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September 08, 2005

劇場型フットボール@KIRIN Challenge Cup vsホンジュラス

まあ派手な試合、何か久々に日本代表でこういう派手な試合を見た気がする。まあこういう試合自体、元々守備に基盤を置かれていた日本にとっては少なかった訳だけど、それにしても大味。とりあえずポジティブなポイントもネガティブなポイントもあるけど、この試合を見て思ったのは劇場型サッカーって感じ?ジーコはあまりに強運。

Kirin Challenge Cup 2005
Japan 5-4 Honduras @ Miyagi Stadium,Miyagi
Japan:33'N.Takahara 48'&70'A.Yanagisawa 55'pS.Nakamura 78'M.Ogasawara
Honduras:8'&27'&50'Velasques 45'+1'Martinez

日本スタメン:GK楢崎正剛、DF加地亮、中澤佑二、宮本恒靖、三都主アレサンドロ、MF稲本潤一(→64'小笠原満男)、中田浩二、中田英寿、中村俊輔(→87'田中誠)、FW高原直泰(→79'大黒将志)、柳沢敦(→71'玉田圭司)

序盤からよく言われる「中南米コンプレックス」がゲームに表れる展開、余りに大味だったのでとりあえず簡単に得点経過を。

0-1
中盤左サイドでボールホルダーへのプレスが弱まったところを突かれてスルーパス、アレックスの抵抗むなしくマルティネスにラインを破られ、グラウンダーで折り返されてベラスケスに押し込まれてゴール。

0-2
緩さを感じる中盤を右から左に展開され、ガルシアとアレックスの1vs1、そこに後ろから走り込んできたベラスケスがツネの裏を取り、そこに優しいスルーパスが流し込まれて完全に抜け出され、角度のないところから流し込んでゴール。

1-2
一度目の攻撃を防がれた後の中途半端なクリアを中田浩二がインターセプト、ヒデに繋がりうまくアングルを付けて前にポジションを獲っていた稲本へパスを通すと、稲本がそのままミドル、これがDFのクリアミスを誘い、こぼれたボールを高原が巧みにアウトサイドでGKの逆を突いて流し込んでゴール。

1-3
低い位置で中田浩二からヒデへ繋ごうとしたところで左右からプレスを掛けられボールロスト、収縮して対応しようとするモノの、中央から左に流されマルティネスがダイレクトで強烈に突き刺してゴール。

2-3
ポストに入ろうとした高原へのファールで得たペナ近く左側のFKから、俊輔のキックは風もあって鋭く曲がり、ホンジュラスのDFを裏をかき、このボールはヤナギへドンピシャ。ヤナギもしっかりとファー側へヘッドでコースを突きゴール。

2-4
攻撃後、戻りきれない所でボールホルダーにプレスが掛からず、スルーパスでシンプルに縦を突かれると加地がマルティネスの速さに屈した形で右サイドをぶち抜かれ、マルティネスは切れ込みながらタイミングを計って中へ折り返し、又もベラスケスが飛び込んでボールに合わせてゴール。

3-4
浮き球の競り合いの中で中田浩二に対してのハイキックで得たFK、2点目と同じような位置からのFKから、俊輔のキックは同じく鋭く曲がり中田浩二へ、しかしこれは届かず後ろに流れるとそのポイントにいた宮本がトラップ、そしてフィニッシュと言うところで後ろから捕まれて倒されPK。このPKを俊輔、GKの逆を突いて左に沈めてゴール。

4-4
ピッチ中央左ライン際で囲い込んでボールを奪うと小笠原に繋がり、シンプルに前に走ったヤナギへ、ここで高原が中から外へ前を切れ込むようにランニングしスペースメイク、ヤナギはその動きに呼応するように中へドリブルで突っかけてそのままシュート、これが見事な弾道で左隅に決まってゴール。

5-4
低い位置でボールを回しながら、下がってきた俊輔へ。俊輔はフリーとなったヒデを見逃さずに速いボールを供給、ヒデは受けるアクションを起こした玉田へ楔、玉ちゃんが少し溜めて猛烈にオーバーラップしてきたアレックスへスルーパス、アレックスは相手を置き去りにしてこのボールを受けて中に切れ込み、走り込んできた小笠原を見つけてマイナスの折り返し、小笠原はダイレクトでしっかりと沈めてゴール。

では気になった部分を簡単に分けながら。

・見えないボール奪取の術、特徴を鑑みても更なる向上の必要アリ。

結果としては大逆転劇で勝ったわけですが、苦手とされている中南米のチームの特徴とも言うべきスキルの高さとリズム、テンポの違いを活かしたボール回しへの対応策にある程度答えが出たかと言えば否かなと。相手の小気味良いパス回しにアプローチに行ってもなかなか奪えるような形を作れず、ボールの取り所をとうとう最後まで定められなかった。海外組がいる時のチームは守備からリズムを作るチームではないとは思うのだけど、やっぱりこれだけボールが獲れないと、ラインは下がってしまうし、そうなると1vs1で後手に陥ればやられる危険性は格段に高くなる。この試合では中盤でのアプローチの緩さが全て失点に繋がってしまっていただけに、しっかりやらないと又やられちゃうよという警鐘なのかも知れませんね。まあ稲本・ナカタコのコンビはもう無いだろうけど、チームとしてどこでボールを奪うのか言うことをもう一度確認して、その共通認識の元、プレーしていく必要性があるのかなと。

ただ、守備が整えば良くなるかと言ったら多分このチームには当てはまらないと思う(勿論守備が整備することは絶対必要、安定しなきゃどうにもならない)このチームのストロングポイントはあくまでも質の高い中盤で主体的で攻撃を組み立て、崩せる形を作れること。そしてそれがチームのリズムを生み出す源流とも言える部分。そういうことが出来ている時は、全体的に押し上げが効き、コンパクトとなってセカンドボールの支配やプレスも掛かる。そういう意味ではいかにマイボールの時間を増やすことが大切なのかなぁと感じたり。要はこのコンセプトと同じ選手起用の傾向を保ったまま(ここで言う選手選考の傾向というのは中盤に守備の出来る選手を沢山増やすとかそういうことをしないでということ。サイドバックとかは別に変えても構わないと思うけど)、守備を向上させる必要があるのかなぁと。まあ非常に難しい課題でありますね。

・様々な課題を内包した4失点。

まあかなりこっぴどくやられたわけですが、原因としては4バックの距離感とカバーの効かない機能性、ボールホルダーへのアプローチ、まあそれに関連する上での前述の通りのボール奪取のポイント、まあこのチームらしい整備されない守備が破綻を迎えてしまったと言うことなのかも知れませんね。ボランチの組み合わせにテスト色が強かったこともあり、周囲とのコミュニケーションレベルが戻ってしまって、共通認識がなく、曖昧な要素が増えていたことは否めません。プレッシャーも掛からずイイボールを供給されて、ほぼ無抵抗と言っていい形で4失点したわけで、これに関しては本当にどうにかしなきゃいけないですね。まあ多分稲本・中田浩二のコンビが再現されることはないと思うけど、これがヒデ・福西のコンビに変わっても大きな問題解決にはならないのかなと。今まではそういう風にやられても何とかDFラインで踏ん張っていたけれど、今日は我慢をする間を与えてもらえなかった。ジーコジャパンのディフェンスはカバーにカバーを重ねるように、穴を埋めていくDFだったわけで、その間を与えてもらえないというのは、根本的な問題なのかなぁと。試合の中で誰が誰を掴むのか、それともゾーンで抑えるのか、カバーの後のスペースマネジメントも含めて、サイドを狙われた時のカバーの方法だったり、曖昧な部分を一つずつ消していくことでもう安定したDFが出来る約束事を作っていく必要を感じました。まあ逆を言えば基本的なことが今日は全く出来ていなかったとも言えるんですけど。とにかく個としての問題とチームとしての問題、どちらも結構深刻。まあだからといって代替案が思いつかないんですけど。

・選手評でポジティブポイントを。

楢崎正剛(名古屋グランパス)→まあほぼノーチャンスなので可哀想な部分はあったにしても、修正しなきゃいけないポイントは見えているはず、その辺をコーチングして何か修正したかったところ。何か最近代表では失点多くね?GKのせいじゃないにしても・・・。ゲン悪?

加地亮(FC東京)→回数は少ないモノの攻め上がればそれなりに存在感を示せると言うことで、活躍はフロックじゃないと言うことを証明した。が、DFに関しては本当に軽い。走り合いでは絶対に負けちゃいけないし(まあ絶対的な身体能力差があったにしても)、守り方に工夫が欲しい。攻撃の成長を守備にも。

中澤佑二(横浜Fマリノス)→どうなんだろう?前にいけるときのパフォーマンスは良さが出るけど、カバーという点ではどうにもならないのかなぁ?まあこのチームに目立つ引き出されて失点していると言うこともあって、慎重と言うこともあったし、カバーにいけるような展開じゃないにしても、何とかして欲しいというのは贅沢か?まあこれでどうにかしろと言われても困っちゃうか。

宮本恒靖(ガンバ大阪)→最近ゴールという麻薬に嵌り始めて、結構前でも良い仕事。でも守備では全くと言っていいほど修正出来ず、リーダーとしてむぅと言う感じ。勿論DFラインだけの問題じゃないのは承知してるし、ヒデを下げて緊急補修をしたのだろうけど、DFラインが横に広がり過ぎじゃ・・・(まあこれは出所が定まらないから狙いも定められないのもあるにしても)あれじゃカバーを効かせようとしても無理・・・。

三都主アレサンドロ(浦和レッズ)→最近の好調の片鱗を一発だけ見せて見事な決勝点のアシスト、その前の勢いあるオーバーラップは鹿島戦のプレーを見るようだった。で、二つ言いたいこと。まずは集中力の件、カードもそうだけど、試合の入り方が悪かったりリズムが悪いととたんに集中が切れてミスが多発するのはどうにかならないかなぁ?これはずーっと残る課題。集中してると良いプレー出来るのは知ってるからこそ歯がゆい。でもう一つは勿論DF、やっぱり彼はアタッカーなのかなぁと、最近良くなっていた気がしたのだけど(カバーとか絞りとか上手になったし)、この試合では中途半端な対応で2失点に絡む大活躍。マークの受け渡しとかはまだまだなのかなぁ、流れてきたところで見てなかったりと言うのも多いんだよねぇ。後は粘り。うーん、攻撃の部分で考えたらスパサブ・・・・。でもバックアッパーいないんだよねぇ。1A

稲本潤一(WBA)→スケールの大きいプレーだったり、前への推進力だったり、中距離フィードとか前に出るプレーは彼らしいけど(高原の1点目を導いたのも彼の積極性が生み出したと思うし)、彼を行かす場所はない。多分これからヒデはボランチ起用になると思うんだけど、そうなるとヒデをフォローしながら、バイタルを埋める役割が求められるだけに、そういう意味では我慢出来ない選手はどうかなと。そういうパフォーマンス。上がるのは良いけどバランス考えて。ヒデの悪い時みたいだった。

中田浩二(オリンピック・マルセイユ)→うーん、イマイチ。止めきれない、埋めきれない、リズム生み出せない。ミドルなどの積極性は評価出来るけど、福西には及ばない。何かナカタコらしさを活かせるポイントはあったと思うんだけどねぇ。バイタルとDFラインに出入りして、DFをフレキシブルに機能させたりする役割が出来れば、もう少しなんとかなったんじゃないかと責任転嫁してみたり。でもそういうことが出来る選手だけに、自分でやったら凄い評価上がるんじゃないかな?サイドが破られた後のカバーは至上命題となるだろうし。

中田英寿(ボルトン・ワンダラーズ)→やっぱりボランチ。前が悪いとかそういう事じゃなくて、ヒデがチームの中心にいないとボールが回らない。ミスに関しては周りも悪い、来そうな所でも彼の能力に頼る癖が付いてるからこそ起きた事。あそこでああいうパスを預けられても困るよねぇ。速い楔とかはこのチームには欠かせない。

中村俊輔(セルティック・グラズゴー)→まあヒデとは縦関係の方が良いのも又明らか。横関係で一人が中、一人が外という感じになって、二人の関係性は薄い。でも縦の関係性になると相互補完となって、攻撃が回る。やっぱり縦だね。で、今日の試合を見て俊輔がこねるとか走らないとか言う人がいたら、もうその人のこと信じない(笑)セルティックへの移籍効果か、ゴールに向かうプレーも多かったし(シュート打てよ・・・)、ランニングも積極的だったし、明らかに変身した俊輔を披露出来ていた気がする。ヤナギとの相性も相変わらず良。俊輔に守備をさせない事が出来れば良いんだけどなぁ(自己中)1G1A。

高原直泰(ハンブルガーSV)→久々代表ゴール。鋭い反応でのゴールは見事、それ以外にもヤナギのゴールを導くランニングとか、彼が理想とする2トップの関係性で獲ったゴールもあって良かった。ただね、このチームに必要かどうかと言ったら正直わからない。プレーの幅は広いし、何でも出来てある意味このチームのFWらしい選手だと思うけど、あんまり子のチームはポストプレーヤーを必要としていない事もあって、やっぱりクイックネスに優れて前に特化してスペースを狙ったり、局面打開が期待出来る選手の方が良いのかなと感じたり(大黒みたいな)ストライカー色を強めればフィットしそうなところもある。1G

柳沢敦(メッシーナ)→見事な2ゴールで成長を改めて証明、1点目のヘッドもフリーとはいえしっかりコースに決めたし(ボールとしては風の影響もあって難しいボールだったと思う、先が予測しずらいという点では)、何よりも2点目。高原との連動、ドリブルシュートの精度、見事としか言いようがない。足元のミスも多少目立ったけど、元々技術の高い選手だしコンディションさえ整えば・・・・。欧州遠征も楽しみ。セリエで初ゴールを!2G

小笠原満男(鹿島アントラーズ)→決勝ゴールおめ、しっかりとあそこに走り込んだ事に価値がある。勿論すぱっと決めたゴールも落ち着いてた。やっぱり期すモノもあったと思うし、そういう意味では結果が残せたことは先に繋がる要素かなと(松井やシンジ復帰もこれからあるわけだし)それ以外にも終盤チームが疲弊している中で良く動いていて、しっかり貢献。1G

玉田圭司(柏レイソル)→まず印象的なプレーとして5点目に繋がったプレー、ヒデが持った瞬間足元で受けるアクションを起こして、キープからオーバーラップを促して見事なスルーパス、これは良いプレーだったし、玉ちゃんらしい周りも活かせる良いプレーだったのかなと。他にもラインポジショニングを取って裏に抜けようとしたり(俊輔のパスがずれた)意識は高かった。崖っぷちは変わらないモノの浮上の気配アリ。

大黒将志(ガンバ大阪)、田中誠(ジュビロ磐田)→s.v.

と言うことでこんな感じでしょうか。まあとにかくポジティブに考えれば、めちゃくちゃな負け試合をひっくり返すだけの力があるというのを示したと言うことはあるかなと(ホンジュラスのコンディション的な不安がなければ厳しかっただろうけど)それと攻撃に可能性を失っていないこと。それはよかったかなと。まあ来月の欧州遠征で又どうなるのかがそれなりに楽しみかな、ジーコジャパンは欧州チームには強いんだよねぇ。そういう意味ではもう1、2試合ウルグアイとかメヒコ辺りと出来ると良いなぁ?まあいいや、あんまり代表の試合を生で見る機会のない宮城でこういうわかりやすい試合を見せれたのはそれなりにポジティブなのかなと思ったり。ということで、今日はここまでです。

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