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April 19, 2005

Jリーグあれこれ、再び。

またやります「Jリーグあれこれ」。楽天の監督が解任されて、色々と動きも出てきているし、少しずつ今年の流れや面白いところが見えてきたので。とりあえずゆったりとおつきあい下さい。テーマは2つです。

・中間層、パフォーマンスの乱高下に苦しむ現状。
神戸が松永監督を解任(ニッカン)
神戸がクラブ最短6試合で松永監督解任(ニッカン)
神戸新監督にレオン氏 今週末に来日(ニッカン)

ということで松永監督が4月半ばにして解任(8戦して1勝)ということになり、新監督にエスパルスやヴェルディなどでのJでの監督経験もあり、元ブラジル代表監督も務めたエメルソン・レオンを招聘し、巻き返しを図るそうです。解任理由としては開幕戦以来勝ち星が遠く、選手達が自信を失っているし、07年までのタイトル獲得のために早めに手を打つという事だそうですが、5節でのフロンターレ戦での大敗、そしてその後修正しきれずサンフレにも完敗と光明が見えなかったというのが素直なところでしょうか。松永監督としては道半ばというか、ヘッドコーチとして招聘され監督が決まらないアクシデントのために繰り上げで就任して、ビジョンが見えないままクラブを率いてみたモノの、足を掬われたと同時に解任という部分で手腕を発揮する間も与えられず少し可哀想だったかなぁと。もちろんプロの監督として成績が出ない以上責任というのが常に付随するモノなので仕方ないとは思いますが、ヴィッセル自体が非常に波のあるチームで年に数試合毎回こういう試合をするチームだと思うので、それがたまたま早めに来ただけで、ワーキャー大騒ぎするほどのモノだったのかというのはかなり疑問な部分があります。と言うより中身だけ見たらFマリノス戦の内容を見ても悲観するような内容ではなかったと思うし、逆に未来を感じるチームの素地はあった気がしなくもないし、一度作り上げたチームに課題が出てきてそこをまた修正していくことで熟成度を上げてチームを洗練させていくと言う作業を待たずしての解任は時期尚早なのかなと言う感じです。ましてやトルシエ→山本昌邦→リティ→レオンとまったく方向性を感じない(まずはネームバリュー?)フロントの中では成績を出せという方が難しいのかなと。

元々のチームの相対的な力関係、就任して4ヶ月足らずで成績を残す事、チームカラーと監督のメソッドの相性など様々な要素はあると思いますが、降格もないけど上位に食い込むほどのストロングポイントを持ち得ないチームを上位に引き上げる事というのは、本当に難しいことです。Jと言うリーグでそれをするために必要だとされている部分としては継続した方向性とチームの熟成によるチーム力の向上だと思うので、このようなチーム作りでは一過性として良くなることはあっても難しいのかなと思います。

で中間層のクラブで一番苦しいのは一節ごとにパフォーマンスが乱高下し、安定した試合が出来ずになかなか成績を出せないこと、ただ目線としては上を見ているので状況を看過出来ないと言うよりその力に見合わない条件、そして節を追う事に自信をなくしてチームが喧噪と疑念の中に放り込まれて、方向性を見失ってしまう事なのかなぁと。素晴らしい試合をしたと思ったら、それが続かない。きっと一試合ごとにモチベーションが違ったり、コンディションが整いきらなかったりという要素はあると思うのですが、成績を出すと言うことは勝負事だし、思った通りに進むものでもないのでなかなか難しいこと、やはり勝利という名の薬がないのとチームはさまよいはじめてしまうのかなと改めて感じています。

でその最たる例となりつつあるのがエスパルス。
最下位清水は長谷川監督に「全幅の信頼」(ニッカン)

まだJ1で唯一勝ち星がなく、このように周りが騒がしくなっているエスパルス。開幕6戦で勝ち星がないというのはワーストだそうで、最後の砦としてチーム生え抜きで大きな期待を背負って就任した長谷川健太監督にとっては苦しいシーズン序盤となってしまいました。サイドアタックに重きを置き、強い清水への原点回帰を目指した今シーズンですが、良くなっている部分と好転しない部分で攻守がなかなか噛み合わず成績が出てこない。杉山浩太・高木和道・伊東輝悦という三人のCMFがうまく機能するかしないかでチームの勢いに差が出てしまうのかなという感じはありますが、一番足りない部分としては勝つためのゴール。静岡ダービーではスペースを消しながら激しくアプローチする抜群の中盤DFと広大に広がるスペースをポストマンとワイドアタッカー、そして切り替えの早いCMFで仕掛けるカウンターがリンクして素晴らしい戦いをしました。不調のジュビロを混乱に陥れ完全に追いつめたのですが、ただ足りなかったのが一つのゴール。前半に森岡のビューティフルFKが決まって、最高の流れでゲームをして後はとどめを刺すだけだった。そのチャンスもあったけど、カウンターにおいて最後の工夫が足りずゴールが取りきれなかった。そこまでに持ち込む流れは完璧だから後はアイデアだったり、個の力という部分なのだと思いますが、その部分が不足したために蘇ったジュビロに最後はやられて勝ち星を逃したのは殊の外大きかった。その後はダービーほどのゲームへのモチベーションが保てないからなかなか好転しないし(それでもレッズにも引き分け)ゴール欠乏症はすぐに改善出来るほど簡単な課題じゃない。そしてパフォーマンスは下降して最下位トリニータに対してもPK一発に沈んだ。このようにイイパフォーマンスをしていても勝ち星に恵まれないとどうしてもチーム全体が疑心暗鬼になって、一方向に集約されていたチームの視線がぼやけてしまって、おかしくなっちゃうのかなと。

やっていることは当初考えているモノとは多少変わっているのかなと言う感じは否めないけど、そこまで悪いサッカーをしている訳ではないのに、成績が出ないとどうしても心理的な部分で泥沼に入りそうになっているし、周りも騒がしくなっている。ただここはまだ我慢の時期だし、チームとして信頼していくことで一つの勝ちが大きく状況を変えることもあると思う。エスパはここ数年の低迷を打破するために切り札を呼んだ訳で、ここで変えても又同じ事を繰り返すだけ、忍耐ですね。まあそこに明るい未来が開いているかどうかは神のみぞ知るという部分ですが、判断としては今のところ間違っていないと思っています。上位に食い込むためにはこの要素が必要だと思うので。

ということでまあ僕も余り確証はないのですが、やはり上位の層に食い込むためにはそれなりに忍耐と我慢の末に成り立つ熟成度と方向性は必須だけど、下が見えてくると我慢出来なくなってしまうと言う部分で悪魔の分岐点みたいになってしまいますよね。ここのところJ2昇格組が最初からそれなりに戦えているというのも長いシーズンを戦い、修正を繰り返してチームの課題を一つずつクリアしながら方向性を継続してきたによるチームの熟成に繋がって、それは中間層・下位層を超えるチーム力があるのかなと思っています。まあこれからJ1の力にその熟成度が出てくると又力のバランスは変わってくると思いますが。ここからの判断をどうするのかで、チームの未来に繋がってくるのかなと感じています。

・上位陣、継続性の中で見いだしつつある今年の色。
と言うことでここまでの今年のJは古豪鹿島の復活が非常に印象強いのですが、上位に来ているチームはここ数年継続しての強化の中に、今年改善してきたモノが花開きつつあるのかなと。もちろんまだまだ序盤でわからないですが、非常に逞しく又楽しいサッカー見せています。それでは一つずつ簡単に。

①鹿島アントラーズ
今年は思いもよらぬ中田浩二の退団というかたちで幕を開けたシーズンですが、去年話題に昇った停滞の状況の中でのトニーニョ・セレーゾの留任というのが、今のところうまくいっているのかなと。もともと出来ていた明確な組織は壊さずに課題であった得点力が二つの要素で改善されつつあり、それが引き金となり戻ってきた勝負強さと勝者のメンタリティが輪を掛けて彼らを逞しく見せています。
ひとつは助っ人ブラジル人待望の当たりです。最初はフィジカルフィットネスが整わずどうかなと思われたアレックス・ミネイロが得点力を発揮。彼の周りも使えて自らもゴールが狙える万能な能力(足元だけでなくヘディングもうまい、本人は苦手らしいけど)は鹿島にフィット。元々チャンスメイクは数が多いだけにそれをゴールに結びつけるフィニッシャーとして適任という仕事ぶりを今のところ見せています。
でもう一つが幸か不幸か中田浩二という軸が抜けた影響が選手個々の責任感を高め、パフォーマンスの向上をもたらした事。これにより一番凄くイイ影響だったのはエース・小笠原満男、彼の責任感の向上によりチームへの影響力がより高くなり、後ろに掛かりがちだったバランスを前に出した事で、攻撃がうまく回るようになったのかなと。彼も司令塔の仕事だけではなくゴールも狙う、スペースにも出ると獅子奮迅。もともとJ最高の司令塔という評価は得ていただけに自分のやりやすい形になってきたことで、より能力を発揮しているのかなと。それと本山雅志もキレを取り戻して小笠原の負担度が減ったと言うことも言えるのかなと。去年まで良いときは抜群の才能を見せるけど無責任なプレーも多かったし、悪癖とも言えるファールを貰おうとするプレーだったりと言うのが今年は少なくなって、積極果敢なドリブルがアクセントを付けている。それとアクセントという意味では野沢拓也。どうしても層の厚い日本代表MF達に阻まれてきたけど、鈴木隆行の怪我もあって去年から続いているセレーゾのコンバートによるFW起用がうまくはまって、スペースを嗅ぎ取って得点と言う結果も出している。それにボールを収めてもともと持っている溢れる才能でアクセントを付けたりと前にもポイントが出来た。本山・野沢が前で活躍することで、小笠原だけでなくフェルナンドも前に出やすくなってゴールを重ねているし、サイドもアリが結構出来そうだし、ここまで移籍してイマイチだった新井場もきっと良くなるでしょう。
信頼出来るフィニッシャー、信頼出来る攻撃の起点、バランスの前傾、責任感の向上とポジティブな空気に包まれた鹿島は、今非常に好循環を見せていると思います。次節は(旧)ナショナルダービー、イイゲームを見せてくれそうです。

②ジェフ千葉・市原
流動的だったオシムの留任はポジティブでしたが、生え抜きの主力である村井慎二、茶野隆之の放出に始まり、外国人選手全ての入れ替えとレギュラー大半が抜けてしまう事態に陥ってしまったジェフ。ただそんな心配は今のところ杞憂に終わり、それどころか今Jで一番魅力的なフットボールをしているクラブになりました(ここのところ数年と言った方が良いのかも知れませんが)相変わらず非常に豊富な運動量とポジションブレイクによる流動性の高い攻撃は去年と変わらず、それが基盤となっていることは間違いないのですが、今までは勢いで相手を押しつぶすといった感じだった攻撃がより精度と鋭さが増し、より相手の穴を的確に突く攻撃になってきた感があります。それはFW陣のタイプが様変わりして、飛びだす選手達がよりスペースを見つけやすくなったのかなと。マルキとサンドロは前に行く形に非常に強みを持っていたし、それでチームに勢いを増させる存在でしたが、今年のハースと巻のコンビはポストマンというかボールを納めて周りを活かすことが上手でジェフの特長である流動性溢れる攻撃に飛び出しを絡めるジェフによりフィットしたコンビになりつつあるのかなと。ハースもまだ日本のサッカーに馴染んでいない最初は何をしたかったのかよくわからなかったのですが、徐々に頭角を現しました。てゆうか超当たり。怪物ではないけど、ジェフにとってはかなりぴったりの選手なのかなと。テクニックに優れていて様々なところに顔を出してボールを受けながら攻撃のアクセントを付けて、羽生や佐藤勇人と言った飛びだしてくる中盤をうまく使うのがうまいなぁと思ったのが、第3節。その時は巻が前でフィニッシャーとしてうまくやっていてその辺も考えているのかなと思ったら、第4節はストライカー的な顔を出してピンポイントのヘディングと弾丸シュートで2ゴール。第5節もセットも鋭く早いボールで脅かすわ、引きつけて飛び込む選手におしゃれなアシストするわと本当に凄い。鹿島戦ではすこし抑えられたけどそれでも結果は残しているし、ジェフにとってはチームにぴったりだったのかなと。自ら選んできたオシムさんの眼力はさすがです。
ボールの流れも相変わらずスムーズだし、村井の抜けた穴を埋める坂本左の水野右も今のところ悪くない(ボールが流れるという意味では素晴らしいし、水野も相当出来る)連戦ですが今のところ運動量に翳りはそんなに見られないだけに、まだまだジェフのサッカーは当分良いモノが見られそうです。ジュビロ戦のサッカーはボールが良く動き、人も良く動き、そしてペナに侵入する回数も多いし、守備も一つコンビのミスでやられたけど、プレスが良く効いていて、監督が褒めるのもわかるパーフェクトなゲームを見せて貰いました。次節は苦しむエスパルス。同じ系譜にあるチームだけど、さすがに熟成度の差が出そうです。

③名古屋グランパスエイト
今年はオフシーズンの主役をジュビロに奪われたこともあり、何か地味な感があったグラですが、ここ数年の迷走をうまくチームの力にし始めたのかなと。ネルシーニョ待望の4バックの出来るセンターバック・増川隆洋の加入でかなりうまく行き始めた4バックと元々それなりに安定していた3バックを柔軟に使い分けれるのも、今までの迷走で様々なことがテストされてきた結果なのかも知れませんね。災い転じて福となすって感じです。
守備の安定は明らかですが、それを助けているのが中盤。特にいいのがダイナモ・安英学。怪我をしてしまったようですが、去年やっていた吉村より激しく、またダイナミックなのでボール奪取率は上がっているし、前への推進スピードも上がったのかなと。吉村も頭が良くてよく働くイイ選手だしこれで刺激を受けているでしょうし、山口もいる。一気にチームが活性化したのではないでしょうか。そこに攻撃の核となる中村直志・マルケスも含めてチームの骨子はしっかりしてきたのかなと。
でそこに勢いを付けたのが、若い選手。角田はまあそこに含めて良いのかわからないけど、角田が慣れない右サイドに定着して、だいぶ安定して力を発揮しはじめたことをはじめ、左サイドは中谷と競争出来るぐらい力を付けてきたユース代表の渡辺もなかなかよくやっているし、高卒ルーキー本田圭祐が若いことを感じさせない落ち着きで中盤に才能というものを付けたり、「犬」の居ぬ間に出てきた大卒のワンダーボーイ杉本が裏への飛び出しとスピードをチームにもたらすなど、若い選手達がこのチームに勢いに乗せたのかなと。若い選手はやはり経験的には浅く、多くを求めることは出来ないですが、チームの軸がしっかりしているからこそ、やることがはっきりして自分のイイ部分を臆面なく出せるのかなと。今までのグラは方向性というのがとりあえず強い2トップに入れておけという感じで曖昧な感じこの上なかった感じでしたが、今はこういう現象が起着るぐらいチームがしっかりと整備されているのかなと感じています。もちろんこの若手達も並の選手じゃないと言うことは付け加えておかなければなりませんが。
久しぶりの2位というポジションですが、ここまでの試合を見る限り間違いなく勢いに任せた形ではなくチームとして安定して戦い、着実な勝利の重ねた上でのこのポジションだと思います。これには価値があるのかなと。試合に置いても非常狙いを持ってやっているし、チームとして我慢も出来る。きっと波もあると思いますが、チームに危機が来ても帰る場所が出来たというのは非常に大きいだけに、今年こそと言う期待は高まるかも知れませんね。まだまだ序盤なんですが。

ということでこの3チームは本当にイイです。もちろんまだまだ課題もあるし、これからまだ出てきてないモノも出てくるかも知れませんが、現状ではそれを覆い隠すぐらい非常に良いです。後はこれを継続出来るかどうかですが、でも大崩れはなさそうなのかなと。ここにレッズやガンバ、ジュビロが来るとなるとFマリノスにはちょっと大変なシーズンになりそうです。しかし、本当にうらやましいぐらいイイサッカーしてますよ。

各チームが特徴的で非常に面白いシーズンになりそうですし、激しい上位争いは楽しみです。鹿島を逃げさせたくないなぁ。とにかくJも面白い!ってことで今日はここまでです。

*すいません、最近だらだら長く書いてしまいます。明確に見えてないのは僕の方かも知れませんね、申し訳ないです_| ̄|○

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