« 祝・WC出場決定!北朝鮮戦仮雑感。 | Main | 幻影からの脱却、新たな挑戦@WC Asian Final.Q vs北朝鮮 »

June 09, 2005

アメリカで掴んだ大きな手応え@F.Marinos W.Challenge vs L.A.Galaxy

まず素晴らしい内容で、アクションとリアクションをバランス良くゲームを進めての完勝に大満足です。ハードスケジュールで何でこんなに動けるのか不思議なくらいの恐ろしい運動量、新しいやり方にフィットしてきたアグレッシブなプレススタイル、そしてアリゴ・サッキのアズーリのようなボール奪取後の切り替えの速さ、逞しいバージョンアップ具合に期待は高まるばかりです。巻き返し、行けるよ。

2005 Yokohama F.Marinos World Challenge
LA Galaxy 0-2 Yokohama F.Marinos @ Home Depo Center,LA
F.Marinos:49'Daisuke Nasu 75'Hideo Ohshima
Man of The Match:Masahiro Ohhashi

F.Marinos Official

Fマリノススタメン:GK榎本達也、DF田中隼磨(→82'塩川岳人)、松田直樹、河合竜二(→46'栗原勇蔵)、ドゥトラ、MF那須大亮、上野良治(→46'熊林親吾)、奥大介(→73&中西永輔)、山瀬功治(→36'坂田大輔)FW大橋正博、久保竜彦(→62'大島秀夫)

LAスタメン:GK S.クロニン、DF T.ダナバント、T.マーシャル(→72'T.ロバーツ)、P.チンチラ、U.レメレウMF P.ブルーム(→74'J.ガードナー)、P.バジェナス(→46'M.キソーニ)、C.ジョーンズ(→46'H.ゴメス)、E.D.コンセンソン、FW Y.キロフスキ(→46'G.ゴンザレス)、N.グラバボイ(→64'M.エンフィールド)

Fマリノスのアメリカ遠征3戦目、相手のLAギャラクシーはリーグ戦中と言うこともあって多少メンバーを落としているようですが(A代表のランドン・ドノバン(元レバークーゼン)とか)それでもアメリカらしいフィジカルを前面に押し出した愚直に外をガンガン押してくるサッカー。かなりフィジカル的に優れていて当たりの部分などでとまどいを見せる部分もあったりと、序盤はペースが握れない苦しい展開。しかしその中でも徐々に落ち着いて中盤でポゼッションと取り始め、またその中で非常にパスレシーブの動きが活性化していてうまくドゥトラが上がっていくなど良い形も出来はじめる。が、相手の早いアプローチと強い圧力に危ない横パスのミスや低い位置でのドリブル等を強いられて奪われるなどの部分もあったり、また良い形で攻撃が作れても最後の部分でうまく合わなかったり、多少雑になったりとフィニッシュが締まらない(ミドルの意識は高いが・・・・)。久保の運動量はまだまだ上がらなかったり、どうもゲームに乗れていない感じだったり、大橋が色々なところに顔を出すモノの警戒されて厳しい。奥や山瀬に負担が掛かる形なのかなと感じる部分がありました。36分に山瀬が良い形で飛びだすが、その時に足を引きずってそのまま交代。坂田前に入って大橋が一列下がる形になる。セットでは良いチャンスが出来そうな予兆もあり、うまくラインをかいくぐった河合のポストに当たるシュートもあったが結局前半0-0で終了。

後半開始時にギャラクシーは3人主力を下げ若い選手を入れてきた模様、Fマリノスは良治さんに代えて熊林、河合に代えて栗原が入る。後半になって久保の動きも少し良くなって、良い形でボールに絡んだりして前に起点が出来るが、相手もホームということもあり前に圧力を掛けてガンガン来る形は変わらない。その圧力に苦しみ、なかなかうまく攻撃に出ることが出来なかったが、リズムを作り出したのはフレキシブルな中盤DFとその切り替えの速さ。奥や大橋を急先鋒にサイドに逃げ込む相手に対して早く収縮して囲い込む中盤のプレスがうまくはまってボールを絡め取ると、すぐに切り替えて行ける選手が前に飛びだし、相手の整っていないところをうまくついていく形が一つ、そして前に一気に行けないときはドゥトラのドリブルに頼る部分もあったが、良く動いてパスコースを確保しながら細かいパスを繋いで攻撃を作っていく形が一つとリアクションとアクションの両面で良い形を作っていく。かなりポジションの制約が少なく、自由にポジションを変えてボールを受ける事で相手を混乱させ、その肝となったのが大橋。彼が得意とする左サイドに流れて受けてから柔らかいテクニックで相手を翻弄(その時に那須や大ちゃんが上がってきて中が薄くなることも少ないから流れても悪くない)そしてそこで受けたファールからのFKをゴールに繋げた。一つ目はマツがおとりとしてニアに走り込んで注意を引くと、その後ろにタイミングをズラして入った那須が入る、大橋の鋭いキックが那須にぴたり、彼らしい垂直ヘッドで合わせて先制!で、2つ目は、相手がケアしたのかかなりマークをきつくされていてGKも飛びだしてクリアしようという意識が高かった逆を付いて、大橋のキックは鋭くゴールに向かいバーに直撃、そのリフレクションで一度はクリアされるモノの栗原がヘッドで中に入れるとうまくラインの裏を取った大島が胸トラボレー(A3の時のような)で豪快に沈めて追加点!と言う感じで効率よくゴールを重ねました。この後も交代でゲームが雑になるところでしたが、替わったメンバーもきっちりとチームの中でフィットしてプレスの一翼を担い、運動量は終了まで維持(ドゥトラは神)。アグレッシブなプレスと速い切り替えで相手を圧倒する形を最後まで保って、このリードを維持したままタイムアップ。久しぶりに完勝と言える内容でアメリカ遠征を締めくくってくれました。

山瀬の怪我がもの凄い心配なんですが(右足太腿肉離れっぽいです)、何よりもこのサッカーの充実は凄いです。もし前半だけの内容だったら、

「4バックの守り方をきっちりと出来るようになって、中の絞りと外のケアというのがうまくできるようになってきた。でもボランチの出来が鍵を握る部分が高く、今日はパス展開にしてもバックパスが多くゲームを作りきれずに逆にミスも多く、守備に置いてもフィルターとなりきれずに後手に回る部分も多く、余り出来が良いとは言えませんでした。しかし、サイドチェンジなど良い形もあり、ある程度の手応えというモノはあったのかなと。これからの課題は攻撃における崩しの形と精度、そしてバイタルエリア含めてのケアをしっかりとやっていく事ではないでしょうか。」

と書くところでしたが、後半になって、やろうとしていた部分がより強調されて、それが実を結んだのかなと。上に書いた通り、大ちゃんや大橋が多少ポジションを下げながらアプローチして、そこに連動して人を収縮させ囲い込む→奪ったら素早く切り替え、他の選手がパスレシーブのランを積極的に行い、カウンターに繋げると言う形が非常に良く出せていました。繋げるときはきっちりと繋げるし、そういう部分では運動量を基盤に非常にフレキシブルなサッカーが良くできていたのかなと。最後の部分で荒さが出たり、フィニッシュになかなか繋がらなかったりと、崩しの部分では課題が残りましたが、それでもこのサッカーは本当にセンセーショナルを巻き起こせるだけの質の高さがあったと思います。

ただ懸念される部分としてはJではファール獲られるかなという激しさが伴う部分。那須にしても後半見違えるようになりましたが、カードを貰いもし親善試合じゃなければもう一枚貰っていてもおかしくないぐらい激しく行っていたので、Jの素敵な審判達ならあっさりと赤い紙を出していても不思議ではないのかなと(まあ本当なら心配達がグローバルスタンダードに適応して欲しいんですけどね)それとコンディション的には非常に良くなっていましたが、これから日本は湿気を含んだ非常に暑い状態での試合となるだけに、この異常なまでの(大ちゃんやドゥトラを代表に、大橋に隼磨、そして那須にしても、いつも以上に凄かった)運動量を維持出来るのか、アグレッシブな姿勢を貫けるのかはわからない部分があるのかなと。もちろんその辺はペースコントロールが出来ないチームではないので、そこまで心配はしていませんが・・・。

そしてこのサッカーに伴うスペースの問題。基本的には守りから入っているので、整っているときは固く守れるけど、速く攻めている間はかなり積極的に出ているだけにそこにはスペースも生じる部分も。速い展開でボールロストしやすい状態なだけに、その後のリスクマネジメントをどうするのか、マツや佑二(この日は河合や栗原でしたが)が積極的に上げて潰しちゃうのか、それともディレイして戻すのかなどその辺は詰めなきゃいけないのかなと。でも今サッカーをやる限り仕方ない部分でもあるので別に気にしない!

と言うことで僕はこのサッカーは積極的支持だし、こういう形を突き詰めていって欲しいなと。上に書いた通りアリゴ・サッキのプレッシングサッカー(これは下に書きます、注釈として)に通ずる鋭さを感じた部分に、かなり良い印象を抱けて、巻き返しの大きなキーとなりえるのかなと。もちろんパスゲームからのユーヴェ戦でお手本を示されたポストワークのオートマティズムもこのプレッシングスタイルの中に組み入れて欲しいなと思うんですが、まあまず戦える大きな武器をこのアメリカ遠征で手に入れたのかなという気がします。

そうそう、大橋のFW起用もアズーリをイメージしたモノなのかなぁと思ったり。アグレッシブだけど変化が付きにくく、単調になりがちなスタイルなだけに、崩しの部分でのアイデアだったりアクセントを付けることを大橋に望んでたのかなと。まあ前半は後半ほどうまくいってなかったので、まだまだこれからなんだろうけど、そういうアイデアも又バリエーション含めて持っておくのは悪くないかなぁと。坂田や山崎、大島にしてもそうだけど、ライバルは安様以外にも他にいるって事で刺激になって競争激化、そしてみんなまた一回り大きくなるかも?とにかく意識は高まるでしょうね。アタッカーの質という部分でも大きくなるだろうし。

と言うことで速報気味ですが、とりあえずここまでです。

*アリゴ・サッキのゾーンプレス&カウンター。
94'のアメリカWCでアズーリが見せたスタイル。元々サッキはACミランで黄金期を支えた監督ですが、彼がミランで行ってきたモノとそんなに変わらない。ラインディフェンスでコンパクトフィールドを維持し、中盤の多大な運動量を基盤に囲い込んでいくゾーンプレス、ボールを奪ったら素早く切り替えて空いたスペースをどんどん突く。ミランの時は言わずと知れたオランダトリオの個人技がそこにアクセントを付けたが、アズーリでは中盤にそこまでのタレントはおらず(ドナドニとかいたけど)、その代わりにFWに希代のファンタジスタ、ロベルト・バッジョを据え、彼のファンタジーでゴールを奪う形が採用された。本大会ではアメリカの異常気象とも言える酷暑に運動量を維持できずスタイルを貫くのに苦しみ、初戦でアイルランドにまさかの敗戦。その後もノルウェー戦でGKの退場、エースを犠牲にしてもスタイルを貫く事に非難が。結局決勝トーナメントに進み、彼のファンタジーに逆にチームを救われる事になるのだが(決勝トーナメントに入って、決勝に導く5得点)、隆盛の一時代を支えたイタリアサッカーのスタイルの象徴とされた。守備的と言われるが、基盤が守備にあるだけで攻めるための守備であり、オリジナルポジションを離れることを考えてもリスキーなスタイルでもあった。その辺は誤解されやすいのかも(まあ僕のイメージだけど)

|

« 祝・WC出場決定!北朝鮮戦仮雑感。 | Main | 幻影からの脱却、新たな挑戦@WC Asian Final.Q vs北朝鮮 »

Comments

こんにちは。
LA戦面白かったですね!
見たのは夜中だったので、声を出すわけにはいかなかったですが、笑みが絶えなかったですw
あれ、ご指摘どおりJで実践できるかが少し不安ですが、実践できたらリーグ中~後半の主役になれそうですよね!いやぁ、生で観たい!待ってろアントラーズ!

ただ、功治が肉離れでプランが変更になっちゃうのかな?軽症であってほしいですが。
その分、後藤あたりがチャンスを掴んでほしいですね!
久保は、金田さんの言う通り少し時間がかかりそうですね。リーグ終盤辺りで爆発してくれればよいので、それまでは大島がやってくれそうだしw(そうなると、久保の出番は?)

あと期待していた坂田と熊林!途中出場できて良かったんですが、出来はどうでしたか?
そろそろサカティの神がかったプレーが見たいんだけどなぁ?

と、好き勝手ならコメントですみません。
では。

Posted by: ナツキ | June 10, 2005 at 09:39 AM

ナツキさん、こんばんわ(ネットの場合は何時でもこんにちわなのかしらん)

凄い良い内容でしたよね!本当に様々な環境の問題をクリアすれば、本当にこのパフォーマンスはJでは最高峰のモノになると思います。多少攻撃においてはもう少し詰めていかなければならない部分があると思いますが、守備に関しては個人的な理想型というか前に負担を掛けなくても守れる形というのを構築しつつあるというのが非常にうきうきした理由でした。本当に「待ってろ、鹿島!」って感じですね!

山瀬の怪我は本当に残念ですが、その代わりに大橋が下がってから頑張っていましたし、違う価値を与えられる選手なだけに頑張って欲しいですね。この路線は山瀬がいなくても継続するのは可能なのかなと。後藤も頑張って欲しいですね、彼も経験を積めばきっと良い選手になりそうですし。

ドラゴンに関してはまあ仕方ないかなと思うのですが、休んでる期間が長かっただけにプレー勘というのが完全に飛んじゃって少し時間掛かりそうなのかなと。コンタクトに対してもまだまだ逃げる部分があるし、運動量的に少なくてペナに入りきれない部分もあるしと、まあもう少し待ちましょう!エースは彼ですし、本格的に戻ってきたときのインパクトはきっとマリに一つ違う勢いを付けてくれると思いますし。大島も良かったですしね!

熊に関しては、それなりにこなしていたとは思いますし、守備に関しては役割をしっかりこなす意識も高くて、入ってきたときの噂とは違ってまじめな選手になってきたのかなと。熊らしい素敵なパスは余り見れなかったのと、低い位置でのプレーセレクトの悪さからリスキーな部分を引き出してしまった部分はまだまだかなと。ただ良治さんが余りフィットしていなかったので、彼にとってはチャンスだし、どんどん競争を激しくして欲しいなと。

坂田に関しては・・・・自信を失っているのか、仕掛けにキレがないというか、いつも迷ってプレーしている感じで、吹っ切れませんね。彼の良さは思い切りの良さなのに、どうしても一回止めて「どうしよう?」と考えてプレーしている感じです。彼の場合は余りテクニックや精度という部分では拙い部分もあるので、その分アテンプトを増やすことが必要だし、そう言う意味では今の状況は良い状態とは言えないですよね。きっと一つのゴールが変えるのでしょうが、もっとDFラインにひっついて、裏を狙い続けてみたりとかしてみても良いのかも。精神的な部分なのかも知れませんが、早期復活求む!って感じです。

好き勝手で構わないですよー!これからもよろしくお願いします。ではでは。

Posted by: いた | June 11, 2005 at 01:52 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/4482046

Listed below are links to weblogs that reference アメリカで掴んだ大きな手応え@F.Marinos W.Challenge vs L.A.Galaxy:

« 祝・WC出場決定!北朝鮮戦仮雑感。 | Main | 幻影からの脱却、新たな挑戦@WC Asian Final.Q vs北朝鮮 »