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September 02, 2005

苦境のFマリノスに思うこと。 -その1-

えーと、やっぱり放置しておくことは出来ないし、これを考えないとこのブログをやっている価値がないので。現実的に起きてしまったこと、それが何故なのか、そしてこれからどうするべきなのか。先に書いておきますが、僕のスタンスはFマリノスは好きだけど、それ以上にサッカー好きです。そして現実論者です。だから感傷的にならず(前を向けとか、次は大丈夫だとか言う何の論拠もない事は書きません、本音というか心の底では何とか何七位かなと思ってるけど)現実的に捉えてサッカー的観点から書きます。と言うことで現在の苦境に陥るFマリを考える(とりあえず第壱弾って事で)

J1 第19節 vs ジュビロ 1-3 ●
J1 第20節 vs フロンターレ 0-2 ●
J1 第21節 vs ガンバ 2-3 ●
ナビスコカップ準決勝 1stLeg vs ガンバ 0-1 ●

ご覧の通り4連敗です。勿論原因としては志向性の変化ならびにシステムの変更によりチームが混乱して不具合を起こしたのだと思います。本当ならば一試合一試合出てきた課題を様々な角度から検証・分析し、うまくいかなかった原因を見いだして修正を施していきたい所ですが、スケジュールが詰まっていることもあり、次々に迫る試合の前に一つ一つの試合をこなすだけで精一杯。そんな状況の中で課題は放置されるだけで(時間的な問題もあるけど)、選手の奥底に脈尽くビハインドメンタリティに期待するだけ、そのような状況では劇的な変化ももたらせずに成果が出ない。怪我人が出たり、コンディションが戻らなかったりと、選手が揃わない事はあるにしても(これも大きな問題、過密スケジュールとの兼ね合いと調整能力。又見極めの曖昧さ。判断基準を変えなければならないのかも。)、こうなってしまったことは人為的・そして策略的な間違いがあるのではないでしょうか(そうは言ってもガンバ2連敗は仕方ないかなぁと思う自分がいますけど、今のガンバ強いよ)と言うことで今日はこのテーマを。

・勝てていた理由、勝てなくなった理由。

よく揶揄されることですが「面白くないけど強いクラブ」というのがFマリノスの印象であり、それは監督である岡ちゃんも認めているようにここまでの常勝「Fマリノス」を支えるモノでもありました。まずはしっかりと守備をきっちりと整え、その中で勝負所を抑えてウイニングポイントを奪う。考え方としては勝利をもぎ取ると言うより負けの可能性を削ることにより、勝ちの可能性を高めると言うことなのかも知れません。まあその形もあって成果を得れていたわけですが、結果に拘ってプレーするというのは、周囲が見るほど簡単な物ではなく、選手達も勝つために必要な事を真摯にやり続けて来たからこそ結果が付いてきたとも言えると思います。

ただ、そういう経緯の中で、今度はより自分たちがやりたい形を表現し、その中身で結果に繋げることにチームの方針がシフトされた訳ですが、そこで不具合が生じて岡田Fマリノスは現在の未曾有の苦境に陥ってしまいました。勿論やり方が変わったことで色々と問題が出てくることはしょうがないことだと思いますし、そんなに簡単なことではないのはわかってはいたことです。しかしプレーをしている選手達が大きく変わったわけでもなく(まあそれが良いか悪いかは別にして)、常に勝ちたい気持ちを持ってプレーしているはずなのに、どうしてここまでうまくいかなくなってしまうのかというのは、凄い疑問として残っていました。端的ですが少し考えてみましょう。

・勝てていた理由
岡ちゃんの施したシンプルな戦術+シンプルな形が選手達の意識、判断も簡略化+粘り強くやり続けるメンタリティ→方向性が合致したことにより、華麗ではないけれどシンプルに勝つことを突き詰めた「勝てるチーム」が出来上がる→勝ち続けるうちに生まれる「自信」、「プライド」→更なる勝利への欲求となり、より磨き上げられた「勝利至上主義」のチームの完成→結実→優勝

・勝てなくなった理由
現状のシンプルフットボールから、より内容的に充実した華麗なパスサッカーへの転換→パスサッカーをするための意識、技術の不足+具体的な方向性の欠如、イメージ共有の欠如→帰結点を持たないリスクを無駄に掛けるだけのパスサッカーに終始、バランスの崩壊による敗戦→自信喪失、チームの方向性の混迷→チャレンジの断念、サイドのシンプル政策への回帰→一度崩壊したモノの再建は簡単ではなく、選手達の自信喪失の度合いは深かったこともあり連敗→迷走。

180度の方針転換(志向性という点で)と言うこともあって、選手達の意識改革、求められる要素の変化など難易度は高かったと思います。そういう意味でははじめからある程度の失敗を念頭に置くとしたら、この連敗も仕方がない部分だったのかも知れません。しかし、これだけ勝てていたチームがどうして勝てなくなったのかと言うことを考えた時に何が変わってしまったのかというのを洗い出す意味でやってみたのですが、大きな部分が変わったこともあって詰め切れていない、曖昧な要素が多いと言うのはあるのかも知れませんね(勿論繊細な競技で、一つの歯車が狂えばすぐに波は変わってしまうようなモノなのは重々承知ですけどね)まあ構築段階で試合を重ねるうちに、段々無駄な部分が削られてソリッドになっていくモノなのかも知れませんが、ちょっと見切り発車的な要素が強かったのかなと。又名残かも知れませんが、今までのように個人の能力に頼る部分が大きかったのかなと思う部分も多々あります。今までならそれがストロングポイントとなり、素直にそれが反映される形だったわけですが、サッカーに変化したことで、個人の能力に頼るだけではうまく回らない形になった。それがネガティブにピッチに反映され、結果となってしまったのかなと感じました。又、その個人の部分で、今までならチームの出来が悪くても個人の技術・高い能力でカバーが可能で、ある意味辻褄合わせのように結果だけは得ることが可能だったわけですが、そういうことも難しくなってしまい、辻褄合わせが出来なくなってしまったこともあるのかなと。「辻褄合わせ」と書くとFW等アタッカー達の個人能力でのゴールなどを想像されるかも知れませんが、マリノスの場合は特にDF。運動量を維持できなくなったときに守勢に周り、もうやられちゃうという所でDF陣の高い能力と驚異的な精神力で押し切ってしまう。これがチームとして出来たのですが、最近はチャレンジを許せない自由度の低い組織になってしまって、個の強さが反映出来ずに結局後手に陥ったまま失点に繋がってしまったりと、我慢が効かなくなった。まあこれは一部ですが、活かすべき個のレベルの高さが不安定な組織の中で反映されなくなってきたと言えるのかなと。まあ以前のサッカーはかなり突き詰められていたモノで、ソリッドに完成されていた。それと比べたら粗が目立つのも仕方がない部分は多いです。ただ、良い部分を新スタイルに反映出来なかったこと、これは大きな失敗だったのかも知れませんね。(そんなこと言ったって凄い難しいことなんですけど、方向性が違うし)

何か思った以上に長くなりそうなので、全何回になるか分かりませんが、ゆっくりと分割しながらやっていこうかなと思います(何か凄い労力使うし、これ。傷口をえぐるよう)その間に劇的に復活してこれが必要なくなったらどうしよう(苦笑)でもまあそれも良いかな、マリが良くなってくれたら嬉しいし。ただ、今のサッカーはあくまでも付け焼き刃というか緊急避難的なサッカーだと思うし、これで良くなったからそのままなんて単なる逃避に過ぎず、将来的な可能性を捨てることに変わりはないと思います。ただ現代サッカーに必要な速い切り替えの意識と組織的なプレッシングというものを取り戻すという意味では悪くないと思いますけど。とりあえず次回は華麗なフットボールの構築に付随する我慢、監督の素養というのを考えてみようかなと。と言うことでとりあえず第一回はここまでです。

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Comments

はじめまして。
いつもこちらを読ませて頂いている、マリノス好きのえいむと申します。
いたさんの文章は的確で、分かりやすく、試合を見ていても、それを言葉に出来ないもどかしさをほぐしてくれるので、凄いな~といつも読みながら感動しております。

最近のマリノスは、スタジアムへ行って応援するたびに、何故だろう? って思うくらい歯車が狂っていて、見てて本当に辛くなります。
何故? って、凄くそればかり思ってしまって…応援していても勝てる気がしなくて…辛い日々です。
私もマリノスは好きですが、サッカーが好きなので、いたさんのクールな視点からの今のマリノスの現状を書いて頂き、私としてはありがたいなと思いました。
そして、私が思っていたこと(文章では上手く書けないのですが;)と、ほぼ合っていたので、変な言い方ですが観点が間違っていないんだな…と、安心できました。

次の名古屋戦は良い状態で勝てるといいのですが…
凄く心配です。
ここで奮起しないとずるずるいきそうなので、選手たち自身のためにも、ここで踏ん張ってほしいです。

では、長々とつたない文章ですみません;
第二回も(分析等、辛い作業でしょうが…)楽しみにしております。(もちろん、他のエントリーも)

Posted by: えいむ | September 03, 2005 at 02:50 AM

えいむさん、はじめまして。

褒めて頂きありがとうございます。これからの励みになります。でも的確かどうかは正直わかりません。いつも確信を持って書けているわけではないので、その辺は自信がなかったりもします(今回もまだまだ自信ないっす、まだまだムラが凄いっす)

確かに現状は非常に厳しいですよね。僕も事実を真正面から捉えるのは辛いなぁと思っちゃいます。何故というのをもう少し掘り下げられたらなぁと思っていますが、正直足りない要素が多すぎて疑念に苛まれたりして、書いてるうちに鬱になりそうです(苦笑)歯車が狂っているというのはまさにそうですよね。個人的には噛み合う歯車の歯がないのではないかと思うことがあります。

で、これは僕の意見ですが、サポーターメンタリティと言う部分には、どこかに「サッカー」という要素が抜け落ちてしまっているのではないかと思ってしまったりして、その辺は疑問に思っています(まああくまでブログの中だけのモノですし、人それぞれなので何とも言えない部分もあるのですが)何故という疑問を持つことは凄い大事だと思っていますし。そういう要素が又クラブを強くするのではないかと思っています。僕は信仰宗教「Fマリ」に入信しているわけではなくサッカークラブ「Fマリ」が好きなので、やっぱりサッカーとして捉えていきたいなと。ただ観点も人それぞれなので、これがあってるんだー!と自信を持っているわけでもないんですけどね(苦笑)

とにかく今日は勝ちがほしいです。現状では難しいですが(ナビも挟んでいるし、遠征二回もきつい)、勝つことで変わることはあると思いますから。チームとしてもそういう姿勢を持っているようですし、それをしっかりと表現すること、そこをリスタートラインに、もう一度やり直せる形を整えて欲しいなと。勝つ秘訣は上のプレビューにも勝ちましたが、苦しい時ほど基本だと思っています。まあ既にズルズル来ちゃっているので、その中でどこまで踏ん張れるのか、それをしっかりみてきたいと思います。

では、又満足してもらえるような文章が書けるように頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。何か獲ってもネガティブになりそうですけど(苦笑)僕もダラダラ書いて読んで頂いてるので、コメントが長いとか気になさらぬよう。ではでは。

Posted by: いた | September 03, 2005 at 12:44 PM

こんばんは。

さすが、いたさん!やりにくい事を正面から。
でも、その通りですよね。

>その間に劇的に復活してこれが必要なくなったらどうしよう(苦笑)でもまあそれも良いかな
なれば良いなぁ。(;▽;)

岡田監督好きですが、そろそろ考え時なのでは?
と、最近思います。
それと監督交代で、チームが変わるのは何故か?(我儘言えば、いつかこのテーマでエントリーしてほしいです。すでにあるなら教えてほしいです(^^;))
も、思うようになりつつあります。

勿論、監督交代してもうまくいかないチームも存在するし、なんとも言えないのですが。(って、そこで止まったら意味ないんですけどねw)
中からじゃ判らない欠点へのアプローチ?
新たなモチベーション?
新監督の意向による選手起用(選手獲得含む)?
なぜ?

なんか、また勘違いなコメントになっちゃいました(^^;)
あぁ、ちゃんと伝えられないorz

Posted by: ナツキ | September 04, 2005 at 01:18 AM

こんばんわ、ナツキさん。

そんなに褒めないで下さいよ~、プレッシャー掛かる(苦笑)

岡ちゃんに関しては次回やるつもりで、もう頭の中ではまとまっています。なのでしばしお待ちを。文にするとまとまらない症候群に陥ってしますから表に出ない可能性もありますが(苦笑)

で、監督交代に変わる件について。簡単にですけど。

1.新監督によりもたらされる新しいサッカーのルール。違う血が入ってくることで見えてくる可能性。
2.新しい基準の下、あらたに生まれる競争原理、選手達のモチベーションUP。
3.(監督が代わると言うことは余りうまくいっていないということなので)危機感を意図的に高めることが出来、チームの雰囲気が変わる。

ポジティブな面では、この辺でしょうか。ただ、これはあくまでも一時的に生まれる刺激、その刺激による変化と言う側面が強く、継続すればその刺激と共に効果も薄れていきます。そうすると自ずと熟成の甘さというモノが表に出てきて勢いが落ちていくのかなと。
ネガティブな面では今書いたことですけど、内部昇格など以外では継続性を保てず、良い部分をも捨て去ってしまい、熟成という面では0に近い形に戻ってしまう危険性があるのかなと。ただ監督が代わると言うことは特別な理由がない限り(外から引っ張られる等のシーズン中では余り考えられない理由)大体悪い理由なので、リセットという意味合いが強いのかなと。
まあうまくいく、いかないというのは監督だけの問題でもなく、元々のチームの力や雰囲気等も関わってくるので難しい部分ですけどね。ただ外と中両方から分析出来て、ある程度問題点を絞って出来るという点では有効だとは思います。

最近で緊急的な監督交代でうまくいったなぁと思うのは、昨シーズンのマジョルカですかね。エトーが抜けた穴を埋めきれずに沈んでいって最下位、そこでアルゼンチン人なのにイタリア人みたいな名将クーペルを招聘(&ユリアーノ&大久保&ビクトル昇格)時間は掛かったモノの守備がある程度整備され、監督の志向でもある守備的な姿勢からのシンプルな攻撃構築がうまく嵌ったことで(大久保の話によると、サイドに展開して、一度前に当てもう一度外へ展開、楔で生まれてくるスペースを斜めに入っていくことでゴールが獲れるようになったとのこと)奇跡的な残留を果たした訳ですが、それでも時間は掛かりましたよ。3ヶ月ぐらいかなぁ?あくまでもサッカーを作ると言う事を考えれば、時間は必要ですから劇的に変わった後には苦境が待ち受けると言うことはあるのかなと。

何か書いてるうちにずれてる気が・・・・、ご満足頂けたでしょうか?こちらこそ勘違いかも(苦笑)ではでは。

Posted by: いた | September 04, 2005 at 06:25 PM

こんにちには。

我儘に応えてもらって、感謝です!(忙しいところすみません)

>劇的に変わった後には苦境が待ち受けると言うことはあるのかなと。
やっぱり、条件、期間等の限定的な効果という感じでしょうか。
一朝一夕ではサッカーは成らないと。
言われてみれば、クーペル監督でさえ最初は結果が出なくて、叩かれていた気がしますね。だからこそ、残留には驚きましたが。(残留には大久保選手の活躍もあったからでしょうけどw欧州遠征では試合に出れるかな?)

名古屋戦は、ご褒美なのかもしれませんが、せっかく貰った勝ち点1、次につなげてほしいです!
ありがとうございました。
では。

Posted by: ナツキ | September 05, 2005 at 11:12 AM

いえいえ、満足頂けたなら良かった。別に忙しくないですよ、ちょっと前まで忙しかったですけど、

監督交代に関しては、特にシーズン中という前提ですね。やっぱりサッカーは一朝一夕は難しいですね。戦術の浸透、コミュニケーションレベルの発達、ディティールの整備と相性などなど、様々な要素で詰めなければならない部分は多いですからね。やり方が変われば求められるモノも変わりますし、そういう意味ではFマリに通じる部分も多いですね。変わっておかしくなったという部分では。

クーペルは基本的にスペインの国民性などには余り合わない監督なのかなぁと思いながらも、成績は残せる監督ですね。元々スペインではアグレッシブなスタイルを取るチームが多い中でしっかりと守備を整備して失点を抑え、シンプルに攻撃をすれば成績は残るというのを彼自身が掴んでいるからかも知れません。逆にイタリアで成績が残らなかったのは、相手のタイプが似ているから、差を生み出せなかったと言うこともあるのかなぁと思ってみたり。バレンシアにとっては恩人ですから、ひいき目かも知れません。ただ現地の評価は非常に低いですけど(苦笑)大久保に関しては欧州遠征は呼ぶみたいですし、楽しみですね。呼んだら出すでしょう(希望的観測)これも贔屓ですよ(笑)

グラ戦とりあえず一安心ですね。でもまあ次の成績次第で黒にもなり得ますから・・・。ではでは。

Posted by: いた | September 06, 2005 at 02:30 AM

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