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April 29, 2005

Whereabouts of a road to Istanbul@UCL SemiFinal 1stLeg

ということでUCLのゲームレポート二つを早速どうぞ。次への期待を高めるような二つの試合だったのかなと感じています。

UEFA ChampionsLeague 2005 SemiFinal 1stLeg
Apr 26/AC Milan 2-0 PSV Eindhoven @Stadio Giuseppe Meazza
Milan:42'Shevchenko 90'+1'Tomasson

ミランスタメン:GKジダ、DFカフー、スタム、マルディーニ、カラーゼ、MFピルロ(→72'アンブロシーニ)、ガットゥーゾ、シードルフ(→81'セルジーニョ)、カカ、FWシェフチェンコ、クレスポ(→64'トマソン)
PSVスタメン:GKゴメス、DFオーイヤー、バウマ(→46'ルシウス)、アレックス、李栄杓、MFコク、フォーゲル、ファン・ボメル、FW朴智星、ビーズリー(→61'フェネホール・オフ・ヘッセリンク)、ファルファン

イイ試合でしたね。差を分けたのはストライカーの質と言うところでしたが、チームに置いてはそんなに差を感じる出来ではなかったのかなと。ただPSVがフィリップスに良い結果を持ち帰るために必要だった運動量だったり、勝利への意欲と言う部分がミランも非常に高いモノを示したことでそれを許してくれなかったと言う感じでしょうか。とにかく。

スタートから両チームが試合のキーとなると予想された中盤で非常に激しいぶつかり合うようなアグレッシブな展開から始まり、両チームとも互角の出だしという感じでスタートする。しかし前線のアタッカー達にはチャンスがないわけではありませんでした。この日多かった長いフィードがシェバに通ってループを狙ったり、逆に中盤のボールカットからファン・ボメルからファルファンに通って、スタムをかわしてあわや先制弾というような形が出来たりと非常にアグレッシブでチーム力は互角に見えました。原因としてはPSVの2トップ1シャドーという形でケアするゲームメーカー・ピルロに対しての対応策がはまったこと、これにより底で優雅にゲームを操るピルロの存在は消されてしまった。一人が影のように付きまとい、もう一人がボールホルダーのパスコースを消す。これで25分ぐらいまでPSVが中盤での機能性が高まりゲームのリズムを掴めていたのかなと。サイドバックも非常に高い位置に上がってくるし、アタッカー達もどんどん仕掛けていった。ただミランはそれだけのチームではなく、懐の深さというのを見せた。最初はぎくしゃくしていた感じを受けましたがサイドに活路を見いだし、シェバやクレスポがサイドバックが上がったスペースに流れて長いボールを受けて起点を作り、そこにシードルフ・ガットゥーゾのMF、そしてカフー・カラーゼというSDFが早めにサポートに来て、局面的に数的優位を作って突破の形を作り出す。そこから生まれたセットプレーのチャンスで今度は決定機を作るといった感じでPSVを押し込んでいきました。その後の時間帯、そのサイドのスペースをうまく作り、カカが鋭いシュートを飛ばしたりとよりゴールの匂いが強くなり始めた42分、中盤でシェフチェンコのカットからカカに落とすと一気にスタート、ここしかないと言うところに鋭いスルーパスが出ると、ボールを落としたシェフチェンコが抜群のスピードでそのボールを受け、バウマを追いすがらせずにゴメスとの1vs1に持ち込み落ち着いて流し込んで先制。ミランらしい一瞬の隙を突いた素早い縦の速攻でゴールを掠め取ったと言った感じでした。それにしてもこういう形で個の強さを出されてはPSVとしてはきつかったでしょうね、一つも止めれるチャンスというのがなかった。シェバの落としからの爆発的フリーランニングのスピード→落ち着いたフィニッシュ、そしてカカの抜群のタイミングからの精度の高いスルーパス、全くもって隙がなかった。ミランとしてはイイ流れの中でのゴールと言うことで最高の形で後半を迎えることになりました。

後半開始時にシェバにぶっちぎられたバウマに変わってルシウスを投入したPSVは後ろを3枚に変更、アウェーゴールを奪いにより攻撃的意識を高めてきた。その甲斐もあってか、コクやファン・ボメルといったMFもかなり前目にポジションを取り、何度もチャンスを作り出しました。ここで核となったのは朴智星。前半も見せていましたが、マルディーニやスタムと言った世界最高峰CDFにアタックされても倒れず奪われない粘り強いキープでバイタルエリアで(ここポイント!)起点となり、自らも積極的なスペースランでどんどんフィニッシュを狙い、ミランにとって一番やっかいなプレーヤーとなって脅威を与えていました。しかし、次々に生まれるきわどいチャンスを前半同様相手の水際のカバーもあってジダの正面を突いてしまったりと決めきれない。李栄杓のミドルから朴智星が詰めると言った韓国ラインも繋がりそうだったし、ファンボメルのボレーも良かったけど、ジダの壁は厚い。ミランも決して引きっぱなしではなく、前半と同じくサイドに空いたスペースを長いボールで流れたシェバに通し、そこからどんどんきわどいシーンを生み出すが、ゴメスもやはり調子が良い。そんな中胸突き八丁の攻め合いの中でゲームが動いたのは、ロスタイム。PSVの最後の攻撃を凌いだミランはカウンター、カカのエリア外からのシュートがコクがブロック、しかしそのリフレクションにトマソンが反応して難しい形ながらきっちりとゴールに納めた。結局チームとして内容的にはそんなに大差はなかったけど、個の決定力の差がこのスコアに表れた結果になりました。

正直かなり手痛い結果になってしまったPSVですが、ミランと同じ土俵の上で良く戦っていたのではないでしょうか。前半25分辺りまでのピルロをゲーム入れさせないプレッシングにしても、その後の朴智星を核とした多彩な攻撃にしても、ミランを脅かすには十分な質を備えていたのではないでしょうか。ただ、足りなかったのは決定力。ヒディングのコメントにはこの辺が限界と言った趣さえ感じてしまいますが、それでもここまで質の高いモダンフットボール集団を作り上げたヒディングの腕には敬意を表したいですね。戦術や布陣と言った選択に間違いはなかったと思いますし(そのままやってても対して変わりはなかっただろうし、朴のエリアが限定されてよりきつい状態に押し込まれていた気もする、ビーズリーの出来がイマイチだったのはあるけど)個人的にはドローか2-1ぐらいが妥当な結果かなぁと思わなくもないですが、まあこれがサッカーと言うことでしょう。

でミランですが、やっぱり強いし、懐が深いというしか言いようがありません。正直ピルロが抑えられてどうなるのかなと思った部分もありましたが、それを打開するだけのアタッカー達の質の高さとピルロ自身のプレーの変化は素晴らしかったです。チームとしてピルロが影響力を発揮出来ないときに、シェバやクレスポ、カカと言った選手がスペースを見つけて長いボールを納めて攻撃の起点となり、長いボールが多いにもかかわらず単調にさせないのは後ろからの精力的なサポートからのパス交換による突破と個での局面打開をうまくミックスさせた結果なのかなと。長いボールをきっちりと自分のボールにする技術も凄いし、長いボールの中にきっちりと意図のある攻撃が出来るという事で非常に素晴らしいなと思いました。でピルロに関してはああいう天才プレーヤーは自らの得意な位置での仕事が出来ないとピッチを浮遊するだけで何も影響力を発揮出来ないと言うことになりがちだけど、積極的な守備イメージと自らが幅広く動いて自分の仕事を非常にタフに探していたことでPSVの安定した中盤ブロックに混乱の芽を作ったのかなと。この日はPSVのサッカーに呼応するようにアグレッシブなスタイルでゲームに臨み、一人一人の選手達のモチベーションも非常に高いモノだったなぁと感じました。この部分で劣勢に陥らなかったことがこの結果を呼んだのかなと。このチームに勝つには、台頭に渡り合える個と高い組織力を兼ね備えた総合力の高いチームじゃないと難しいなと思いました。とにかくこの試合でほぼチェックメイトに出来たのはこれからのゲームを考えても非常に大きいのではないでしょうか。

で2ndLegですが、舞台はフィリップスに移し、このビハインドをどうPSVが返すのかにゲームの展開としては掛かるのかなと思いますが、ミランはネスタが戻ってくるし、こういうゲームで無類の強さを持っているのが今年のミラン。巧みにゲームをコントロールし、チャンスを世界的なストライカーがモノにして、ゲームを決めてしまう。正直逆転の可能性は本当に少ないのかなと。PSVが逆転に必要な要素としては、先制点、アタッカーの覚醒、この日以上の逞しい戦闘意欲と運動量、そしてゴメス&DF陣の粘りでしょう。まあ本当に可能性としては薄いモノになってしまって、非常に残念。しかし何かを起こして欲しいモノです。モダンフットボールの一面を持ったイイゲームでした。又この日みたいな両チームが正面からぶつかり合う試合を2ndLegでも見たいです。

ミランが決勝進出に大きく前進(uefa.com)
ミランがPSVに先勝 終了間際に貴重な追加点=欧州CL(スポナビ)

Apr 27/Chelsea 0-0 Liverpool @Stanford Bridge

チェルシースタメン:GKツェフ、DFグレン・ジョンソン、リカルド・カルバーリョ、テリー、ギャラス、MFマケレレ、ランパード、ティアゴ(→59'ロッベン)、FWグジョンセン、ジョー・コール(→78'ケジュマン)、ドログバ
リバプールスタメン:GKデュデク、DFフィナン、キャラガー、ヒーピア、トラオレ、MFジェラード、シャビ・アロンソ、ビスチャン(→86'キューウェル)、ルイス・ガルシア(→90'スミチェル)、リーセ、FWバロシュ(→66'ジブリル・シセ)

イングランド対決は引き分ける(uefa.com)
「信じる勇気を得た」リバプール(uefa.com)

1stLegは慎重にならざるを得ない、ましてや同国対決で絶対に負けたくないと言うお互いの心情を考えたらこの結果は最初からある程度想定内ものだったのかも知れませんね。両チームとも相手の事を良く理解・分析されて、ましてや守備に関してはデュデクが一度ファンタジックなプレーを仕掛けたぐらいでこの日は守備に置いて抜群の集中力と強烈な強さが両チームとも良かっただけに。ただこれは布石に過ぎず、2ndLegにおいしい部分を全部スライドしたのかなと。ましてや歴史あるアン・フィールドで雰囲気は最高、その中での試合ですからね。あくまでもこの試合は前座に過ぎなかったのかなと。

このスコアレスの原因としては均衡した展開の中でどちらもリスクを冒さなかったことが一つですが、やはり両チームとも守備に置いては決定的なミスがなかったため好きを作らなかったと言うことなのかなと。その守備ですが、特に良かったのはリバプールなのかなと。UCLの舞台に立つと集中力が倍加するかのごとく、凄い危機察知で危険になりそうなところには必ず突っこんでくる。もちろんチェルスキーの豪華アタッカーのスキルの高さで翻弄されるシーンはあったし(ジョー・コールの相変わらず好調を維持したスキルフルナ仕掛け、でも後半バテた。ドログバもダイナミックで強引な仕掛けで実り掛けたが・・・)、ギャラスが左サイドを高い位置でプレーしたと言うことで、オーバーラップからサイドを破られ、それなりに危険なシーンがありましたが、本当にイタリア風味な水際の守備というのが際だっていたのかなと。特にキャラガーは集中力に目を輝かせ、危険なシーンで身体を張り続けて、この日の無失点に大きく貢献したと言っても過言ではないと思います。
チェルシーは攻撃に置いてはコンビネーションにずれが出ていたし、いつもと違って速いアタックを出来るだけの状況が整わなかったことで、どうしても力押しになってしまい、リバプールもそういう守備が得意であったと言うことでがっちりと噛み合ってしまったのかなと。そういう展開でもストロングポイントを活かした攻めで何かを生み出すのかなと思いましたが、ここまでその一つだったドログバの高さがリバポの巨人に阻まれ、ランパードもここぞの決定力が出ず(この日のハイライトでもあったあのボレーシーン、オーバーラップしたギャラスのクロスはゴール前を横断し大外まで、そこにジョー・コールが走り込んでヘッドで折り返し、イイポイントにポジションを取っていたランパードが至近距離からボレー。しかし力が入りリバポの抵抗もあり枠を超える)、結局この日に限ってはついに崩しきれなかったですね。プレミア特有の狭いピッチで効果的に使えるスペースというのが余り生まれなかったというのもありますが、リバポが中盤での不用意なボールロストというのが少なかったし、余りバランスを崩すことなく戦われてしまったので、閉塞感が伴い、その状況ではロッベン・ケジュマンも働けなかったのでしょう。

逆にチェルシーのディフェンスですが、明らかにリバポが右のグレン・ジョンソンを狙い打ちし、リーセと1vs1を狙って、大きな展開を常に狙ってきていたと言うのがあったのですが、グレン・ジョンソンはほぼ完敗だったモノのカルバーリョが右を中心にケアしたこともあって未然に崩し切られることを防げていたのかなと。前半に2度のピンチ(右からジェラードの速いクロスを走り込んだバロシュがヘッドで流し込んだものと、リーセがグレン・ジョンソンの逆を取りスルスルと中に切れ込んでシュートを狙ったシーン)がありましたが、それもさすがのツェフが守りきり、こちらもスコアレスに出来る状況をきっちりと作っていたと言うことでしょうね。火事が大きくなる前に消すゾーンでの中盤DFも相変わらずマケレレが恐ろしいぐらいに存在感を発揮し、フィルターとして機能していた事もあり、うるさいバロシュやルイス・ガルシアと言ったアタッカー達へボールを渡さないことに置いて効果があったのかなと。もちろんマケレレだけでなくチーム全体での組織的で献身的な守備あってこそですが。
リバポは上に書いた通り、グレン・ジョンソンと言う穴を一気に突くために、リーセを左サイドの高い位置に張り付かせ、ダイナミックなサイドチェンジなどで1vs1のシーンを作り出し、そこから局面打開を計るという形からチャンスを作ろうという意図は見えましたが、グレン・ジョンソンとの対戦はそれなりに凌駕出来ましたが、結果的にはゴールには結びつきませんでした。カルバーリョのカバーを含め相手の対応に対しての次の段階という部分での工夫という所にもう一つと言うところだったのかも知れませんね。色を付けられる存在であるルイス・ガルシアやジェラードが大人しかったので、仕方ない結果かも知れませんね。

ということで上にも書いた通り、全ては次なのかなと。普通に一つの試合として考えたらチェルシーの方はアウェーゴールを奪われなかったことも含めてアドバンテージはあると思いますが、もちろんリバポもアウェーでドローという結果は必ずしもマイナスな結果ではないですし、アン・フィールドで勝てばいいということでかなり考え方もシンプルになって逆に良いのかなと。まあとにかくフラットな状況で次の1試合で勝負が決まるのかなと。楽しみですね。もっとトランジッションの速いゲームで期待に応えて欲しいですね。

ということでイスタンブールの道が開けたのか閉ざされたのかはそれぞれ違うでしょうが、1stLegが比較的静かな結果だっただけにこの状況が又次の試合に熱を送ることになるのかなと思うと、やっぱり来週が楽しみです。あくまでも舞台が整ったに過ぎず、本番はここからですからね。ということでちょっと旬を過ぎた感はありますが、来週もあるということで今日はここまでです。

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