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June 02, 2005

ユーヴェが魅せた「最高峰」@Friendly Match vs Juventus

まざまざと力の差を見せつけられたと言った感じでしょうか。スコア的には0-1と言うモノでしたが、同じ方向性を持つチームとして完成度の違いだったり、選手の能力、オートマティズムの熟練度、玉際の強さ、パススピードと精度にしても色々と差を見せつけられましたが、一番の差としては判断力の成否とスピードにもの凄い違いを感じました。奇しくも昨日のエントリーと同じような事になってしまいましたが、様々な差を見せつけられ、まだまだ色々なところで向上をしていけなければならないこと、様々な部分に甘さがあることなど色々と再認識出来たことだけでも非常に良い試合となったのではないでしょうか。それもユーヴェが真剣に試合に取り組み、本気で戦ってくれた事があったからかなぁと。そのユーヴェの真摯な姿勢には感謝ですね。と言うことでレポート。

SKYLINE Perpormance Art. Cup
Yokohama F.Marinos 0-1 Juventus.FC@ Nissan Stadium,Yokohama
Juventus:42'A.DelPiero

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF田中隼磨、松田直樹、河合竜二、ドゥトラ、MF那須大亮、上野良治、山瀬功治、奥大介(→72'大橋正博)FW坂田大輔(→79'山崎雅人)久保竜彦(→60'大島秀夫)
ユヴェントススタメン:GKキメンティ、DFペソット、テュラム、ゼビナ(→52'アロニカ)、ビリンデッリ、MFザンキ(→46'パリージ)、タッキナルディ、ネドベド、FWカポ、トレゼゲ(→75'スクッリ)、デル・ピエーロ(→88'ガルビニペレイラ)

Fマリは安貞桓と中澤、ユーヴェはズラタン、サラジェタ、カモラネージ、ルベン・オリベイラ、エメルソン、カンナバーロ、モンテーロ、ザンブロッタ、ブッフォンと、共に代表期間なだけに多少メンバーは落ちているモノの、それなりにメンバーが揃った中で非常に真剣な感じがスタメンからも読み取れました。まだ来日して間もないユーヴェとしてはコンディション的にどうなのかなと思いましたが、序盤からトップギア。中盤で一気に囲い込んでボールを絡め取ると、トレゼゲ・アレックス・ネドベドの3人のユニットが動き回り、得意の楔→ダイレクトでのポスト→フリーランを絡めた崩しという形がどんどん出る。ネドベド・アレックスがうまくバイタルエリアの出入りでボールを受けることでマリのボランチとDFラインが捕まえきれずに混乱し、一気にユーヴェのペースでゲームが進みました。特に速い攻撃に対してはユーヴェの巧みで勝負所を見極めた鋭いカウンターに対してはかなり肝を冷やすシーンになったりと、危機的状況に追い込まれましたが、それでも何とか水際でしのぎ最後の所で踏ん張る。徐々に中盤で落ち着きを取り戻しはじめ、少しずつ慣れていくとようやく攻撃にも出て行けるようになりましたが、個の力量差は歴然。特に判断の遅さは致命的で、ボールホルダーに対して任せて突破を促す(強要する)状態になると素早く囲い込まれて奪われてしまうなど攻撃構築の部分で苦しみ、なかなか良い形が作れない。アタッキングエリアに入ると山瀬や奥が位置をずらしながら前に出ることで厚みを加え、また隼磨の思い切りの良い突破などもそれなりに効力を発揮、良い形も出来るのですが、いかんせんその回数が増やせなかった。セットからはそれなりにチャンスも作り、ペースとしてはFマリが持っていたのですが、ロスタイムに入る直前の44分、左サイドからペソットがオーバーラップ、アプローチが甘かったこともあり余裕を持ってクロスを上げられると、局面的に1vs2(河合vsカポ&アレックス)の様な形になってしまい、競り合ったこぼれをアレックスに叩かれて先制点はユーヴェに入りました。結局ほとんど手応えを得られず、ユーヴェの良さだけが際だった前半は0-1で折り返します。

後半、ユーヴェはザンキに変えてパリージを投入。岡ちゃんが力の差を感じてどのような手を加えてくるかと思った後半、序盤から怖がらずに前に出て行くこと、ボールを繋ぐことできっちりと攻撃の手はずを整え、その上で攻撃しようという意識が見えました。前半と同じようにセットで相手に脅威を与えると(那須が絡むシーンが多く惜しいシーンも)、多少危険なミスが出てカウンターを喰らうというシーンもありましたが、それ以上に攻めるという意識が良く出て、山瀬・奥が効果的にボールに絡んで、アクセントを付けるとサイドの突破も形が出来、久保のクリーンなヘッドが出るなどうまく回り始める(もちろんユーヴェのコンディション的に落ちていったこともあって、中盤のプレスが弱くなったことでそれなりに突破に入れる余裕が出た)しかし、その後は交代策でよりアグレッシブな姿勢を出そうとしたモノの結局ユーヴェのお家芸でもあるリトリート&カウンターの形に丸め込まれて0-1は変わらず。主審の不可解なジャッジから小競り合いが起きるなどヒートアップしたモノのスコアは動かずに試合終了。スコア的には健闘、しかし内容的に完敗というか貫禄を見せつけられた形で敗れました。

とりあえずポイントを絞って3つほど。

最高峰の攻撃ユニット、同じ志向を持つチームが示したお手本。

と言うことで僕が思ってた通り、チームとして志向するスタイルとしては似ていたのかなと思いました。もちろん回せるだけの力はあるにしても、基本的にはシンプルな攻撃構築を選択、ビルドアップに手数を余り掛けず、アタッキングエリアに入ったところでダイレクトプレーなどで変化を付ける形で崩す。しかし、その精度・オートマティズム・選手の意識という部分に大きな差があったのかなと。もちろんFマリノスも出来ない訳じゃない。シンプルにボールを前に運び、楔からダイレクトプレーで崩したりと言う形は良いときには出てくる訳ですが(今日もありましたね、DFラインの前に斜めに入ってきた大ちゃんが浮き球をうまく落として久保のダイレクトシュートに繋げたプレー)、差としてあるのはそれがどれくらいの頻度で出せるのかというのがありました。ユーヴェとしてはもうそれがオートマティズムとして完全に根づいており、楔のパスから落とし、そこの落としに対してのランニング、その後の崩しに連動する第3の動きというのがアタッカー達の中に完全に根づいている。だからこそ、頻度が高く沢山出して、チームの型として根づいている。今のFマリノスはまだまだそれがコンスタントには出せないし、だからこそ崩しの部分でサイドに頼る部分が強くなり、サイドの選手からイイボールが入らないと手詰まりになることが多く、閉塞しがちな状態でしたが、大ちゃんと山瀬(功)が並び立つのはこういう形をより作るためだと思う。出所だけでなく受けどころ、変化の付け所を二つに増やすことでよりシンプルな構築からのダイレクトプレーでの崩しの頻度を上げるためだと思う。これが出来れば本当にマリノスの攻撃は個人に頼ることなくゴールが獲れるようになると思います。なかなか攻撃に置いて光が見えていない状態の中で良いお手本が提示されたのではないでしょうか。

より早い判断をする意識を、より質の高いサポートを。

今日も、と言えますが、ドゥトラや隼磨がサイドでボールを持ったときに彼らが低い位置でも突破にいかなければならない状態になる訳ですが、個のレベルが上回れない時に、そこでかなり無理を強いてしまい、それが判断の遅れとなり囲まれて奪われてショートカウンターという形になったりというのがこの試合で非常に目立ちました。しかしこれは周りに受ける動きがなく、良い形でのサポートがない事に置いて、頭をもっと回して気を回していかなければならないのかなと。もちろん抜けることに越したことはないし、ドゥトラにしても隼磨にしても結構Jでは獲られない選手ですが、レベルが上がれば苦しくなる。その辺を自分たちに甘くならずに運動量を保って、的確なサポートに入って低い位置ではボールを獲られないと言うことをして欲しいなと。そういう部分ではネドベドがあれだけ動き回るのも、そういう部分をより考えているからだし、タッキーにしてもペソットにしても、サイドバックの二人にしてもそういうことを考えて動いている。個の強さに頼ること自体は悪くないですが、頼る場所を考えると言うことですね。インテリジェンスの部分ですが、100/70/50は基本の部分をきっちりとやることをして欲しいなと。

判断力と技術、自信を持って。

これは単純です。確かに相手は強かったですが、やはりぶつかっていかないことには欲しいモノは手に入れられないし、守れない。そういう部分では思い切る場所、と言う部分では多少迷いというのを見ていて感じました。例えばユーヴェのカウンターに置いてはやはり自信があるからこそ仕掛けるし、他の選手達も一気に動きだす。でも迷いがあったり自信がなかったりするとどうしても二の足が鈍るし、逡巡するようなシーンが出てきてしまう。今日、坂田が何度か抜け出すようなシーンがありましたが、結局切り返して時間を作りサポートを待つという形を選択しました。しかしボールは獲られないかも知れませんが、その分戻ってきてしまい、チャンスの大きさも小さくなってしまう。そういう部分で坂田ならどんどん行って欲しいなと思いました。その思い切りが沢山のゴールを生んできたのだし、そういう部分ではどこが相手だろうと強い自信を持ってやらないと実は得れないのかなと。DFに関してはそれが出来ていて、的確な判断というのも出来ていたと思います。多少緩かったり、もっと厳しく行かないといけない部分というのはありましたが、マツにしても河合にしても行くときはアタックに行っていてスコンと抜かれるような形はそんなになかったし、良い形で我慢していた事を考えたら思い切りを持ってやって欲しいなと。

まあ他にも色々と精度の差とか(クロスや中長距離のボールとかの差は歴然でしたが、小さな横パス一つにしても、スピードだったりコントロールだったり、ボールがない部分での走る判断精度だったり)色々と感じましたが、素晴らしいレッスンとなったことは間違いないでしょう。これが世界のレベルだし、これだけ妥協のないプレーをしていると言うことなのは間違いないです。もっとシビアに、甘さをなくしてプレーすることが勝ちに一番近づくことだと教えて貰った気がします。それにゲームとしても非常に勝負の真剣みが最後まで持続して、局面局面でガンガン戦って、凄い見所が沢山ある良いゲームでした。本当に見に行けて良かった!ということで今日はここまでです。もうフジでも試合が始まってる・・・・。

最後に一言だけ、何でブーイング?あれだけのパフォーマンスを示して、お手本を示してくれたユーヴェに対して敬意を表することは必要だったのでは?そういう中途半端なお気楽興行のようなプレーではないのに、ブーイングするのは何故?ねたんでるみたいでカコワルイ。

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