« ユースや代表と絡めて今日のニュース雑感。 | Main | 王者への挑戦、渡り合った成果@ConfederationsCup 2005 vsブラジル »

June 22, 2005

Experience and the value that kept on fighting for 90 minutes@WY Round of 16 vsモロッコ

ロスタイムの悲劇、と言う感じだったけど、既に用意されていたシナリオのようでもありましたね。日本に反撃するだけの力は無く(自爆的に力を削いだ)、追いつめられ、そしてそこで出てしまったミス・・・・。でも、僕はこれで良いと思うんです。もしかして、大熊監督や田嶋さんは前半抑えて後半、そして延長で勝負出来れば・・・、なんて言う消極的な後悔が残っているかも知れないけど、90分間真正面からぶつかって、90分分の真剣勝負の経験を得れた。しかも、選手達が監督から離れ、自分たちで考えて自立して積極的にプレーしたのだから。確かに負けてしまったけど、それはそれで仕方ない。勝負事だからね。とにかく最後に試合は良い試合だったと思います。お疲れ様。では簡単に。

FIFA World Youth Championship Netherland 2005
Round of 16 Japan 0-1 Morocco @ Enschede
Morocco:90'+2'M.Iajour

FIFA Official

日本スタメン:GK西川周作、DF中村北斗、柳楽智和、増嶋竜也(→90'+3'森本貴幸)、水本裕貴、MF梶山陽平、小林祐三、カレン・ロバート、水野晃樹(→72'兵藤慎剛)、家長昭博(→60'前田俊介)FW平山相太

序盤からモロッコの巧みで柔軟な身体の使い方を活かしたキープなどに苦しみ、なかなかボールに触れることさえ許されず、苦しい試合の入り方になってしまった。しかしそこでしっかりとゴールを守り、人に付くと言うことを実践して凌ぎきると、少しずつ落ち着きを取り戻して、自立してやり始めてきた一つである梶山を中心に据えたボールポゼッションから水野・家長が良い形で前を向いて仕掛けるという形が少しずつ形となり始める。家長は少しリズムがあってしまったのか、つっつかれるシーンもあったがそれでもスラローム系のドリブルは健在で水野は多少個人では難しい部分もあったがタイミングの虚をついたドリブルや、様々なところに顔を出すことで攪乱。そういう部分では彼らの経験が非常に活きていました。また前からカレン・水野・家長とフォアチェックに奔走することで、相手の攻撃の勢いを削ぎ、またセカンドボールを拾うことでリズムはより一層良くなり、カレンがセカンドアタックからワンツーで受けてミドルシュートがポストなどと言うシーンはそれを象徴するモノでした(カレン惜しかった!その積極性、◎)。その後もセットの流れからこぼれてきたボールをカレンの狙ったシュートがDFに当たってポストに当たるなど本当に得点まで後少しの所だったが、そこでゴールネットを揺することは出来ずに、前半を0-0で終える。

後半、少しずつ運動量が落ちてきて、中盤でのボールの奪い合いが続くが、その中で獲ってから早くサイドを狙う意図がよく見え、カレンとポジションを変えてジェフで良くやっている右サイドに位置した水野が飛びだしたりしてファールを誘ったり、積極的にミドルを狙うなど積極性がかいま見える。しかし、なかなか膠着状態は拭えず、ここで大熊監督は家長から前田へスイッチ。しかし、サイドMFではなかなか存在感の示せない前田はなかなかゲームに乗れずに難しい部分も。しかしアタッキングエリアでボールを持つと柔らかいボールタッチとアイデアで抜きに掛かる積極性をチームに付随する。しかし、少しずつペースは身体的、技術的に日本に対してアドバンテージを持っていたモロッコへ、FKからニアでバックヘッドでコースを変えられて狙われたシーンなどは非常に危ういシーンでもあったが、そこは西川が持ち前の躍動感溢れるセービングで凌ぎ、0-0でゲームが進む。ここで熊は次の手、序盤から飛ばしていた水野に代えて自らの懐刀・兵藤を投入。勝負に出たかに見えた。しかし、この采配はネガティブ。両チームとも疲弊した中で大きく中盤が明いている中で既に家長・水野といった局面打開に優れた選手を失い、カレンは疲労し、兵藤が相変わらず実効的要素の低い動きしかできなかったため、その役割が全て梶山にのしかかってしまい、梶山は持ち前の巧みな身体の使い方や、非常に質の高いボールキープを駆使してボールを前に運んだり、視野の広さとそこに付随した精度で中・長距離のパスで鋭さを見せたりと奮闘したモノのオーバーワーク。これで一気にリズムはモロッコへ、モロッコのリズミカルな個人技を起点にシンプルに前へ合わせてくる攻撃に一気に劣勢。なんとか凌いでいたが、ロスタイム兵藤のバックパスのミスから相手のスローイン、兵藤そしてヘルプに入った小林がこの試合再三見せられていたするっと抜けるような身体使いを捉えきれずに突破を許し、ぽっかりと空いたバイタルからスルーパスを通されると、これをエンジュールに決められて失点・・・・。この後、森本をピッチに送り出すが、時既に遅し、必死の猛攻も実らず、敗退が決まってしまいました。

まあ結果としては0-1の負け、差となったのは決定力、チャンスを作る能力、そして監督の采配と決断力という部分にあったのかも知れませんね。前俊のFK、カレンのポスト2発、平山の虚をついたミドルと振り向き様のシュートなど枠を捉えていればというシーンでもありますが、まあそれは仕方ないでしょう。そんなに簡単なシュートではありませんでしたしね。ただ、そのチャンスを作る力であったり、その意識というので非常に整理されていたのがモロッコで、日本は余り整理しきれなかったのかなという感じはありますね。まあ選手達が自覚し、自らで話し合ってこうしたことだからどうしても詰め切れない部分があったのは仕方ない部分があったと思いますが、家長・水野と言った選手が結構苦しい状態でボールを持つことが多く、また中に人がいないなどゴールを獲るために必要な要素というのが掛けていたのかも知れませんね。CFWの平山のアクティビティの低さも相まって、個としての怖さはあったけど、チームの攻撃としての怖さは持ち得なかったというのが改めて見た感想です。特有のリズムと柔軟な身体とテクニックを持っているモロッコのアタッカー達と個においての差はそこまで感じませんでしたが、その活かし方だったり、采配で自分たちの力・特徴を削いでいってしまったことも含め、自分たちのチームのストロングポイントをはき違えてしまったのかなと。まあ大熊監督の最後のこだわりだったと言う感じもしますが。

ただ、サイドバックのポジションを見てもわかる通り、今までの試合と違って非常に試合に積極的に入っていった(押し込まれたけどね、最初)事、そして意欲的に試合に取り組み、真正面から90分間真剣勝負が出来たことは本当に良かったのかなと。ここまで、大体真剣勝負で真正面から自分たちの力を発揮してぶつかっていくのは45分ぐらいだったので、そういう意味ではいつもより濃い経験が出来たのでしょうか。この記憶が負けの記憶となってしまったことが本当に勿体ないというか、辛いところですが。それでも良く戦ってくれたと思います。正直この戦いを見て、この選手達は自分たちの良さを出せば、世界を相手にしても充分戦えると言うことを改めて思いました。だからこそ最初からこういう方針で結果云々は別にして自分たちの良さを出すことを前に置いたチームを作ってきていたら、又違う魅力的なチームが出来たのではないかと思うと、どんでもなく歯がゆいです。確かに世界トップレベルと戦うために、力の差を受け止めてリスクを軽減し結果を重視した放り込みサッカーを選択したことは間違いではないかも知れない。ただ選手達のポテンシャルを理解せずに、方針だけが前に出ていたこのチームの作り方は明らかに間違いだったし、選手達が試合をする前に指導方針の決定、監督選びの時点で世界と対等に戦う意識がなかったと言わざるを得ない。それでも身内に甘く目の前の結果でしかモノをみれない腐った人たちは違う結論を導き出しているようですが。そんな指導者・協会の中でも自主的に自覚し、自立して新しい戦い方を導き出して勇気を持ってそれに取り組んだ選手達の精神的成長には本当に満足です。これをこの先に繋げていってほしいなと。

では選手評。このゲームのね、ブラジル戦が終わったら、まとめとして又やりますけど。
西川周作(トリニータ)→最後の失点のシーンは致し方ない部分か。その前にバックヘッドで変化させられた形、数本のFK、サイドを抜かれて近距離で1vs1となったシーン等を止めていたことを考えたら、責められない出来。

中村北斗(アビスパ)→又キーマンとぶつかるという部分で苦しんでいたが、水野や小林の助けもあって、なんとか対応。飛び込まないDFもそれなりに出来るようになっていたし、後はいかに相手に1vs1で勝つか、その辺をしっかりとやっていって欲しい。今大会初めて積極的にプレーした本当の「中村北斗」をかいま見せたのは良かった。守備専ではない選手だし、自信を持って。

柳楽智和(アビスパ)→相変わらず粘っこく対応し続け、コンタクトしてと忙しく対応。多少あれっと言うシーンも相変わらずだけど、ビルドアップも落ち着いて繋ぐ意識を持つことが出来たし、熊唯一の当たり選手だった。攻め上がって長いレンジのシュートを打つなどは、積極的にゲームに取り組んだ証明。

増嶋竜也(FC東京)→なんて言って良いか・・・、センスは高い。カバーも上手。でも弱気、そしてその弱気がミスを呼び込む。中心としてとか、キャプテンとしての精神的な強さはやはり余り感じない。より精神的成長を。でもこの試合では戦っていたと思うし、カバーも効いていた。まあ水本の出来の良さもあって、余り忙しくならなかったとも言えるが。

水本裕貴(ジェフ)→今すぐドイツに飛ばして、ブラジル戦を経験してもらいたいぐらい、経験を糧とし、更に成長するというモデルケースのような選手な気がする。この日もガンガン仕掛けてくる選手に対して安定して1vs1で勝ち続け、また抜群の危機察知能力で危ないシーンに顔を出してカバーをしたりと、本当に質の高いプレーでチームを支えた。又積極的に前に出てプレーするなど意識も高く、逞しいプレーぶりだった。個人的MOM(モロッコの選手も含めて)

梶山陽平(FC東京)→出来としては良かったけど、まだまだこんなもんじゃないと思う方も多いのでは?足がズルズル滑ってたのが印象に残っているけど、身体の使い方とそれに伴うボールの動かし方で何故かボールをしっかりキープする技術然り、みてないと思うのに、チラ見でしっかりと状況を把握して精度の伴うミドルレンジのパスを供給したりとそのクオリティの高さを見せた。本当ならこれをより高い位置で見たいけどそこまではチーム状況が許さなかった。周りが彼の良さを活かすようになったらもっと活きたのになぁと思わずにはいられない。守備もセンスとフィジカルを持っているからそれなりに取れるし、良いプレーだった。

小林祐三(レイソル)→怪我との噂もあったがしっかり90分出場。他の試合に比べたら、出来は悪くなかったし、チームの積極性に背中を押されたか色々なところに顔を出してひたむきにプレーしていたのかなと。まだまだ実効的要素が薄く(ボールが獲りきれない部分であったりと)今野への道は遠いけど、そこにいることは出来ていた。

カレン・ロバート(ジュビロ)→お疲れ様、そして惜しかった。ゴールに飢えていた姿勢は見せたが決めきれなかったのは運もあるかも知れない。でも3つの決定機に絡み、打ちに行った姿勢こそ足りない部分。それがあったのだから、良い出来とも言える。突破に関してはポスト直撃のミドルのシーン以外余り良くなかったけど、それ以外の守備貢献だったりと相変わらず貢献度は高い。ただそれで満足して欲しくないし、していないと思うのが唯一の救い。

水野晃樹(ジェフ)→なんか代えられたことが納得いかないと言う感じがありありと見えるが、精神的に非常に逞しく、又自覚を持って何をしなければならないのかというのをよくわかっているプレーぶりは素晴らしい。きっとまだいけたし、彼のような選手が90分間ピッチに立っていることで得点への気配を消さないためには必要だったのでは?彼を見ているとセンスと言う言葉がぴったり来るのは僕だけ?

家長昭博(ガンバ)→モロッコ系の選手達とリズムがあってしまって、ここまでのセンセーショナルな突破とまでは行かずとも、その技術の高さを活かしてアクセントになった。何か周りのサポート、もらう状態があまりに悪くて、既に1vs2の状況でもらっても・・・ってかわいそうに思ったが、このチームでは致し方なかったか。平山の裁きの遅さのツケを被っていた感じだった。良く早く代えられてしまうが体力的な問題があるのかな?

平山相太(筑波大)→フィジカルで優位に立てない時にどうするかなど、まだまだ拙い部分が多い。まあフィニッシュへの意識は高いけど、仕事をする場所を間違えている感じがありありと感じる。確かに収まっているし、ヘッドも勝てているけど、それを活かせていないのがもどかしい。意識改革が必要。まあ後は振り返るときに。

前田俊介(サンフレ)→活きるのはアタッキングエリア、それははっきりしているし、彼を中盤のサイドで使っても余り活きないのは明らか。その後、指示かどうかわからないけど、彼を前に置き、カレンを左サイドに持っていていたが、その後はそれなりに良いプレーも出来ていた。抜ききれなかった部分も多かったり、エンドラインを割っ手しまうなど、直接的にチャンスは作れなかったが、才能の片鱗は見せた。せっかくあそこまで抜いていたのだから自ら強引にでも良かったかも。FKは惜しかった!

兵藤慎剛(早稲田大)→自らも認める通り、弱気のプレーで余り良さは出せず。まあ戦犯となってしまったあのバックパスも含めて、この大会の中で自信を失っていくようだった。今までいつも優位な状況で試合をしてきて、フィジカル的に強いことがアジアまではストロングポイントとなっていたけど、世界に出たらそれがストロングポイントとならなくなって、一気に自分のプレーを見失い、実効的要素が下がったのかなと。

森本貴幸(ヴェルディ)→s.v.あの時間じゃどうしようもない。まああの時間でもプレーに絡むんだから何かを持っているんだろうけど。勝負しきれない熊も悪いけど、そこまでの信頼関係を築けなかった彼にも責任か。まあ水掛け論だけど。

と言うことで今回のオランダWYではベスト16となりましたね。でも結果は別にどうでも良いと思うんですよ、ユースでは。力を入れ来ていない国もある訳だし、個々で優勝したからと言って世界チャンピオンになれる訳じゃないのは明らか(スペインも、ポルトガルも)だからこそ、この中で何を得るかの方が大事と言うことを協会の方々には気付いて欲しいなと。まあそれが気付かなきゃ、勘違いして終わりなんだけど。まあでもとにかく世界との差、そして逆に通用した部分と色々あると思うけど、それをしっかりと糧にして自分たちの力にして欲しいなと。これからの方が大事なんだから。と言うことでお疲れ様でした。で今日はここまでになりそうです。プレビューやりたいけど多分なしっす。レポートも速攻は無理かも・・・・。と言うことでここまでです。

|

« ユースや代表と絡めて今日のニュース雑感。 | Main | 王者への挑戦、渡り合った成果@ConfederationsCup 2005 vsブラジル »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/4663789

Listed below are links to weblogs that reference Experience and the value that kept on fighting for 90 minutes@WY Round of 16 vsモロッコ:

« ユースや代表と絡めて今日のニュース雑感。 | Main | 王者への挑戦、渡り合った成果@ConfederationsCup 2005 vsブラジル »