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November 15, 2004

ヴィオラとレッジョの現在地。

芸術の街、フィレンツェの名門フィオレンティーナとイタリアのどん詰まりの唯一の希望レッジーナ。そしてそのクラブの10番を背負う日本人。そんなクラブの今を多分浅いですが、少し考えてみたいと思います。特にヴィオラに関しては正直継続的に見続けれているわけではないので(僕の好みもありますし)だいぶ浅いところもあると思いますが、その辺はご勘弁を。てゆうか逆に教えてほしいぐらい(笑)

じゃあまずフィオレンティーナから。シーズン始まった当初は移籍してきた選手をすり合わせる時間もなく、なかなかチームとして戦う事が出来ず、能力の高いミッコリ・ヨルゲンセンなどの局面打開能力に頼った展開が続いたようですが、なかなか成績が出ずモンドニコを切り、暫定という形でブーゾを監督職に据えると徐々にコンビネーションが取れてきた能力の高い選手達がチームの機能性を表現出来るようになり、ゲームの内容もだんだん上向いてきて順位もどんどん上位に進出してきました。この2戦で勝ち点1という事で少し順位を落としてしまいましたが、チームはエースと目されていた去年のエースプレーヤー、リガノも戻ってきてまた再浮上を狙うところです。

ブーゾに変わり、リガノの怪我もあってミッコリをトップにしたにヒデとアリアッティを並べたり、ヨルゲンセン・ヒデを並べたりと、まだ布陣は固定されていませんが、一貫して行われるのは高い位置からの強烈なプレッシングで相手に余裕を与えず中盤のスペースを消して高い位置で奪い、ミッコリの機動性を活かすように裏を狙ったり、サイドの選手のランニングを活かす形でサイドを使ったりと、高い位置での押し上げと強烈なプレッシングが軸の守備が基盤となっています。これにはどのクラブもかなり苦しんでいて、ユーヴェも例外ではなく、それなりに回せてはいたものの、網に掛かりミッコリやセカンドストライカーの選手達の飛び出しへの対応に四苦八苦していたのが非常に印象に残っています。そのプレッシングの軸となっていたのがボランチの位置の二人、オボドとマレスカです。二人がコースを限定された相手の中盤に囲い込みながらきつくプレッシャーを掛けてボールを奪うタスクをこなしています。マレスカは多少判断が遅れる事もありますが、パスの精度が高く、サイド・トップとパスを飛ばして攻撃の前段階のボールをさばく役割をして、代わりに身体能力とスタミナに優れるオボドがダイナミックな守備同様、攻撃にも顔を出してどんどん前のアタッカーを追い越してダイナミズムを生み出すなど非常にチーム全体が前に掛かる要素はこの二人の攻撃性が表すものかも知れません。遅攻の場合はどうしても局面打開が期待出来るミッコリ・ヨルゲンセンが中心になり、ヒデはそのサポート、そしてアタッカーとしての部分を担い、チームの攻撃をサポートする選手と言った感じです。どうしても仕上げの部分ではミッコリの頼りがちなため、ミッコリの調子にチームの得点数が左右されるところがあるのですが(現在12点)、チーム全体でのプレッシングが失点10を導き出していると考えたらまあしょうがないのかなぁと。

ただもちろん課題もあります。プレッシングの勢いがチームの出来を左右してします事。あれだけの運動量をチームが最初からがんがん行けば、後半ペースダウンする事もしょうがない部分がありますが、事実インテル・ユーヴェ戦ともう少しの所での失点も、大きな原因となっています。プレスが効いてる間は相手の強力な個を組織で抑えきってリズムを作らせないと言う事が出来ているのですが、後半運動量が減るとプレスが掛からなくなり全体が間延びして前線では起点が作れず、選手間の距離が開いて相手の個に押し込まれてしまう部分がある。まあプレッシングを主に置く戦術はどうしてもそれが課題となるのですが、体力的な問題ですね。ユーヴェ戦、前半はボールを取ってからの早い攻撃で相手にペースを渡す事は少なかったのですが、後半になるとネドベドを中心にボールを回され、カモラネージやザンブロッタに高い位置に進出され、攻撃がなかなか繋がらなくなったのが顕著な例でしょうか。ヒデもその中で中盤で時間を作ろうしていたものの、彼も積極的なプレッシングで体力的にきつくなって運動量も減ってしまうとプレーの精度を欠き、相手に絡め取られてしまうということで本来彼が一番存在感を示すところで存在感を示せないという事でヴィオラ自体が苦しくなってしまうと言うところです。これからはプレッシングを試合全体で考えてペースを調整して90分間バランスよくやっていく事が必要なのかも知れません。もちろんさぼれという事ではないのですが、受けるところはきっちりと受けて、プレスをかけるところではかけてと言う事も必要になるのかも知れません。リガノが戻ってくれば前線に頼もしい起点が出来る訳で、押し込まれても攻撃の第一歩にはなりそうなだけに、全体の運動量を維持すると言う課題が解決されれば、現時点で有力候補と思われていたローマ・ラツィオ・インテル・パルマと強豪がつまずいている間にUEFA圏内ぐらいなら十分狙えるかも知れません。

でレッジーナ。今年はマッツァーリ新体制の元、コッツァとディ・ミケーレという選手がいなくなってしまった中で、ボナッツォーリの1トップにその下に俊輔を配し、中盤の5枚でボールをきっちりと回して厚く攻撃をしようと言うコンセプトの元、シーズンに入りました。しかし、やっているサッカーはどんどん成熟してくるものの、中核選手の存在感がそのままチームの成績に反映される事は変わらず、下位に低迷。特に攻撃面ではボールを保持出来るもののフィニッシャーとしてボナッツォーリに負担が集中してしまい、どうしてもゴールが取れず、後半ペースが落ちるて、集中が途切れるような感じで逆転負けを何度も繰り返してしまう。ようやくユーヴェ戦、運もあって2-1と大きなアップセットを演じるとローマ戦でもホームながら1-0と強豪の足元をさらって、ようやく上昇気流に乗りつつあります。

今年のレッジーナは、一番代表されるのはポゼッションという事になると思います。モザルトを中心にボールを回して、俊輔の味付けからサイドを崩して、バレストリ・メストというアタッカー達が走力を活かして中に、そこをボナまたは飛び出すコルッチ・テデスコが狙うという形を模索しているように思います。ただどうしても攻撃の枚数が足りず、ボナッツォーリが中にいないと中がいないという事もあるくらい薄いのです。また攻撃のおいて運動量を非常に要求されるので、ヴィオラと一緒で後半がくっとペースが落ちる事が多く、逆転負けもヴィオラ以上に多かったです。ここのところ、パバリーニの代わりにゴールマウスに入る事が多くなったソヴィエロのスーパーな活躍とチーム全体の守備意識の高さと集中力で我慢していた事で奇跡のアップセットを演じる要因になった事のかなぁと。もちろんフランチェスキーニ、デ・ローザ、ザンボーニ(カンナルサ)の3バックが身を粉にして守りきってくれてるのも大きいですが。ただ、これがチーム全体の自信となってくれたら、これからの浮上のきっかけになるのかなぁと。

課題は上でも書いたとおり、ポゼッション攻撃における人材不足と機能性。まず一個目はボナッツォーリ、俊輔、モザルトの誰か一人が欠けたらほとんど機能しなくなる事。ボナがいなかったらセンターで張ってポストをしながらフィニッシャーとして働く選手がいなくなる。俊輔が欠ければ一気に攻撃の変化がなくなってボールが回るだけのごり押しになってしまう。モザルトがいなければボール自体の周りにスムーズさが欠けてしまい、前にはいるときにはもう苦しい状態になるなど、何よりもその代わりがいないというのが一つ。これは財政状況もあり、しょうがない部分があります。で二個目はポゼッション攻撃におけるこのチーム自体の問題。上に書いたとおりなのですが、ボナが起点となるためにサイドに流れると中がいない、俊輔がそれをやろうとしたら攻撃自体が繋がらずにいいところまで持ってこれない、このチームのアタッカーにはどうしても局面打開能力が低く、崩したいところで相手に負けてしまう。特に一番頑張ってほしいところではメストであり、バレストリなんですが。ローマ戦のゴールは俊輔の起点のパスからボナとのワンツーでコルッチが抜けて、逆からメストも飛び出してこぼれを拾ってまた折り返し、それで後ろからはモザルトが走り込もうとして相手のDFラインを釣ってボナッツォーリが頭で決めたという美しいゴールが取れましたが、事実それがなかなか出来ないからシーズンで12試合で8点しか取れていない。どこかで無理をしていくか、前を素直に増やすかになるのかも知れません。一番大事なのはボナを開かせずにどうやって崩していくかになると思いますが、コルッチと俊輔がうまくサポートしていく形を維持していけばボナはそこまで開かなくて済むだけに攻撃陣がさぼらずに動き回る事が必要なわけです。でもその理想を突き崩す3個目はその負担がチームに痛い結果をもたらしている事。中盤含め長い距離を走る事が多いし、動き回らないと崩せないと言う事も考えるとまた体力的には苦しい事になってくる。メッシーナ戦などはそのいいサンプル。前半はポゼッションを握っていい形で攻めれていたけど、後半に入りペースが落ちると相手に押し込まれてしまうし、サイドは負担も大きいのでヤナギにちんちんにされる始末。ああいう試合が序盤から多いだけに、どこかで何かを変える必要があるのかも知れませんね。まあ何を変えればその課題がなくなるのかはわからないですが(苦笑)正直ディ・ミケーレみたいな選手がいたらある程度打開能力も運動量もあるし速いから、シュートはあんまり枠に飛ばなくて多少エゴイスティックな部分が強いとしてもはまりそうな気がするんですけどね・・・・ガンチもボッリエッロもレッジーナにとってはあんまりはまらない選手なんですよ。

そしてその中で二人の日本人はどうするべきかはもうわかっているしょう。結果が必要です。同じ様な特徴を持つクラブで足りないのは純然たる結果なのです。ゴールが足りない。俊輔はもちろん攻撃の味付けには貢献しているし守備的なタスクも特異でないながらこなしてオフザボールの向上している、ヒデは怪我も癒えてコンディションも上がってきて周りとのコンビネーションも上がってきた、でもチームに必要なのはゴールであり、それが二人ともまだないのは寂しい。もし結果が出なければ自分を追いつめる原因になり得る事もある。俊輔が出せなければ信頼してくれているマッツァーリの首が飛ぶし、ヒデならリガノが復帰して誰か一人が押し出されるだけにすぐにでもスタメンの座はなくなる。まあ二人とも経験を積んでるだけに危機感を高めているでしょうが。

両チームとも内容的には非常によくなってきているだけに、その状態後は結果です。勢いにさえ乗れれば十分求めるだけの結果は導き出せるかなぁと。ただ、機能しなくなったときは一気にチームはカオスに陥っていく可能性もある。その二つの道の前に両チームともいると思います。これからのまだやっと3分の1に達するか達しないかと言う部分でのスタートとしては悪いものではないだけにこれからどうなるかまた見ていきたいと思います。冬に向けてどんどん勢力図は変わっていくだけに、ここから勝負!と言う事で今度こそ今日はここまでです。

メッシーナは?と思われる方もいるでしょう。やりませんよ?ヴィオラ以上に見てないですから。だってさ、控えじゃん?ヤナギ。レッジーナのライバルだし。でも今一番上なんだよねぇ・・・・・。5位かぁ・・・・。でもヤナギ頑張れ、早く初ゴール!そしてスタメン勝ち取って。

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