« 2005J.League 傾向と対策 -レッズ- | Main | 2005J.League 傾向と対策 -総括- »

March 02, 2005

2005J.League 傾向と対策 -アントラーズ-

1ヶ月に渡ってやってきたこの企画もこれが最後となりました、一番東と言うことで(曖昧だけど)鹿島です。年々常勝時のメンバーが減っていき、新しい鹿島に生まれ変わろうという姿勢は見えるモノの、周囲からは結果も求められるだけに大幅な改革には手を打てない今、今シーズンは大黒柱でありチームを支え続けた中田浩二を海外に旅出せた訳ですが、その中で今年鹿島があの憎たらしいほど強かった時代のように再び復活することは可能なのでしょうか。それではラストって事で変わったことは出来ませんが。

・移籍動向
【IN】
移籍加入:アレックス・ミネイロ(←アトレチコ・パラナエンセ/ブラジル)阿部敏之(←アルビ)アリ(バイーア/ブラジル)
新人獲得: 中後雅喜(←駒澤大)田代有三(←福岡大)興梠慎三(←鵬翔高)山本拓弥、吉沢佑哉、後藤圭太(←共に鹿島Y)
【OUT】
中田浩二(→マルセイユ/フランス)池内友彦(→コンサ)大谷昌司(→アルビ)田中康平(→モンテディオ)バロン(→ベガルタ)根本裕一(→トリニータ/R延長)ファビオ・ジュニオール(未確定)

と言うことで中田浩二の変わりに即戦力という意味では、新人で大学チャンピオン駒沢のボランチ中後と黄金時代を知る阿部をリストの中から獲得と言うことで、その穴を埋めて余りあるというのは考えにくい部分があります。そして懸念されていた得点力不足を補うために、今年こその期待の中アレックス・ミネイロという選手を引っ張ってきました。基本的にこのポジションは毎年毎年変わっている気がするので、そんなに驚く訳でもないのですが、なかなか当たりが出ないのも珍しいなぁと。ただ即戦力名高い去年は強化指定をアビスパで受けていた田代も獲得と相変わらず抜け目ない動きとなっています。
毎年毎年ハード面の有利からか才能ある新人選手が磁石に吸い寄せられるように鹿島に入団しますが、今年の目玉は高校最高のアタッカーと呼び声高い興梠を獲得、それに全日本ユースで結果を出したユースから3人の昇格と、相変わらず種を集める力に翳りはありません。
放出の方はやっぱり中田浩二から切り離す訳にはいかない状態です。意地なのか移籍金なしで移籍させることになったのですが、彼の大きな存在感を失ったというのはやはり戦力ダウンと見ざるを得ないのかなぁと。彼はチームを支える仕事を一手に担っていただけに、その仕事量を変わりに入ってくる選手が出来るかというと確かに非常に難しいかも知れません。ただ鹿島というチーム自体が環境や成績という部分で大きく停滞していることを考えたら、これを刺激として再びチームを前に進めていく力とすべきタイミングなのかも知れませんね。

・傾向

2005 Antlers Member
4-4-2           4-4-2
  鈴木 ミネイロ       鈴木 ミネイロ
 本山     小笠原    本山   野沢
  青木 フェルナンド       小笠原
新井場      内田  新井場 中後    内田
  岩政  大岩        岩政  大岩
    曽ヶ端           曽ヶ端
FW:田代有三、中島裕希、
MF:本田泰人、増田誓志、興梠慎三、阿部敏之、吉沢佑哉、山本拓弥、アリ
DF:名良橋晃、金古聖司、羽田憲司、石川竜也、後藤圭太
GK:小沢英明、首藤慎一、杉山哲

鹿島がどうして低迷(こう言って良いのかわからないですが)しているのかと言われたら、きっと大多数が「得点力・決定力不足」というのかも知れませんね。去年も小笠原がチーム得点王でFWは鈴木も深井もファビオ・ジュニオールもほとんど結果を残すことが出来なかった。だからこそ今年はアレックス・ミネイロが当たればと言う気持ちもわからなくはないです。でも個人的には単純にそれだけなのかと思う部分があります。てゆうかFWがゴールを重ねれば、優勝争いに鹿島が戻れるかと言ったら多分無理だと思います。現状の鹿島のストロングポイントって何だと聞かれたら、正直答えに窮してしまう部分があります。確かに能力のある選手が堅実にゲームを運ぶ印象はあるし、かすかに残る勝者のメンタリティや経験値というから考えればそんなに弱いチームではないですが、明確な武器、またはそのチームのポテンシャルを活かすようなチームではないというのが現状なのかも知れません。トニーニョ・セレーゾ監督ももうかなりの長期政権ですが、新シーズンに入るに2004シーズンの体たらくから契約更新せず新監督就任の話も出ていたようですが、今まで積み上げてきたと言う部分を重視し留任となったようです。まあこれが良いか悪いかわかりませんが、鹿島には今の「古豪」としてモノを引きずるより新しい血が入った方が良かったのかも知れません。ただここに来て中田浩二の移籍で半ば強制的に血の入れ替えが行われることになった訳で、今度こそ鹿島のスタイルというのを明確にすべき時なのかも知れません。個人的に鹿島が強かったときのサッカーへの回帰というのもありなのかなぁと。それは前線からの連動した水も漏らさぬプレス、そしてそこから優秀なゲームメーカーを経由してのショートカウンター。堅く、また面白いモノではなかったですが、ものすごい力強く、そして憎らしいほど強かった時の徹底したサッカーに戻ってみるというのも良いのかなぁと。奇しくもその全盛期を支えた熊谷・中田という優秀で働き者のボランチはチームにはいなくなってしまいましたが、チームとしてはその規律や役割というのをもう一度整理してはっきりさせると言うことが必要なのかなぁと。鹿島の近年のレギュラーの推移としてアウグストやフェルナンド、新井場と言った今までは堅さを担うポジションに攻撃的な選手を配してきた訳ですが、どうしてもカバーに対して気が行くことでチームのバランスが崩れると言うこともままあったと思います。まあ彼らなりの良さもあるので、はずせとは言いませんが彼らにもチームの歯車として役割をもっとシビアに与えていくことで守備ブロックをきっちりと構築し、奪ったら小笠原へ、小笠原のパスから本山、鈴木、ミネイロがゴールを急襲すると言う形がきっちりと作れればこれほど怖いチームもないのかなぁと。チームとしては逆の方向を向いているので、おそらくこういう風にする可能性は少ないでしょうが、小笠原のインタビューにもあったとおり「何となくサッカーをして勝ったり負けたりしてしまっている」という通り、チームに目的意識(プレーにおける部分ね、優勝とかじゃなくて)が希薄になり、「何となく」「曖昧に」ゲームを進めているのがあるからこそ、チームとしての武器も出来てこないし、チームの成績も安定しなかったのかなぁと思いました。そういう武器さえ出来れば、目的遂行能力はおそらく高いと思うし、どのチームにも負けない選手のポテンシャルはあると思う。その辺を監督や選手がどのように考えるのかというのが必要なのかなぁと。今の鹿島は監督や選手が違う方向を向いていると思うので。
で中田浩二の穴なんですが、おそらくは一応青木が埋めることになるとは思いますが、小笠原を後ろに下げて、若手でポテンシャルの高い野沢や増田と言った選手に期待するのかもと言う話も出ています。ただ中田浩二は先ほども言ったとおりチームを支えるカバーやフォローと言った地味な仕事を確実にこなしながら、自分の特性を出していた訳でその仕事がなくなれば又鹿島に大きな安定の柱というモノがなくなるのかなぁと。小笠原が一列下がることによってパスの出方はパターンも増えるでしょうし、パスターゲットが増えるという意味でも攻撃的には活性化する可能性もありますが、その分リスクをこのチームが負えるかというと正直どうなんだろうという疑問もあります。ただ中田の移籍がもたらしたポジティブなモノは近年になく競争意識が高まる刺激をもたらしたと言うことでしょう。今までの鹿島はビスマルク・小笠原、小笠原・本山などほとんどセットになってレギュラーがはまっていった感覚がある。ただ今のレギュラーである小笠原と本山は若い頃からと言うこともあって後ろの選手がなかなか一本立ち出来ないと言う弊害も生まれました。そういう意味ではこのチャンスに目の色が変わっているのかなぁと。特に野沢は去年のスクランブルでのトップでの出場では鹿島にないアクセントを付けていたし、増田もルーキーながらインパクトを残した。小笠原の動向次第ですが、ボランチの青木や中後も含めて非常にチーム内は活性化するのではないでしょうか。現状で一番得点の確率が高いのは小笠原のプレースキックからの展開が大きいだけに、これから出てくる選手がそれを増やせるようになれば何かチームに変化は起きてくるのではないでしょうか。とにかく今の停滞した流れを打破する何かがこのチームには必要なのではないでしょうか。

・対策
まあなんだかんだ言って小笠原満男のチームに間違いないのかなぁと。ここをつぶすかやられるかで試合の趨勢は決まってくると思います。チームに波があるのも小笠原の出来如何に掛かってくるので、ここをいかに正常に機能させないかというのがポイントになるのかなぁと。本山も様々なポイントに顔を出しながら、仕掛けてくると思いますが、彼は出てきたときにその都度、つぶせばいいし、消える時間も長いのでそんなに怖くない。やはり小笠原なのかなぁと。特にセットはストロングヘッダーを得て、キックもますます鋭さを増しているだけに、ものすごい注意が必要でしょうね。攻撃に関しては間に対して野対応に脆さが見えるし、スピードにも不安は残る。大岩が大忙しなのでその辺を突いていければゴールは取れるのかなぁと。

個人的にはやはりヒールである鹿島が強くないとJはつまんないなぁと思ったりもします。無様な姿は見たくないし。ただ今年は確かに難しいシーズンになることは透けて見えるだけに、そこを若手選手であり、今まで余計に給料をもらってきた選手達が奮起することで再生させて欲しい物です。あの鹿島が観客数をここ数年目減りさせていることも考えたら、やはりこれから新しい自分たちのビジョンという物をしっかりと設定し、又その方向に歩む事を再びしていかないと、この闇は切り開けない気がしないでもないです。間違いなく今は過渡期にあるし、チームとして得点力不足・決定力不足にチーム不振の理由を押しつけること自体どうかと思う訳ですが、まあその辺も含めてチーム全体がもう一度自分たちを見つめ直す事が必要なのかも知れませんね。

*と言うことで鹿島側からの御指南・ご指摘・反論・感想などなどコメント欄やトラックバックにしてお待ちしています。もちろんそれ以外の方々からもお待ちしています。いやー、終わったなぁ。とりあえずまとめないと締まらないので、明日はそんな感じでやろうかなぁと。やらないかも知れないですが(笑)このシリーズには結構反応をいただいてやって良かったなぁと思ったりもしたので、とりあえず疲れたけどやって良かったなぁと。と言うことでご愛顧ありがとうございました。もう少しなので、おつきあい下さいませ。と言うことで今日はここまでです。

|

« 2005J.League 傾向と対策 -レッズ- | Main | 2005J.League 傾向と対策 -総括- »

Comments

鹿も失点は少ないのですが、仰る様に得点力が・・。しかし今季は失点も増えそうな予感。それほど浩二の穴は大きいのでは、と。
しばらくハズれ続きのブラジル人FWですが、今回はどうでしょうか。アレックス(ミネイロ)には注目ですね。
それと、昔(全盛時)は、サイドからの攻撃が他チームとは段違いだったような。
田代は、昨年はサガン鳥栖、その前は大分トリニータの強化指定選手ですね。

Posted by: そーた | March 04, 2005 at 05:19 PM

失礼しました、田代君の件完全に思い違いでした(苦笑)つっこみ感謝です。

「風の子」エウレルみたいなあだ名ついてますね、「稲妻の子」ミネイロ。まだ未見なので何とも言えませんが、今年の鹿島は本当に難しいシーズンになりそうで。

全盛期はきっとマリノスがぼこぼこにやられた2000年シーズンの面影が強すぎるので、勘弁してやってください(苦笑)思い出すだけで・・・。何となく前戦からの献身的なフォアチェックをスタートに、熊谷の運動量と中田浩二の的確なポジショニングに絡め取られて空いたスペースをビスマルクや小笠原を経由してサイドや真ん中を突かれるシーンが非常に焼き付いています。攻守を含めての連動性という意味では一番モダンなチームだったのかも知れませんね(認めたくないけど 苦笑)

CSでの鈴木隆行の豪快な突破からのゴールを思い出すと自分は泣きたくなりますよ(苦笑)そんな強い鹿島が戻ってきたらますますJは面白くなりそうなので書きました。まああんまりそうなってもらっても困るんですが(苦笑)

長くなってすいません。又よろしくお願いします。

Posted by: いた | March 04, 2005 at 10:40 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/77106/3148147

Listed below are links to weblogs that reference 2005J.League 傾向と対策 -アントラーズ-:

« 2005J.League 傾向と対策 -レッズ- | Main | 2005J.League 傾向と対策 -総括- »