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January 04, 2005

月と太陽 -2人の天才の2004-

1999 月は輝き、太陽は怪我に沈んだ。
2000.8 太陽は復活に手応えを感じながらもその権利を得る事は出来ず、月は又輝いた。
2001.6 太陽はついに表舞台に帰り、月は思わぬ病気と不調の波にのまれた。
2002.6 一番の大舞台に太陽は病気に苦しみながらも鈍く輝き、月は大きな絶望に陥った。
2003 太陽と月は並び立つ機会を得たものの両方とも輝くには至らず・・・・。
2004 二つの大きな光は並び立って輝く時が訪れた。

きっと勘のいい人にはわかるかも知れません。小野伸二と中村俊輔。日本という国が生み出した二つの大きな才能です。でも見たとおり青いシャツを纏うときに二人が共に輝くシーンは限りなく少なく、ほぼなかったといっても良い。それは監督のチョイスによるモノでもあり、もちろん怪我や周辺環境によるモノでもあるのですが、希有な二つの才能が両方まばゆい光を発する事を許されてこなかった。しかしようやく去年、二つの才能が重なり合って輝く事を見る事が出来た事は本当に自分にとって嬉しい事でした。この先、またすれ違う事になるかも知れないし、去年をきっかけに重なり合ってより強い光を発する事になるのかはまだわかりませんが、この二つの才能は今現在日本にとって欠かせないモノになっているだけにそのことを望んでやまないわけです。そんな二人の2004年を振り返りながらその可能性を探ってみたいと思います。わかると思いますが、太陽はシンジ、月は俊輔です。イメージ的にもあっているでしょ?

現在のモダンフットボールを考えるにあたって、二人のボールプレーヤーが同じチームで居場所を得る事は思いの外難しいのかも知れません。それは守備意識であったり、ボール奪取能力であったり、運動量であったり、沢山の規制が彼らの共存を否と考える人が多かったです。ましてや本職としての攻撃的ミッドフィールダーとしてポジションがかぶっている事もあって二人のうちどちらかを選択せざるを得ない状況が続いてきたのも事実です。二人が揃ったときがあっても結局別の場所で輝く事が多く、重なり合う事が少なく二人が照らし合って輝く事はなかった。でもようやくその時が訪れたのは、2004年を待たなければなりませんでした。

2004年初頭、二人の状況は違うようで同じだったかも知れません。シンジは怪我に苦しみ、2月のWC一次予選初戦、オマーン戦への出場は絶望的と言って過言ではなかった。俊輔は出場不能に陥る事はなかったモノの腰と足首の怪我は慢性化し、トップコンディションにはほど遠く所属チームでもポジションを得れずにコンスタントにプレータイムを得れる状態ではないと良いパフォーマンスを示せる状態ではなかった。そしてホームでの開幕戦はチームの熟成不足とメソッドの不徹底もあって、結果こそ何とか繋がったモノの日本のポテンシャルからは想像しがたい低パフォーマンスで不安を増幅させる事になってしまいました。シンガポール戦、ようやく今年初めて並び立つ機会を得るモノの二人ともシンガポールの気温と湿気に苦しみ、チームの状況も底とも言うべき苦しみの中で状況を打開するには至らず、俊輔に至ってはチームの渦の中にさえは入れない・・・・。シンジも久々の合流で影響力を発揮する事は出来ず、嫌が追うにも危機感は高まっていった・・・・・。

ここまでを振り返ると2003年のパッとしない状況を引きずるように時差によるコンディション不良を打開する事も出来ず、またコミュニケーションも向上せずヒデ・稲本を含めた中盤は全くと言っていいほど連動性も機能性も感じられない低調な出来で二人とも持ち味をほとんど発揮する事は出来ませんでした。チームではある程度基盤の出来ているシンジはそれなりに存在感を示していましたが、俊輔は降格争いのまっただ中でチームが現実路線を取る中、同じ役割を担うチームの象徴でもあったコッツァの後塵を拝してベンチを暖める機会が非常に多かった事を考えれば、代表でも良いパフォーマンスを望むべくもなかったのかも知れません。しかし4月に入りようやく復調への兆しが見え始める。システムが変わった事と長い帯同時間がチームの熟成をもたらされた事で東欧遠征では多少向上が見え、この二人にスポットを当てて考えてみると中盤でのスペースにおける二人の共通認識が高まった事がチームに置いても大きな攻撃パターンとして構築され、そして成績としても欧州トップクラスのチェコに非常に苦しまされるモノの勝利をもぎ取ったりと少しずつ前進し始める事が出来ました。そしてその流れは一ヶ月後のイングランド遠征でも続いて、俊輔が外に流れてバイタルエリアのスペースを空けるとシンジがそのスペースに入って仕事をすると言ったような形がうまくできてきて、その形はEUROを見据えての練習相手として戦ったイングランドをとても綺麗な形で崩し、このスペースメイクがうまくはまったという形を見せ、インド戦でもそれなりにきっちりと結果を出して、段々この二人を考えると熟成が進んできたのかなぁと思わされました。

ここで二人が進む道は分かれることになりました。シンジは唯一経験していなかった五輪を若い選手と共にアテネで経験し、俊輔はアジアカップでタイトル防衛のために灼熱の中国で苦行とも言えるべき戦いに挑み、経験を蓄えていきました。懸念されたヨーロッパシーズン前の強度の負担による疲労と新シーズンに向けての準備時間の短縮が気になる所でしたが、二人ともそれなりにクラブでも中核のポジションを確保できた事は非常に安心出来るものでした。俊輔はアジアカップでの自信が彼の何かを変えたのか、課題でもあったボールをないところでのアクション、献身的な守備アクションなどが飛躍的に向上し、チームでもレッジーナに移籍してから初めてともいって良いここまでの揺るぎないポジションと長いプレータイムを得た事も彼にとっては非常に良かった事かも知れません。シンジも逆に彼がいないときに彼の大きさを非常に感じる事が多かった。彼がいないとフェイエノールトは個人能力に大きく傾倒する攻撃しか出来ず、ボールがなかなか回らないという状態は彼のチーム内での存在感を示すモノでした。しかし怪我がまた彼を襲い、出たり出れなかったりというまだまだコンディションが安定しない苦しいシーズンとなっていました。

しかしそんな中でも決戦の時は迫っていました。日本代表としては勝ち点をロスしていないという状況でも、オマーンも初戦の後インド・シンガポールをきっちりと倒していたことで、アウェイでの一戦で2点差で敗れれば2次予選の進出が絶望となる状況になっていました。しかしそんな中でチームとして積み上げてきた経験値はこのようなプレッシャーの掛かる試合でも落ち着いて試合に臨んでいった事でオマーンの攻撃を受け流しながらも、反撃のチャンスを待ち、そして後半クイックスタートで去年では考えられなかったシンジと俊輔の完璧なる意思疎通から非常に重要なゴールを生み出しました。小さな手のサインを見逃さず速いリスタートで走り出していた俊輔にきっちりとパスを合わせてその流れから俊輔のフェイクからのセンタリングを鈴木隆行が決め、このゴールが最終予選を決めるゴールとなりました。2004年はこの試合で二人とも日本代表の試合は終わり、来年に備える事になりました。

考えてみたらこのゴールは彼らの関係が非常に円滑になった証明だったのかも知れません。去年までチーム状態も悪かったですが、俊輔はチームのボールの流れに乗れず、ボールを持ってもチームの流れを生み出せず停滞の原因ともなってしまう感じで、どうしてもチームの歯車となる事は出来ていなかったし、シンジにしても俊輔との関係性で見ると二人の良いコンビネーションというモノを作り出す事は出来ていなかった。そう考えると今年はこの二人の天才の本格的な融合元年だったのかも知れません(シドニーの1次予選で少しあったぐらいだし)確かにチームとして満足出来る内容とは言い切れないモノのこの二人が生み出したゴールは非常に多かったし、二人が代表における攻撃の核として確立された一年だったのかなぁと思います。そして二人が融合する事によって攻撃に幅が出来たり、創造的なパスの出所が複数になったりと非常に可能性を感じる事が出来ました。正直去年まではこの二人が同じピッチに立って機能していく事は難しいのかなぁと思っていましたが、攻撃に置いてはもっと可能性は広がるのではないかと感じさせるモノだったかなぁと思いました。2005年はWCに出場するためには本当に大事な年になる。北朝鮮戦シンジはおそらく出れないだろうし、3月のアウェイのイラン戦、ホームのバーレーン戦の所まで出場出来るかどうかは微妙な所かも知れない。でもまた二人が揃ってピッチに立って柔軟にボールを操りながら日本の攻撃をリードして、ドイツに導いてくれるんじゃないかと今は思っています。代表チームが組織的でなかったり、非常不安を覚える状態なのは事実だけど、こんな時こそ日本にとって希有な才能が何かをもたらす時は今年なのかもと思っています。そんな二人を今年も応援しながら見守っていけることが本当に楽しみです。

と言う事で今年のキーマン二人を取り上げながら一本書いてみたいなぁと思っていたんで、ちょっとばかしやってみました。ただこれは正直2002年から思ってた事でもあります。まあその時から考えたら二人がピッチに立つ事を素直に受け入れているのも不思議だったりします。でもジーコが就任して良かったなぁと思ったのはこの二人が共にピッチに立ってその可能性を見せてくれたかも。まあ他はノーコメントですけど。とにかく日本の大きな二つの才能が日本をドイツに導いてくれる部分が見せてくれる事を願ってやみません。と言う事で今日はこの辺で。

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Comments

一次予選
俊輔が怪我をして出られなかったらと
思うと正直ゾッとしますね
オマーン マチャラに
しとめられてた可能性も
あったわけで

太陽と月のたとえは正直
よく思いついたものだと
地球はナカタですか

しかし久保 ナカタ
はじめ キーマンに
けが人がぞくしゆつ
してる現状では
パッチワークで勝ち点をうまく稼いでいかないと
そうそう理想的なメンバー
試合運びもできないでしょうし

総力戦 名波 中山
奥 相馬 田中隼 中西
平本 ダブル小林
二川 ツーリオ
など今まで代表に
呼ばれにくかった連中も
活用していかないと
いつ誰が怪我するかわからないし

日本の倶楽部も保有人数
増やしてターンオーバー
できる陣容を考えていかないと
貴重な才能が
使いつぶされて
一瞬の輝きで終わって
しまうのは
あまりにも悲しい

正直言ってこれだけすごい
日本人のフットボールの選手が
これだけ生まれるとは
想像もできなかった
この世代の代表が2006
本大会に参加できないことは
犯罪に近いと思う

何が何でもドイツに出場して
クラマーさんに
リフチング教わったとこから始まった
日本のサッカーが
世界のトップのサッカーが
できるようになった所を
世界中に見せてやって欲しい
21世紀のサッカーの可能性を
広げる
一翼を担えることを
示して欲しい

今年の戦いは日本のためでなく
サッカーの未来のために
勝たねばならない戦いだと思う

日本のすべてのサッカー選手の
戦いが
これから始まるのだと思う

Posted by: 和製フリット | January 05, 2005 at 01:08 AM

お褒めいただきありがとうございます。前々からこのまばゆい才能を持っている二人が重なり合うことなく、どちらかと言えば対局の位置にいるような気がしたので、太陽と月を当てはめただけの思いつきなんですが(苦笑)

確かに和製フリットさんだけではなく、他のサッカーブログさんを巡回させてもらっていますと、ジーコの1チームを熟成させるために、バックアップの人材をすり合わせる事が出来ないというのは確かにあると思います。事実としてゲーム数や帯同時間などを考えると、ジーコの腕で誰が出ても平気なような近代的なチームを作るのはほぼ無理と行っても良いのかなぁと思ってます。それは何よりも彼のチーム作りの骨幹はあくまでもゲームを重ねて11人がコミュニケーションを重ねて積み上げていくモノだからです。普通なら練習でチームを構築していくモノだと思いますが、現状は国内組の試合を見たら明白なようにああいう情けない試合しかできないわけですし。ただその前にジーコがその気がなかったというか、22〜27人ぐらいのコミュニティを書こう意識が強くて、新しい選手を入れるという意識が希薄なのも付け加えなければなりませんが。

ただ現状を考えるともう来月に迫る本番を前に今からバックアップの層を厚くすると言うのは無理でしょうね。今回の事前合宿とテストマッチに阿部を招集しましたが、後はもう運に任せるしかないのかも知れませんね。試合を重ねなければ熟成されないわけですし、正直もう遅いのかなぁと。神様にこれ以上の怪我人が出ない事を祈るばかりです。

確かに素晴らしい選手がいて、この緩いレギュレーション、そして相手のレベルを考えたら必ず行かなければならないというのはその通りだと思いますし、僕はアジアカップであれだけ苦しい日程・状態でも3勝3分けで乗り切った事を考えたら負ける方が難しいのかなぁと思っています。ただサッカーですし、何が起こるかわからないですし、才能量と選手の質が勝負を決めるわけではないのでその辺は日本のメディアやファンはもっと理解しないといけないのかも知れませんね、僕も含めて。フランスがロスタイムでアメリカを逃した事、ポルトガルがGGを要しながらも何年もヨーロッパの壁を突破出来ずに本大会に出れなかった事、そしてオランダが前大会出ていない事、それだけ難しいって事も。まあ脅すつもりもないですし、個人的にはやっぱり楽観的なんですけどね。

クラブシーンを考えると現状から考えれば、アジアに出ないクラブは天皇杯を除いて40〜50ぐらいでしょうから、現状の25〜28ぐらいが良いのかなぁと思います。この保有枠の問題は何よりも逼迫した財政状況なのに無謀な選手保有を禁じるためのルールですし、その辺も考慮しなきゃいけないのかなぁと。逆にユキヒコの移籍もそうですが、抱えれば抱えるほどチームマネジメントも難しいわけでその辺はなかなか難しいのかも知れません。コンディションも難しいですし、サテライトの試合も少ないですからね。モウリーニョが言うにはプレミアシップの過激日程でも24ぐらいで良いといってますしね(まあまだ半分なので何とも言えませんが)プレミアのトップクラブは今年間60〜70試合ですし、後は駒の使い方にもよるのかも知れませんね。

とにかくまず勝つ事、ここからはきれい事を言う余裕はさすがにないですしね。本当に突然のアクシデントがない事を祈るばかりですね。今までは強運(悪運)に支えられてきた事もあるわけですし、10月には勝利の女神は微笑んでくれましたが、この先も女神が仲間かどうかはわからないですしね。もう今になったら信じるしかないというのが本音です(笑)

長くなってしまいましたが、またよろしくお願いします。

Posted by: いた | January 06, 2005 at 02:18 AM

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