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June 09, 2005

幻影からの脱却、新たな挑戦@WC Asian Final.Q vs北朝鮮

と言うことではやめにやらないとやる気がなくなりそうなので、早速。今日は2部構成で。

祝・3大会連続、WC出場!

World Cup 2006 Germany Asian Final Qualify
Group B/Korea DPR 0-2 Japan @ Supachalasai National Stadium,Bangkok
Japan:73'柳沢敦 89'大黒将志

日本スタメン:GK川口能活、DF田中誠、宮本恒靖、中澤佑二、MF福西崇史、稲本潤一、加地亮、中田浩二、小笠原満男、FW柳沢敦(→85'遠藤保仁)、鈴木隆行(→46'大黒将志)
バーレーンスタメン:GKキム・ミョンイル、DFリ・ミョンサム、リ・クァンチョン、チャン・ソクチョル、ハン・ソンチョル、MFリ・ハンジェ、チョン・チョル(→28'キム・ヨンス)、キム・ヨンジュン、パク・チョルチン(→46'キム・ソンチョル)、FWホン・ヨンジョ、チェ・チョルマン(→61'パク・ナムチョル)

ゲーム展開に関しては簡単に。無観客試合という異様な雰囲気、湿気を含んだ中東とは質の違う暑さ、でこぼこの悪ピッチ、マナマからバンコクへの移動、そして何より本大会へのプレッシャー。そういうモノが影響したのかしないのかわかりませんが、非常に重い立ち上がり、北朝鮮も日本にペースを合わせたかのように非常にスローなスタートとなったこともあり、非常に緩やかな感じで試合が進んでいく。北朝鮮に対して舐めていたと言うことはなかったと思うが、バーレーン戦に比べて集中レベルの低さを感じる緩いミスやポジショニングが目立ち、チームの一体感を感じない部分もあり、攻撃に置いては流動性がなかなか生まれず閉塞しがちな攻撃になかなかリズムが出来てこない。というより自分たちがゲームを動かすという意欲が希薄でパスレシーブの動きの意識があまりに低く、ボランチが最終ラインからパスを引き出すような動きが少なく、長いボールに頼るような形になってしまったことで、低い確率の攻撃に終始してしまった。その中で北朝鮮にサイドから時折脅かされたりとするが、落ち着いて対応するとサイドから加地がうまく抜けてチャンスを生み出したり、セットプレーからチャンスを迎えたりとようやくゲームを動かし始める。小笠原のボールスピードに長けた鋭いボールが中田浩二を中心に入ってくると、彼も当て感というかセンスという部分を感じる形でゴールになりそうだったりと惜しいチャンスも出来たが、結局前半は0-0で終わる。
後半、チーム内でどうも使い方がはっきりせずフィットしていない印象の強かった鈴木隆行に変わって大黒を投入、ジーコにしては速いタイミングでの施術、この施術が日本を勢いに乗せる。大黒にしても柳沢にしても機動力を活かして前で動き回り、前で起点を作ると段々前への意識が高まりはじめ、チームも躍動感が出始める。相変わらずボランチのポジショニングが曖昧でスペースを空けてカウンターで危うくやられるかも?(まあ実際は北朝鮮の選手が個でボンバやマコをぶち抜いてゴールなんて想像出来ないけど)と言うような状況が出来たりと緩い部分もあるのですが、何よりも勝つ意識を前に押し出して戦い始めると稲本が右サイドをオーバーラップしたり、小笠原が前を向いてボールを触り始めて大きな展開を組み入れたりとボールの周りも前半に比べたら雲泥の出来と言う感じでした。その流れで良い楔のパスから(誰だっけ?)大黒がダイレクトで落とすと、そこを小笠原がサポートして、既に動きだしていた柳沢へ間髪入れずにスルーパス、柳沢はチェックにあって打ち切れないモノの非常に良い形が出来はじめ(連動感と意識の高さがもたらした素晴らしいプレーだった)、その後もカウンターから抜け出した柳沢が強烈に狙ったりと、ゴールが近づいてくる。そして、その波を逃さない。稲本のフィードから大黒がペナの中で競り合うとボールがこぼれ、そこに後ろから走り込んできた柳沢がいち早く反応してスライディングシュート!これがキーパーの手をすり抜けて決まり、待望の先制点が生まれる。この後、北朝鮮も前に出てきて長いボールを放り込んでくるがこの辺はきっちりと対応し、終了間際惜しいチャンスを決めきれなかった大黒が田中誠のインターセプトからのスルーパスを呼び込み、DFラインを抜け出すとGKの飛び出しの拙さも手伝って楽々とかわし、ゴールに流し込んで試合を決定づける2点目。(きっかけは田中マコのしゃちほこキックだった訳ですが)セルフコントロールを欠いたキム・ヨンスの愚行による混乱・退場等もありましたが、このまま2-0で勝ち、3大会連続のワールドカップ出場を決めました。

A-Part
なんだかんだ言って11戦10勝1敗という見事な数字を残した事、そしてWC最終予選を紆余曲折ありながら、きっちりと結果を出す事で突破して見せてくれたことに関しては本当によく頑張ってくれたなぁと思って止まないです。移動距離や環境面・ジャッジ面など様々な不安定な部分を内包するアジアは、レベルの低さを差し引いても、きっちりと結果を残すことはそんなに簡単な事じゃないと思いますし、そういう意味では彼らは非常に逞しくなり、ちょっとやそっとじゃぶれない精神面は改めて世界を経験している世代なんだなぁと感じました。

確かに色々と思う部分はありますが、リスクを著しく掛けなくても勝てるだけの力をアジアでは持って、それがレギュラーだけじゃなく、ある程度同じぐらいのレベルで戦える選手が沢山いて、ある程度のレベルを維持して戦えるだけの層を持っていたというのは、他のアジア諸国とは差を付けれていた部分が合ったのかなぁと(韓国以外は)2戦戦ったバーレーン・北朝鮮と試合をしましたが、様々な不確定要素の中で維持できるだけの層を持ち得ていなかった事を考えても、日本サッカーのレベルがアジアとはある程度の差があるというのを改めて示したのかなぁと。

色々と不安があった訳ですが、その不安の大きさをそのまま敵の大きさに投影し、幻影と戦っていた様な印象をこの予選で感じました。もちろんそれは自らが犯してきた拙さが魅せたものだった訳ですが、もし代表のチーム作りがスムーズに進み、ある程度安定したパフォーマンスを示してくれていれば、ここまでの幻影を育てることはなかったのかも知れません。しかしこの幻影がこのチームを育てていたという部分もあるのかなと。様々なことを考えさせられ、圧力を加え、このままではダメなんだと常に危機感を与えていたことで、非常に遅い速度ではありましたが、少しずつ前に進み、そしてようやくある程度形として残ってきた部分が出来てきた訳で、そういう訳ではこの苦戦も逆説的には悪くなかったのかなと。もしもっとこのチームがまとまっていて去年の2月のオマーン戦から楽勝を続けていたら、こういうチーム作りにおいては余り成長していなかったのかなと思いますが、不安の残る戦いで自覚が芽生え、このチームで何をすべきかと個々が考え、そしてそれを交換することでチームを前に進めていった。そういう力はこれからも役に立つのかなと。もちろん他にも精神的な強さや逞しさなどは、苦境を通り抜けてきた事もあって逞しくなり、それが相まってこの日に繋がったのかなと。これは消えるモノではないし、一つの証として選手達に残ったのは良かったのかなと思います。とにかく得るべき結果をきっちりと残したと言うことに関して、それに応えるだけの固いチームだったことは間違いない。とにかくおめでとう、そしてお疲れ様でした。

B-Part
で、昨日の試合についてやこれからのことを厳しめに書こうかなと。昨日の試合に関しては非常に出来としては悪く、バーレーン戦で作った良い流れを切るような停滞した試合をしてしまったことに関しては非常に納得いかないというか、残念だなぁと思いました。何よりも結果を尊重すべき試合の中で、それだけを求めて慎重にゲームに入ったと言うことはある訳ですが、選手達の動き・ポジショニング・1vs1での対応含めて非常に曖昧で意欲を感じない試合をしていたことにおいては、こういうチームだからこそ残念だなぁと。明確なアウトラインのないチームだからこそ、良いイメージのサッカーを継続してやって欲しかったなぁと。確かに出場停止の選手なども出て選手が入れ替わり、前のユニットも変わって特徴が違うので同じようにというのは難しかったかも知れませんが、例えば前半の停滞した流れの中で、ボランチにボールを引き出す動きや意識が希薄だったことや、鈴木が相変わらず低い位置でのポストに固執し、またスペースを狙う動きに代表されたゴールを狙う意欲などが低く、攻撃の流れを切ってしまったりと、キリンカップ以前の状態に戻ってしまったかのような状態になってしまうと、意識の差というのを改めて感じる内容には正直がっくりものでした。守備に関しても同じ事で1vs1が軽かったり、相手を軽く見たオリジナルポジションなど本当に本番と感じないようなゲームをしてしまったことに関しては、結果こそ残したモノの非常に反省点の多い試合だったとも思います。こういう監督に率いられたからこそ、サブからプライオリティを代えるのは難しい訳で、モチベーションも下がってしまうのかも知れませんが、こういうゲームをすればするほどまた自分たちの出場機会を遠ざけてしまうし、何よりも試合に出れない選手の悔しさを知っている選手がこういうゲームをすることにまだまだ甘さが残る部分だったのかなと。

そして監督の部分ですが、彼のプライオリティ優先の大雑把な選手起用法に関しては改めて疑問を残す試合だった。北朝鮮の出来が低調で、危機感を感じるようなゲームとはなりませんでしたが、あくまでもその辺は運の部分。組み合わせや相性などプレーに大きく絡む部分でのもっと深い思慮遠望がないと、より高いレベルでは一つのミスが試合を決するモノになってしまう。それと選手交代。大黒の起用が当たったとも言えるモノですが、あれだけ暑い気候の中で交代枠を残したり、フリーズしてしまう部分など出場が決まったとはいえバーレーン戦に続いてゲームの中での采配にも課題というか疑問を感じる部分は多い。

そしてこれからですが、アジア仕様のリザルト主義のチームから、世界で戦うためのモデルチェンジは改めて必要となるのは明白な部分。ファミリー意識の強い代表ですが、このチームで一番重要なのはやはり個の部分。まだまだ上はある訳だし、だからこそJリーグ全体で競争し、刺激し合って成長していかないと、まだまだ足りないと言うことは明白な訳ですよ。そういう部分ではこういう試合を無駄にしたことが納得いかない訳ですが、より貪欲になって個のレベルを上げていくというのが必要になるのではないでしょうか。

ただメンバーが替わるとまたここまで組み上げてきたモノがリセットされてしまう訳で、その辺は微妙なんですよねぇ・・・・。ただ今回のバーレーン戦で掴んだモノを含めてチームのスタンダードにし、そこをスタートラインにしていくことが必要なのかなと。本当ならより強い相手と戦うときに個人主義というのは危険な部分があると思うので(前大会のサウジみたいに)チームに帰れる部分というか、よりどころというモノがあると良いのですが、そういう部分も含めてコンフェデで、とりあえずこのアジア仕様のチームの問題点を強豪にもんでもらうことで洗いざらい出して、また改めてチームに必要な要素だったり、これからやっていかなければならない事、そして世界で戦うための方向性などを見いだして欲しいなと。まあそれをしたとしても苦しいことは変わらないのだから。

とにもかくにも、ゆるゆるだとしても、WCには出れる訳ですよ。昨日も書いた通り色々な感情とかが高まることもなく淡々とその時を迎えた訳ですが、日本代表の中でいつになったら感情を爆発させて喜べるのかと言う部分を一晩考えた訳ですが、正直わからないです。例えばマリだったら優勝してくれれば泣きそうなぐらい嬉しいし、一つの勝ちでも嬉しい訳ですが(今日も嬉しかった、スタジアムで見てないにしてもガッツポーズしちゃうぐらい)、代表の場合はある程度の位置があったり、このラインでは勝って当然とかそう言う穿った目線があるのも事実です。もしかしたらドラマティックな浮き沈みみたいなモノや心から代表に心酔して感情移入出来ないとそう言う爆発する感情というのは味わえないのかも知れないなと。そういう不安要素がなくなった事は日本のサッカーが成長し、成熟している証明かも知れないけど、少し寂しいという感情を抱いてしまいました。
もちろん今の代表が悪い訳ではないけど、どこか外側からこのチームのことを考えることが多いし、そう言う目線と立ち位置というのが出来てしまった感じがあるのかも知れません。ただ感動が出来なかろうと、まだ代表がサッカーの中心であることは変わらないし、代表がオピニオンリーダーとなっていることは変わらないだけに、様々なことを考え、また厳しい目線の一つとなって日本のサッカーがより高みに登れるように見ていきたいなと思いました。何か固いな・・・・・とにかく良かった!通過点だとしても、一つ一つこういう事を積み重ねることは尊いし、出れないチームもいると言うことを考えたら、まだまだ強くならないとね。次はWY!その次はコンフェデ!と忙しいですね。と言うことでとにかくおめでとう。そしてまた頑張れ、と言うことで今日はここまでです。

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Comments

こんにちは。
自分も代表の試合は、だんだん興奮できなくなっています。
今思うと、去年のアジアカップの時の方が良かった気がします。

マスコミの報道をある程度、鵜呑みにしていたからかもしれませんが、世界での日本代表の位置がよくわかっていなかったのかもしれません。
戦術なんてよく判らない、ただのサッカー好きな自分は、ジーコの選手起用の部分だけが不満で、それ以外は別に誰が監督でもいいような気がしますので、今回の予選でのドラマをどう捕らえていいのか(苦笑)

見当違いかもしれないけど、南米予選のように上位4チームが出場、5位がプレーオフとかだと、かつてのような興奮が味わえたかなぁ?
ないか。総当りだと結構スリリングではないかなとw

ヒデのいうとおり、今のままだと通用しないのは感じます。ぜひ、いい準備をしてもらいたいですね!

Posted by: ナツキ | June 10, 2005 at 10:10 AM

こちらでもコメントありがとうございます。

まあ難しい部分ですよね。凄い盛り上がりたいのに、色々と周辺の状況が合ったりと感情移入しにくい部分があるのかなと思っていますが、僕もわかっていない部分があるので正直何とも言えない部分もあります。

選手起用に関しては人の数だけ希望もあるでしょうし、その辺は難しい部分ですね。ただこれは素晴らしい部分なのかなと思っています。よくブラジルが「国民全てが監督」とか言われますが、そう言うのが出来てきたというか、それだけ日本代表のことを思ったりする人が増えているというのは良いことだと思います。ただ監督のモノになってしまった感覚があるのは僕もそうですけど、残念な部分です。あくまでも監督は変わっても代表チームは変わらない訳で、そう言う意味では自分たちのチームとは思えないかけ離れてしまったモノになってしまっているのが寂しい部分でもありますよね。

枠に関しては他の方々も仰られている様に、緩かったのは事実です。そう言う部分でドラマ的要素が減ったのかなと思いますが、オーストラリアのAFC参加や中堅国の更なる意欲溢れる強化などあぐらをかけない部分もありますし、そのうち又ドラマをしなきゃいけない部分もまた出てくるでしょう。今回は全てが日本にうまく転がっただけで、又スリリングになるのかなと。嬉しいですが、それはそれで困っちゃますけどね。

総当たりはちょっと難しいかも?南米とアジアでは参加国の数が違いますし(アジアは1次予選しないと国数が多いですし)、その分期間も限られますからちょっと難しいかも?ニュートラルでの開催なら可能かな総当たり1試合ならいけなくもないかな?でも難しいかな、やっぱり・・・。

とにかくまだまだ上を見て真摯に強化していって欲しいなと。これからですよ、本当の緊張。でも何よりも痺れるような感動がこの先に残っていると良いですね!又よろしくお願いします。

Posted by: いた | June 11, 2005 at 02:06 AM

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