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November 03, 2004

がむしゃらな初戴冠@ナビスコカップ Final レッズvsFC東京

本当にいい試合になりました。スコアレスでのPKでの勝敗となりましたが、見るものを引きつけ、そして心を揺るがせる両チームの勝利への強い気持ちの詰まった名勝負となったのではないでしょうか。それではレビュ。

スタメン
レッズ:GK山岸、DFネネ、トゥーリオ、アルパイ、MF鈴木啓太、長谷部、山田、アレックス、FW永井、田中、エメルソン
FC東京:GK土肥、DF加地、茂庭、ジャーン、金沢、MF今野、三浦文丈、石川、ケリー、戸田、FWルーカス

序盤は厳しいプレッシングと集中したジャーンを中心にしたDFで勢いを持ったFC東京はナオのスピードでネネを振り回し、神出鬼没の戸田の動きがレッズのとまどわせる事で崩しきるには至らないものの、リズムを引き寄せる。レッズはそれでもカットからの早いくさび、そこからの局面打開で相手にプレッシャーを与える。両チームとも前への意識の高さを見せる中で15分ぐらいまでその意識がぶつかりあうアグレッシブな展開でした。その後はゲームも落ち着き、両チーム速攻を狙いながらもポゼッションで展開して穴を狙う展開に推移していく。そんな中、何度かレッズのアタッカー達の局面打開がマークのずれを生み後手に回った事でイエローが出てしまう。それを最後の部分でカバーしたジャーンが永井・エメルソンと二回引っかけてしまい、2枚のイエローで退場(個人的にはこれは辛い気もするけど、ただ抜かれたらGKと1vs1で得点チャンスという事を考えるとまあ妥当かなぁ?)ここから一気にゲームが動き出した感がありました。こうなるとFC東京は精力的に走ってチームを支えていた文丈から藤山にスイッチ。しかし茂庭・藤山を中心にしたDF陣は、前への意識は衰えずに、エメルソン・田中に入ったら前を向かさない素晴らしいインテリジェンス溢れるDFで何とかしのぎきり、前半は0で抑えきる。ただ、退場の悪影響はどちらかと言えば攻撃に出てしまう。ビルドアップが非常に苦しくなり、ケリー・ルーカスと言った前の選手になかなかボールが入らなくなり、攻撃が単発なものにしかならなくなってしまった。ただそれでも戸田の動きは衰えず、守備に奮闘したかと思ったら最前線でスペースへ走り込みマイボールにして攻撃につなげるなど、どうしても劣勢の状態で守備陣に息を入れてあげる存在として非常に輝いていて、またレッズのサイドを押し下げる事をして非常に貢献度が高かった。と言う事で前半は0-0。


後半は積極的な姿勢がうまく攻撃に繋がり、両チームとも決定機を生み出す。レッズは加地の軽率な低い位置でのボールキープのミスからボールを絡め取ると、カウンターを出して前掛かりになっていたラインの裏をエメルソンのスピードで取り、決定的なチャンスを迎える。しかしこれが枠外に飛んで、何とか逃れると戸田がスペースでうまくボールを追いつくと、一人をいなして中にグラウンダーで流し込むと大外に走り込んできたナオががら空きのゴールに流し込むがここで山岸が何とか戻ってスーパーセーブ。その後のCKではまたもや大外でフリーとなり、茂庭が合わせるもののこれはライン上で田中がカバー。この後両チームとも抜き合い差し合いの状態になるが、数的優位もありどうしてもポゼッションの上でレッズが優位に立つと、前だけではなく、長谷部が前に出て攻撃を構築し、鈴木啓太がゴール前まで上がるなど、様々な趣向を凝らすもののなかなかゴールが破れない。それもそのはず、危険なシーンでも絶対にウオッチせずに最後までつききり、打たれたとしても体を預け、苦しくても相手に楽に打たせない事でプレッシャーをかけ続けた事が非常に大きかった。一番のピンチはCKからアルパイがびったり合わせて決ったと思ったところで戸田がゴールライン上で飛びついてクリアしたりと集中が非常に高く、ワンプレーも精神的に切れたようなプレーが見られなかった素晴らしい出来でした。しかし、さすがに運動量も減ってきて攻撃にはなかなかでれなくなり、何とか攻撃をつなげていた戸田・ケリーがいなくなると、変わった梶山・馬場はレッズの勢いに位置を下げられてルーカスが孤立し、攻撃にでれなくなりじり貧状態になってしまう。攻撃を受け続ける事になってしまった状態で息つく暇もなくなってしまっても、集中を切れることなく我慢し続けて、ついに90分間通じてゴールを許す事はなかった。

延長に入ってもほとんど攻撃にでれずに劣勢に立たされる続けるFC東京ですが、集中力を保ち続け、土肥も決定機を何度となくビッグセーブをしてしのぎきる。レッズの運のなさやシュート精度の低下にも助けられ、間延びした状態で一番レッズの力が発揮されやすい状態になってもしのぎきっていた。

後半に入り、レッズも後ろからトゥーリオが入ってきたり、長いドリブルから長谷部が攻撃を作ったり、はたまた投入された岡野が疲労困憊の金沢を振り切ってサイドでチャンスを作ったりと、もう後一歩と言うところまで追いつめますが、ここでも集中力という神通力がゴールを破らせない。我慢の続いた120分、27本ものシュートを浴びせさせられながらも我慢し続けて、PK戦まで持ち込んだ。

そしてPK・・・。もういいですね、もうこの時点で何となくFC東京に勝利の女神が付いていたのかなぁと。精神力や色々な部分も影響したのかなぁとも思いますが、ただやっぱりここまで来たらしょうがないかなぁと。最後に加地が来たとき、批判などがあったにしても修羅場をくぐり続けてきた精神的な強さを感じたりして、成長してるんだなぁという感じがしました。結果は4-2。FC東京がクラブ史上初のビッグタイトルを手にしました。

いやぁ、ホントにもう見てて引き込まれました。どちらのチームも非常に勝利への欲求を強く感じたし、もの凄い集中力で派手さはないけどものすごく引き締まった素晴らしいゲームになったと思います。あの素晴らしい雰囲気の中で、あの素晴らしい戦いには正直かなりぐっと来ました。中でもやはり120分間強烈攻撃陣を集中力が何があろうと途切れることなく、がむしゃらにボールを追い続けてFC東京のチーム全体に浸透した勝ちたいという気持ちには感動さえ覚えました。

正直あの状況で後半頭のナオと茂庭のフリーでのシュートが決まらなかったときは、「やばいかも?」って思ったのですが、それ以上に決まらなかった。ただ今日のレッズは攻撃の1stアクションを抑えてしまえばというか、逆を付かれて布陣が整え切れないときにカウンターでやられる事さえなければという自信があったのか、非常にその部分では素晴らしい集中だったと思います。波状攻撃という部分では布陣も整うし、選手達も戻れるから自信があったにしても、口で言うほど簡単ではない。レッズはその一回目で取りたかったけど、ジャーンが退場した後でも茂庭・藤山が互いにカバーしながらも我慢・粘り・インテリジェンスという部分で1vs1での対応はほぼ完璧に押さえ込まれてしまっては苦しかった。数的優位を活かした攻撃というのは数少なく出来ていた部分で本当は決めたかったのだろうけど、そういうときに限って枠に飛ばなかったりと苦しかった・・・・。

ただこの試合での一番の勝因はがむしゃらさだと思います。よく走ったナオと戸田、サイドを絞ってカバー、1vs1はねばり強く対応した金沢・加地、「エメの天敵」となりつつある茂庭、急な出番をインテリジェンスと意地で完璧に代役をこなした藤山、広大なスペースを聡明な判断と驚異的な運動量で沢山の仕事をした今野、そして土肥。人数が減ってもそれ以上に走ってそして我慢するところで我慢した。それがあったからこそなのかなぁと。正直戦術的な部分では数的不利を負って後半間延びしてからビルドアップがあまりに曖昧になった事できついなぁと思ったし、交代策も正直機能したとは言い難い部分もあったけど(体力的な部分を考えての交代にしても戸田とケリーを変えて馬場・梶山と投入して、それもまた押し下げられた事はきつかったし、それならナオを最前線に上げても良かったのでは?今野をサポートする意味でも同じラインで梶山と馬場を入れてカウンターに特化して割り切る必要があったのかなぁと。ビルドアップできない状態だったし)それでも気持ちを切らさず粘りきった事が一番だったのかなぁと。

よく若手で勢いがあってポテンシャルが非常に高く、アウトサイド主体のリズミカルな攻撃と言うチームカラーの裏にこういうものがあるのは、これからの進化にまた希望が開く一歩だったのかも知れませんね。もちろん安定性、決定力など課題も抱えているにしても今度はリーグ制覇を現実のものにするためにこのプレッシャーの中でこのような素晴らしい試合が出来たというのは本当に大きかったのではないでしょうか。

逆にレッズですが、正直まあ勝てた試合でした。決まってればと言うものではなく、もっと冷静にチームとしての攻撃が出来ていれば、相手を後手に回らせる事は可能だったかなぁと。ただそんなチームじゃないし、あくまで売りの局面打開が出来ていないわけではなかったので、やっぱり今日は運が悪かったのかなぁと。ただ出来ないチームでもないし相手の裏を取るような動きやスペースを作る動き、そしてフリーマンを作るためのオーバーラップなど、少し足りなかったかなぁと。単調になってしまったと言う意味では要因として一つあったのかも知れません。スペースはなかったけど、前半長谷部からアレックスへ通した様な逆を付くような展開がほしかったかなぁと。何となくこの試合を見てて、EURO2000の準決勝のイタリアーオランダみたいだなぁと思いました(ゲーム中の2回のPKまでついてくる訳ではないですが)この試合に一番ほしかったものは上回る気迫であり、プレッシャーに打ちかつ強い精神力だったのかも知れませんね(決定機のことね、PKはしょうがない)ただここで下を向くのか、前を向くのかまたチームとして問われますね。まあほぼ手中にしていると言っていいセカンド制覇があるのですから。

とにかくFC東京初タイトルおめでとうです!てゆうかナオと文丈さんおめでとう(笑)本当にいいゲームを見せてもらいました。かなりぐっと来ました。と言う事でここまでです。

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Comments

うーむ

レッヅには本物の
トップ下が

トーキョーには
本物のセンタホワド

が欲しいなあとおもいました

印象に残ったのは
梶山ですな
伸び城含めれば
海外クラス
中田をこえる
ポテンシャルがアル
衝撃を受けた

長谷部は出だしは
とんでもないなと
おもったのですが
ぐっと存在感が
エスカレーションしてくる感じが
あれば
トップクラスに
なれるんでしょうが

エメルソンはトーキョーが
完封した
とくにシゲってことでいいでしょう

埼玉もまだまだ課題
たくさん持ってるって事が
しっかり確認できて
よかったんでしょうな

トーキョーは去年の埼玉
なのかも

うーん原さんも
これで監督としての評価が
あがりますね
今までは
色物っぽいあつかいしか
うけてなかったので

ブフバルト エンゲルス
この関係も
むずかしいですね
エンゲルスも野心
あるだろうしね

この試合は参考資料としての価値
も高いんじゃないかな

かじも評価上げたんじゃないかな
いままで
過小評価されてたのも
あって

帽子がトレードマークの
キーパーがいても
いいのになあ
プロって
目立った門がちの
面もあっていい
シンジョウテキ
キャラガいてもいいのになー

Posted by: 和製フリット | November 03, 2004 at 11:49 PM

レッズには山瀬がいたら変わってたらとは思いますが、FC東京は確かにバランスよく何でも出来るFWしかも得点力ありとなるとハードルは高いでしょうね。突破型でも駄目なわけで。コネでディエゴ・トリスタンでもとってこれたらベターなんでしょうが、無理ですし。でも今のルーカスもいいと思いますよ。悪い選手じゃないし、サイド一辺倒になりがちな所でケリーとのコンビで中も崩せる様になってバリエーションが出たのではないでしょうか。

梶山はチーム状況もあって苦しかったですが、個人のスキルは素晴らしいです。ユースでもいたら変わってたでしょうね。素晴らしいキープ力を高い位置で活かせたらもっと凄くなりそうです。馬場ちゃんと今野とトライアングルで作ってほしいです。ナオも戸田も鈴木規男もいるし純粋に楽しみです。

長谷部はホントに成長していますね。なんだろう?ピルロ?かな。守備に置いては鈴木啓太がよくやっていますから、もう後はフィジカルやスタミナなどでしょうか、守備の部分で。今でも相当完成度が高いです。スキルも意識も非常に高いですし。後は壁にぶつかったときにどうするかですね。まだ若いですし、過剰な期待は。山瀬とは違うトップ下ですね(本職ですし)ただ僕は3列目がいいと思います。長いドリブルで相手を後手に回らせたりと素晴らしいです。

レッズの場合は課題と言うより精神的なバランスでしょうか。後はコンディション。エメルソン・田中達也のコンディションが崩れるとチームの攻撃バランスも崩れるだけに・・・・・。でも他は悪くないかなぁと。決定力は時の運ですし。このチームの課題は攻撃の変化かも。破壊的だけど単調。怖いけど慣れたら結構我慢できる。それこそスペースメイクや計算されたコンビネーションなどもこれから必要仮名?守備はラインコントロールですかね。取れていたけどバラバラ。

監督に関してはどうなんですかね、ちょっとわかりかねます。

加地に関してはホントに良かったです。一個大きいミスがありましたが素晴らしかったです。成長しているのは明らかですし、後は右アウトサイドのポジションでこの出来を出来るかどうかですね。2人では素晴らしいのは前からですし、一人になった時にどうできるか。100mをカバーするにはがむしゃらだけでは難しいですから。

帽子は邪魔なんじゃないですか?飛び出しやバックパスの処理でフィールドでヘディングする必要もありますし。あんまりかっこよくないですし。

と言う事ですいません、ひっくり返すようで。またよろしくお願いします。

Posted by: いた | November 04, 2004 at 12:11 AM

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