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September 07, 2005

苦境のFマリノスに思うこと。 -その2-

ぼちぼちやると言っていた「苦境のFマリノスを思うこと」第2回です。って思ってたら、こんな問題が起きちゃった・・・。被害者の方の回復を祈るばかりなんだけど、隼磨は当分の間出れなくなっちゃうのかな・・・復調の兆しがようやく見えたのに・・・・まあ色々と調査やら社会的責任やら、起きてしまったことに関しての事後処理もあるだろうからねぇ。まあ詳しくは何も分からない状態なので、何とも言えないけどさ。とにかく行きます(なんて入り方だ)又一応前提として書いておきますが僕の考えですので(勿論コメント欄やらトラックバックでご意見・反論どんどんお待ちしてます)。今日のテーマは理想のサッカーを構築する上での監督の役割、そしてその中での岡ちゃんの素養。

・理想を具現化するために必要となるプロセス。

監督という職業に置いて一番の仕事は何なのか、預かるチームの(選手の特徴を見極めた上で)方向性を熟慮しながら定め、その方向性に沿った形で戦術を浸透させたり(役割分担・組織化・オートマティズムの付随・パスルートの設定など)、意識づけをして、理想に近づく作業を地道に作り上げていくことだと思っています。勿論それだけではなく他にも選手の育成や人間的成長を促すこと、チームマネジメントやメンタルケア、モチベーションやコンディションの調整、他チームの分析、補強、マスコミ対応など(コーチの助けを得ながらにしても)、総合的に沢山の仕事があって、それを総合的に求められるわけですが、コアとなる部分はやはりピッチでの表現されたことになるのかなと。

理想と掲げると言う中で、一番重要となるのはその方向付け。どういうサッカーを志向するのか、曖昧なイメージではなく具体的なイメージはあるか、その中で整合性は取れているのか、現実的な要素まで考えているかなど、様々な「創造力」が必要です。そして忘れていけないのは選手の存在。あくまでもプレーするのは監督ではなく選手なので、その選手達にその素養があるかどうかと言うところまで、しっかりと熟慮していく必要性もあるでしょう。その創造力が理想のサッカーを作る上での第一歩であり、根幹となるというのは言うまでもありません。

しかしいくら整合性が取れていて、方針が正しくても、相手もあることだから非常に難しさがあるのがサッカーです。思った通りに表現させてもらえないこともあるだろうし、ピッチで実際にプレーする選手達もロボットではないので、不確定要素が沢山あると言うことです。そういう意味では頭の中で描いていたイメージが思った通りに進まない事に誤差が出てくるのは当然の事なのかも知れませんね。ただその失敗の中で見えてくる課題を修正するという作業を通して、無駄な部分がそげ落ちたり、(思った以上の効果を生み出す)新しい要素を付け加えたり、そうやって研磨されるように熟成されることで、「理想のサッカー」が出来てくるのかも知れません。しかしその作業は一朝一夕に行くモノでもなく、そこには大きな苦難が待っているというのは言うまでもありません。

苦難があると言うことは、簡単に言えばチームがうまくいっていないと言うことで、一試合で見ると負ける可能性もうまくいっている時より高まり、それは一過性の失敗も覚悟しなければならないと言うことなのかなと。ただ、そこには矛盾が生まれてきてしまう。元々監督という職業の最終目標は「チームを勝利に導く事」であり、そういう意味では「理想のサッカー」を作り上げる上では経過の中で相反する結論が生まれることなのかも知れません。

そして、そういう状態になった時に指揮官としての特徴や性格というモノが出てくるのかなぁと感じてみたり。失敗を覚悟しながらでも理想に突き進む人もいれば、方向性をズラしながら現実性を付随する人もいる、ばっさりと断念して現実的に方針転換する人もいる。さて、そこで本題。岡田武史はどういう指揮官なのか、彼も決して全知全能の指揮官ではない。だからこそ彼の特徴を捉えた上で考えていくという必要があるのかなと。(前フリ長いな)

・岡田武史という指揮官、彼に掛かる期待と重圧の中で。

と言うことで本題です。僕が思う中で、岡ちゃんは非常に現実的でクールでクレバーな監督だと思っています。まあ経歴に関しては言わずもがな、「結果を残す名監督」と言う評価が世間での一般的な評価なのかなと。岡ちゃんの良さは何よりも現状を的確に捉え欲を出さずに現実的にチームを築く事が出来る判断力、他にも人心掌握に長け人の信頼に応えるだけの人間性の備え、そして色々なモノに執着せず(執着するのは結果だけ)、勝利への最短距離を突き進める決断力などなど。ある意味ジェフのスローガン(?)「Win By All」は岡ちゃんの指揮官像を捉えているのかなと思ったりして。まあその成果はここまで監督として残してきた結果(日本代表を窮地から救いWC初出場に導く、コンサを1年の準備期間を経てのJ1昇格を導く、そしてFマリノスを前人未踏の3ステージ連覇へ導き、2連覇を達成)が、悠然と語っているのではないでしょうか。

しかし当たり前ですが、結果を残せば残すほど、周囲は更に上という期待を掛けるし、少しでも結果が残らなければ批判が飛んでくる。皮肉なモノですが自分の経歴が重圧となっていて、監督業をする中で岡ちゃんは「結果を出さなければならない」という強迫観念にも似たものを背負いながら仕事をしているのかなと感じる事も多いです。勿論プロの監督なら誰しもそういうものは多かれ少なかれあるモノだとは思いますが、背負っている期待が岡ちゃんの場合はとてつもなく大きい。失敗の許されない雰囲気の中で結果を残していくにはどうしても現実的なスタイルを敷いていくことを求められるし、そういうことが続いていくうちに岡田武史という監督が(現実的な形に)構築されていったのかなぁと。岡ちゃんを考えるとき、いつも頭の中に出てくるのは優秀なディーラーを思い浮かべます。少しでも失敗の気があれば手仕舞いし、あらたに成功出来る要素のある方法に手を代える。そういうことで最大限「負けない」という要素を積み上げていって利益を得ていく。サッカーに置き換えれば「負ける」というリスクを軽妙に避けながら(たまに大勝負を打って大怪我することがあるけど、そこでも意固地にならず)チームをコントロールし、勝てるようにし向けていくと言う感じなのかなと。(采配に置いては勝負師的な側面も強いけどね、強気だし)

ただ、その中で岡ちゃんはマリノスではチーム作りにおいて、2度のリスクを冒しました。一度目は2004年の初頭の4-3-1-2システムによるより主体的なサッカー構築を目指したこと(J1 1stStage 第2節vsジェフ戦での大敗で頓挫)、そして2度目は新加入の山瀬功治、マグロンをチームの機能性に融合させて速いポゼッションを具現化し、より崩せるアグレッシブなサッカーを目指した今夏。そして今回も一時断念し(まだ諦めてないかも知れないから一応ね)、方針転換の憂き目にあった(まあ岡ちゃんが自らすぐに手仕舞いしたからなんだけど)。様々なモノを勝ち得てきた名将にもある意味苦手というか鬼門とも言うべき要素が表れたのかも知れませんね。そして今回の連敗にして考えた時、岡ちゃんのキャパシティを越えたモノを求め、そしてその通り手の及ばない中での無謀なチャレンジに失敗し、現実的な修正を越える悪影響があったというのを表すモノなのかなと。

・彼に理想のサッカーを築き上げることは可能か?

何となくこういう失敗を見ていると、岡ちゃんは設計図を書いて、その設計図の方向性に向かって脇目もふらずにチームを作るというのは苦手にしているのかなぁと感じたりもします。今回もお題目が上がって多少の片鱗こそ見せたものの、目の前の試合に追われるあまり、整備しきれない部分も多く(特にそのサッカーをする上での選手の意識の低さは非常に目立った)、噴出した課題を放置し、方針転換をした時には既に遅く、負の波の飲まれて失敗となってしまった訳です。ここで失敗と定義した理由としては、岡ちゃんが理想を諦め、理想ではない現実的なサッカーに回帰する政策をとったからなのですが、そこは岡ちゃんらしい理由があった気がします。もし理想に邁進するようなロマンティストだったら、多少の失敗には目をつぶり、試合ごとに出てきた課題を修正する事で作業に理想を完成させることに重きを置いたのでしょうが、岡ちゃんは現実的な考えが基盤となっており、又先にある目標のために今成績を出すという事が優先した結果、新しくチャレンジしたものを捨てでも目先の結果にこだわった。まあこの是非は置いておいて、岡ちゃんの特徴を考えた時に、理想とするサッカーを作り上げる事に関しては苦手なのかなぁと感じたわけです。

やはりチームを作る上ではどこかにあきらめというか、ある種の達観というものは、必要不可欠なモノだと感じています。失敗無くして成功がないのと同じように理想を追い求めるには「負け」という結果も必然的に必要となる場合が多いからかも知れません。しかし、岡ちゃんはそういう選択をしない人。目の前の試合を決して粗末に扱うことなく、一試合一試合最大限勝つ努力をする。しかしそれは、達観というモノを失わせ、中長期的視野としては余り良いモノではなく、それは理想を追うと言う意味ではディスアドバンテージとなり得る要素なのかなぁと。

岡ちゃんの特徴としての現実的な志向性、そして彼の肩に掛かる大きな期待から来る重圧も含めて理想のサッカーを構築していくには邪魔なモノが多すぎるのかも知れませんね。まあこういう観点から見ると、最初から出来上がるまで大きな失敗が出ない限り、岡ちゃんには理想のサッカーの構築は難しいのかなと思わざるを得ません。しかし、これは今の岡ちゃんです。個人的には今までの現実的な姿勢を一度置いておいて、理想に突き進んでサッカーをじっくりと組み上げると言うことにチャレンジして欲しいと思っています。やっぱり今のFマリノスは岡ちゃんが作り上げたモノだし、その強いFマリノスの完成型というのを見てみたい、そしてそれで勝つ、タイトルを勝ち取るという姿を見たいと言うのがあるからです。僕も現実的な考え方をするタイプなんですが、こういう事を言えるというのは、そのチャレンジを許容出来るだけの状況が今はあると言うことでもあるかも知れません。現状での目標としてはナビスコと天皇杯に移っているし、リーグ戦においては目標が薄れ、得てして何を見て戦うのかは難しいところ。その12試合を無駄に使うぐらいなら岡ちゃんが今期の目標、そして来期に繋げるためにも有益に使った方が良いのではないでしょうか。岡ちゃんにはその意欲があるはずだし、途中で諦めるというのは、形はどうあれ「岡田武史」らしくないですから。

まあそこでうまくいかなかった場合は考えなきゃいけないでしょうが(それを判断する基準にもなるだろうし)、岡ちゃんもFマリノスで成長して欲しい。以前、岡ちゃんに監督としての違う種類の幸せを味わって欲しいと書いたことがありますが、やっぱりそれが今もあります。そしてそれがFマリノスで味わってもらえたら尚いいなと。まあそのチャンスが目の前にあるのだから、やらないのは勿体ないと思ってしょうがないですよ。

と言うことでとりあえず今回は理想を追う意味での監督という観点から、多少ずれましたが(だいぶ?)、考えてみました。岡ちゃんにも勿論今回の不調の原因はあると思った時に、こういう事を思ったわけですが、これに正解かどうかなど勿論分かりません。あくまでも僕の想像ですからね。ただ、全てが是とならないからサッカーは面白いし、この苦しい経験も更なる成長への糧と出来る可能性があると言うこと。だからこそこれから先が大切なのかなと、書いていて改めて感じている今日この頃です。てゆうかそんなこと言いながら、この企画はまだまだ終わらないのですが(どうやって締めようか未だに思いつかないし。てゆうかすごい時間掛かる・・・)、次回はようやくサッカーの中身を分析しようと思ってます。残り2回は掛かるかなぁ・・・。ということで第2回はここまでです。

*自分で書きながら思ったのですが、めちゃくちゃ観点がぼけてるかも・・・。ごめんなさい、噛み砕いて意図だけでも分かって頂けたら幸いです。

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Comments

おはようございます。

良かったです。
これを読んで岡田監督に対する自分の気持ち(想い)がハッキリ判りましたw(同時に自分の弱さも判ってしまい、軽くショックですw)
余計な心配だった気がします。

>その強いFマリノスの完成型というのを見てみたい
>岡ちゃんもFマリノスで成長して欲しい。
>そしてそれがFマリノスだったら尚いいなと。
本当、そう思います!
頑張ってほしい!としか思い浮かびませんが、頑張ってほしい。

いつか、その理想のFマリノスが見てみたいです。
では。

Posted by: ナツキ | September 07, 2005 at 05:31 AM

ナツキさん、おはようございます。

良かったですか!何か書いてて「あれ?あれれ?全然まとまらなーい!」って感じだったので、かなり自信がないので大丈夫かなぁとハラハラモノだったのでありがたいです。

まあ個々の思いは全然違って当然だと思うし、岡ちゃんに疑念を持つのも又当然だと思います。僕も今回のことに関しては非常に沢山の疑念が残っており、やってほしいとは思っていますが、うまくいくかどうかはギャンブル的要素もあると思いますから。まだまだ心配ですよ。

本当にここで殻を破って欲しい、又来期に持ち越したりしても、同じ繰り返しになっちゃうと思うんですよね。だからこそ今ここで!と言う思いも強いです。本当に頑張って欲しいなと。

そうですね!見せて欲しいですね。せっかくその意志があるのですから。ではでは。

Posted by: いた | September 07, 2005 at 11:07 AM

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