末にはハーツ戦だし)、とりあえずはこんな感じになるっぽいです。ウクライナも前回のラトビアほどじゃないにしても、基盤にあるのは堅守速攻で前のアタッカーの速さを活かすサッカー(シェバだけじゃなくレバークーゼンのボロニンとかね)。ただラトビアと違うのは、中盤の押し上げとプレスの機能性が連動して、単発系の速攻に留まらず非常に分厚く攻めてくる事も多い。実際シェバばっかりがゴールを挙げていたわけでもなく(中心なのは間違いないけど)中盤からフシンやロタンが追い越したり、飛び込んできてのゴールも多かった。まあモチベーション的に相手は難しいでしょうが、とにかく良い相手ですね。
・課題はある、でも正解も持っている。追憶の出来事を再び。
で、ラトビア戦で出てきた課題をとりあえず羅列(ちなみにチームの大きな問題であるDFとカバーの補完関係やコンビネーションや相互理解の更なる向上というのは抜きね。それは常にある問題だから)
・バックラインからのビルドアップの意識と精度。ミスなく、組み立てるという意識の向上。
・押し込まれ、パニックに陥った時の巻き返し。ゲームを切るでも、どこかにキープポイントを意図的に作るでもいいから、一度ゲームを落ち着かせる術の確立。
・中盤におけるバランスの修正とゲームペースのコントロール。実際あのペースでやっていたら持たない。オリジナルポジションや周囲の選手を尊重する必要性も(フリーロールばっかりはきつい)
・ゲームを締める術の確立。
こんな感じかな?まあ実際メンバーが揃わないので、この課題が揃った時に本当の課題かどうか分からないのが現状です。なので、これをひとつひとつやろうという気はしないっす。ただ、この課題を解決する鍵はこれまで通過してきた試合の一つ一つに正解が転がっていて、それだけの選択肢を持っているということ。
例えば、押し込まれ、パニックに陥ってしまう時の問題。
→(05'CC/ギリシャ戦)この試合は押し込まれたわけではないけど、非常にソリッドで良いカウンターの形が見られました。ただそれが出来た裏側には、ヒデのゲームを切らずに繋げるプレーをする特性があり、又前の選手達が守ると言う姿勢に染まりきらずにボールが受けられるポジショニングを取っていたから。常に攻める姿勢を捨てずにボールを引き出すことで、攻撃は繋がるし、その攻撃でリズムは一度切れる。これがパニックの状況を一度回避し、落ち着くだけの時間が取れるのかなと。
他にも3-4-1-2の使い方(ラトビア戦では失敗したけど、選手の使い方によってはリアリズム志向を強めて守りきる事も出来ると思う)などでゲームを締めることだったり、攻め方・守り方を変えて対応すると言うことも可能だと思います。要はチームの色を一気に変えてしまうと言うこと。采配という面になるのかも知れませんが、それを出来ればピッチの中の選手達が試合を考えることで自分たちの色を変えると言う感じかも知れません。
確かにサッカーの質はこの数ヶ月で一気に変貌して、面白いサッカーをしていると思うけど(これは人それぞれだけど、個人的にはこれだけ人が動き回り、パスを繋いで攻撃するチームは確かにユニークだと思う。リスキーだけどね)、これまで培ってきたものを捨てることはないかなと言うことです。このチームは個々が考え、主体的に進んできたからこそ、彼らには一つ一つの経験も又濃いもの。だからこそ、そういう経験を試合の中で活かして欲しいなと。
まあそれだけでは解決出来ない問題もありますし、ピッチの中で自分たちで戦術の運用をするというのは非常に難しいことですけどね。監督がそれをやるべきか?まあそうなんですけど、ピッチの中で選手達主導で出来れば非常に素晴らしいことだし(まあ限界もあると思うけどね)てゆうかプレビューでも何でもないな、これ。
・ウクライナの矢に、そしてウクライナの波にどう対応するか?
と言うことでプレビューらしいこと。シェバやボロニン、フシンにロテンとヨーロッパでも高いレベルにある攻撃陣をどう抑えるのかというのがやっぱり見所になるでしょうね。まあ出るかではないかは別にして、組織の中で色を出す選手達なだけに又対応法は難しいことになるのかなと。
例えば一番注目されるであろう(名前が連呼されるであろう)アンドリー・シェフチェンコ。彼はスピードもあって、ドリブルも上手、どちらかと言えば足元型だけど、ハンターとしての鼻も持っている。まあそういうスペックの高さは勿論魅力な訳ですが、あくまでもチームタスクの中でポジショニングを変え、その中で自分の良さを出す事が出来るのも彼の良さなのかなと思ったり。ミランならスピードやドリブルを活かせるようにオープンに構え、その中でゴールを狙うようなプレーが多いけど、ウクライナ代表ならセンターよりでポストワークもこなすし、中央で味方を活かすようなプレーも多い。バロンドールは伊達じゃないです。
まあ、そんな選手に対して、どう抑えるのか。やっぱり一人で抑えるのは難しいでしょう。なるべくなら二人で、飛び込んでくる中盤の選手に警戒しながらもカバーに入れる状態を保つというのが必要でしょうね。まあ当たり前だけどまずは前を向かさない、前を向かれたら距離を開けるようなアプローチはしない(まあゴール前での話ね、打たれちゃうからね)、なるべくならボールに触らせない。そういう感じの意識が必要かも知れませんね。
ただ、前にも書いた通りシェバだけのチームじゃない、そしてシェバはチームリーダーとゴールのためにおとりにもなる。あくまでも一選手として見て、周囲のアタッカーに対しての警戒が薄くならないようにする必要があるのかなと。まあ理論的に考えるとどうも抑えられるような気がしないのですが、ボールは一つ、だからやることは限られてると思っています。しっかりとアプローチを掛けてイイボールを入れさせない、ゾーンにしてもマンツーにしても掴む所は掴んで、フリーマンを作らせない。
で、非常に良いテストとなりそうなのが速い切り替えからの何人も飛び出てくるカウンターに対してどれだけ冷静に見れるか。これに関してはやってみないとわからないけど、パニックになりそうな予感。まあそんな時にどうするのか、最高のシュミレーションだと思いますけど。
まあ冷静に考えると、攻撃に置いてポゼッションを基調にする日本に対してモダンなタスクを基調にしたカウンターを得意にするウクライナ。ラトビアよりも相性は悪そうね。でもこういうチームは少なくないし、対応策は練っておかないと。うん、楽しみ。と言うことで今日はここまでです。
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