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March 11, 2005

早すぎるクライマックス@UCL Round of 16 2ndLeg

今日はUCLです。凄かったとしか言いようがないですが、本当に見れて良かったなぁと。だいぶ精神的に参ってしまいましたが早速。正直僕は凹みやすい体質なので。

UEFA Champions League First Knock-out Round 2nd Leg
Mar 8/Chelsea 4-2(Total5-4) Barcelona@Stanford Bridge
Chelsea:8'Gudjohnsen 17'Lampard 19'Duff 76'Terry Barca:27'p&38'Ronaldinho

Chelsea:GKツェフ、DFパウロ・フェレイラ、リカルド・カルバーリョ、テリー、ギャラス、MFマケレレ、ランパード、ダフ、ジョー・コールFWグジョンセン、ケジュマン
Barcelona:GKヴィクトール・バルデス、DFベレッチ、プジョル、オレゲール、ファン・ブロンクホルスト、MFジェラール、シャビ、デコ、FWイニエスタ、エトー、ロナウジーニョ

チェルシーのスタメンを見ても、モウリーニョ強気だなぁと思ったのですが、4-4-2の選択、しかもボール奪取に長けた3人のCMFを置くのではなく、ダフとジョー・コールを前に置いた起用にはかなりの勇気が必要だった気がしないでもないです。でバルサはマルケスのリーグでの怪我もあってアンカーにはジェラール、1stLegに裏のスペースを消されて仕事の出来なかったジュリに変えてイニエスタを据えました。しかし選手起用云々の差ではなく、この試合の準備の差が出た序盤の展開でした。バルサのテクニカルな中盤の選手達に余裕を与えないためのコンパクトに保った上での(25~30mぐらいだと思う)早くきついアプローチ、そしてボール奪取後は高い位置を取るバルサのサイドバック、特にファン・ブロンクホルストの空けたスペースを狙いつづけるプランが見事にはまる。下がってボールを受けたシャビが雨で濡れたピッチに足を取られてボールを失うと、それを拾ったランパードから左サイドを縦に抜けるケジュマンにスペースボール、完全に逆を取られた形になったバルサDFは懸命に戻るモノの、中に走り込むグジョンセンを捕まえきれずコントロールされたアーリークロスを通してしまい、何とかブロックに入ろうとするモノのグジョンセンの巧みなコントロールにいなされる形でGKも止めれず、完全に「はまった」形での先制点でチェルスキーに先制点が入りました。その後もチェルスキーのゲームプランをバルサがと打開策を見いだせず、今度もまた左サイドをジョー・コールが突破、きっちりと付いていたモノの一発のフェイクで中に切れ込まれてミドルを放つと、DFに当たってコースが代わりバルデスも完全に逆を取られてボールをキャッチ出来ない、そこに詰めてきたランパードが難なく詰めて追加点。そして極めつけは3点目、縦の楔をインターセプト、すぐに中から左に流れようとするケジュマンに早い楔、これをプレッシャーを受けながらアウトサイドでダイレクトで正確に上がってきたランパードへ、ランパードもダイレクトでスルーパス、飛びだしたのはダフ、このとき完全にバルサのDFラインはケジュマンの動きに釣られて中がすっぽりを空いてしまった。ダフはスピードに乗ってGKと1vs1になると逆を取ってとんでもなく大きなアドバンテージとなる3点目を取りました。
これはもちろんこのチャンスを決めた選手達も褒められるけど、監督の手腕に震えるような感じを受けました。バルサはあくまでもポゼッションを握ってなんぼのチーム、だからこそサイドバックもビルドアップをしながらアタックの選択肢のひとつとなるためにアタッキングサードに入ることも多い、そこでサイドに空くスペースをうまく使おうと言うのは誰もが考えること。その使い方がうまかった。相手のフォアチェックはそれをやらせないためだったんだけど、簡単に言えばそれがコンパクトに保った上でのアプローチだった。これでボールを取った瞬間、前への距離も短いからどんどん狙える状態になる。バルサのラインコントロールに対してのジョー・コールとダフ、二人のアタッカーが掛からない位置にいるからうなずける。グジョンセンもケジュマンもあくまでおとりのようなモノな感じさえした。もちろん口で言うのは簡単だけどこれをピッチの上で見事に表現した事に末恐ろしささえ感じました。
しかし、最強と謳われたバルサも黙って引き下がらなかったことがこのゲームを熱くした。クロスボールに対してパウロ・フェレイラの振り上げた手に当たってコリーナは迷わずペナルティスポットを指さしPK。これをロナウジーニョがツェフに読まれながらも鋭く突き刺して、実質的なビハインドを1に詰める。そしてスタジアムに魔法を掛けた。イニエスタからショートパスを受け取ると対峙するのはリカルド・カルバーリョ、彼に対してアプローチをさせないための1フェイクから何が起こったのかわからないようなノーステップキック・・・・。ツェフも全く見えてなかったこのボールはゴールに吸い込まれる。もう誰もが騙されたと言った感じで見送るしかなかったこのプレーはゲームに置いても非常に大きなゴールでした。これでアウェーゴールもあってバルサが再び勝利に手を掛ける。ジェットコースターのような展開の中で前半を終えました。

後半に入って、本当に両チームの狙いとチーム力が真っ向からぶつかり合って、前半と違ってスコアが動かなくなる。主導権を握っていたのはバルサだったけど、ツェフを中心にこれ以上やらせなかった。イニエスタのシュートのリフレクションを詰めたエトーのビッグチャンスもバーに嫌われて決まり切らず、勝負を決することが出来ない。そしてもう一つのチェルシーの武器が勝負を決めることになりました。セットプレーからのテリーの頭。グループリーグでは3つのゴールを奪ったプレーはまたこの試合でも効力を発揮。ファーに流れながらもふわりと浮かしたボールはバルデスの手をかすめてゴールに吸い込まれた。この後バルサもプライドを掛けた攻撃に出て、タイムアップの笛が鳴るまで可能性のある攻撃を繰り出しましたが、チェルシーが何とか守りきってトータルスコア5-4でチェルシーがベスト8への切符を手に入れました。

本当に質の高いプレーヤー達の競演が素晴らしいゲームを構築してくれました。もう何からやっていいのかわかりませんが、選手評、そして二つの気になることを。

選手評。
ツェフ→レベルが高いし、何よりもコースを読む力と反応力の二つが高いレベルで融合して本当に安定してゴールマウスを守った。ビッグセーブも多かったし、これはチェルスキーのスカウトを褒めてあげたい。
グジョンセン→アイスランドが生み出した最高のFWなんて言われてるけど、本当にオールラウンダー。スキルも高くて、フィジカルも強い、スピードもそこそこあるし、献身的に守備まで参加する。飛び抜けているモノはスキルぐらいだけど、それだってそんなに凄い訳じゃない。でも動きの中で正確にプレーするという意味では本当に芸術品。ある意味ジダンみたいな選手なのかも知れない。あの体躯であのスキル、並じゃないし大事な場面で良く決めた。
ジョー・コール→今までパッとしないというか才能に溺れている選手だと思ったけど、スペースを見つけて活き活きとした感じ。ドリブルワークは一級品だったし、この日はチームの歯車となりながら、様々なポジションに飛びだして、起点となった。イングランド産のアタッカーは沢山いるけど創造力は一番かも。
ケジュマン→何となくモウリーニョが彼を重用しない理由はわかる。そしてこの試合彼は仕事を出来なかった。それは彼の仕事はゴールという純然たる結果を残してこそなのですが、結果は残せなかったモノの(と言うよりチャンスがなかった)素晴らしいチャンスメイクで才能のほとばしりを見せてくれました。これからまた期待したい。こんなもんじゃないと思うので。
ロナウジーニョ→最初はチェルシーのコンパクトな布陣に仕事場を見つけられなかった。でもゲームの中で動き回って相手に狙いを定めさせず段々自分らしさを発揮、あのスーパーゴールはひとつのフェイントで3人ぐらいを固まらせたのはもう魔法としか言いようがない。きっと彼の技巧に対して距離を詰め切りたかったけど、足先でかわされるのも嫌だったしコースを着るという意味もあったから動けなかったというのがカルバーリョの思いかも。そしてコースがなくなる寸前でのトーキック。あかんわ。その後もエトーに合わせたアウトサイドでのミドルパスも凄かったし、後半ビハインドを負ってからは勝利への意欲というのが出て、本当に鬼のようなドリブル突破を見せたりと、才能のほとばしりを見せてくれました。きっとこの敗戦には不満だろうし、本当のクラックなら勝利に導かなければと言う思いもあったのかも知れない。でも存在証明として素晴らしいモノを見せてくれました。

・モダンフットボール頂上決戦。
美しく又機能的な守備の基盤から作られたチェルシー、そしてチームのアイデンティティに基づいた攻撃の権化のような攻撃ありきのバルセロナ、対極にありながら歴史的に一番進んだチームの対決と言うだけに本当に2試合合わせて見所沢山の素晴らしいゲームと見せてくれました。1戦目はカンプ・ノウという舞台を鑑みて現実的な戦い方を取ったモウリーニョ、そして選手達の才能を引き出すことに最大限腐心したライカールト、それが1戦目の戦いに思いっきり表れた試合でした。そして結果としてタイのような結果になった訳ですが、スタンフォード・ブリッジに舞台を移してモウリーニョのサッカーは本質を表しました。25~30mのコンパクトなフィールドを維持しながら、それを誘うように狙うのはインターセプトとショートカウンター。これがバルセロナのストロングポイントを消しながら相手の弱点をえぐる最高の武器となった訳ですが、その分析力(まあこれは見ればわかるけど、そのカウンターも右サイド(ファン・ブロンクホルストの裏)を徹底させたこと、ボールカットの後の裏を狙う姿勢を徹底させた事)とそして選手の実行力がチーム力として昇華した結果なのかなぁとのかなぁと。バルサとしてはあくまでもアイデンティティあってのことで、スターの才能ありきのチームだったのですが、それが何よりも最強の武器であるし、その最強の武器がぶつかり合った結果、こういう結果になったのかなぁと。まあ正直どちらが強かったのかは試合が終わった今でも明確に位置づけるモノはなかった気がします。今回結果としてチェルシーが勝ったけど。
ただジョゼ・モウリーニョには監督の神様(アリゴ・サッキ、ファビオ・カペッロのような)のような存在に近づいたと言うことなのでしょう。チェルシーのサッカーを見ていて、1994年のサッキのアズーリのゾーンプレスを基盤としたサッカーを思い起こさせるようなモダンフットボールの原点が合ったのかなと。引くところは引いて出れるときは出る、そんな柔軟性とインテリジェンスをこのチームに浸透させたことが大きな勝因のひとつなのかも知れないです。バルサの才能溢れるアタッキングとフォアチェックも無力化してしまった3ゴール奪うまでのプレーを見ても、本当に素晴らしいタクトだった。それに対しライカールトは手駒の中で相手を尊重した上で今までの基盤に多少手を加えた(スペースキラー・ジュリの代わりに足元の天才イニエスタ、そしてアルベルティーニとジェラールの選択でのジェラールのチョイス)事が逆に裏目に出てしまったのかなぁと。直前にマルケスの怪我という不運はあったし(それを言ったらエジミウソンやモッタもそうだけど)仕方ない部分もあったけど、ジェラールにこのポジションでの仕事は重荷。カバーも出来ない、狙い所も定まらない、裁きに関しても辛かった。本来ならデコやシャビのいる一列前で迫力ある推進力と得点力が売りのプレーヤーですからね。ここにエジミウソンやマルケスのような選手がいたら3バックで守れるような形を取れるので、カウンターに対してのケアに何か出来たのかも知れませんがたらればは禁物ですし。それにチェルシーは最大のクラック、アリエン・ロッベンを失ってもそれに変わる選手がいてチームでそれをカバーすることが出来たと言うこと。ジョー・コールであり、マテヤ・ケジュマンであり。そしてチーム全体で彼のやっていた仕事を見事にコピーした。残酷な様ですが、こういう小さな差が結果として出たのかなぁと。

・なぜ美しいバルサは敗れたか。
まあチェルシーが強かったと言うことだけでは済むことなのかも知れないけど、やはりこのチームには不安要素がありすぎたこと。それが全てかなぁと。選手層、柔軟性、インテリジェンス、確かにワンメイクでは一番強いだろうし、エンターテイメントという意味では最高のチームだけど、サッカーはそれだけでは勝ち続けることはできないと言うこと。これがサッカーの難しい部分なのかも知れないけど、チームを抑制することと言うのが出来ていたらバルサは勝てたかも知れない。きっとそんなのバルサじゃないと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、それが現実なのかなぁと。前の試合でも明らかにチェルシーの狙いは見えていた。強烈にプレッシャーを掛けてミスを誘発し、そのボールを素早く空いているサイドのスペースに出して2バック状態のバルサを急襲する。この試合、もしサイドバックが自重していたら、リスクを削るような試合が出来ていたらとは思わなくはないです。アーセナルと同じだけど、それが出来たらきっと一番上に行く気がする。
クライフの言葉にもあるようにそれを遂行したのかも知れない。バルサはしぶとく泥臭く勝つことを選択出来なかった、そして美しく散った。それが全てなのかも知れませんね。

チェルシーに凱歌が上がったけど、バルサが相手だったからこその素晴らしいゲームになりました。今更ながらここでは見たくなかったというか、これからこのゲームを超えるようなゲームは早々出てこないだろうと言うことを考えると早すぎるクライマックスのような感じがしなくもないです。もちろんこれからこのゲームを超えるようなゲームがあることを期待したいですね。バルサはただこれでひとつ伝説を残した事になるけどチェルシーにとってはやはり先があると言うこと。これで優勝したら文句ないスーパーチームになると思うし。とにかくチェルシーはメインキャストにのし上がったことは間違いないでしょう。

と言うことで凄い長くなってしまったので、他の試合は結果のみで勘弁してくださいませ。
Mar 9/Juventus 2EX0(Total 2-1) Real Madrid@Stadio Delle Alpe
Juventus:75'Trezeguet 116'(Ex26')Zalayeta

Mar 9/Arsenal 1-0(Total 2-3) Bayern Muchen@Highbury
Arsenal:66'Henry

Mar 8/AC Milan 1-0(Total2-0) Manchester United@Stadio GioseppeMeazza
Milan:61'Crespo

Mar 9/Leverkusen 1-3(Total2-6) Liverpool@BayArena
Leverkusen:88'Krzynowek Liverpool:28'&32'LuisGarcia 67'Baros

Mar 9/AS Monaco 0-2(Total1-5) PSV@Stad LouisⅡ
PSV:26'Vennegoor 69'Beasly

Mar 8/Olympique Lyon 7-2(Total10-2) Werder Bremen@Stad du Gerland
Lyon:8'&55'&64'Wiltord 17'&30'Essien 60'Malouda 80'pBerthod Bremen:32'Micoud 57'pIsmael

と言うことでまあミランーユナイテッドとユーヴェーレアルぐらいしか見れていないので何とも言えなかった状態でもあったのですが、やっぱりこんなゲーム見せられたらこれに焦点合わせるしかないって感じでした。とにかくこれからスペクタクルなチームがリヨンぐらいになって(リバポも?)ますますリアリズムに対する風当たりが強くなりそうですが、これもまた勝負ですからね。とにかくこれからどうなるのか、インテルーポルト戦も残ってるし、ドローは今度は決勝までのヤマも出来るし、これからですね。とにかく長くてすいませんと言うことで今日はここまでです。

追記:)はてなに簡単なレビューを書きました。よろしかったらどうぞ→僕の読書記録「UCL Round of 16 2ndLeg Review」

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