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June 27, 2005

見い出した可能性、見い出す可能性 -コンフェデ総括 Part2-

と言うことで続いて第2回のコンフェデ総括です。前回はネガティブな面を書いたので今回はポジティブな部分を取り上げていきたいと思います。「ワールドチャレンジ」モードに華麗な進化を遂げた(と思われる)日本代表が世界と対峙するに当たって武器となる部分、そしてこれからどのようなことをしていけばいいのかというのを考えていきたいと思います。しかしこのサッカーを継続出来るのかな?もうきっと長い合宿は東欧遠征と本大会前ぐらいだしなぁ・・・。2月とか3月にインターナショナルマッチウィークにヨーロッパでやるとかそういう工夫も必要かも。

世界に誇れる中盤の構成力(+ムービングアタッカー達)、美しきダイレクトプレーとダイナミズムの融合。

と言うことでこのコンフェデでの大きな成果と言えば、ギリシャ戦で見せたシンプルな攻撃構築からのカウンター、そしてブラジル戦のダイレクトパスによる中盤構成(後半はヒデと俊輔の個の輝き、この縦関係のホットラインが繋がり、この二人がイニシアチブを握ってリードした形)、そしてそこから感覚的に優れたアタッカー達がゴールを狙うダイナミズムを付随したことでチャンスを大量生産しました。コンフェデでの一つ一つのプレーは、何か悪いモノを喰ったのかと思うぐらいいつの間にか変貌を遂げていましたが、日本サッカーの一番のストロングポイントでもある特徴溢れるMF達の技術力を活かしたアタックは、まるで進むべき道というのは見えてきたのかなと言うぐらい魅了させられるモノでした(まあまだそれが断定出来ないし、継続出来なかったら意味はないわけだけど)それではその辺を軽く振り返りながら。

メヒコ戦ではバーレーン戦でうまくいった3-4-2-1のシステムを敷き、あのときのような流動的なアタックを再現させようとしていましたが、俊輔の不調による2列目の動きの幅の低下、メヒコの非常に統制の取れたプレスの前に生じたミス、守備のバランスが崩れた事によるボール奪取力の低下などの様々な原因で満足するような形が余り作れませんでした。その中で一つ見えたのが前でのターゲットの少なさ、1トップ2シャドーの形の中でどうしても柳沢には強い警戒が敷かれ、その中でOMFの出来が悪いと前のパスコースの選択しが少なく、良い形を作ることが出来なかった。その反省があってか、次のギリシャ戦でCDFの一枚を外して前線にもう一枚ターゲットを入れたことで(4-2-2-2)攻撃に置いて、深さと幅が生まれ、そして多様性のある攻撃が可能となったのは、偶然かも知れませんがまさに「化学変化」という感じでした。柳沢・玉田の2トップは二人の距離を適切に保ち、そのコンビネーションを獲ると言うより、クオリティの高い中盤を活かすために、まずはパスコースの確保のためのそれぞれのポジショニング、そして裏を狙うオフ・ザ・ボールの動きの意識が高く、その上でポストや繋ぎと言った仕事をやるという形が良く見受けられました(ヤナギのインテリジェンス溢れた柔軟な仕事ぶりは秀逸)ギリシャが結構持たせてくれることもあって、どんどんボールと人が動き、その上でシンプルにスペースを使っていくスムーズに回る日本のアタックは今までにないくらい素晴らしい流動性を見せました。決定力こそ伴わないモノのボールカットからシンプルにボールを繋ぎ、その中で空いたスペースを次々に使う事で相手の対応を許さないカウンター、フリーランニングとダイレクトプレーの絡み合うようなポゼッションでの崩しなど、今までなかったような美しく、又質の高いモノでした。結局、先発組がゴールを取れず、後半投入のよりゴールへの意識の高い大黒がセカンドアタックから中村俊輔のスルーパスを受けて決めた一発がゴールがこの試合唯一の成果となりましたが、大きな手応えを得た成果だったのではないでしょうか。

そして先日のブラジル戦、ブラジルの爆発的であまりに精緻なアタックに翻弄される場面も多々あり、後ろに不安を抱えた中でギリシャ戦のような流れのあるカウンターの起点となるようなDFをするような余裕はありませんでした。そうなると当然、相手が待ちかまえた状態で崩しに掛からなければならない状態だった訳ですが、そこで責めあぐねることがなくなったというのが最大の進歩、前半加地のあの幻のゴールに至るまでの展開、ダイレクトプレーが数え切れないほど(7本かな?)繋がり、そしてそこに加地がダイナミックなランニングでダイナミズムを付随、緩やかなテンポから柳沢への楔で少しずつテンポアップし、小笠原のダイレクトスルーパスで一気にスピードアップ、完全にブラジルの注意を中に引きつけたところでの大外からのランニングにブラジルDF陣は誰も注意しておらず、またオフサイドトラップを掛けるタイミングさえ与えなかった。全てがパーフェクトでした。まあそのゴールはオフサイドとなってしまいましたが、日本代表ではここまでお目に掛かれないぐらい高質の崩しでありました(アーセナルみたいだった、アーセナルはもっとペナの近くでパススピード重視で一気にやっちゃうから又レベルは違うんだろうけど)その後もなかなか力関係からボールに触れない時間もありましたが、プレーの意識が非常に高く、そこに必要な受ける動き、裁く意識というのもあったわけでそういう部分ではこのパフォーマンスは充分満足できるものでした。後半ヒデがポジションを上げ、中盤での構成力が落ち、今まであったスムーズさが一気になくなったことは残念でしたが、その中で、日本の二人の逞しいジョカトーレがブラジル相手に奮戦、この二人のプレーにおける存在感は今までの日本代表にない、明確な軸というのを表すかのようなパフォーマンス。これらのプレーもあって、結局ゴールとしては偶発的な要素の高いものだったとしても、それがいくらコンディション的にフィットしなかったとはいえWC5回手にしている世界チャンピオン相手に出来たというのは素晴らしかったのかなと。勿論現実的に戦うとしたらこういうサッカーをすることはなかったでしょう。ただそこで真っ向勝負を挑むという意欲、そしてその成果としてのこういう結果というのは、本当に誇らしいし、日本の中盤とアタック陣の流動性と構成力はここまで出来るというのを示しすものだったのではないでしょうか。

結果としてのグループリーグ敗退をどう捉えるか。

難しい部分でしたが、結果としては前大会と同じくグループリーグ敗退と言うことで、結果が出せなかったことは残念でしたね。これに関して評論家の中でも様々な見解に分かれているようで、結構色々な取り上げ方がありますね。確かに抜けれなかったは反省すべき点ですし、2大会連続での敗退は憂慮すべき点なのは間違いないでしょう。まあブラジル戦に置いて「勝たなきゃいけない状態」となってしまったこと自体、結果的に引き分けに持ち込めたモノの現状の日本人のサッカーではブラジルに勝つにはもの凄い難しいことだっただけに、その状況に追い込まれないようにしなきゃいけなかったと言うことなんでしょう。ただ個人的に一つだけ思うことは、日韓で行われた大会と同じイメージでこの大会を捉えている気がするのです。そういう部分はもう過去の事で、意識を変えていく必要があるのではないでしょうか。当たり前だけど以前のように国内で戦えるという部分で既にアドバンテージは持っていない。気候・雰囲気・ピッチコンディション・サポーターの数など全てがホームと比べたらディスアドバンテージ。その中で同じ結果を求められたとしても難しいかなと。勿論どの大会でも突破して欲しいし、選手達もそれを強く意識して戦っていたと思いますが、現実を見て難しい事に変わりはないですし、その現状の中で何を見いだすのかというのかと言う方が大切なのかなと。僕はそういう意味では、この大会での内容、そして結果に関してもある程度満足しています。敗退は残念だけど、今大会の中で日本の最高の力を引き出せて、それをモデルケースとして持てたこと。そして、それでも勝てない世界において何が課題か見えた事というのは(修正出来るかどうか、差を縮められるかどうかは置いておいて)非常に尊い大会となり、大きな価値のある大会となったのかなと。
以前から書いているように、僕は自国開催はあくまでもイレギュラーなもので、スタンダードな評価基準となるモノではないと思っています。気候・生活基準・グループの構成(2002のグループリーグ、ロシア・ベルギー・チュニジアという相手でしたが、激烈な予選を勝ち抜いてきたチームとはいえあんなに楽なグループ分けはそうそうにあり得ないし、コンフェデに置いてもブラジル・カメルーン(偽物)・カナダもWCにおいてはあり得ない)など、アジアのチームにとってはよりシビアになっていると言うことを意識してモノを見ていく必要があるのかなと。
グループ分けに関して少し考えてみましょうか。きっとアジアのワールドカップ出場国はきっと4つ目のポッドに入るし、その中でトップシード(ブラジルとかアルゼンチンとかフランスとかイタリアとかドイツとか優勝国、それに違わぬ強豪国)から避けることは不可能、セカンドポッドには南米とヨーロッパでトップシードから漏れたチームが入ってくる(パラグアイとかポルトガル、チェコ辺りもこっちに入ってもおかしくない。ロシアとかベルギーもここかも)。そして三つ目はセカンドポッドに入れなかった国、そしてアフリカ・中南米の上位クラス、と言う感じになり、どちらにしてもアウトサイダーとして波乱を起こす側に回るわけです。だからこそ挑戦者の意識をより強く持ち、日韓で持っていた全てのアドバンテージを失った上でどこまで出来るのかというのを考えてモノを考えていく必要があるのではないでしょうか。勿論最初から腰が引けた状態で戦えと言うことではなく、意識としてある程度のリスペクトを持って戦うべきなのではないでしょうか。さしずめ、同じような条件だったフランス大会から日本がどれだけ前に進んでいるかと言うことを計る上では非常に興味深いモノになるでしょうし、コンフェデのような大会から考えれば、2003の大会よりレベルは高かったけど少しだけど今大会の成績・内容は上がっているから、それを本大会でどこまで発揮出来るか、と言うことになるのかなと。善戦じゃダメだ、勝たなきゃダメだってちょっと無邪気すぎるのでは?と個人的には思います。僕たちの国のサッカーは本当に強豪国とやっても勝たなきゃいけないレベルまで上がっているのか?と言うことで考えれば、どの監督であろうと個人的にはまだまだ10回やって2~3回勝てるレベルだと思う。だからこそ現実を捉え、一回一回しっかりと糧として、分析し、出来た部分には満足し更なる向上の努力をし、出来なかった部分ではどうしたらいいのかというのをしっかりと蓄積していっても悪いことではないのではないでしょうか。結果というのは純然たるモノですから、出れば満足、出なければ不満と言うことになりがちですが(ジーコが勝ちに行くという目標と定めて、出来なかったと言って批判するなんて結構最悪かな、個人的には)、そんなにうまく行く時期は過ぎたのかなと。日本のサッカーを評価する人に置いて、相対評価という部分は最も足りない部分なのでは?と思っています。世界のサッカーも常に前に進んでいるモノですし。シビアにみようと思ったらいくらでも見れる部分だし、それが必要だと思う部分もあるけど、それは度を超えると単なる雑音とわがままにしか見えない。冷静に全体を分析し、相対関係を加味した上でしっかりと批評していくことの方が大切なのではないでしょうか。>ねぇ、セル爺?
まあそこまで、自分たちの無限の可能性を信じることは格好いいと思いますけどね。でもそれじゃ日本は強くならない。

これからの1年間、すべき事、しなければならない事。

と言うことで後は先のことを簡単に。まずこの大会で掴んだ「ワールドチャレンジモード」の継続、そして拡散(サブメンバーへの浸透)。そして核となる選手がいなくでも、それほど変わらないレベルでサッカーが出来るようになる事なのかなと。まあ今までそんな事が出来た試しがないので期待薄ですが(試合に出てそれを体感した選手としていない選手達の差が著しいのがこのチームの大きな弱点)、本大会まで調整期間はそんなに取れないし、ヒデや俊輔が怪我する事だって(考えたくないけど)想定の中に入れておかないと。もちろん他の選手にしてもそうですが、やはりバックアップの層は異常に薄い。今大会では、ブラジル戦でサイドの二人がカードをもらって、先に進んでいたらアレックスと加地の出場停止という事になり、明らかにスクランブルな状態に陥っていただけに、バックアップの必要性というのはより強く感じた部分です。もちろんある程度は出来るかも知れませんが、同じくらいのレベルとコンビネーションを築き上げておきたいところです(期待薄だけどね)
そして後は競争力、そして新たな可能性のある選手の発掘。新聞にも出ていましたが、東アジア選手権、そして最終予選の消化試合であるイラン戦でその辺が試される(予定)だそうで、そういう意味では現状で代表に入っていない選手達にとってはラストチャンスかも知れませんね。このチームには良い意味で捉えればクラブチームですが、やはりプレーの中に甘さが出る部分が非常に多いだけに、後ろから尻を叩いて、又追い越して活性化して欲しいなと。まあこのチームの場合は最近はある程度崩れてきた部分もありますが、プライオリティの壁があり、またテストという部分では色々と難しい部分があるだけに(チームの作り方として一見さんお断り感がぷんぷんする)、こっちも期待薄ですが、一度ファミリーを解散し、フラットではないにしても新たな可能性を見据える必要性があるのは明らかです。勿論力として今の代表選手達は高いモノがありますが、選手の特徴でフィットする、しないというのはあると思いますし、そういう意味では新たなスタイルの変更と共に必要な選手、必要じゃなくなった選手というのをよりシビアに見ていく必要があるのではないでしょうか。
まあ一番手としてはやっぱりサイドですよね。兼任的な部分で中田浩二が勤めた事もありますが、両サイドに2枚ずつというのが理想かなと。少しずつこのチームのサッカーが変わってきた事もあって、回数的には多く、また突破型よりまずはフリーランニングを出来る選手というのはより活きてくるのかなと。シンプルにスペースを使う加地が現状でかなりフィットしてるように。勿論独力打開・ビルドアップの構築能力、そして守備力というのは当然ながら必要でしょうけど。左は特に沢山選手達にチャンスがある事を望む。駒野、服部公太、村井、山田暢&卓、相馬、隼磨、そして動虎(帰化 笑)
中盤に関してはボランチではシンジが戻ってきて、稲本・ヤット・中田浩二もこのままではいないと思うと勝手に競争意識というのは高まりそうですが、現状のサッカーならオフェンシブは枚数や特徴があっても絶対困らない。いるのに使われない本山含め、松井、藤田、二川、中村直、山瀬と言った選手達にもチャンスがあるといいなと。才能ベースのコンビネーションが軸となっている状態だから、現状では入れ替えは難しい部分もありますが、消耗も激しく、また違う特徴を持つ選手達が幅を広げてくれる事を期待したいですね。
後はセンターバック、ここも固定傾向が非常に強いので、新戦力の導入というと難しい部分があるのかなと感じますが、復帰組にプライオリティをぶっ壊すのを期待したいなと。佑二は勿論、マツ・茂庭と言った対人能力行けます系もチャンスはあってほしい。嫌いだけどトゥーリオ辺りも拙い部分はあるにしても能力は優秀だから状態が万全なら読んでも欲しい。
そして入れ替えというかシャッフルして欲しいのがFW。柳沢・大黒は既にはずせない。その中で、ギリシャ戦は良い動きを見せてキレが戻った玉ちゃんとこのスタイルになって、起用されなくなった鈴木、怪我の高原含めて、誰が柳沢の横にふさわしいのかを試していくべきだし、誰が中盤との相性がいいのか、そして誰がパスを呼び込みゴールが決めれるのか、と言うのを探っていくべきでしょうね。オフ・ザ・ボールを含めたムービングは既に基本性能として定められている部分ではあると思いますし、そうなるとシュートやコントロールを含めたボールタッチ、そして得点力(スペシャルアビリティ含め)かなと。現状で名前が挙がっていない中だと(上がってる中なら結果の残っている大黒は揺るぎない)第一候補は大久保、復帰出来れば久保は大黒の代わりにスーパーサブとして(大黒は先発)楽しみ、後はJで結果を残した選手という事になるかなと。まだまだ層は薄いですが、タイプが限られてしまうと難しい部分もありますしね。まあこの辺はわからない部分もありますけど、とにかく競争力の向上により、今以上のチャンスの数の増加、そして何より決定力を上げていく努力をして欲しいですね。

監督はうまくいったからと行って調子に乗らず更なる可能性を見いだす必要性があるのは明らか。勿論課題の修正も含めてやっていかないと、このままでは東アジア、ヒデ・俊輔・シンジ抜きならこけるよ?ここからが難しい部分。監督としてのセンスの発揮しどころかも知れませんね。てゆうか、もうここまで来たら任せるしかないんだから、頑張ってちょうだい。

と言う事で最後はグダグダになってしまいましたが、とりあえずコンフェデの日本代表に関してはこれでおしまいという事で。まあ色々と様々な事を書きましたが、大切なのはこれから。結果云々は別にして、ここで得たモノをいかに継続、そして修正し、より純度の高いチームにしていく必要性は明らかでしょう。まあ東アジアはグダグダになりそうな予感がしますけど、とにかくまずはJでいいパフォーマンス見せて!海外組は良く休んで、次の選択肢をしっかりと選んでね。と言う事で今日はここまでです。

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